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ジョジョの奇妙なバトルロワイアル2nd第八部

1 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 01:33:50 ID:AGL/vKnU
このスレはジョジョの奇妙な冒険のキャラクターを使ったバトロワをしようという企画です。
二次創作、版権キャラの死亡、グロ描写が苦手な方はジョセフの様に逃げていってください
ちなみにこの企画は誰でも書き手として参加することができます。
僕たちジョジョロワ住民は……作品が投下されるとくるい、もだえるのだ 喜びでな!
初心者の方も大歓迎です。書く技術は承太郎のようにやっていればそのうち覚えることができます
が、マンハッタン・トランスファー程までとはいいませんが、億泰よりは空気を読むことを推奨します



まとめサイト
http://www10.atwiki.jp/jojobr2/

したらば
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/11394/

前スレ
ジョジョの奇妙なバトルロワイアル2nd第七部
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1250743192/

2 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 01:34:33 ID:AGL/vKnU
【第一部:ファントムブラッド】6/11
○ジョナサン・ジョースター/○ディオ・ブランドー/○ロバート・E・O・スピードワゴン/●ウィル・A・ツェペリ/
●エリナ・ペンドルトン/○ジョージ・ジョースター1世/●ダイアー/●黒騎士ブラフォード/○タルカス/●ワンチェン/
●ジャック・ザ・リパー


【第二部:戦闘潮流】2/10
○シーザー・アントニオ・ツェペリ/●リサリサ(エリザベス・ジョースター)/●ルドル・フォン・シュトロハイム/
●スージーQ/●ドノヴァン/●ストレイツォ/●サンタナ/●ワムウ/○エシディシ/●カーズ


【第三部:スターダストクルセイダース】7/15
●ジョセフ・ジョースター/●モハメド・アヴドゥル/○花京院典明/○J・P・ポルナレフ/●イギー/
○ホル・ホース/○ラバーソール/○J・ガイル/●エンヤ婆/●ンドゥール/
○オインゴ/●マライア/○アレッシー/●ダニエル・J・ダービー/●ヴァニラ・アイス


【第四部:ダイヤモンドは砕けない】8/12
●東方仗助/●空条承太郎/○虹村億泰/●広瀬康一/○岸辺露伴/○山岸由花子/●矢安宮重清(重ちー)/
○トニオ・トラサルディー/○川尻早人/○片桐安十郎(アンジェロ)/○音石明/○吉良吉影


【第五部:黄金の旋風】9/15
○ジョルノ・ジョバァーナ/○ブローノ・ブチャラティ/○グイード・ミスタ/●レオーネ・アバッキオ/
○パンナコッタ・フーゴ/●トリッシュ・ウナ/●サーレー/○ホルマジオ/○ペッシ/●プロシュート/
●ギアッチョ/○リゾット・ネエロ/○ティッツァーノ/●チョコラータ/○ディアボロ


【第六部:ストーンオーシャン】 8/15
○空条徐倫/●エルメェス・コステロ/○F・F/●ウェザー・リポート/○ナルシソ・アナスイ/
●エンポリオ・アルニーニョ/●ロメオ/○グェス/●サンダー・マックイイーン/●ラング・ラングラー/●ケンゾー/
○ヴィヴィアーノ・ウエストウッド/○ミュッチャー・ミューラー/○ドナテロ・ヴェルサス/○エンリコ・プッチ


【第七部:スティール・ボール・ラン】 4/10
○サンドマン/○マウンテン・ティム/○リンゴォ・ロードアゲイン/●マイク・O/●オエコモバ/
●スカーレット・ヴァレンタイン/●ブラックモア/○フェルディナンド/●ミセス・ロビンスン/
●ベンジャミン・ブンブーン


【43/88人】

【支給品・生物】
○サヴェジ・ガーデン鳩/●ココ・ジャンボ亀/○ヨーロッパ・エクスプレス馬/●ダニー犬/●ヴァルキリー馬
【スタンド生物】
○モハメドアヴドゥ竜/○ロビンスン翼竜A/○ロビンスン翼竜B/
【支給品・人間】
●空条承太郎のワイフゾンビ/○吉良吉廣/
【スタンド】
●ヨーヨーマッ/●アヌビス神/●ブラック・サバス(本体のポルポは生存?)

3 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 02:01:10 ID:MQ4ugETo
>>1
もう半分切ったのかー

4 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 02:01:51 ID:MQ4ugETo
>>1 "乙"が抜けてた。ごめんねorz

5 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 02:32:25 ID:otUWAHWU
>>1
前スレ>>427
「星の白金」が「星の白銀」になってたよ
wiki収録時には修正よろ


6 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 11:30:36 ID:R9vYkoXO
白金と白銀ってどっちがどっちだかわかりにくいよね。

残った連中のスタンスまとめてみた。
【マーダー】
ラバーソール、J・ガイル、山岸由花子、アンジェロ、音石明、吉良吉影、
F・F、アレッシー、リンゴォ・ロードアゲイン、ホル・ホース
【対主催】
スピードワゴン、タルカス、ジョージ・ジョースター1世、シーザー、花京院典明、J・P・ポルナレフ、
虹村億泰、岸部露伴、トニオ・トラサルディー、川尻早人、ジョルノ・ジョバァーナ、ブローノ・ブチャラティ、
グイード・ミスタ、ペッシ、リゾット、ディアボロ、空条徐倫、ナルシソ・アナスイ、マウンテン・ティム
【生き残りたい】
ディオ・ブランドー、エシディシ、オインゴ、ホルマジオ、パンナコッタ・フーゴ、ティッツァーノ、
グェス、ミュッチャー・ミューラー、ドナテロ・ヴェルサス、サンドマン、フェルディナンド
【ゲームとか知らんが天国行こうぜ】
プッチ

危険対主催などの不安要素は多いものの、実はマーダー少ない。
エシディシとディアボロ、暗殺チームの非マーダー化が大きいかな。

7 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 13:06:01 ID:hgbYmoJi
ジョナサンディスってるよ
仮投下中だからコメントしづらいのかもだけど

8 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 16:17:12 ID:Ukwpspb9
>>1
プッチ浮いてるな

9 : ◆33DEIZ1cds :2009/10/22(木) 21:30:56 ID:RlEP5Du9
>>1氏乙です。
◆0ZaALZil.A 氏も熱い大作乙でした。
ジョセフは眠ってしまったが…代わりにボスが目覚めたのだッ。今後に期待。

Jガイル、片桐安十郎(アンジェロ)、ナルシソ・アナスイ、マウンテン・ティム10時ごろから投下開始いたします。

10 : ◆33DEIZ1cds :2009/10/22(木) 22:00:59 ID:RlEP5Du9
たゆたう水面の中、飛び跳ねる泥水の音と、整わない呼吸音が複数。
無限に続くかと思われる闇の中で、微少な音だけが、自分以外の人間の存在を証明している。

そこで彼は、辛うじて同行者の呼び声を掬い取った。
すぐさま応酬するも、漆黒が猛威をふるう、この状況を打開できそうにない。

空気を確保する為、手足を櫂のように動かしながら頭を巡らせ、周囲を見回す。
が、己の周りの状況を何一つとして捉えることができない。

同行者も諦めたのか呼び声は消え、水と固体のぶつかり合う音だけが辺りに反響している。
複数の水音から、当然ヴェルサスとティッツアーノ、及び先ほどの敵性人物たちもこの近くにいるのだろう。
落下の衝撃から落ち着きを取り戻し始めた彼は、警戒心及び緊張感の増幅に伴って己の神経が研ぎ澄まされてゆくのを感じる。

何が原因でこのような状況にもつれ込んだのか、理解の範疇ではないが…。
落下したその瞬間、自分達はそれほど離れた場所にいたわけではなかったのだから、今まで行動を共にしてきたマウンテン・ティムは近くにいるはず…。
そう考えスタンドを発現、辺りを探ろうと試みた。自分自身もスタンドと離れすぎないよう、手でそろりと周囲を探ってみる。

と、そこでさらに別の音___正確には音楽___が、彼の鼓膜をふるわせた。
穴の上から辛うじてこぼれ聞こえるようで、ひどく不明瞭なその音だが、かの有名なベートーヴェンの交響曲であるらしかった。
その苛烈な運命を暗示する旋律の中に、さらにまた別の音が重なる。
その『声』から主催者による第二回放送であるらしいことをようやく悟り、彼は周りを警戒しつつも耳に神経を注ぐ。

何処かではまたバチャバチャと水音が跳ね、穴の中の空気を震わせている。
さらに耳に届く音楽と声は不明瞭で、かなり聞き取りにくい。
どうやら今から死者を読み上げるらしいが、飛ばし飛ばしにしか聞き取ることができない。
彼は拾うことの難しい小さな音にイラつき、同時に己の中にある一抹の懸念が肥大してゆくのを止められずにいた。

もしも、もしも…あの子の名前が挙がっていたなら?
今いるここよりも深く黒い穴の中から、自分を救い出してくれた彼女の名前がもし…呼ばれていたら?

だが人間の予想が当たった試しがあるだろうか?
得てして予想は裏切られるもの。
今回のそれは最悪よりもさらに悪い方向へと帰結した。
なんとか死者の全てを聞き取り、意中の人物の当面の無事が確認されたにも関わらず、彼の唇は安堵に緩みはしなかった。

「…ッは…やべえな、こりゃあ…」

そう呟いたとき、彼は3つの情報を認識した。
まず、ひときわ大きく跳ねた泥水が乱れ反響する、その水音。
次に、忙しなく動かしていた自分の右腕がどろりとした壁をつかむ手触り。
最後に、スタンドの腕に何かしら異物が絡み付く感触。



11 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 22:02:39 ID:Ukwpspb9


12 : ◆33DEIZ1cds :2009/10/22(木) 22:02:47 ID:RlEP5Du9
目の前の影は、一体誰か?

止まらぬ汗、不快な泥水の質感。

マウンテン・ティムは思い切り水を掻き、迫りくる陰から距離を取ろうと動いた。
その瞬間、今まで自分が位置していた場所に水の塊が怒号した。
やはりこの影は敵、と認識し、さらに距離を取ろう足をばたつかせた瞬間。
水中を彷徨っていた左足に鋭い痛みを感じた。

「…ッ」

相手はどうやら大体の位置で声のした方向に攻撃を仕掛けているらしい。
先ほどアナスイの無事を確認する為に、大声を出したのはまずかった。

攻撃のショックで大きく体がぶれ、ひときわ高い水しぶきが上がる。
その音が暗闇に反響していくが、相手の位置すらつかめず、自分の攻撃手段を確立することもできない。

突然の痛みに動きが鈍った時、顔の前、ごく近い位置に圧迫感を感じた。
目の前に何かある。ゆらりとした不定型の物体。
(これは、さっき我々を襲った水の塊のようなスタンド…ッ?!それともまた別のッ?!)

視界の利かない真っ暗な周辺。正体のつかめぬ相手からの一方的な攻撃。
次に何をされるのか、薄々予想が付いてしまう。
先ほど、おそらく同じ敵が試みたように、体内に潜り込まれたら…?
この暗闇では、初撃以降の攻撃をかわす事は出来ない。
今まで噴きでていた汗が、急激に迫りくる恐怖にさっと引くのを感じた。

ままよ、何もしないよりは殴りつけてでも反撃すべきかと空いている拳を握りしめた。
しかしその時、どんな境遇でも手放さなかったロープを持った方の手に、わずかな手応えを感じ取る。
同時にマウンテン・ティムの体は、強い力に引き寄せられ大きく水面を渡り出し…
次には叫ぶような声が穴の中を駆け巡った。

「ティムッ!襲われているのか!?ダイバー・ダウンがあんたのロープをつかんでる!そのまま引きよせるぞ!あんたも無事なら移動しろ!!」

ティムはその頼もしい言葉が耳に入った時、自らのスタンドを発動。
ロープの上を素早く滑走した。
力強く示される引力の様なパワーをひたすら信じ、滑り進むこと数秒。
泥壁に到達した、思ったら、アナスイのスタンドが2人の体内に潜行し、そのまま泥壁と一体化した。


13 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 22:04:03 ID:Ukwpspb9
 

14 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 22:04:27 ID:zA1WzxIC
支援

15 : ◆33DEIZ1cds :2009/10/22(木) 22:05:29 ID:RlEP5Du9
「動くなよ」

ティムはつぶやかれたその声に、危機から救ってくれた感謝の言葉を返そうとしたが、今は舌を噛みそうなので黙っておく。
ダイバーダウンはそのまま、実になめらかな動作で地上を目指して上昇を開始した。
下を警戒してみたが、特に怪しげな動きを感じ取ることはなかった。

そうして穴より這い出でると、2人は再びその4つの瞳に日の光を得た。

「ぐっは…げふっ…」

地面には不透明な泥水が落ちてそのまま積み重なっていく。
彼らは咳込みつつ、口に、耳に、眼に入り込んだ泥土をこすり落とす。
しばらくして2人のうちの一人、長髪の男、ナルシソ・アナスイはドロドロになってしまった身なりを気にもしていないように立ち上がると口を開いた。

「…一応、先に聞くが。ティム。このあとどうするつもりでいる?」

まだ四つん這いの体制で喉にからみつく泥を吐き出していたマウンテン・ティムは、その声色に良からぬものを感じた。
ゆっくりとアナスイを見上げ、袖口で口元をぬぐう。
彼の、文字通り命綱であるロープはその手に握られたまま。
トレードマークのテンガロンハットをつまんで直す。縁に溜まった水がこぼれた。
アナスイを焦らす様にゆっくりと立ち上がると、相手の目をはったと見据え、問いに答える。

