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【清涼院流水】JDCトリビュート

1 :創る名無しに見る名無し:2009/12/07(月) 22:33:42 ID:9lAqD1Dh
清涼院流水氏の作り出した「JDC(Japan Detectives Club 日本探偵倶楽部)」にオリジナル・他作品を問わず
様々な探偵を登場させたり、新犯罪を解決させたりするスレです。探偵投下は設定だけでもよし、SSでキャラ
付けをさせるもよし、他作品からの出張の場合キャラ変更もよし、舞城王太郎氏ばりの変化もよし
本家の探偵は勿論、投下された探偵も物語に組み込むことが出来ます。新犯罪を投下して自ら解決させるもよし、
誰かに解決を委ねるもよし、誰かの新犯罪を解くもよし、複雑にするもよし
本家の展開があのレベルなのでなんでもうぇるかむ

2 :創る名無しに見る名無し:2009/12/07(月) 22:38:03 ID:9lAqD1Dh
 JDCに入れたはいいが、思うように成果が挙げれぬまま半年が過ぎた。このままでは地方支部への転勤……第八班への降格、
つまり事実上のクビが待ち構えているのは明らかだった。それに加え、当時から奇行の目立った姉が、更に激化した。自らの名を
カタカナに変え、メイド服のようなものを身に纏い、ネコの尻尾のようなアクセサリまで身につける始末。隣にはピンクのドレス
にピンクの帽子、ピンク縞のソックスにカボチャのベルトという物語の中にだけその存在を許されるような格好をした、ネジの外
れた姉の仲間。二人で夜な夜な顔を器用に歪ませては奇声を発し、ひたすらにジュースやお菓子を食い散らかす。
「やるわねぇ、ベルン!!」
「そのハイテンション、いつまで続くか楽しみよ、ラムダ」
 魔女だ家具だゲームだチェスだ。一体姉はいつまで脳内お花畑で戯れるつもりなのだろうか。未だ担当の事件
の手がかりすら掴めない等、様々な要因が彼女に重くのしかかり、気付くと彼女も奇行に走っていた。一見する
とトレンチコートを羽織い夜道を歩いているだけなのだが、その下は全裸。下着すら履いていない、変態の所業。
そのまま全てを投げ出すつもりで彼女はあてもなくふらついていた。
 しかし、しばらく歩いていると次第に冷静さを取り戻す。一体自分は何をしているのだろうか。一時の感情の
ようなものに流され、こんな痴態を晒すような行為を何故しているのだろうか。そもそも今は十月も終わりの季
節。時折吹く風もあり、トレンチコートだけで凌げる寒さではないのだ。
「……帰ろう」
 自然に口からそんな言葉がこぼれる。そしてそれとほぼ同時に、彼女は前方に通行人がいることに気づいた。
(……!)
 大学生だろうか。男三人に女二人。五人全員が泥酔とは言わぬものもそれなりに酒が入っているようであり、
大声で喋りながらも若干足がふらついていた。
(お願い……)
 一見すれば普通の格好だけに、ましてや酒が入っている人間がこちらの秘密に気付くはずも無い。頭では
分かっていても、彼女は動悸が高まるのを抑えられなかった。お互いの距離が10m……、8m……、4m……、その時!
「……あっ」
 突風が、彼女を襲った。一瞬(彼女にとっては永遠にも思えた)、コートの裾が捲くり上がり、その裸体が
闇夜に曝け出される。風が収まると同時に、彼女は全力で駆け出していた。大学生たちはこちらに気付いては
いなかったらしく、「何だ?」という表情を向けるも、すぐに会話に戻っていった。
 走りながら、彼女は先ほどの事を思い出す。もしも風が吹くのがあと少し遅かったら? もしも五人の内一人でも
こちらを見ていたら? 想像するだけで耳まで赤くなる。しかし、それと同時に彼女の脳内にある閃きが走った。
事件の、謎。手がかり一つすら手に入れられなかった、事件の、謎。
「……そういう……ことだったの」
 彼女は全ての謎を、解き明かした。それは同時に、変態推理の誕生の瞬間でもあった。

登場作品:うみねこのなく頃に 散
本名:古戸 ヱリカ(フルド エリカ)
Dネーム:古戸 ヱリカ(フルド エリカ)
推理方法:変態推理
奇抜な格好で奇怪な行動をし、己を辱めることで集中力を高め真相に辿り着く