「体勢を整える。人のいない家屋を探すつもりだが。」
「…俺は今すぐ徐輪を探すために動く。単独でも、だ。」

二人は至近距離で見つめ合っている。
ティムは相対する男、その眼を見ていると、先ほどの穴の中で体験した真っ暗がりを思い起こした。

「…理由を聞こうか」
「あんたは聞けなかっただろうが、さっきの第2放送…死者の中に空条承太郎とウェザーの名前があった。…二人とも死んだ。」

ティムは軽く目を見張る挙動でこれに答えた。
アナスイはその様子を認め、一端言葉を切る。
ティムはあごに片手をあてると、帽子の陰からアナスイを見やった。

16 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 22:06:03 ID:Ukwpspb9
 

17 : ◆33DEIZ1cds :2009/10/22(木) 22:06:55 ID:RlEP5Du9
「…続けてくれ」
「最初は母親、次には父親と仲間までもが死んだんだ…徐輪は絶対にまいっちまってる。俺がそばに居てやらなくてどうする?これが理由だ」
「あの二人はどうする?さっき襲ってきた敵の始末は?」
「放置していく。どうせ穴の底だ。俺には構ってやってる余裕は無いんでな。あんたがどうするかは、自分で決めればいいことだよ。」

少しの間。
2人の間をさらさらと微風がよぎり、泥水の水分を奪うと、土を肌に張り付けていく。
顔や首に乾燥した土の不快感を感じながら、ティムは辛抱強くアナスイの意見を聞いていた。

「最後の質問だ。もう少し落ち着いて、考えを練るつもりはないのか?」

アナスイはふっと笑った。
何故、彼はこんな表情をする?
マウンテン・ティムは考える。
答えは明白。
自分の積み上げた推量から見れば余りにも明白。

「俺は冷静だぜ。この上無くな。冷静な状態でこれなんだ。いかれてるのさ、要するに。
…今すぐに動く。もう形振りかまっていられないかもしれない。」

おどけたように曲げた両手を空に向け、肩をすくめてみせるアナスイ。
『形振り構っていられないかもしれない』
彼の呪われた心が、その表情にうすら暗い影を投げかけている気がした。

「…いや、おまえは冷静なんかじゃない。自分が狂人だと思い込むことで考えることから逃げて、結論を急いでるだけだ。
いったん引いて、何処かで休むべきだ。そもそも、徐輪を探すあてがどこに?」

アナスイは表情を歪ませ黙りこくった。
説教ならば聞く耳持たぬ…という様子。
むっとした顔を誤魔化そうともせず、つっけんどんに言い返す。

「人の居そうなところへ出向いて、情報を集める。徐倫を見た奴がいるかもしれない。」

マウンテン・ティムは少し地面に視線を落とし、腰に手をあてるとふうと息を吐いた。
アナスイを単独で動かす訳にはいかない。彼の為にも、無害な参加者の為にも。アナスイの想う徐倫の為にも。
ティムは考えに沈みつつ、再びアナスイの視線を真っ向から受け止める。

18 : ◆33DEIZ1cds :2009/10/22(木) 22:07:49 ID:RlEP5Du9
「おい、あんたこそ目つきが穏やかじゃあないぜ。殺してでも俺を止める気か?」

『お前が、他の参加者を皆殺しにしてでも徐倫ってコを救うと言いだしたら俺がお前を止める。生死を問わずだ。』
数刻前に言い放たれた言葉。
今のアナスイは殺しに積極的なわけでは決してない。だが、これからどうなるかなど不確か極まりない霧の中。

「いや…何、殺してでも、ってのは状況によるさ。今はお前が折れてくれれば済む話だし、俺としてはそれをお勧めするがね。」

アナスイは不敵に笑う。自分の行く道が、茫漠たる険阻の道であることくらい彼にも分かっている。

もし、彼が徐倫の死体でも見つけようものなら?
次の放送で彼女の名前が呼ばれようものなら?

アナスイの笑いを認めて、ティムは再度軽くあごを引く。
帽子の縁でできた影の中から、ワントーン低い声で極めて事務的に自分の意思を告げた。

「それでも、どうしてもすぐに行く、と言うならば。俺は自分のできることをするだけだ。俺は言ったな、お前に?」

アナスイはティムが出会った当初から、徐倫という女性に関わる事柄には猪突猛進気味だった。
自らが述懐していた犯罪内容といい、不安定な人間なのだ。
この地に来てから共に苦境を抜けてきた人間でも、保安官として自らの信じる道を捨てる気などない。

「…へえ。なんだよ、それ…やってみろよ。」
「いや、もう『終わって』いる。」
「は?」
刹那、アナスイは腰から地面に崩折れた。




19 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 22:08:19 ID:Ukwpspb9
 

20 : ◆33DEIZ1cds :2009/10/22(木) 22:08:49 ID:RlEP5Du9
「があぁぁあッ!くそッ!逃がした!あ"あ"!クソが!」

アンジェロは無骨な手を水面に叩きつけ、起こった水柱を全身で受け止めながら悪辣な言葉を吐いた。
相手はすでに不潔で暗い穴の中から抜け出し、明るくさわやかな風を全身に受けているのだろう。
いい気になって揚々と民家に入り込み、シャワーを浴びているかもしれない。

「おい!Jガイル!どこに居やがる!!くたばってんじゃあねえだろうな!?」
「うゥるッせえ…反響すんじゃねえか、張り切って叫んでんじゃねえよ…傷に響くだろうが。」

一面の黒の中、意外と近くから低い声が聞こえた。
ドスを含んだ返答に、イラつきを募らせながらもアンジェロは凄んで見せる。
予想だにしない事態にかなり狼狽を覚えたが、アクア・ネックレスの健康状態は良好。
気に入らない奴はねじ伏せることができる。

「てんめえ…いい気んなって意見してんじゃねえぞ…自分が暗い中ではなんもできねえのを忘れてんのかぁぁ?」
「わ・す・れ・て・ねえよ…興奮すんじゃねえ。何かわからんが、まずはここからどうやって出るかだろうが?違うか?あ?」

Jガイルはめんどくさそうな声色に乗せて牽制する。
さらにJガイルはスタンドが役に立たずとも、まだ優位に立てる情報を持っていた。
目先の獲物に気を取られ、こぼれ聞こえた重要事項を逃しているに違いないアンジェロを冷やかすような口調で次の言葉を継ぐ。

「それによォ?第二放送、お前聞いてたのかよ?ここで俺に手出しして、死者と禁止エリアを把握できなくてもいいのか?」
「放送ッ…!?」

アンジェロのたじろいだような声を聞き、仮定は確信に変わった。
それに満足し、Jガイルは話を続ける。
面白がった声色を抑える気配すら見せず、不遜な態度で。

「へッ、その様子じゃあ聞いてなかったみてえだな。上に出たら教えてやるぜぇ〜?相棒サンよォォ〜??」
「…ッ!…フ〜ゥ……まあいい。なんか上へ出る策でもあんのか。ここにはもう俺らしかいないっぽいが…。」

溜まった墳怒をため息で外に押しやると、見えなくてもわかる、相手のニヤ付いた顔を想像しながらも落ち着きを保つ。
そうしてアンジェロは、何か画期的なアイデア立案を期待したのだが。

「ああ〜そうだな…壁までたどり着いてよじ登る、だろ。他に無い。」

言われた台詞に、また頭に血が上った。
それは子供だって考えつく、いわば定番中の定番の脱出方法。

「てめ、そんなん俺にもわかってんだっつー…!!」
「それにな、俺は骨折してんだ。第二放送を知りたきゃ下から押せ。」
「はああァ!?…ッ!…わーったよ、登るぞ。クソッ。」

何もかも気に入らないが、目の前にぶら下げられた「第二放送の内容」という餌を逃がすわけにはいかない。
お互いに小声で悪態をつき続け、服が水分を湛えて肌に張り付いてくる不快な感触に耐える。
そうしてぬるつく泥水を掻き分け掻き分け、2人の男は壁面を目指した。


21 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 22:09:34 ID:Ukwpspb9
 

22 : ◆33DEIZ1cds :2009/10/22(木) 22:10:09 ID:RlEP5Du9
【G-3 穴の底】

【J・ガイル】
[時間軸]:ジョースター一行をホル・ホースと一緒に襲撃する直前
[能力]:『吊られた男』
[状態]:左耳欠損、左側の右手の小指欠損、右二の腕・右肩・左手首骨折
    軽く情緒不安定 、全身ずぶぬれ
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
0.水が傷に染みるぜ…
1.アンジェロを可能な限り利用し、参加者を減らす。
2.第二放送になれば駅へ向かい、優勢なほうに味方する
3.自分だけが助かるための場所の確保もしておきたい。
4.カーズ死んだの!?…まじで?
5.結局はこのゲームでは力がないと死んでしまう…
6.20時にDIOの館に向かう
7.ブラックモアへの不信感
[備考]
※デイパックと支給品一式をカーズに奪われました。
※『吊られた男』の射程距離などの制限の度合いは不明です。
※ワムウによる蹴りのダメージは右二の腕・右肩・左手首骨折でした。それぞれに対して添え木がしてあります。
※支給品一式をブラックモアから譲り受けました。
※ヴァニラアイスの能力と、ウェザー達が第二放送時に駅に襲撃を仕掛けることを知りました
※ヴェルサス、ティッツァーノ、アレッシーの容姿を知りました。
※体は大丈夫でしたが、骨折にどう影響したのかは不明です。
※両腕とも骨折個所があるので、穴の上までよじ登れるかどうかは定かではありません。
※穴の外へ出たとしても、アンジェロに第二放送を本当に教えるかどうかは分かりません。


【片桐安十郎(アンジェロ)】
[スタンド]:アクア・ネックレス
[時間軸]:アンジェロ岩になりかけ、ゴム手袋ごと子供の体内に入ろうとした瞬間
[状態]:健康、テンション高 、全身ずぶぬれ
[装備]:ディオのナイフ ライフルの実弾四発、ベアリング三十発  
[道具]:支給品一式
[思考・状況] 基本行動方針:安全に趣味を実行したい
0.どいつもこいつも気に入らねえ…
1.J・ガイルを可能な限り利用し、参加者を減らす。
2.第二放送になれば駅へ向かい、優勢なほうに味方する
3.空条承太郎を殺す。
4.荒木は良い気になってるから嫌い
5.20時にDIOの館に向かう
6.ブラックモアへの不信感
[備考]
※アクア・ネックレスの射程距離は約200mですが制限があるかもしれません(アンジェロは制限に気付いていません)
※名簿に目を通しました。
※ヴァニラアイスの能力と、ウェザー達が第二放送時に駅に襲撃を仕掛けることを知りました
※ヴェルサス、ティッツァーノの容姿を知りました。
※第二放送を聞き逃しました。

23 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 22:12:07 ID:Ukwpspb9
 

24 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 22:12:38 ID:zA1WzxIC
  

25 : ◆33DEIZ1cds :2009/10/22(木) 22:13:08 ID:RlEP5Du9


ばらまかれた泥水がたまった地面。
そこに後ろ手をついて座り込み、アナスイはなにが起こったか把握できずに呆然と顔を上げた。
今、アナスイの右足は衣服ごと細かなパーツに分断され、紐に通したビーズのように滑って離れ離れになっていく。

仰いだそこには、逆光により表情のよく読めない、カウボーイハットの影になった彼の顔。

「気付かなかったのか?本当に気付かなかったのか?…完全にお前は冷静などではない。ますます単独で動かすわけにはいかない。」

(やられた!足を…ッ)
気持ちが焦り、徐輪のことにばかり気が向いていた自分。
泥の中に隠して、彼のロープが自分の足の下に仕込まれていることに気が付かなかった。
自分の靴底から延びたロープは、ところどころその表面を露出させながらも泥の下に埋まりつつ、さらに相手の靴の下を経由して彼の後ろ手に延びていたようだ。

「…ッ…初めから…ッ?」

アナスイは自分を見下ろす男を、下から精一杯睨みつける。

「放送なら、俺にも聞こえていた。最も途切れ途切れだがな。お前の言葉で、先の二人の死が確定した。
それ以降の放送内容はお前の言った通り、聞いている場合ではなかった。」

片足を分裂され、成す術もなく地面に座るアナスイを見下ろしながら彼は話を続けた。
相変わらずハットの影から射抜いてくる視線。
彼がくいと首を傾けると、その表情を鮮明に見ることができた。
彼の表情、それは実直に法に則り、仕事をこなす保安官の顔だ。

「仲間と肉親が死んだ徐倫の気持ちを慮り…お前が何かしらアクションを起こすだろうとは考えたさ。
想定の中で最も極端な行動に出たがね、お前は。」

ティムは、じり、と紐を手繰ろうと引き寄せつつ、鋭利な視線を投げてくる。
バラけてゆく片足、ゆっくりと離れる各パーツ。
アナスイは、自分も負けじと泥でごわつく長い髪を後ろへ振り退けると、己の分身をロープに送り込む。
そして地表間近から相手を睨みつけ、気丈に言い返した。

26 : ◆33DEIZ1cds :2009/10/22(木) 22:14:12 ID:RlEP5Du9
「一本取られたな。だが…あんた…俺の能力をわかってやっているのか…?
この紐伝いに潜行し、あんたの体内の組織を全部あべこべに並べ替えてやることだってできるんだぜ…」

「…ああ、わかっているさ。だが、この俺に対して…それができるのか?」

じっと睨みあう二人。

叫び出したくなるような沈黙。

見つめ合う。只黙って。交差していく、絡み合って行く視線。
二つの心、その礎。

「………ダイバー・ダウン」

機先を制したのは、一人の少女を狂おしく想い続けた殺人鬼の声だった。




静まり返った街路。
想い人を探して一人、愛の戦士が走っている。

その男は後方を確認し、誰もいない事を確認すると走るのをやめ、つと立ち止まるとびしょぬれのデイパックを持ち直す。
そして自分のつま先を数秒見つめた後、眼を閉じた。
14歳の既婚の少女への報われぬ恋。それを一人で抱えて生きていたあの男。

『アナスイ!特別懲罰房で待つ!…いいか、待っているぞ!』
遠ざかる背中から、追うように聞こえてきた言葉を思い出す。

彼を『分解』する事はどうしてもできなかった。
(あいつは俺の置き土産に気付くだろうか?)
徐倫以外には冷え切ったと思っていた自分の心に、まだこんなことを考えさせ得る何かが残っていたなんて。

だが、それもすべて徐倫がいたからこそだ。
彼女がいなくなったりすれば、自分の全てが瓦解してしまうだろう。
最も、今自分のことはどうだっていい。
彼女だけが光なのだ。

拠点確保は今の自分にはまどろっこしすぎる。
敵だろうが中立者だろうが、とにかく接触して情報収集をしなくては。
敵ならば洗いざらいゲロさせた後殺せばよい。
その為にはコロッセオや繁華街、中心部へ行く。

今もあの子は、きっとどこかで苦しんでる。
それだけで、俺の足が動くには十分な理由だ。
俺は君を見つけ出すよ。
たとえどんな暗い穴の底だろうと、俺なら潜り込んでゆける。
二人で抜け出せばいいじゃないか。

君を愛してる。君を愛してる。

そうして全てが終わって、君さえ、君さえ良ければ…俺と………

27 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 22:14:20 ID:4rW/JnmD
支援ッ!