3 :1/2:2009/12/09(水) 02:21:20 ID:NPTQc5eT
「ご飯食べたい」
「いや、ここは麺類で行くべきだ」
「だったら蕎麦しかないな」
「うどんに決まってるだろ?」
「ご飯食べたい」
「サンドイッチもいいかもしれん」
「そもそも今日はパン屋は休みだ」
「何故誰もラーメンを挙げない?」
「ご飯食べたい」
「誰だよさっきから米米言ってるの」
「『本日の定食は終了しました』が見えねぇのかよ」
「見えねぇんだろ」
「やっぱ蕎麦だな」
「ご飯食べたい」
「いや、だから……」

   ◆ ◆ ◆

「……蕎麦にするか」
 長考の末に、俺は昼食を蕎麦にすることを決断した。勿論、先ほどの寸劇のようなものは口に出していたものではない。
全ては俺の『脳内』での出来事だ。小銭を握り締め、食券機へと向かう。カレー蕎麦の食券を取り、いつものように食券を
置く。あっという間に出来上がったカレー蕎麦を受け取り、セルフサービスのネギと七味をたっぷりとかける。想像以上に器
が熱かったので、一旦席にカレー蕎麦を置いてから同じくセルフサービスの水を取りに行く。順番を逆にするべきだったか。
そんな若干の後悔を一秒で抱き一秒で捨て去ると、俺は席についた。
「すいません、カレー蕎麦、カレー抜きで。あ、ついでに麺も抜いちゃってください」
「……」
 何か今、酷いものを見た気がする。確かあれは最近第六班に昇格した……古戸うんちゃらか。奇行が目立つと噂で
は聞いていたがまさかあれ程とは。と言うよりもあいつは一体何がしたかったのだろうか。
「そうだな……」
 蕎麦をすすりながらの暇潰しに、推理もいいかもしれん。そう思い俺は早速『脳内』で展開を始めた。

4 :2/2:2009/12/09(水) 02:23:08 ID:NPTQc5eT

   ◆ ◆ ◆

「なんでカレー蕎麦なのにカレー抜いてるんだ?」
「麺まで抜いてるしね」
「っていうかあの子の丼の中身って何があるの?」
「汁と七味だけだろ」
「ネギ忘れんなよ」
「あれが噂の変態推理って奴か」
「どうやって推理すんだよ」
「方向性がおかしいだろ」
「っていうか何でカレー蕎麦なんだろ」

   ◆ ◆ ◆

(さっぱり分からん……)
 蕎麦を食べ終わり、残った汁を啜りながら至った結論がそれだった。そもそも理解できる行動は変態のする行動ではな
い。理解できないから変態なのだ。理解できないと言えば、俺のこの推理法……もとい、思考法も中々人に理解されるこ
とが少ない。もっとも、理解されようとも思ってはいないが。
 「否無解擬」。それが俺の思考法だ。ただひたすらに脳内で会議のように様々な意見を出し合う。しかし、出しているの
は俺ではない。言うならば『無意識の俺』だ。自分が得た、何気ない情報。自分が感じた、何気ない違和感。そういった通
常は気付かない(気付けない)ような情報をも加え、結論を導き出すのだ。問題点と言えば、ある程度集中しなければなら
ないのと、ある程度集中してはいけないこと。集中しすぎると、『無意識の俺』は思考の箱に閉じ込められちまう。しかしか
といって意識が無ければ話にならない。ちょうど今のような食事時、時間が経つのが忘れるような状況が最適と言える。そ
れにしても最初にこの思考法の名前をつけてもらったときは驚いたぜ。何せ読みが分からんのだからな。言葉遊び好きの
先輩探偵曰く、「疑いを解き明かす際に否定(NO)は必要無い」だとか。未だに意味が分からん。脳内を無理矢理当て字
にしたかっただけじゃないのか? そういう意味じゃ俺も変態の仲間かもしれん。
「さて……どうするかな」
 汁を全て飲み干し、丼を流しに戻すと、俺は食堂を後にした。さて、これからどうするか。再び会議を開くのもいいかもしれ
ない。そんなことを思いつつ、俺は街へと歩き出した。