28 : ◆33DEIZ1cds :2009/10/22(木) 22:15:42 ID:RlEP5Du9



「行ってしまった、か…」

マウンテン・ティムは帽子の登頂部を押さえ、目を閉じて一人ごちた。

スタンドを義足にして逃げ出すなんて。

思い起こす、先ほどの彼の行動。
恐ろしい速度でロープを潜行してきた彼のスタンドは、あっという間にティムの足元に潜り込むと、そのまま靴に潜り込み。
自分が愛用していたウエスタンブーツの片方を、使い物にならないくらいに分解・再構築してしまった。
組み替えられたブーツは、到底靴とは呼べない、足輪のような形。
鎖状につながれた革の輪が、地面に置いていたデイパックの取っ手に繋がれていた。
要するにこれは足止め。
思いがけない攻撃に戸惑っていると、次の瞬間にはつながっていたロープが寸断されている。
ロープにつながったまま地面に落ちていくアナスイの右足。
次の瞬間には後ろを振り向きもせずに走り去っていくその背中を、茫然と見ているしかなかった。

「あいつ…もう一度会えるのか…そうしてその時、俺達は一体…」

行く先々で起こりうるだろう苦難の道を思って、頭が痛くなりかけた。
ヴェルサスとティッツァーノはまだ穴の底だろうか?
もしそうなら、無事で済んでいるとは思い難い。
何とかして抜け出してきてほしいが、自分の持つロープと能力だけではどうしようもない。
心苦しく思いつつも、一先ず誰もいない民家かどこかで怪我の治療を行い、特別懲罰房へ行くことにする。

ぐるぐると巡る思考に眉をしかめつつも目を開く。
つなぎとめられていた片足は、すでにオー!ロンサム・ミーでばらし、輪状の枷からは抜け出している。
しかし裸足になってしまい、直接踏みしめる地面はごつごつとして気持ちの良い物ではない。
大きく嘆息してしまう。

その時、ふと気付く。
足元の泥土に小さく、アルファベットと数字の羅列が書かれていることに。
それが何を意味するか理解したとき、ティムは彼の去っていった方向をはっとした様子で見つめた。

だが眼に映るのは、相も変らぬ閑散とした風景。誰も、何も彼に語りかけはしない。
ティムはもう一度下を見た。
そこには一緒に行動した時間こそ少ないものの、憎めない相方だったあいつからの、せめてものメッセージ。


1o'c I-7
3o'c D-6
5o'c E-2

Pardon me.(すまない)


マウンテン・ティムは帽子の縁をはじくと、低く口笛を鳴らした。


29 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 22:16:47 ID:Ukwpspb9
 

30 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 22:17:01 ID:4rW/JnmD
支援

31 : ◆33DEIZ1cds :2009/10/22(木) 22:17:07 ID:RlEP5Du9
【イケメン組、解散】

【F-2 日中】

【マウンテン・ティム】
[時間軸]:SBR9巻、ブラックモアに銃を突き付けられた瞬間
[状態]:左肩と腹部に巨大な裂傷痕(完治)。左足に切り傷(小)。服に血の染み。やや貧血 。全身ずぶ濡れ。右足が裸足。
[装備]:物干しロープ、トランシーバー(スイッチOFF)、アナスイの右足(膝から下)
[道具]:支給品一式×2、オレっちのコート、 ラング・ラングラーの不明支給品(0〜3)
[思考・状況]
基本行動方針:ゲームに乗った参加者の無力化、荒木の打倒
0. アナスイ…待っているぜ…右足は預かっといてやるか。重いが。
1.どこかで軽く怪我の治療をした後、特別懲罰房へ向かう
2.事情を察したのでマイク・Oは追わない
3.「ジョースター」、「ツェペリ」に興味
4.特別懲罰房を拠点にしたい(そこでアナスイを待つ)
5.もしアナスイが再び殺人鬼になるようなら止める。生死を問わず
6.アラキを倒す
7.この穴を作ったのは誰だ?

[備考]
※放送はかすかにしか聞いておらず、 完全に把握した死者は空条承太郎、ウェザー・リポートのみです。
※禁止エリアは全て把握しました。
※アナスイ、ティッツァーノと情報交換しました。アナスイの仲間の能力、容姿を把握しました。
 (空条徐倫、エルメェス・コステロ、F.F、ウェザー・リポート、エンポリオ・アルニーニョ
  ブチャラティ、ミスタ、アバッキオ、フーゴ、ジョルノ、チョコラータ)
※ティッツァーノとの情報交換で得た情報は↓
 (自分はパッショーネという組織のギャングである。この場に仲間はいない。ブチャラティ一派と敵対している。
  暗殺チームと敵対している。チョコラータは「乗っている」可能性が高い。
  2001年に体に銃弾をくらった状態でここに来た。『トーキングヘッド』の軽い説明。)
  親衛隊の事とか、ボスの娘とかの細かい事は聞いていません。
※マイク・Oのスタンド能力『チューブラー・ベルズ』の特徴を知りました。
※マイク・Oの目的(大統領夫人の護衛)を知りました。
※ラバーソールとヴェルサスのスタンド能力と容姿を知りました。
※アナスイが愛のために暴走してしまわないか心配しています。もし暴走するようなら、アナスイの生死を問わず止める覚悟はできています。
※自分が不確定だと思った考察は話さないようです。(アナスイの精神状態を心配しての配慮です。)
※自分達が、バラバラの時代から連れてこられた事を知りました。
※ヴェルサスとティッツァーノも穴に落ちたと思っています。


32 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 22:17:39 ID:KaXVtu/T
しえん

33 : ◆33DEIZ1cds :2009/10/22(木) 22:17:50 ID:RlEP5Du9
【ナルシソ・アナスイ】
[時間軸]:「水族館」脱獄後
[状態]:健康 (?)全身ずぶぬれ、右足欠損(膝から下・ダイバーダウンの右足が義足になっている)
[装備]: なし
[道具]:支給品一式(食料、水2人分)、点滴、クマちゃん人形、双眼鏡、首輪(ラング)、 トランシーバー(スイッチOFF)
[思考・状況]
基本行動方針:ゲームに乗った参加者の無力化、荒木の打倒
0.ティム、すまない…
1.仲間を捜す(徐倫は一番に優先)情報収集の為取り敢えず一番近くてでかいコロッセオへ。
2.殺し合いに乗った奴ら、襲ってくる奴らには容赦しない
3.ウェザー…お前…
4.徐倫に会った時のために、首輪を解析して外せるようにしたい
5.アラキを殺す
6.あの穴を作ったのは誰だ?
7.徐倫に会えたら特別懲罰房へ行く…のか?

[備考]
※マウンテン・ティム、ティッツァーノと情報交換しました。
 ベンジャミン・ブンブーン、ブラックモア、オエコモバ、ブチャラティ、ミスタ、アバッキオ、フーゴ
 ジョルノ、チョコラータの姿とスタンド能力を把握しました。
※ティッツァーノとの情報交換で得た情報は↓
 (自分はパッショーネという組織のギャングである。この場に仲間はいない。ブチャラティ一派と敵対している。
  暗殺チームと敵対している。チョコラータは「乗っている」可能性が高い。
  2001年に体に銃弾をくらった状態でここに来た。『トーキングヘッド』の軽い説明。)
  親衛隊の事とか、ボスの娘とかの細かい事は聞いていません。
※マイク・Oのスタンド能力『チューブラー・ベルズ』の特徴を知りました。
※アラキのスタンドは死者を生き返らせる能力があると推測しています。
※ラバーソールとヴェルサスのスタンド能力と容姿を知りました。
※ティッツァーノの『トーキングヘッド』の能力を知りました。
※デイパックには『トーキング・ヘッド』入りの水が入っています。
※首輪は『装着者が死亡すれば機能が停止する』ことを知りました。
 ダイバー・ダウンを首輪に潜行させた際確認したのは『機能の停止』のみで、盗聴機能、GPS機能が搭載されていることは知りません。
※ヴェルサスの首筋に星型の痣があることに気が付いていません
※自分達が、バラバラの時代から連れてこられた事を知りました。
※ヴェルサスとティッツァーノも穴に落ちたと思っています。
※ダイバーダウンが義足になっています。(原作神父戦でウェザーにやったように)
その為、スタンドの行動に制限があると思われます(広範囲に動き回れない等)。
その他の細かい制限は後の書き手さんにお任せします。

34 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 22:18:13 ID:fbKWtVI8
投下乙!

35 :人でなしの恋 ◆33DEIZ1cds :2009/10/22(木) 22:20:29 ID:RlEP5Du9
以上です。支援ありがとうございました。
誤字・脱字・矛盾などの指摘がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。


36 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 22:23:44 ID:4rW/JnmD
投下乙
イケメンチーム解散か。
はたしてアナスイは徐倫のもとに馳せ参じることができるか!?

37 :創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 23:00:12 ID:otUWAHWU
投下乙
アナスイがティムを襲うのかとハラハラしたぜ
アナスイも1stのときと比べたら幾分大人になったな
一つ間違えば由花子やF.Fと同じになりそうで怖かったが、これなら大丈夫そうだな

指摘点ですが、
Jガイル、アンジェロそれぞれの思考状況に
「2.第二放送になれば駅へ向かい、優勢なほうに味方する」
とありますが、第二放送はもう終わっているので修正すべきですね
どう修正するかはお任せします

38 : ◆33DEIZ1cds :2009/10/24(土) 23:25:53 ID:hL3GByuk
感想、ご指摘ありがとうございました。
>>37氏からご指摘いただいた点を修正し、wikiに収録してきます。

あといつも恐縮ですが、宣伝を…

10/30(金)午後10時〜
ジョジョロワラジオッ!
ゲストは福本ロワ様ッ!
そのロワが醸し出す雰囲気の圧倒的賭博空間は正に天才的書き手達の小宇宙!

でも多分だらだらしゃべるだけ…です…乱入もお持ちしております!
後私もほとんど福本作品は把握してなry

皆さまお待ちしてります。

39 : ◆33DEIZ1cds :2009/10/25(日) 00:51:09 ID:S4o9TuTD
×してります
○しております

orz

40 : ◆Y0KPA0n3C. :2009/10/25(日) 21:09:15 ID:VnfHHHvA
荒木飛呂彦、ジョナサン・ジョースター 投下します。

41 : ◆Y0KPA0n3C. :2009/10/25(日) 21:13:00 ID:VnfHHHvA
ただただ走っていた。
走って、走って、走り抜いて…倒れるぐらい走りたかった。
そうやって走り疲れて、倒れてしまえたらどれだけ楽だろう。
倒れて、起きたら全てが夢だったらどれだけいいんだろう。

太陽が真上にあがる昼頃。
容赦なく日光が僕を照らす。そんな中を汗一つかかず、息一つ乱さず僕は駆け抜ける。
風だけが僕の行き先を知っている。風だけが僕の気持ちをわかってくれる。
僕の身体を包み込む風、それだけが今の僕には慰めだった。

そう、全部夢だったなら。
僕はラグビーの試合中に頭を打って長い間気を失っていただけなんだ。
目を覚ましたら、そこには心配そうに僕の顔を除き込む父さんがいて、ディオが僕にとっておきのブラックジョークいってくれる。
笑いながら身体を起こすとエリナが隣で看病してくれて、スピードワゴンと大袈裟な握手をかわす。
『ジョースターさん、気をつけな!』ってね。その言葉を聞いて笑うツェペリさんがいて、そして母さんが―――

そんなことが起きるはずがない―そう自分の中で結論付けるのは容易かった。
でも、できない。
そんなことしたら僕は二度とエリナに会えない。
そんなことしたら僕は二度と父さんと話せない。
だから僕は、例え1%でも可能性があるなら、それにすがりたい。今の僕にはそれしかないのだから。

「コォオオーーーー………!」

だがそんな僕の気持ちとは裏腹に練り上げるのは波紋。
練り続ければ僕は倒れることはない。それがツェペリさんから受け継いだ『波紋』。
ハハハ…、馬鹿らしいな…。そうやって夢を見てる一方で僕は恐れている。
結局はどこかで理解してる。
でも、怖いんだ、認めたくないんだ。これが現実だってことを。

倒れて、起きたら、もしかしたら何も変わってないのかもしれない。
夢へと逃げることが出来なくなった、そうなった時、もうなにもない僕はどうすればいいんだ?
このひんやりと存在を主張する首輪がまだあったら?全て忘れることなくそのままだったら?