登場作品:オリジナル
本名:張本 将(ハリモト ショウ)
Dネーム:意我野 相貫(イガノ アイヌキ)
推理方法:否無解擬(ノウナイカイギ)
半端な集中時に脳内で無意識の思考も含む様々な意見を推理に絡め、真相に辿り着く

5 :1/2:2009/12/10(木) 01:03:10 ID:kg6QY3tJ
 東京に出てから一年間。伊藤開示は働きもせず、かといって勉学に取り組むわけでもなく、ただただ毎日を無為に消費
していた。そんな日々を過ごす中、ふと耳にした噂。なんでも未解決の難事件の推理を持込めば入社を許可、それも通常
の試験合格者よりも良い待遇で迎え入れる組織があるというのだ。考えも無しに、当時騒がれていた『連続手足逆接続
殺害事件』の推理を持ち込んだが、当然の如く不採用。の、はずだった。しかし、その持込推理が偶然にも組織トップであ
る鴉城蒼司の手に渡り、更に偶然にも才能を見出されたのだ。
「お前には、きっと才能がある」
 そう言い放ち、彼は開示を第七班に就任させた。しかし、開示が第七班に就任してからしたことと言えば、Dネームを本
名をカタカナにした『カイジ』と命名しただけだった……。

   ◆ ◆ ◆

「そもそもさ、俺に探偵の才能なんかねぇんスよ相貫先輩」
「知るかよ」
 カイジの呟きに本当に無関心という様子で相貫は手元のコーラを喉へ注ぎ込んだ。カイジは先輩探偵である意我野相貫
という人物と意気投合しており、二人とも予定が合う場合はよくこのように部屋に遊びに来ていた。ちなみに意我野相貫と
いうのは彼の本名ではなく、探偵職務時に使う偽名、Dネームである。
「まぁそれよりもカイジよ。先日お前が置いてったこのトランプなんだが……」
 相貫は炭酸が抜けかけたコーラの缶を片手に持ちつつ、トランプの束をテーブルに置く。
「ただ返すのもつまらん。どうだ、一勝負しねぇか?」
「勝負っスか?」
 カイジの目がキランと光る。この男は、本来はギャンブラーとして生きていたのではないかと時折思う程、ギャンブルが大
好きな性格であった。
「勝負は簡単だ。まずこの束をシャッフルし、お互い一枚ずつ配る。そして配り終えたら各自配られたカードを見てペアとなる
カードを捨てる。先に全ての手札を捨てきった方が勝ちだ」
「へへ、ババ抜きっすか? 今更そんなルール説明してくれなくても結構ですよ。それにしても相貫先輩がババ抜きとは、洒
落が効いていますね」
「よし、始めるぞ」
 カイジの冗談を完全に無視する形で相貫はカードをシャッフルした。カイジにもシャッフルを要求し、その後互いに一枚ずつ
配る。配り終え、互いにまずペアを捨てあう。若干の静寂が部屋に訪れ、互いの手札の枚数が確定した。カイジ、四枚。相
貫、三枚。
「さてカイジ。折角の勝負だ、何か賭けをしないか?」
「え……いや、今それを言いますか?」
 不満の篭った声でカイジが答える。それも当然で、現在の手札の枚数は相貫が有利なのだ。
「まぁそう言うな。俺が勝ったらそうだな……昼食でも奢ってくれ。代わりにお前が勝てば今夜一晩俺の奢りで飲みに行こう」
「お、マジっスか! いいですね、やりましょう! ……と、その前にちょっといいスか?」