「…考えるなッ………!」

もしかしたらこれは現実なのかもしれない。
いや、現実なんだ。
全部僕がやったことなんだ。

42 :創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 21:15:37 ID:gMSziA3n
 

43 : ◆Y0KPA0n3C. :2009/10/25(日) 21:17:48 ID:VnfHHHvA


「違う…違う違う違うッ!」

じゃあなんで僕の足は止まってるんだ?なんで僕は走らないんだろう。
周りの建物に反響した僕の叫びが虚しい。答えてくれる人は誰もいない。
父さんもいない。エリナもいない。ブラフォードもいない。スピードワゴンもいない…。

「違う違う違う違う!…違うんだ、僕はただ、ただ………!」

―――助けたかったんだ。

誰にも聞えない叫び。
そんな僕の呟きに紛れて何かが聞こえてくる。それはあっという間に音量を増し僕の耳に入ってくる。
…………ああ、そうか…これは―――

「――今流れているのは交響曲第5番ハ短調作品67、日本では一般に『運命』と呼ばれる曲。
ダダダダーン、って言えば大体の人が分かるあれだよ」

放送だ。そしてこれは僕の『運命』が近づいてくる音だ。
ドドドドド…と地鳴りのような震えが僕を包む。
『運命』が近づく。僕の空虚な心にたやすく忍び込み、僕に『運命』を突きつけにやってきたんだ。

「『運命』というのは、ベートーヴェンの弟子アントン・シントラーの「冒頭の4つの音は何を示すのか」
という質問に対して、「運命はこのように扉をたたく」とベートーヴェンが答えたことに由来するとされる通称さ」

馬車から降りるとそれは玄関への小道をかけあがる。
抱えているのはメッセージ、ジグザグ坂道をずんずん進む。
そして玄関ホールの扉を開け放つ。

「―――………じゃあないか。第一回放送から第二回放送までの六時間で脱落した参加者は…… 」

『運命』はしばらくの間耳をすますと、躊躇いなく二階への階段を昇ってくる。
迷いなく、そいつは僕の部屋を探し当て、僕の寝室の扉の前に立つ。。

「ダニエル・J・ダービー 、黒騎士ブラフォード―――………」

帽子を被りなおし、最後にネクタイを絞め直し、ゆっくりと手を振りかぶる。
後はその手で、僕の扉を…

「エンヤ婆、サンダー・マックイイーン、イギー、レオーネ・アバッキオ―――………」

そして『運命』が僕の扉を叩いた。



「エリナ・ペンドルトン」





    ◇  ◆  ◇

44 : ◆Y0KPA0n3C. :2009/10/25(日) 21:21:11 ID:VnfHHHvA
膝に力が入らない。逆らうことなくその場に倒れ込んだ。
もう僕には立つ力がない。いや、立つ意志がない。だって立つ必要がないのだから。
空っぽの胃が痙攣を繰り返し物を吐き出そうとする。
息がつまる。苦しい、とても苦しい。

―でもエリナはもっと苦しかったんだ。
―ブラフォードは文字通り身を溶かす痛みに耐えた。
―父さんは最後に笑った。

でも僕は、僕の体は耐えられなかった。
吐いた、吐いた、吐いた。胃液もなくなったのか、口から血を吐く。どこかで内臓を痛めていたようだ。それでも止まらない。
ああ、僕はなんて嫌な奴なんだろう。結局は自分のことが一番大切なんだ。
彼らが僕以上の苦しみに痛みに耐えたというのに、この僕は。
この苦しみから解放されるなら………、そう考えてる僕はなんて弱虫なんだろう。
卑怯者で、卑劣で、薄汚くて、弱虫で、逃げてばかりで。



「もう、疲れた」



楽になってしまおう、ジョナサン・ジョースター。
この首輪を少し引っ張ればあっという間に、痛みも感じず楽に、逝ける。
そこには身体を焼かれる痛みもない。涙を流して死に怯える必要もない。魂が抜け出るような時間も与えぬままの直行便。
なんて素晴らしいんだろう。

そうだ、そうすればもうこんな悩まなくて済む。考えなくて済む。
それは僕の疲弊しきった体と脳には、甘く安らかな選択に見えた。
ゆっくりと手をあげ、首輪をつかむ。いざやるとなると、なんてことはなく震えは毛ほどもなかった。
どうやら弱虫でも意地はあるらしい。僕は少し安心した。

目をつむり、この世と最後のお別れをする。
信仰深いほうではなかったけどこれからお世話になるんだから、これぐらいはしないとね。

ああ、神様、あなたは僕を咎めなさるでしょうか。
自分で命を断つ僕をあなたは認めないかもしれません。
ですがお願いします、どうかこの僕に安心と平穏を。
願わくはこの身を清め、全てを忘れさせて下さい。
全部なかったことにしていただけないでしょうか。

僕の祈りが届くのか、わからないけどやることは全部やった。
あとはやるだけだ。
息を肺一杯に吸う。ぎゅっと眼を硬く閉じる僕は力をこめた。
その瞬間、光に包まれて宙に浮いた感覚に襲われる。もしかしたらこれが走馬灯ってやつなのだろうか。
目をつむっていてもわかる光の渦、そして回転。僕は堕ちていく、堕ちていく、堕ちていく………



「やあ、久しぶりだね。なんか老けた?」

45 : ◆Y0KPA0n3C. :2009/10/25(日) 21:24:35 ID:VnfHHHvA
神様なんていやしない。
いや、いたとしても僕は信じない。
少なくともこの荒木飛呂彦という神様は、絶対に。





     ◇   ◆   ◇




スポットライトは二人を照らしております。
地に膝をつく大男、舞台の真ん中で手を広げる荒木飛呂彦。
どうでしょう、まるでオペラのような一幕でございませんか。
だとしたらさしずめ荒木は神、そしてそれにひれ伏すジョナサン・ジョースターは人間と言ったところでございましょうか。

そう、ここは舞台。荒木飛呂彦がルール説明という名の爆発ショーを開いた、まさにあの場所。
ならば今からの演目、これはいかなるものとなるでしょうか。
ショーを演じるピエロ(荒木飛呂彦)は一人、ならばそれを見まもる観客(ジョナサン・ジョースター)もこれまた一人。
はてはて、再びスペクタクルな爆発ショーを見ることができるのか、はたまた命をかけた首輪からの大脱出劇か。
さあさあ、舞台の幕があがります。戯れ言はこれまでとして荒木飛呂彦、一世一代の大勝負、どうぞ御覧ください。





     ◇   ◆   ◇




「そうだな…まずはおめでとう、って言うのがふさわしいかな?とにかく会えて嬉しいよ、ジョナサン・ジョースター君」

男はそう言うと無造作に青年に近づいていきます。スポットライトを浴び、キラキラと瞳を輝かせそれはまあ、美しいことです。
シンとした静寂はピンと張った緊急の裏返しでもあります。
ところがこの男はどうしたことでしょうか、まるで微塵もそれを感じていないようです。
両手をポケットに突っ込みジョナサン・ジョースターに手が触れれるほどの距離までに近づきました。

「ジョナサン、いや、ジョジョ…僕は本当に驚いたよ。ああ、勘違いしないでくれよ。君が『生き残った』ことはそう驚いてないさ…勿論それは喜ばしいことだけど」

シッ、静かに…荒木がなにやらジョナサンに話をしております。
その声と言ったら!ああ、なんてことでしょう、甘く、そして心が安らぐのてす!
荒木は優しい声音でまるで子供をあやすように語りかけます。

「ジョジョ、ジョジョ、僕が驚いたというのは君がそんなに『ヤル気マンマン』だったとはしらなかったってことさ…いやいや、父に嫁に親友に…随分はりきってるねぇ〜、ジョジョ〜!」

だが聞いて下さい、その中身は、内容は!
荒木はジョナサンの顔に触れるとその顎を持ち上げそう言いました。
見てください、ジョナサンのあの虚ろな瞳を!対照的な荒木の瞳の輝きを!
いないはずの観客の悲鳴が今にも聞こえてきそうです。二人の距離の近さに息を飲むのが聞こえてきそうです。
ジョナサンは何も抵抗しません。あの希望と逞しさに溢れていた彼が!ああ、なんという悲劇でございましょうか。

46 : ◆Y0KPA0n3C. :2009/10/25(日) 21:28:05 ID:VnfHHHvA
「そんなヤル気に溢れたプレーヤーが急にコントローラを投げ出すんだもん、びっくりしたよ。いやいや、ジョジョ…びっくりしたさ」

荒木は急に振り向くと無防備にジョナサンに背を向けました。
手を広げると観客に向かって宣言するかのように仰々しく叫びます。
それは、オペラの一幕のように厳かに、歌の一説のように滑らかな宣言でございます。

「そんな君が首輪を引っ張り始めようとした時は目を疑ったさ。なにしてんだいって、ねえ。
もしかして君は今更舞台を降りようっていうのかい?僕がまさかそんな途中退場を認めるとでもおもってたのかい?だとしたら…随分君は甘ちゃんだねェ!」

荒木の叫びは続きます。
一言一言、それこそジョナサンの心に釘を打ち込むかのようにはっきりと。
一挙一足、ジョナサンの精神を追い詰めるかのように。

「君は弱虫なんだよ、ジョジョォオオ……!そんなうまい話が君にあると思うのかい?死んで終わりなんてそんな逃げが許されると思ってるのかい?
『彼ら』が納得すると思ってるのかい?答えてごらんよ、ジョジョ〜〜〜!」

嗚呼…なんてことでしょうか。
誰よりも驚いているのはジョナサンでしょう。そして誰よりも脅えているのもジョナサンではないでしょうか。
ご覧ください、舞台袖から這うように幾つかの影が現れました。
ゆっくりと、舞台のジョナサンに向かって体をひきずり、うめき声をあげ、確実に動いています。
そう、その姿は…まさに…

「ああ、紹介しよう、ジョジョ。もっとも三人とも君は知ってるんだろうけどね。勿論『彼ら』も君のことを知ってるよ」

舞台で荒木はさっきより更に声を和らげジョナサンにはなしかけます。ですが、その言葉はもはやジョナサンには届いているのでしょうか?
ジョナサンはその大きな体を縮めると舞台の奥へ奥へと逃げます。
口からはわけのわからない言葉をブツブツと呟き、顔を真っ白にしながら、腰を抜かしたジョナサンの姿は、それはそれは目も当てられないものです。
ですがそれも致し方ないことでしょう。なぜかって?それはなぜなら…

「紹介するよ、ジョージ・ジョースター一世とエリナ・ジョースター、そして黒騎士ブラフォードだよ」

そこにはジョナサンの大事な大事な、しかしもう会えなかったはずの人たちがいたからです!
ああ、なんと喜ばしいことでしょう!泣いて喜んで抱きついて踊り出したいぐらいの奇跡ではないでしょうか!
いなくなったはずの、死んだはずの、愛しいあの人とまた会える!なんと素晴らしい奇跡!


「おいおい、どうしたんだい、ジョジョ。早く三人に挨拶しないと…彼らは君を待ち望んでいたっていうのに」


…その人たちが『生きていれば』ですが。
そう、三人は生きていないのです。ですが死んでいるわけでもありません。
理性を失った泥人形、例えるならばまるで三人はゾンビでごさいます。
身体は土でできているのか、這う途中でボロボロと崩れたり、歩いた時に体重に耐えかね、潰れたりしています。
口からは涎をたらし、生前の面影はその顔に伺えません。その様はまさに死の軍団。

47 :創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 21:28:39 ID:gMSziA3n
 

48 : ◆Y0KPA0n3C. :2009/10/25(日) 21:31:30 ID:VnfHHHvA
ああ、恐ろしい男です、荒木飛呂彦!笑顔を浮かべるこの男、その底知れない黒さ!
客席に震えが走ります。あまりの恐怖に気絶されるご婦人方がいます。
ジョナサンはもはやパニック状態です。ヒステリックな叫びをあげ、逃げ場所をなくした彼は舞台の壁を背にまるで子供のように体を丸めます。
彼に近づく三人!唸り声をあげ、呪いの言葉を吐き、体をボロボロと崩しながら向かっていく…ああ、ジョナサンが危ない!


「彼らを救いたいかい、ジョナサン?」


ピタリと、そして、突然に。まるでスイッチを切ったかのようにホールに静寂が訪れました。
聞こえるのはジョナサンの息づかい、そしてそのジョナサンの肩に手をかけ話す荒木だけです。

「彼らを生き返らせる、救える、しかもそれが君だけだとしたら…君は………どうする?」

さあさあ、舞台もいよいよクライマックスでございます。
果たしてこの舞台はどうなることやら、そしてジョナサンの命は如何に?
目を離さぬようお願いいたします。最後の最後のフィナーレ…鍵を握るは笑顔の荒木とジョナサン・ジョースターの決断…
果たして………







49 : ◆Y0KPA0n3C. :2009/10/25(日) 21:32:51 ID:VnfHHHvA
     ◇   ◆   ◇




何が?

いいじゃないかい、別に。

いやいや、そんな深くは考えてないよ。
そうだな…強いて言うならそっちのほうが『面白そう』だから、じゃダメかい?
それにこういうのは『僕らしい』じゃないか。

放送ごとに動く…なんて…そんなことはないさ、たまたまだよ、たまたま。

だって一回目にしたってイレギュラーだろ?今回だってそんな感じじゃないか。

それになるようになる、なんて言ったけど、なら君だったらあのままジョナサンを 『爆☆殺』 してたって言うつもりかい?

随分慎重だね…わかったよ、もう無茶はしないさ………





(多分)





そんなことより僕の演出どうだった?イカしてた?

ああ、そうだよ。やっぱ利用出来るものは利用しないと。それに彼も暇そうだったからね。
尤もあれを望んだのがジョナサンだったからこそできたわけだ。

土に投影する、だろ?スタンド能力をねじ曲げるなんてことはしないさ。

ああ、それにしても楽しみだね。君もそう思うだろ?


それでだね…その、言いにくいんだけど………君とのチェスも…もういいかな、切り上げて。

…わかったよ。僕が悪かった。





     ◇   ◆   ◇

50 :創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 21:33:54 ID:gMSziA3n
 

51 : ◆Y0KPA0n3C. :2009/10/25(日) 21:44:05 ID:VnfHHHvA
降りしきる太陽。頬を撫でる風。少しだけ傾いた影に澄んだ空気と閑静な住宅街。
ああ、僕は………

「帰ってきたんだな…」

この呪われた運命の中に。
捻じれた作り上げられた世界に。
すぐに立ち上がり、体についた砂を払うとデイバッグを担ぐ。
今は何も考えたくなかった。自分がしたこと、これからすることを考えると気が滅入るからだ。

「逃げるわけには…いかないよね、父さん」

勇気づけるように自分自身にポツリと呟いた。
そうだ、もう僕は僕だけで生きてるんじゃない。
この僕は、皆の希望。もう逃げることは許されない。
けれど………

「禁止エリアが一番の気がかりだけど…格好も格好だけに、他の人には聞けそうにないなあ………」

いきなり問題に直面してしまった。さて、どうしようか。
頭を悩ませ地図を眺めていた僕の瞳に名簿がふと飛び込んでくる。
改めて名簿をじっくり見ると名簿には何人もの僕の知り合いの名前が書かれていた。
だかけど僕は躊躇いなく彼らの名前の上に線を引いた。僕は知ってる名前に一つ残らずきちっと線を引いた。

頼りになる人達ばかりだ、彼らは強い。
けど彼らを頼りにするわけにはいかない。彼らを当てに出来ないし、彼らに僕の運命を背負わせるわけには行かない。
なぜならこれが僕の選んだ道だから。

そして、今度は少しだけ悩んで、自分の名前にも線を引いた。
…これは宣戦布告だ。何処かで聞いているに違いない、荒木飛呂彦、彼に僕の覚悟を見せつけなければならない!