6 :2/2:2009/12/10(木) 01:04:17 ID:kg6QY3tJ
 そう言うとカイジは捨て札の背中と手札の一枚の背中を見比べる。カードの背中にマークを付け識別する、ガンカードの警
戒だ。ある程度見た結果、特に刻印のようなものは見当たらなかったのでカイジは勝負の開始を促した。
 まず相貫のターン。カイジから見て右端のカードを取る。ハートのA、当然ペアが揃い、互いの手札が一枚減る。
 カイジのターン。相貫から見て右のカードを取る。と言ってもどちらを選んでも実質的に問題は無い。何せジョーカーはカイジ
の手札にあるのだ。カイジが引いたのはスペードのJ。当然ペアが揃い互いの手札が一枚減る。カイジの手元に残ったのは、
ダイヤの8と、こちらに笑みを浮かべる道化師、ジョーカー。
「じゃ、行くぜ。リーチの俺だが、さぁて勝負はどうなるか……」
 相貫がカイジから見て左側のカードに手を伸ばす。その先には道化師、ジョーカー! カイジは内心ほくそ笑み、表情に出
さないように押さえつけた。相貫の手が、ジョーカーに伸び、触れる! 相貫はジョーカーを引いた!
「へへ、残念でしたね。今度は俺がリーチですよ」
 そう言いながら、手を伸ばすカイジ。しかし、そこにはあるべき相貫の手札が無い。
「え……えぇ!?」
「悪いな、アガリだ」
 そこにあるのはジョーカーのペア! 相貫の残りの手札のカードはジョーカーだったのだ!
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! なんでジョーカーが二枚あるんですか!」
「おいおい、誰がババ抜きなんて言った? 俺は一言も言ってないぞそんなこと」
「そ、そんな……」
 カイジは思い返す。確かに相貫は一言もジョーカーが一枚しかないなど、ましてやババ抜きなどとは説明していない。説明
したのはルールだけ、ペアを作り手札を捨てきった方が勝ち、ということだけだった。これはジジ抜きだったのだ!
「あ……てことはまさか!」
 何かに気付き、残ったダイヤの8の背中と捨てられたカードの背中を見る。すると、ダイヤの8の右隅に僅かにドットが打ち
込まれていた。
「気付いたか。そうさ、印を付けていたのはジョーカーじゃない。ダイヤの8だったんだ。それをお前は勝手にババ抜きと思い
込み、ジョーカー以外のカードの確認を怠った。ま、負けるべくして負けたって感じだな」
「ぐっ……」
 己の浅はかさに怒りを感じ、拳を握り締める。
「ま、ともかく負けは負けだ。昼飯でも食いに行こうぜ」
「……分かりました」
 二人は立ち上がり部屋を後にすると、そのまま昼食を求め繁華街へと歩き出した。
(……しかし、まさかすぐに印に気付くとはな)
 相貫は素直にそう思った。あの突然ジョーカーが二枚出た状況ならば普段のカイジからすれば、こちらから言い出さない限
り気付くことはないと思っていたからだ。そして、これは相貫は勿論カイジ本人も自覚していないことだが、鴉城蒼司の言った
才能が開花した瞬間、『賭博推理』が初めて解いた謎でもあった。

登場作品:賭博黙示録カイジ
本名:伊藤 開示(イトウ カイジ)
Dネーム:カイジ(カイジ)
推理方法:賭博推理(トバクスイリ)
ギャンブルにより集中力と直感を研ぎ澄まさせ真相に辿り着く


7 :1/2:2009/12/11(金) 19:12:52 ID:J35+XZx4
 闇夜を照らす唯一の明かり、満月。
 その光を浴びた竜は、右の紅き眼を光らせた。
 無論、それは本物の竜などではなく石造の竜だ。
 右は紅、左は漆黒。
 月の光を浴びるように口を上へと向け、その翼を広げている。
 よく見ればそこには竜だけではなく、様々な石造があった。
 下半身が馬の騎士、毛髪が蛇の女、双頭の猛獣……。
 秩序も規則も統一性も無く置かれているそれらの石造。
 唯一の共通点は、それらが皆架空……『ファンタジー』の住人という事だ。

   ◆ ◆ ◆
 
 その館は森の奥深くに、その身を隠すかのようにあった。昼でも木々に光を閉ざされ薄暗いこともあり、その館は何か一
種の禍々しさを醸し出していた。ましてやその館の庭には、気味の悪い石造がいくつも並んでいる。そんな光景に寒気を感
じながら、カイジは館の門を叩いた。
「おい、いるんだろ爺さん!」
 声と共に扉を叩く。一回、二回、三回……。そこでようやく扉は開かれた。
「聞こえとるわ、騒々しい」
 扉を開けたのは、顎から白い髭を生やした老人だった。彼こそがこの館、『架空館』の主でもあり、JDC第四班の探偵でも
ある宝蘭迅三郎である。
「ほらよ、頼まれた奴だ」
 カイジは右手に持っていた袋を差し出す。
「おう、悪いの。いや、悪くなどありゃせんか。賭けに負けたお前が悪いんじゃからの」
「うるせぇ! 渡すもんは渡したんだ、じゃあ俺は帰るぜ!」
 最後にそう言い放つと、カイジはくるりと背を向けそのまま帰っていった。彼が渡した袋の中身は、2Lペットボトルのファン
タ。迅三郎は、Dネームにファンタを入れる程ファンタを愛していた。自ら水よりもファンタの方が飲む量が多いという程の愛
好家である。もっとも、彼が真に愛好するものはファンタではない。

8 :2/2:2009/12/11(金) 19:14:51 ID:J35+XZx4
 彼が真に愛好するもの、それは『ファンタジー』の世界。
 剣を振るい、魔法を詠唱する世界。
 竜人やエルフ、妖精など人以外にも独自の文明を形成する世界。
 彼は数年前その世界に魅入られ、気付けばこのような森の奥に館まで建てるに至っていた。
 そして、彼が探偵に目覚めJDC入りしたのもその時期だった。ある夜彼は夢を見た。自らがファンタジー世界の住人とな
り、物語を堪能する夢である。歳故に主人公と言うわけにはいかなかったが、影ながら勇者を助ける賢者のようなポジショ
ンに彼は付いていた。そして、その世界で彼は勇者にある事を告げた。しかし、それはその夢とはなんら関連性の無いもの
であった。そして、それを告げた瞬間彼は現実へと引き戻された。
 最後の最後で興を逸した。彼は最初その程度の認識だった。しかし、その日朝のニュースを見て彼は愕然とする。そのニ
ュースでは、とある凶悪犯罪を報道していたのだが、その真相を何故か彼は知っていたのだ。いや、より正確に言うならば、
夢の中で彼が口にしたことこそ、その凶悪犯罪の真相だったのだ。彼は当然最初は夢の見すぎだ、と自ら言い聞かせた。
しかし、どれほど時間が経とうとも夢の中での真相を忘れることが出来なかった。遂に彼はJDCに持ち込み推理としてその
内容を持ち込んだ結果、彼はJDC第四班に抜擢されたのだ。
 あまりにも現実離れした解決に、一番戸惑ったのは迅三郎自身だった。彼はその時、JDCの探偵に尋ねた。何故このよ
うな冗談じみた事を信用するのか、と。その問いに、黒衣の探偵はこう答えた。
「宝蘭氏、それは違う。この世界には可能性に満ち溢れているのさ。人間だって脳の数割程度しか使用していないと言われ
ているくらいだ。宝蘭氏が真相に辿り着いた夢だって、もしかすると人間の可能性かもしれない」
 その言葉に、迅三郎は衝撃を受けた。夢の中で現実の問題を解決するなど、正にファンタジーの世界ではないか! 彼が
求めてやまなかった憧れの世界は、彼自身の住む世界にも存在したのだ!
 それから彼は、ファンタジーの二次元と現実の三次元の狭間、夢の世界『夢次元』で真相に至る己の推理法を『夢元推理』
と名づけ、Dネームも己が愛するファンタとファンタジーをかけた『ファンタ・爺』と命名した。
 現実で凶悪犯罪が起こると、彼は少しでもファンタジーの世界に入り込む為に、この架空館にて生活を送る。夢元推理は
効力が己の精神状態にも左右されることを知ってから、彼はこの架空館を建造した。現実離れした空間で、ファンタを飲みつ
つ夢の世界の推理を期待する老人。そんな己の姿に苦笑しつつ、彼は今宵もファンタジーの世界へと飛び立って行く。
「さて……今宵はどんな夢かのう」

登場作品:オリジナル
本名:宝蘭 迅三郎(ホウラン ジンサブロウ)
Dネーム:ファンタ・爺(ファンタ ジイ)
推理方法:夢元推理(ムゲンスイリ)
精神を集中させ、夢の中でファンタジーの世界で真相に辿り着く

9 :G1:2009/12/18(金) 10:56:39 ID:60H98tSp
どうしようもない窮地に追い込まれると、ヒトは誰しも悲鳴をあげる。意味をもたず、言葉でもない産声にまみれた世界。紛れもなく、ボクはそこにいる。