「今、僕は死んだ!誇り高きジョースターの血を継ぎ、英国紳士を目指したジョナサン・ジョースターはもういない!」

拳を握る。歯を食いしばる。思い出したのは暗闇の中で浮かぶ彼の笑顔だった。

「けど、一人の男としてこの僕は!恨みをはたすために、荒木!貴様を殺すのだ!」

もう『迷い』はない。
いらない、何も僕にはいらない。『全部を捨てた』僕はもうなにも必要としない。

『君が優勝したら望むものを何でも与えてあげるよ。何でもさ。 平穏も、父も母も親友も失われた友情も…文字どおりなんでもさ。
どうだい、ますますやる気が湧いてきただろう?そうさ、頑張るんだよ、ジョジョ…君には僕も期待してるんだ…フフフ…』


全身を包む太陽の光にひとつの熱が重なる。
口からこぼれる呼吸は以前よりさらに力強く、身体を包む光はいまだ嘗てないほど輝かしい。



52 :創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 21:44:35 ID:gMSziA3n
 

53 : ◆Y0KPA0n3C. :2009/10/25(日) 21:45:00 ID:VnfHHHvA
今だけは、今だけは君の思惑に乗ってやるさ、荒木飛呂彦。
そのためにはどれだけ貴様が僕を滑稽だと笑おうとも………
誰が道化だと馬鹿にしようとも、蔑もうとも、哀れもうとも………
すべてを無くし、そして再び全てを手にいれ、貴様を殺すために………




――――ただ、全て打ち砕くだけだ







【D-3とE-3の境界線上 / 1日目 日中】
【ジョナサン・ジョースター】
[時間軸]:エリナとのハネムーンでアメリカに向かう途中の船上でワンチェンと遭遇する直前
[状態]:唇と右手から少量の出血(波紋の呼吸で治療中)、顔と体中が血塗れ、鼻の骨折(波紋の呼吸で治療中)、
    波紋の呼吸
[装備]:“DARBY'S TICKET”、サブマシンガン(残り弾数不明)
[道具]:デイパック*3、不明支給品1〜5(全て未確認)、エリナの首輪、エリナの指輪、
   ブラフォードの首輪、ダニーについて書かれていた説明書(未開封)
[思考・状況]
基本行動方針:優勝し、荒木に全部なかったことにして貰った後、荒木を殺す
0.――――ただ、全て打ち砕くだけだ
【備考】
※ジョージ・ジョースター一世を殺したと思い込もうとしてます。

54 :創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 21:46:06 ID:gMSziA3n
 

55 :涙の乗車券  ◆Y0KPA0n3C. :2009/10/25(日) 21:47:05 ID:VnfHHHvA
投下完了しました。
誤字・脱字、矛盾点・修正すべき点、他気になる点などありましたら指摘お願いします。
また、支援を下さった方、一時投下スレにて指摘を下さった方々、ありがとうございました。


56 :創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 22:10:43 ID:nAmh6y7a
投下乙です。
ジョナサンがついにそっち方面に吹っ切れてしまった……
不明支給品も豊富だし、下手したらかなりの強マーダー化しそう

57 :創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 00:03:45 ID:EAIDctaa
なんてこった・・・
エシディシを倒す最後の希望だと思っていたジョナサンが・・・
波紋使いは残りジョナサンとシーザーの二人しかいないのに・・・
しかし、果たしてジョナサンにスピードワゴンが殺せるか?
殺せるとなると、厄介な強マーダーだろうなあ
ジョジョ初代主人公がなんてこったw

58 :創る名無しに見る名無し:2009/11/03(火) 23:34:22 ID:39EeACGz
宣伝させていただきます。

11月3日午前0時より、こちら(ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12752/1253711994/)で進行中の朗読CD発行企画のための、収録SS投票を実施しています。
概要はリンク先に御座いますので、是非投票をお願いします!
期間は一週間です。

したらばでも申しあげましたが、本当は2日からの予定だったのですが、
体調を崩してPCに触れませんでした…関係者の方々、応援してくださった方々、すみませんでした。

皆様の投票をお待ちしております!!





以上、スナイプさんより

59 :創る名無しに見る名無し:2009/11/04(水) 20:56:26 ID:dR02htrR
484 名前: ◆33DEIZ1cds[sage] 投稿日:2009/11/04(水) 20:52:11 ID:???
本日は平穏に通常放送。(21時よりしゃべります。それまで無音。)

聴き方解説ページ→ ttp://cgi33.plala.or.jp/~kroko_ff/mailf/radio.htm
アドレス→ttp://std1.ladio.net:8020/jojoroyaleradio008.m3u
後、livedoorねとらじttp://ladio.net/で題名(ラジオでjojoロワ:第8放送)検索でもいけます。
ねとらじから行くと、題名横の「play」から再生できます。

実況スレ→ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12752/1257311650/



とのことです

60 :創る名無しに見る名無し:2009/11/09(月) 00:01:59 ID:B1KNWzkZ
こんな熱い展開になってたなんて知らなかったぜ・・・
投下乙です!

関係ないがジョセフが死んじまったのがショックでならねー・・・!

61 :浦島太郎 ◇yxYaCUyrzc代理:2009/11/12(木) 16:14:15 ID:XhsTc95N
「ダ、ダダダービー、おお前え今しし死んだって……」
放送を聞いて以来がくがくと膝を震わせっぱなしの男の方を振り向く必要はなかった。
「ちくしょう、おい何とか言えよダーb……ごぶっ」

なぜなら……男、アレッシーは疑問の回答を得る前に――いや、質問を終える事さえなく――溺死したから。
原因は先に治療と言う名目で打ち込まれた知性の塊。
それらが到達した点は頚椎の第四骨。かつて受けた技の再現はそう難しい事ではなかった。

“犯人”は丹念にメモをした地図と名簿をデイパックにしまって立ち上がる。
「――脅して言う事聞かせても良かったんだがな」
小さくこぼれた一言は彼が立ち上がるのと入れ替わるように倒れこんだアレッシーがほとんどかき消していた。
もっとも、誰に対して言ったセリフでもないのでどうでもいいことなのだが。

だがしかし、その発言に答える男がいた。ついさっき死んだはずの男が。
「それだと後でゴタゴタがあったときに面倒だよな。発狂でもされたら、それこそ足手まといだ」

“それ”は既に“フー・ファイターズ”だった。

「更に」
「こんな良い“タンク”を簡単に手放す気にはなれないな」
二つの口から発せられる言葉の流れ、そのスムーズさ。並の協調性ではないこの二人。まさに一心同体と言うか一人二役と言うか。
例えるならばサイモンとガーファンクル。ウッチャンに対するナンチャン。高森朝雄とちばてつや―――

「そして――これならば」
さらに続くダービー(と呼ばれた男)の言葉に答える代わりにアレッシー(だったもの)は首輪を上に引っ張り始めた。
もちろんそんな事をすれば爆発は免れない。だがそれは、爆発どころか警告音一つ鳴らさなかった。
ダービーが見つめる中、どんどんと首輪が持ち上げられ、耳のあたりを通過し……すぽっ、と頭から抜き取られてしまった。

「あまりにも、あっけなさすぎる。が……これで首輪のない参加者の出来上がりだ」

――では、何故ナチスも真っ青な技術の結晶である首輪が何の反応も示さなかったのか。
聞いてしまえばなんとも単純な理由である。

『首輪が頭蓋骨に引っかからなかった』

たったそれだけの事である。
すると頭蓋骨はどこに行ってしまったのか?と言う疑問も浮かぶがこれも大した理由ではない。

『アレッシーがその大きな頭をグニャリと音を立てて萎ませていた』

こちらもやはりそれだけである。
彼の頭は今やただの水風船。変形など朝飯前(いや、放送の時間を考えると昼飯前か。どちらでもいい事だが)

彼が口にした通り実に、実に簡単だった。
――こんな真似を他の参加者たちが出来るかと聞いたら、おそらくは“NO”である、と言う事を除けば。

「……しかし」
言うや否や、アレッシーはその手に持っていた首輪を再びその頭に押し込み……元あった場所に戻してしまった。
首輪にはやはり反応はなく、これもまた簡単に済んでしまった。しかし、一体何故――?

(……これは、切り札だ)

62 :浦島太郎 ◇yxYaCUyrzc代理:2009/11/12(木) 16:15:29 ID:XhsTc95N
そう心の中で呟いたのはどちらの男か。あるいは、その両方か。
彼の決断には根拠があった。

今“本体”でないアレッシーの方ではうまくいったが、“ダービー”ではどうなるか。現在の状況ではそこまで分からない。
それに、首輪を抜くべきは今ではない。
首輪を解除しようと意気込む連中の眼の前で軽々と引っこ抜いて反応を見るとか、禁止エリアに籠城するとか、あるいは荒木を出し抜くために死者を演じるとか――
そういった時に初めて披露(誰に?なんて事は分からないが)すれば良いのだ。だから今はこれが得策。
それよりも大事な事は――

「身体が重いな」
それは首輪を元の位置に収めた男からの発言。
「これじゃあ本当に“喋るタンク”でしかない」
その知性をフルに活かしてある仮説を導きだす。それは、主催者による制限。
先の“首輪抜き”の事もある。そういった芸当ができる自分の事を知らずにこの場に呼び出すのは明らかに不自然。
荒木の視点に立って、もしも相手が多くの参加者の死体を乗っ取り、操って自分を襲って来たら?と言う事を考えれば当然の処置と言える。
今更ではあるが、“エートロ”が“ダービー”になれた事さえ奇跡的だったのかもしれない。
それでは今“アレッシー”を使って一体何が出来るのか、という点で言えばせいぜい防御程度だろう。後は会話で相手の意思を逸らすといったところか。
同時に操る事の出来る人数やその範囲も考えなければならなくなった。が、この事実を知らずに今後行動していたかも知れない、と考えたら損な情報ではない。
「しかしまあ――何にしても置いて行くには勿体無さすぎる」

ふう、と大きな溜め息をつきフー・ファイターズは口を閉じる。
人間ではない彼は本来、思考の共有に言語を必要としない。今まで独り言を続けていたのは彼がまだエートロだった頃の名残ゆえか。
そして、言葉を止めた彼らが共有する思考は彼女が無事にこの六時間を生きたという事実に対する安堵、ただひとつ。
今の彼には、それを喜ぶ資格は無いのかもしれない。こんな自分を見たら彼女は泣いて悲しむかもしれないし、怒りで殴りかかってくるかもしれない。
だが、そんな事を気にして歩みを止める訳にもいかない。彼女が危険に晒される可能性がゼロ出ない限りは、手を汚すのは自分なのだ――

湖の近くに放られていたデイパックを拾い上げ、バイクにまたがった二人はエンジン音を残して南の方へ消えていった。


* * * * *

63 :浦島太郎 ◇yxYaCUyrzc代理:2009/11/12(木) 16:17:26 ID:XhsTc95N
「ところで」

岸辺露伴が口を開く。とても落ち着いて、静かな口調だった。
「……何かな」
ダービーが返事をする。その口調も露伴の言葉に負けず劣らずの静かさだった。
そのどちらも、肉眼では追う事の出来ないほどの速度でカードを捌きながらのセリフとは思えないほどである。
彼らはこの十数分の間に何度も勝負を繰り返していた。飽きる事無く、何度も。そしてここに来て露伴の口から出た言葉。

「そろそろ帰らせてくれないかな」
意外――それは退却。

その提案がダービーの表情を僅かに変える。その表情が余裕とも焦りとも分からぬほど、僅かに。
「そう言って私を動揺させようというのなら無駄ですよ」
「そんなつもりはないさ。
 僕はまた放送を聞き逃した様だからね。一度帰ってウエストウッドに確認を取りたいんだ」
帰りたいと言いながらまた新しい勝負を始めだす露伴。ダービーが口を開かないのを耳で確認して続ける。
「僕が気付かないとでも思ったかい?君に話したかどうかは忘れたが僕は漫画家だ。
 そして漫画には締め切りってもんがある……破った事ないけど。まあ要するに体内時計が正確なんだ、割とね」

ダービーは相変わらず返事をしない。ゲームに集中しているためか、それとも別の理由からか。
返答がない事が多少癪に障ったのか……手札、場札を鮮やかに消費しながら短くフン、と鼻を鳴らす。
「で……ダダダダーン、ってのは聞いたんだ。BGM付きで。
 だが流石にこの僕でも君の相手しながら今の内容を復唱できるかと聞かれたら“NO”だね。だから確認に帰りたいって訳だ。
 君の場合、死者や禁止エリアの確認は荒木に直接出来るのかい?あんまり関係ないんだろうけど」

「……いいでしょう。ですがタダで返す訳にもいきません。あなたがゲームを下りると言うなら」
ダービーがやっと口を動かす。だが、その言葉にも露伴は予め答えを用意していた。
「ああ。もちろんさ。だがそうだな……僕は負けを認めてる訳じゃあない。ポーカーだってゲームを下りるのも作戦の内だろう?
 僕は“あえてゲームを下りてやる”んだ。それが気に食わないなら……そうだな、この下半身でも持ってくといい。
 以前僕は身体の、スタンドの六割ほどをある勝負で相手に渡した事があるんだ。今更下半身くらいで騒ぎはしないよ」
言いながら最期の一枚を場に出す。またしても同時。これで……何戦目だろう。わかるのはきっと、試合をしている二人だけ。