かつて神話時代の旧世紀、ある神が「言葉が迷って謎を生む」とのたまったという。その時代にはたしかにコトバがあったし、ナゾもあった。でもそれは、遠い昔の御伽華詩。

熱狂的な祭りを迎えたのち、いずれ言葉は死んだ。だから謎も生まれることはなくなった。

それなのに、世界は常に窮地にたたされ、叫び続けた。世界はいつだってバラバラで、それぞれ好き勝手に痛い痛いと喚いている。

謎なんてないのに、窮地にたたされてしまう世界は、毎日が「暗黒に満ち足りたクライマックスの連続」として描かれるNEWSのようにしか記述できない。

ふざけたミステリのような、形式的なパターンのような、記号のような時代。ヒトは、そんな時代を生きて死ぬ。


これが、祝祭後、全人類が大いなるトラウマを抱え異能力化した「人類総JDC化世界」の現状だ。

そのなかでの、ボクの力なんて、超越的な視座をもつこともない、本当にささやかなものだ。

端的にいえば、ボクの異能は「うそぶくこと」だ。
嘘をついたり、でたらめに動くことで、結果的にその嘘の一部を現実のものとして引き寄せることができる力。この力の発生確率は、僕自身が窮地に陥ればおちいるほど高まることが確認されている。科学的には、体温、心拍数、脳波の変動に起因しているらしい。

結果論的にみると、これは異能とはいいがたい。ただの偶然を、事後的に編集することで自分という存在を物語化しているだけなのかもしれない。

異能そのものが嘘っぱちだというこの説をこそ、ボクは肯定したい。
ボクは自身が異能ではないと信じたい。
ボクは漫画や小説のキャラじゃない。ただの、没個性的な、一個人でありたいのだ。

それを確かめるために、ボクはこの世界との闘争を決意した。
ボクは、この素朴な力でもって、謎なき世界と対峙し、「暗黒に満ち足りたクライマックスの連続」を退治することにした。

この闘いの先に、ボクあるいは全人類にとっての、獣人でも神人でもない「人間」としての、本当のバースディが到来があることを祈っている。


ボクは異能で謎を造る。
バラバラな世界を縫う。
叫びに意図を吹き込む。
印象操作の絡繰技師だ。
吹聴する偽史創作者だ。
痛覚を懐胎する儀式だ。
使命遂行の氏名を命名。
苦し紛れの世界を延命。

繰縞儀礼(クルシマギレイ)。
意味のない文字列のなか。紛れもなく、ボクはそこにいる。


10 :創る名無しに見る名無し:2009/12/19(土) 07:27:37 ID:R+npDGbO
まさかこんなスレに人がくるとは……
しかも神の言葉やカーニバルを知っている辺り、紛れも無い神人のようですね
文体的に西尾さんの作品も好きとか?

11 :廃兵院零余子:2009/12/25(金) 07:38:39 ID:8Y2yJCZE
この事件は本来なら推理小説になどなり得ない筈だった。

「・・・RuRuRuRuRuRuRuRuRu・・・・・」

ただ周囲で事故が起こり過ぎただけで、

料所「おい!!携帯の電源は切っとけって言っただろ!!」
空「あっ、ハイ、今すぐ・・・」

被害者は一人だけの現実的な殺人事件だった。

「・・・RuRuRuRuRuRuRuRuRu・・RuRu・・・」
空「・・・警部も切ってないじゃないですか。」
料所「おかしいな。さっき切ったと思ったんだが・・・」

しかし極めてマイナーな作品を愛読しているわたしはこんなことを考えてしまった。

「・・・・RuRuRuruRuRuRuRuRuRuRuRuRuRuRuRuRu・・・・」
那須木「おや?僕の電話も・・・」
料所「うん?何だ?電源が切れんぞ?」
空「アレ?警部、これって非通知ってやつじゃないですか?」