「そう、あれは……あの勝負は、かなりスリリングだった」
ふう、と息をつく。次の勝負は―――なさそうだ。

64 :浦島太郎 ◇yxYaCUyrzc代理:2009/11/12(木) 16:19:04 ID:XhsTc95N
「そうですか。では良いでしょう。あなたの提案通りその下半身をいただきます。
 ……と言いたい所ですがそれは私のスタンドの能力を超えています。私が奪うのはあくまでも魂。極めて似ているものですがスタンドではありません」
ダービーの方も息をつき椅子に座りなおす。
「ですがそうですね……あえてゲームを下りる事。それ自体は何の問題もありません。
 だが、ゲームを“下りる”という事はいつの時代も負けのサインッ」
語尾を強くするその口調はどことなく自信を感じさせるものだった。だがそこは岸辺露伴。動揺を顔に出さずポーカーフェイスを貫いている。
「……あなたの頭がそう認めていなくても、魂は実に正直なものでして。
 あなたが“下りる”と宣言したとき、私には見えましたよ。あなたの魂が。チョッピリでしたがね。そして……どうしたと思います?」
そこまで聞いて露伴は足元を見やる。右膝の少し上、明らかに不自然なズボンの伸び。それでも冷静なままの露伴を見つめる一方、ダービーの表情には余裕の色が出始める。
「あなたの右足に私のスタンドの足首を食いこませましたよ。皮膚のすぐ下です。もちろん私の意思で自由に動かせます。
 さて――私も詳しくはありませんが、腿にある動脈はなかなか太いものだそうで。それを足ごと千切ってしまえば失血死する可能性もあるでしょう。
 今ここでそれをやってもいいのですが、そうすると私がゲームの外で攻撃した事になります。そんな事すれば荒木氏に何をされるかもわかりませんし、私の誇りにも傷が付く」
そこまで話したダービーの次の言葉は露伴に繋がれた。
「……と、つまりこう言いたいんだな。『その足首をとって欲しかったらもう一度ここに戻ってきて勝負しろ』と」
「Exactly。その通りでございます」
頭を下げるダービーを見て露伴はニタリと笑う。自分が追い詰められているにも関わらず。
「だが僕がもうここに戻ってこない可能性もある。『そんな人形になっちまったヤツラなんかどうでもいいや〜ッ』ってね」
それに答えるダービーの口元にも圧倒的有利を再確認するかのような笑み。
「それはないでしょう。戦って感じたがあなたはなかなかプライドの高い方だ。きっとここに舞い戻ってくる。決着をつけにね。そうでしょう?」

―――YES YES YES
ダービーが見つめるその心とは裏腹に、車椅子に座り、先程と同じように鼻を鳴らす露伴。

「フン……それはともかく話がついたんだからさっさと帰してくれよ。ダービー・ザ・プレイヤー」
「おっと、そうでしたね。ではまた」
小さな光に包まれて、岸辺露伴はダービーズ・アイランドを後にした。


* * * * *

65 :浦島太郎 ◇yxYaCUyrzc代理:2009/11/12(木) 16:21:04 ID:XhsTc95N
かつていた場所で彼を待ち構えていたのは実に異様な光景だった。もっとも、このゲームそのものが根本的に異様なものなのだが。
血を浴びながらこちらを振り返るウエストウッド。
そんな彼に馬乗りになられたまま一方的に殴られ続けていた(であろう)サングラスの男。
さらにはそれを助ける訳でも止める訳でもなく遠くから黙って見つめるもう一人。
だが、そんな光景に相応しい沈黙はそう長く続かなかった。短気な男は沈黙が続く事も嫌がるらしい。

「おう、どこにいたんだロハン。アンタが来なきゃ殺しちまうところだったぜ、コイツ。
 さて……もう一度聞くぞ、お前らはロハンを助けられるのか?オイ」

そんな“露伴信者”のセリフを聞き心の底でため息をつく。
(はあ、タイミングが悪かったな……早くもダービーのところに帰りたくなってくるよ)



【アレッシー 死亡】
【残り 42人】



【D-3 民家/1日目 日中】

【F・F】
[スタンド]:『フー・ファイターズ』
[時間軸]:DアンG抹殺後
[状態]:健康
[装備]:ダービーの肉体(本体)、アレッシーの肉体(タンク?)
[道具]:加湿器、メローネのマスク、支給品一式(二人分。からのボトルは湖の水で給水しました)、壊れた懐中電灯、メローネのバイク、カップラーメン、携帯電話
[思考・状況]:
基本行動方針: 空条徐倫を生存させるために彼女を優勝させる
1.???(目の前の状況に対して。ウエストウッドは知った顔だが……?)
2.ブチャラティチームとプッチの一味は敵と判断
3.ブチャラティ一行を始末できなかった事を後悔
4.余裕が出来たら自分の能力(制限)を把握しておきたい
[備考]
※リゾットの能力を物質の透明化だと思いこんでいます
※承太郎はDISCを抜き取られ廃人化した状態だと思いこんでいます
※リゾットの知るブチャラティチームの情報を聞きましたが、暗殺チームの仲間の話は聞いてません
※隕石を落としたのはウエストウッドじゃあない別のスタンド使いだと思っています
※ジョルノに対してはある程度の信頼を寄せるようになりました。出会ったら……?
※ダービーの体を乗っ取ったので外見は完全にダニエル・J・ダービーです
※彼の記憶も見ることが出来たので三部勢(少なくとも承太郎一派、九栄神、DIO、ヴァニラ、ケニーG)の情報は把握しました。
 徐倫を優勝させるために最大限活用します。
※エートロの皮がE-2とD-2の境目付近に放置されています
※エシディシは血液の温度を上昇させることができ、太陽光に弱いと認識しました。
※思い出を捨てるため、初期の話し方に戻りつつあります(一人称が『あたし』から『私』、など)
※殺すことに対する躊躇いは無くしました
※リゾットから聞いたブチャラティチームのスタンド能力についての情報は事実だと確信しました。
※自分の能力について制限がある事に気がつきました。

66 :浦島太郎 ◇yxYaCUyrzc代理:2009/11/12(木) 16:22:10 ID:XhsTc95N
[アレッシーの肉体]について
[状態]:ウエストウッドの攻撃による全身打撲(ダメージは不明)
[スタンド]:なし。本来のスタンドであるセト伸は使用できません
[装備]:なし
[道具]:なし
[備考]
※アレッシーの記憶を見たために以下の事を把握しました
1)アレッシー自身に関する基本情報(スタンド能力、それまでの思考など)
2)三部勢のメンツ(ダービーの記憶と同じ)
3)ゲーム中に出会った人間の顔(ミスタ、ジョナサン、ジョセフ、音石)
  顔だけでなく能力も知っているものについて(ジョルノ:『触れたものを一定時間固定する』、
  エシディシ『影を一瞬触れさせたぐらいじゃ若返らない(今はもう関係ないが)』『太陽光に弱い』、ディアボロ:『瞬間移動』)
※荒木の能力によって制限されています。力、速度等は並の人間以下の様です(具体的な制限はのちの作者さんにお任せします)



【岸辺露伴】
[スタンド]:ヘブンズ・ドアー
[時間軸]:四部終了後
[状態]:右肩と左腿に重症(治療済みだが車椅子必須)、貧血気味(少々)、右腿にアトゥムの右足首
[装備]:ポルナレフの車椅子
[道具]:基本支給品、ダービーズチケット
[思考・状況] :
基本行動方針:色々な人に『取材』しつつ、打倒荒木を目指す。
0.とりあえず帰ってきたけど……どうしたものか
1.現状を把握したい。
2.“時の流れ”や“荒木が時代を超えてヒトを集めた”ことには一切関与しない
3.後でダービーのところに戻り決着をつける。その際色々取材したい
4.隕石を回収……ああ、そんなのあったね
[備考]
※参加者に過去や未来の極端な情報を話さないと固い決意をしました。時の情報に従って接するつもりもないです。
 ヘブンズ・ドアーによる参加者の情報を否定しているわけではありません。 具体例は「知りすぎていた男」参照。
※名簿と地図は、ほとんど確認していません(面倒なのでこれからも見る気なし)
※傷はシーザーのおかげでかなり回復しました。現在は安静のため車椅子生活を余儀なくされています。
※第一放送を聞き逃しました。
※第二放送も聞き逃しました。
※右腿に食い込んでいるダービーの足首は、露伴の足をつぶす程度のパワーはあるようです。異物感、痛みなどは全くありません。

67 :浦島太郎 ◇yxYaCUyrzc代理:2009/11/12(木) 16:24:17 ID:XhsTc95N
【ヴィヴィアーノ・ウエストウッド】
[スタンド]:プラネット・ウェイブス
[時間軸]:徐倫戦直後
[状態]:左肩骨折、ヘブンズ・ドアーの洗脳、サバイバー状態、アレッシー(F・F)を殴って快感
[装備]:『サバイバー』入りペットボトルジュース(残り1リットル)
[道具]:基本支給品(飲料水全て消費)、不明支給品0〜2
[思考・状況]
0.おうロハン、どこ行ってたんだよ。
1.足元の人間はロハンを助けられるのか尋問、拷問。だがロハンの指示によっては止める。
2.知らなかった場合? 知るか。
3.出会った人間は迷わず殺す。
[備考]
※怪我の応急措置は済ませました。殴る程度なら痛むものの可能なようです。
※支給品を確認したかもしれません。
※自分の能力については理解しています。
※ヘブンズ・ドアーの命令は以下の二点です。
1)『人を殺せない』
2)『岸辺露伴を治療ができる安全な場所へ運ぶ。なお、その際岸辺露伴の身を守るためならスタンドを行使する事を許可する』
※ヘブンズ・ドアーの制限により人殺しができないことに気づいていません。
※鉄塔の戦いを目撃しました。プッチとサーレーの戦いは空のヘリで戦闘があった、地上では乱戦があった程度しかわかっていません。
 また姿も暗闇のため顔やスタンドは把握していません。
※館から出てきたジョナサン、ブラフォードを見ました。顔まで確認できたかどうかはのちの書き手さんにお任せします。
※『サバイバー状態』ですので相手の筋肉の輝きが見えているかもしれません(のちの書き手さんにお任せしますが要議論?)


【G-10 北西部 小島(ダービーズアイランド)/1日目 日中】

【テレンス・T・ダービー】
[時間軸]:承太郎に敗北した後
[状態]:健康 精神疲労(小)
[装備]:人形のコレクション
[道具]: 世界中のゲーム
[思考・状況]
1.参加者ではなく、基本はG-10にある島でしか行動できない。
2.荒木に逆らえば殺される。
3.参加者たちとゲームをし、勝敗によっては何らかの報酬を与える(ように荒木に命令されている)。
4.露伴と決着をつける(勝負もあるが、足首は回収したい)
※ダービーは全参加者の情報について、名前しか知りません(原作3部キャラの情報は大まかに知ってます)。
※ダービーズ・アイランドにも放送は流れるようです。
※アトゥム伸の右足首から先を露伴の体内に食い込ませています。(原作を見る限り)ダービー本体の足首はちゃんと存在しています。
※第二放送を聞き逃しました

68 :浦島太郎 ◇yxYaCUyrzc代理:2009/11/12(木) 16:26:13 ID:XhsTc95N
【ジョージ・ジョースター1世】
[時間軸]:ジョナサン少年編終了後
[状態]:【肉体】右わき腹に剣による大怪我(貫通しています)、大量失血で血はほとんど抜けました
    【魂】テレンスの作った人形の中。禁止エリアに反応して爆破する首輪つき。
[装備][道具]: なし
[思考・状況]
基本行動方針:ジョナサンとディオの保護
1.むう、なんということだ……!
※テレンスに一回勝利しないとジョージの魂は開放されない。 ただしテレンスの死はジョージの死。
※肉体を治療しないと魂を解放しても失血死する可能性大
※ジョージの人形がどこまでちゃんと喋れるのか不明(話相手ぐらいにはなる?)。
※第二放送を聞いてはいましたがメモ等は出来ていません。記憶しているかも不明です。

【シーザー・アントニオ・ツェペリ】
[時間軸]:ワムウから解毒剤入りピアスを奪った直後。
[状態]:【肉体】疲労(大)、ダメージ(大)、ヘブンズ・ドアーの洗脳
    【魂】テレンスの作った人形の中。禁止エリアに反応して爆破する首輪つき。
[装備]:スピードワゴンの帽子。
[道具]:支給品一式、エリナの人形、中性洗剤。
[思考・状況] 基本行動方針:ゲームには乗らない。リサリサ先生やJOJOと合流し、 エシディシ、ワムウ、カーズを殺害する。
0.…………………精神的敗北。
1.荒木やホル・ホースの能力について知っている人物を探す。
2.スピードワゴン、スージーQ、ストレイツォ、女の子はできれば助けたい。
[備考]
※テレンスに一回勝利しないとジョージの魂は開放されない。 ただしテレンスの死はシーザーの死。
※さらにテレンスに一回勝利しないとシーザーの魂は解放されない。
※シーザーの人形がどこまでちゃんと喋れるのか不明(話相手ぐらいにはなる?)。
※第一放送を聞き逃しました。
※第二放送を聞いてはいましたがメモ等は出来ていません。記憶しているかも不明です。
※ヘブンズ・ドアーの命令は以下の1つだけです。
 1.『岸辺露伴の身を守る』

69 :浦島太郎 ◇yxYaCUyrzc代理:2009/11/12(木) 16:27:15 ID:XhsTc95N
以上で投下終了です。最初2レスにタイトルつけ忘れたorz
私の作品の中で1st、2nd合わせてやっと二人目の死者が出ましたねぇ(良い事なのか?)
例によって投げっぱなしな繋ぎなので問題ありましたら『書きにくいよバカ』と言ってやってください。
当初はFF編と露伴編で全く別の話にするつもりでしたので、問題がありましたらそのどちらかだけ破棄するという手段もありますし(かなり短い話になるけど)。

以下、したらばでのご意見に対して。

・誤字脱字、文章の矛盾
訂正しました。多少文章を改変している部分もありますのでまたありましたらご指摘ください。

・FFの分身(?)
確かにFF軍団作られたら全滅ENDですねorz
と言う事で制限を設けました。と言っても具体的な制限はしてません。下手に縛って後々の展開に支障をきたすのも、と思った結果です。

・アレッシーFFの首輪引っこ抜き
首輪を抜いた理由の描写を少々追加しました。
また、死者の首輪を壊さず抜いたため爆発せず、と言う事で抜く行為そのものは無事に出来た、と言う事にしてあります。
もちろん、引っこ抜く行為そのものに問題があるようでしたらご意見お願いします。その部分は今回の話の根幹ではない(と思う)のでカットにしても構いませんので。

・ダービー島には放送は流れない
『NEVER SAY GOODBYE』の状態表に『※ダービーズ・アイランドに放送が流れるのかは、不明です。』とあったことで仮投下時はそちらを優先して書いてしまいました。
完全に私の読み不足です。放送を単純に聞き逃したという描写に変更しました。

・ダービーが食い込ませた足首
・サバイバー状態で相手の筋肉の輝きについて
以上の二つは原作中でもあった事ですし問題はないかなと思います。
ですが、後者はウエストウッドがフーファイターズに気付く可能性がある(原作中でもケンゾーが気付いてた)ので、
今後このキャラ達を予約する方が出る前に何らかの議論をする必要があるかな…?と思ってたりします。まあ、その書き手さんにお任せしても良いですが……
もっとも、今サバイバー状態なのはウエストウッドだけで、『サバイバー状態の人間同士じゃないと筋肉の輝きは見えない(?)』とすれば大して重要視しなくて済むんですがねw


そしてタイトル……ついに募集する始末orz
……と言う事で、

『海の真ん中にいたが自分の都合で帰ることに。おみやげ(アトゥム)を持たされて帰ってみたら、そこには衝撃の光景が!…で浦島太郎とか?』

と言う案をいただきましたので今回は浦島太郎とさせていただきます。
案を下さったラジオ実況スレのID:V2e16IZMさんにはこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
……次回以降も募集形式にするかも(ぇ
と言うか耳なし芳一のようにタイトルから募集するかも(ぇ

最後に改めて。
誤字脱字、文章の矛盾等まだ問題があるようでしたら指摘をお願いします。それによりwiki掲載を来週中か、それ以降に調整しますので。
ご意見ご感想もお待ちしております。
ではでは。。。

70 :創る名無しに見る名無し:2009/11/12(木) 16:29:24 ID:XhsTc95N
代理投下終了。

状態表で改行規制があったので少々ずらして投下しています。(本編は無事)
あと、最初2レスもタイトルつけましたw

改めて投下乙です。では、代理人はこれで。

71 :創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 20:53:37 ID:6lJNvxMk
こいつはクセえなんてもんじゃあねえ…

俺の声に振り返った女の笑顔は、朝の光を周りにはべらせて煌いていた。
女の顔の動きに少し遅れてついてくる、黒くて長い髪の毛も俺には何か驚異の様に見えた。

腐る直前のワインが最もうまいというが、この女の笑顔はそんなヤバい香りがしやがる。
最高に美味だが、その味に振り回されちまいそうな…供された料理の味を蹂躙しちまうような……

簡単に言えば、美しすぎて気味悪ィ、ってとこだな。

大体、おかしいだろ?
なんで殺し合いに放り込まれて、笑ってられる?
まだ若い、十代だろうな、この女…。

俺は半開きになりかけた口をグッとしめなおすと、無理やり口の端を突っ張らせて笑い顔を作った。
深く被り直したばかりのシルクハットに、また手を当てて小さな動揺をはぐらかす。
やはり人間じゃねえのかもしれねぇ。
得物は何も持っていないようだが、バッグに何を隠し持っててもおかしくない。
警戒するに越したことはねえな。
波紋以外の訳の分からねえ現象のこともある。

一先ずは館で何があったか聞かなきゃならねえ。
素直に教えてくれりゃあ助かるが、な。

「なにかしら?」
声をかけてきた俺が何も言わないのを訝しんでか、笑顔は保ったまま女が首をかしげて聞いてきた。
が、それでも俺はすぐに二の句を継ぐ事が出来なかった。

なんだ…今、髪の毛が妙な動きをしたように見えたが気のせいか?
意思を持って動いているように…いや、普通の髪の毛、だよな?
くそ、びびってんのか俺はッ!話を続けなきゃ始まんねえ!
女はさらに首をかしげ、俺の言葉を待っている。
攻撃の気配は見えないが…。

「…いや、俺もあんたみたいな美人さんへの用が、こんな野暮なことでやりきれねえんだが…聞きてぇことがあんのさ。
おっと、言うのが遅れたが、俺はスピードワゴン。殺し合いにゃ乗ってねえ。特にべっぴんには優しくするのがモットーよ。」

「まあ、ありがとう。でも少し待ってもらえると嬉しいわ……始まったみたいだから。」

女はそう言ってごそごそとバッグを漁ると、紙の束とペンを取り出した。
俺は先のセリフと女の行動から、すっかり忘れていた重要事項の存在を思い出す。
危ねぇ。俺もバッグの中から必要なものを取り出して準備をした。
耳に意識を向けると、音楽なんざちんぷんかんぷんの俺でも聞いたことがある旋律と共に、あの野郎の厭味ったらしい声がどこからともなく流れている。

第2回目の放送が始まりやがったらしい。


72 :創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 20:54:26 ID:6lJNvxMk


寂しい風景の中、佇む影が二つ。
先ほどまで流れていたベートーベンも、風の間に間に、ゆっくりと小さくなるとやがては消えてしまった。

二つの影の片方、金の髪を微風になびかせた少年は、僅な動揺を瞳に浮かべることを抑えられなかった。
だが、その心の中はさらに激しく渦巻く悲しみ、驚き、怒りに翻弄され荒んでいる。
表情に現れたのはそのごく一部の歪みに過ぎない。

(アバッキオ…死んだ………?そんな。一体誰に…どうやって……)

少年、ジョルノ・ジョバァーナはあけどもなく考えている。
メモを取るために広げていた地図と名簿を持つ手に、力を加えすぎてしまわないように気を付けながら。

そしてその傍ら、半歩後ろに立つ長身の神父服を纏った影。
男、エンリコ・プッチもまた、死亡者として読み上げられた人物の意外さに面食らう。
時を止める無敵の能力を持つ男をも葬ることが可能な存在。
このフィールド内に、それが確かに存在していることに背筋が凍るような感覚を覚えた。

(空条承太郎が、死んだ…!!バカな…一体誰がどうやって…。それにスター・プラチナまでもが消滅してしまった!)

友人に贈ろうと思っていた『時を止める能力』は、永遠に失われてしまった。
同等の能力が存在する可能性も否定はできないが…。
彼___DIOだけに許されているはずだった時を操る能力が、そうもぽんぽんと存在しても気分がよくない。

(ディオは無事なのか?早く館に戻らねばならない…。)

プッチは、友人の安否を想う。彼があの悪徒たちの中で無傷でいられる保証など無い。
心配がより大きなわだかまりとなって胸に詰まってくる。

そして、もう一人。

(ウェザー・リポート…我が弟よ。お前は私を憎んだかもしれないが、私はお前を、救いたいと思っていた。……安らかに眠れ。)

目を閉じて静かに十字を切り、まだ見ぬ天国、全てのものが覚悟を持って日々を送る素晴らしい世界を想う。
その世界には、その『世界』には、ディオとジョルノを連れて必ず到達しなければならない。
先に荷物を整えたプッチがいつもより緩慢な動作でデイパックを開いているジョルノの肩に手を置き、言葉をかけた。

「ジョルノ、今の放送について考えたり悲しんだりすることがあるかもしれないが、全ては後だ。まずは館に戻ろう、いいね?」
「…はい。」

館は近い。


73 :代理:2009/11/17(火) 20:55:26 ID:6lJNvxMk


あ〜あ……

なんて事かしら。やっぱりうまくいく事ばかりじゃあないわよね。
分かってたつもりだけどテンション下がるわ。

あのおばあちゃん、全然だめじゃないの。
放送だけじゃ役に立ったかどうかも分かりやしないわ…。

私はがっかりを押し隠しながら、神妙な顔を取り繕ってちらりと斜め前を見た。
この見るからにチンピラなお兄さんも、悲しそうな顔をしているけれど…。
知り合いでも死んだのかしら?
小さな舌打ちと、「くそッ…」と言う呟きが聞こえた。

そうよね、悲しいわよね。

この人は今何を考えてるのかしら。
私と同じく、死人を生き返らせようと考えてるのかしら?
それとも荒木を倒して、敵を討つとか?

だめ。どっちもさせない。
優勝するのは私なのよ。

タクシーの順番待ちができないように、信号が赤でも私が通っているときは車は通ってはいけないように……。
どうしようもないの。私がそう決めたんだから。
だから私に利用されて、私を優勝させてちょうだい。
一先ずはこのお兄さんがどんな人なのか知らなくてはね。
私はいい子の顔を作りながら話しかけた。
でも、その時。

「ねえ、お兄さ「…どこへ行くんです?」

……うっとうしいわね!なんであんたらが来るのよ!?

後ろから突然しゃしゃり出てきた2人を思わず睨みつけそうになってしまった。
いけない。必要以上に感情を出していては、そこに付け込まれる。
私は慌てそうになるのを何とか押しとどめ、無表情を装った。

ジョルノ・ジョバァーナにエンリコ・プッチ…こいつらの相手を一人でするのは良くないわ。
2人とも抜け目がない、ってのだけは分かるもの。

戦闘じゃなくても、会話だけで何かを掴まれてしまう可能性もあるわ。
ここは離れた方がよさそう…このお兄さんにも髪の毛を埋めたかったけど、2人もギャラリーがいては難しいわね。
放送前にさっさと仕込むべきだったわ…最初に仕掛けようと思ったけど、聞き逃しちゃいけないと思ってメモに集中していた。
私って要領悪いのかしら…反省しなくちゃね。
さ、今はとにかくこの2人よ…。

「…言わないわ。何を怒っているの?第二放送時に誓いを立てるっていう約束の事なら、承諾した覚えはないわよ。
それにあなた、どこかに行くんじゃあなかったわけ?」

74 :代理:2009/11/17(火) 20:56:26 ID:6lJNvxMk
ジョルノ君…は何か落ち込んでるのかしら?
さっきまでの覇気がないわね。
放送で誰か死んだのかも…ご愁傷さまだわ。私には関係ないけどね。

…あら、そんなに睨まれる筋合いはないわ。
プッチ神父まで私をそんな目で見て。

「…彼は?」

ふうん…あんたも答えない、ってわけね。
聞いてるのはこのお兄さんの事かしら。でも説明なんてしない。
さっさとどこかへ行ってしまえばいいのに…。

取り敢えずは煙に巻いておかなくては。

「駄目よ…質問に質問で返しちゃ。テスト0点よ。」

「君。いつまでもそんな子供じみた問答をする余裕は我々にはない。君が先にジョルノの質問に答えるんだ。」

プッチ神父が前へと進み出て凄んでくる。
なんでよ!?うざいわこの人…何様なの?
プッチ神父の目つきがますます穏やかでない感じに変わって来ているみたい。

…嫌な空気になってきたわ。もうここにいない方がいい。

せっかく利用相手が増やせるはずだったのに、こいつら、今すぐ殺せるんならどれだけいいかしら。
いえ、冷静さを失ってはいけないわ。そもそも2対1じゃどうしようもない。
問題はどうやってここを離れるか、ね…。
私は交互に2人の様子を観察しながら、身の振り方を思考し始めていた。
すると突然、今まで黙っていたシルクハットのお兄さんが進み出て、私と後から来た二人の間に入ってきた。

「よぉ…、坊ちゃん。ちょいと話があるぜ。あとな、急いでるレディを無理やり引き止めるのは、もうちょっと大人になってからやんな。」

あら、思わぬ助け舟だわ…聞きたいことはもういいのかしら?
まあ、本当のことなんて誰ともわからないあなたに教えやしないけどね。

75 :代理:2009/11/17(火) 20:58:26 ID:6lJNvxMk
「…?」

ジョルノ君は訝しそうにチンピラ風のお兄さんと見つめ合ってるけど…私、もういいわよね?
こうしている間にも、康一君との時間が無駄になっちゃう。
このシルクハットのお兄さんも手駒の一つに加えたかったけど、諦めるわ。
欲張りすぎても良くないもの。
お兄さんは私を見ると、片目をつぶって喋りかけて来た。
外人さんだからかもしれないけど、ずいぶんと気障ったらしい人ね。康一君みたいな可愛らしさを見習ってほしいわ。

「お嬢ちゃん、引き止めて悪かったな。さっきの俺の話は無しだ、忘れてくれ。」
「そう?じゃ、お言葉に甘えて行かせてもらうわ。さようなら、またね。」

私は背後から何かされないか注意深く警戒しつつ、その場を少し早めの歩調で離れた。
離れてしまえば、もうあの人たちに興味はない。
せいぜい利用したりされたりして、死んでゆくがいいわ。
さて、まずはどこへ向かえばいいのかしら。

相変わらず日差しがきついわね……ほんとに2人でピクニックなら最高だったのにね…康一君。


【D-4 南部/1日目 日中】

【山岸由花子】
[時間軸]:4部終了後
[状態]:健康、強い覚悟
[装備]:妨害電波発信装置、サイレンサー付き『スタームルガーMkI』(残り7/10)
[道具]:基本支給品、不明支給品0〜1 承太郎の首輪
[思考・状況]基本行動方針:優勝して広瀬康一を復活させる。
0.全てが終わったら、康一君とこんな天気のいい日にピクニックに行きたいわ…
1.吉良吉影を利用できるだけ利用する。
2. DIOの部下をどうにか使って殺し合いを増進したい。
3.正直知り合いにはなるべくあいたくない。けど会ったら容赦しない。
4.一応ディオの手下を集める
[備考]
※エンヤの能力が死体操作であることを知りました。生きた人間も操れると言う事はまだ知りません
※荒木の能力を『死者の復活、ただし死亡直前の記憶はない状態で』と推測しました。
 そのため、自分を含めた全ての参加者は一度荒木に殺された後の参加だと思い込んでます
※吉良の6時間の行動を把握しました。
※空条承太郎が動揺していたことに、少し違和感。
※プッチの時代を越えて参加者が集められていると考えを聞きました。
※ラバーソールのスタンド能力を『顔と姿、声も変える変身スタンド』と思ってます。
 依然顔・本名は知っていません。
※スピードワゴンの名前と顔を知りました。