推理『小説』にはなり得なくてもひょっとして『大説』にならなり得るのでは、と。

「・・・RuRuRuRuRu・・・・RuRuRuRurururLululu・・」
「RUrURURURURURU・・RuruRuRururuRuRuRururuRuRuRuRu・・・・」
「・・LuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLuLu」
「・・ルル・・・・ルルルルルルルルルrr・・・」
「・LiLiliLiLiLiLiLiLiLiLiLiLiLiLiLiliLilIliLiLili・・・」
「RuRuRuRuRuRuRu・・・・RuRuRuRuRuRuRuRuRuRuRuRuRu」
料所「何だ?何なんだ!?何が起こってる!!?」
梶「ずっとマナーモードだったのに・・・」
天城「どういうことだ?こんな着信音設定してねーぞ!?」
竹脇「なんでみんな一斉に掛かって来たんだろう?」
水流「エッ、これって何?怪奇現象?」
高部「へぇ、なんか面白そう・・・・」
氷柱木「旅館の電話まで・・・」
平井「五月蝿い!!誰だ、こんな悪戯をっ・・・」

伊館「・・・はい、伊館です。」

???「こんばんわ。真相をお届けに参りました。」

その空想を肯定するかのようにソイツは現れた・・・。

???「ワタシの名前は筆露 爛縷。May探偵です。」

単純な事件の複雑な解決が始まる・・・・。




登場作品:オリジナル
本名:UNKNOWN
Dネーム:筆露 爛縷(ヒツロ ボロ)
職業:探偵、かもしれない
推理方法:雪崩推理(アヴァランチ・ロジック)
一つの言葉からあまりにも多くの真実を引き出し続ける


12 :1/1:2009/12/25(金) 17:40:37 ID:H1qXoG/2
『遂に目覚めた眠れる獅子!』
 紅井騒馬がデビューした時の煽り文句がそれだった。時が経つのは早いもので、気が付けば彼も過去の人になりつつ
あった。いや、既に彼は過去の人であった。無論デビューした当初は、創作意欲に掻き立てられ次から次へ作品を世へ
放っていた。しかし、全ての作品に望む評価が与えられる訳でもない。自信を持って生み出した作品が辛辣な批判が与え
られることもあれば、少々出来に不満が残りつつも締め切りの関係で発表せざるを得なかった作品に惜しみない賞賛が与
えられることもあった。そんな事が続く内、彼は『自分の作品』というものを見失い、自然と筆は止まり、忘れられた存在に
なっていったのだ。
 そんな彼が、探偵に目覚めたのはある凶悪犯罪に巻き込まれた時だった。自らを『編集蝶』と名乗ったその犯人は、様
々な推理作家の代表作における犯行を模倣する形で殺人を続けた。そして更に、その自らの凶行を他でもない彼、紅井に
物語として記録するように指示を出したのだ。当初はそれを拒んだ彼だったが、当時担当者でありスランプに悩み続ける彼
を支え続けた女性、倉川翔子が襲われるという事態が発生した。そして、半ば脅迫される形で彼はその事件を記録し続け
ることとなったのだが、その行為が彼の真の資質を解放させた。
 彼は事件を物語として記録していく内に、『もしもこれが自分の作品である場合、どのような展開にするか?』と考え始め
た。最初はふとした思い付きだったのだが、その思い付きが実際の事件として発生した。ただの偶然と切り捨てたが、そ
の次の事件も同様だった。彼はJDCの探偵に相談したところ、それは偶然ではなく彼自身の推理によるものだと語った。
その推理方法は『執筆鎖凝』と名付けられた。彼は『執筆鎖凝』を続け、遂に『編集蝶』の正体へと辿り着いた。しかし、そ
れも虚しく彼が恋心も抱いていた倉川翔子は『編集蝶』の最後の被害者となってしまった。
 この一件の功績が認められ、彼はJDC第四班への編入が認められた。そんな彼が執筆した、先の『編集蝶』の事件を
綴った事実に限りなく近い物語、『バタフライ』も発刊が認められた。そして彼は、今日も作家としての仕事をこなしつつ、
凶悪犯罪と戦い続けるのであった。

登場作品:オリジナル
本名:蒼井 静馬(アオイ シズマ)
Dネーム:紅井 騒馬(アカイ ソウマ)
推理方法:執筆鎖凝(シッピツサギョウ)
事件を物語として綴ることで、バラバラな手掛かりを鎖のように繋ぎ止め、真相へと辿り着く

13 :創る名無しに見る名無し:2010/02/21(日) 14:29:50 ID:CMQYWol1
上げ

14 :創る名無しに見る名無し:2010/03/31(水) 11:24:13 ID:nj0nbgGE
JDC!JDC!

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