76 :代理:2009/11/17(火) 20:59:44 ID:6lJNvxMk
※    ※    ※

「ジョルノ」

「…いえ。いいです。」

美しい黒髪を持つ少女…山岸由花子が去っていくのをイラついた視線で追いながら、プッチは傍らに立つジョルノに対し声をかけた。
彼女を止めなくては、という意味合いを含んだプッチの呟き。
しかしそれに対して、ジョルノは反対の意思を示す。
ジョルノは去ってゆく少女のセーラー服が反射する光から目を逸すと、ゆっくりと目の前のシルクハットの男を見据える。
少女が景色の彼方に霞み、影すら消えるまで待ってからジョルノは口を開いた。

「……あなたのアイコンタクトは、こういうことでいいですか?」
「『この女はほっとけ』。上出来だぜ坊っちゃん。あの嬢ちゃんはどれだけ質問しようがほんとの事なんか言いやしねえよ。」

痛快、といった様子でハットの縁をつまんで、またもやスピードワゴンはウィンクをした。
そんな粋な動作にもたいしたリアクションを示さず、ジョルノは先を促した。

「では用件を。」

しかしジョルノの横に立つエンリコ・プッチが、口を開こうとしたスピードワゴンを軽く手で遮る。

「歩きながらでお願いできないかね…我々は館へ急いでいるんだ。我々を襲うつもりが無いのなら、ね。」

プッチのその言葉を受け、肩をすくめたスピードワゴンはジョルノと一瞬視線を合わせる。
そうしてから、どうぞ、と言ったような動作で顎をしゃくった。
3人がゆっくりと歩き出し、再度口を開く。

「で、だ…。あんたらDIOの館にいたんだな?嬢ちゃんの台詞からの推理だがよ。」
「ええ、いました」
「おう。俺ァな…中の状況を教えてもらいてえのよ。誰がいて、どういう会話が交わされたか、何か解ったことがあるのか…」

フーッというため息が、プッチの口から洩れた。
やれやれ、といった様子で首を振ると、自分の横で無表情のまま歩くジョルノを見る。
ジョルノの表情が少々固いのが気がかりだが、今は触れないでおいてやろう、と決めて口を開く。
こんなバカなことがあるかい?と同意を求めるような調子を含めて。

「ジョルノ。まさか教えやしないだろうね…どこの馬の骨とも分からぬ輩に。」
「まあ、こちらだけが教える義理は皆無と言わざるを得ませんね。あなたからも情報をいただけるならば考えます。せめて名前とか。」

ジョルノはプッチには目を向けず、隣で歩く男を見定めるようにちらりと見やり、すぐに前へと視線を戻す。
スピードワゴンはニヤッとし、シルクハットのつばを持ち上げて快活に言い放った。

「スピードワゴン。馬の骨ってのは否定しねえ。ケチなチンピラよ。坊ちゃんはジョルノってのか?」
「…ええ、こちらはプッチ神父です。」

スピードワゴンという名前を名簿の上の方で見たことを思い出しつつ、ジョルノはプッチを示し、名前を告げた。
対するスピードワゴンは大きく眼を見開き、観察するようにプッチを凝視した。
プッチは不躾に張り付いてくる視線に耐えながら、眼で頷いてみせる。

「へええ、神父さんまでいるのかい…。あんたらが徒党を組んで動いてる時点で、ゲームに乗ってねえってのはわかる…当然俺も乗ってねえ。
が、それ以上の情報となると、ちっとデリケートな問題なんでな。敵だの味方だの…な?」
「そうですね。あなたの敵が僕達の敵とは限らない。逆もまた然り。」

話を進めつつもスピードワゴンはその眼から採取しうる情報を出来るだけ逃すまいと、観察を続ける。
金髪の少年、ジョルノは思わず『すかしてんじゃねえ』と言いたくなるくらい落ち着いている。
そして相変わらず、この少年からは波紋の様な、ジョナサン・ジョースターの様な『良い』匂いがする。
しかし、この神父は黒か白か、よくわからない。

(目つきだけならイヤに輝いてやがる。坊さんは皆こうなのか?)

77 :代理:2009/11/17(火) 21:00:10 ID:6lJNvxMk
そして彼が先刻まで考えていた事。
『ディオの手下を装う』
しかし、これを実行するには不安点が多すぎた。
彼らゴロツキどもの間でもあったことだが、集団の中にはそこ独特の空気や暗黙のルールがあったりする…あるいは様々な合図・サイン。
もしそんなものがディオの手下どもの間に存在したなら、スピードワゴンには分からない。
墓穴を掘る危険がある。

(そこでだ。)

あえて『知り合い』としてディオの名前を出す。
仲間ではなく、彼が何をしているのかもよく知らない、単なる知人だと。
このフィールド内で唯一自分の知る語句である『ディオ』の館につられ、他のあてもないのでここへ来たと。

そして館の中での情報をいただく。その内容によって身の振り方を決める。
適当な理由を付けてフケるのもいいだろう。
ディオに聞かされ見知っていたとして、タルカスの名前でも出せば裏付けとして使えるかもしれない。

(わかってる。カードで言うならブタぞろいな手だってな。
だが、虎児を得んとするならば虎穴に。あえて危険な橋を渡ってやるぜ。)

スピードワゴンは緊張で強張りそうになる表情を隠し、ひっそりと決意を固めた。
死んでしまったエリナ・ジョースターの為にも。
どこかで一人、悲しみに打ちひしがれてるに違い無いジョナサン・ジョースターの為にも。
2人の姿を想いながら、スピードワゴンは口を開いた。

「ディオ、って知ってるかい?知り合いなんだけどよ」


78 :代理:2009/11/17(火) 21:01:26 ID:6lJNvxMk



(やべえ。やべえやべえやべえ。)

偽りの発言から数分後。
淡々と歩を進める二人の横で、スピードワゴンは冷や汗が止まらなかった。
『ディオの知り合い』と偽ったのは、あくまでも情報を入手するため。

(それがなんで本人に直接会う事になるんだよぉッ!?)

嘘を信じ込ませようとする過程でタルカスの名前を出すと、2人は今のところは納得したような返事をした。
完全に信用を得るにはやはり裏付けが不足している。
『ディオの知り合い』というあやふやな立ち位置を証明する手段が少なかったのだ。

それでも同行を許しているこの二人は、もし自分が大嘘つきで2人をだまして襲うつもりだとしても、問題にならないほどの力を持っているのかもしれない。
いずれにせよ2人とも凡夫ではないことは確かだ。
スピードワゴンは奥歯を噛みしめ、先ほどのやり取りを反芻した。

(納得させたまでは良かったのよ。だが…)

『そうだ、このまま直接本人に会いに行きますか?』

『その方がディオの為にもなるだろう…いや、今彼は中々不機嫌でね。
知り合いなら分かるだろうが、気難しい男だろう?勿論、彼の気高さの一部でもあるんだがね。』

『昔の知り合いとの邂逅で、気分が紛れれば、それはいい事ですし。』

『いや、俺っちは手下の手下みたいなもんで…』

『面識はあるんでしょう?』

『などと言っているうちに着いたじゃないか、さ、こっちだ。』

大きな門から館の入り口までの小道を、3つの足音が移動する。
スピードワゴンがふと横を見ると、通過する自分達をを興味がなさそうな視線で見やる、先ほどのナイフを持ったガンマン風の男。
その男から少し離れた場所の地面が盛り上がっている。被せた土が真新しい。

(何かを埋めたのか?まさか…)

良からぬ想像に背中を汗が伝うが、今は考えない事にし前へと視線を戻した。

三人は重々しい扉より館内に入る。
顔がばれているタルカスの野郎に見つかった時点でお陀仏決定、と覚悟しかけたスピードワゴンだったが…。
タルカスは日の当らない暗がりにいるらしく、声だけでジョルノとプッチが応答をした結果、顔を見られることもなく通過を成し得た。
さらに奥へと進み、階上へと続く階段を3人で上りつつ、プッチが上を見上げ心配そうに呼びかける。

「ディオ?今戻った!どこにいる?」

「……そんな猫撫で声で呼ばないでもらおうか…俺を弱者扱いするな。」

79 :代理:2009/11/17(火) 21:03:42 ID:6lJNvxMk
真昼だというのに薄暗い館の中、その暗がりの片隅から『ディオ・ブランドー』が姿を現した。
密かに生唾を飲み込むスピードワゴン。
だが『ディオ』はやはり日の光をものともせずに近づくと、プッチに対して苦言を呈した。

館を出立する前と変わらないその姿にエンリコ・プッチは安堵の息を付く。
同時に変わらぬその強気の発言にも。

「すまない。だが私の心配くらいは汲んでくれ。無事で何よりだ。」
「フン!」

ディオが鼻を鳴らしてそれに答える。
その問答を軽く流しながら、ジョルノは後ろを示して新たな来訪者を紹介した。

「あなたの知り合いが来ています。スピードワゴンさん、という方です。昔の仕事仲間だとか…」

『ディオ』の双眸がスピードワゴンをとらえた。
早鐘のごとく鼓動する己の心臓を手で掴んで止めてしまいたい衝動。
それと戦いつつ、スピードワゴンもディオを見た。
ここで終わりか。嘘がばれる。その後の己の身に、保証など何もない。

「………ほう、君か。最後に会ったのはいつだったかな…?」

意外、それは肯定。
あの『ディオ』が、自分を知り合いと言った…?

今までとは別の恐怖、焦りがスピードワゴンを襲った。
じり、と後退する。
その様子を訝しんだ他の三人の視線がスピードワゴンに注がれる。
視線をディオから外せないまま、やや震える声を何とか捻り出す事が出来た。

「……おい、こいつは…確かにディオだ。だが違う。」

狼狽している様子のスピードワゴンに対して、ジョルノはしまった、という顔をしたものの落ち着いた様子は崩さず答えた。

「あ、まだ説明していませんでした。一瞬で説明するのは難しいですが…。
ここにいる人間は、過去から来たり、未来から来たり、ばらばらの時間から連れてこられている、と言えば分っていただけるかと。
だからあなたの知っているディオさんとこのディオさんは違う可能性があって…」

「はぁ!?…」

その内容はいきなり理解するにはあまりにもぶっ飛んだ内容だった。
だが、それよりも今のスピードワゴンにとっては目の前の事態の方が火急である。
立て続けに起こる理解を超えた出来事に、頭の混乱を収めることができない。
しかしなんとか言葉を選び、さらに後ずさりつつも話を続ける。

「……だとしても、…だ。こいつはディオじゃねえ。」
「……なんですって?」

ジョルノが訝しげに『ディオ』を見やった。
『ディオ』はじろりとジョルノを睨むと、バカらしい、と言ったように肩をすくめた。

「おいおい…何を言い出すかと思えば…!お前が偽物なんじゃあないのか?常識的に考えて。」

「ッ!」

再びジョルノとプッチの視線がスピードワゴンに注がれる。
2人の背後で『ディオ』は唇の端を釣り上げた。それを見たのは、スピードワゴン只一人。
そして『ディオ』が一歩近づこうと足を浮かせた瞬間、スピードワゴンの罵倒が飛ぶ。

80 :代理:2009/11/17(火) 21:04:56 ID:6lJNvxMk
「動くんじゃねえゲロ野郎!ジョルノ、プッチ神父、悪ィことは言わねえから離れろ!」

「いい加減にするんだ!!これ以上ディオを侮辱するのなら、生まれてきた事を後悔させてやるぞ!!」

プッチが額に青筋を浮かせながら怒鳴る。
しばしの沈黙。
相変わらず館の中は湿った空気が漂い、暗欝な気配が空間を満たしている。
スピードワゴンはジョルノを見た。相変わらず漂って来る、太陽の匂い。
今後起こりうる事態に、恐怖が無いわけではない。
だが、自分はジョナサンに誓ったのだ。

『おれぁ、あんたに顔向けできねえことはしねえぜ』

「……ジョルノ。さっき俺はディオの知り合いだと言ったな?すまん、ありゃ嘘だ。」
「「「なんッ……」」」

三人が同時にたじろぐ。スピードワゴンに注がれる視線がさらに鋭くなる。
そのうちの一つ、外面上は『ディオ・ブランドー』の視線は特別に驚愕を含んでいるようだ。
冷や汗をぬぐおうともせず流し続けながら、スピードワゴンはひきつった笑いを浮かべた。

「情報をいただくために付いた嘘だ…そして俺は、『匂い』で嘘がわかる。
おまえのさっきの時間についての説明は本当だ。だがこいつは嘘を付いているッ!」

「匂い…?それだけでは何の裏付けにもなりません。」

ジョルノは口ではそう言っているが、気持ちは瞳からくみ取ることができる。
その瞳の揺れを、スピードワゴンは脈あり、と受け取った。
間髪いれず、たたみかけるように叫ぶ。

「じゃあ!なんでこいつは知り合いでも無い俺を知り合いだと言った?なんでお前ェらについた俺の嘘とわざわざ口裏を合わせやがった?
答えは!こいつが俺を知らないからだ!ディオが俺を知っているかどうかを知らなかったからだ!」

「だからと言ってあんたの嘘を嘘と証明できるんですか?!そもそも最初に嘘をついたと、今我々にばらすのはなぜ…っ?」

ジョルノは初めて狼狽の色を示した。
眉根にしわを寄せ、真剣な表情でスピードワゴンに詰め寄り、口調を荒げる。
スピードワゴンは目を閉じ、すう、と大きく息を吸い込む。
そして眼を見開きまた大声で叫んだ。

「俺は、ディオの敵だッ!吸血鬼ディオの!だがなぜこいつは日の下を歩いてる!?
ここへ連れてこられた時間に原因があるとしても、俺に対するこいつの態度はありえねえ!
俺はディオが吸血鬼になった時に初めて出会い、すでに敵として認識されていたッ。」


81 :代理:2009/11/17(火) 21:06:03 ID:6lJNvxMk
再び沈黙。
ジョルノは唇を半分開けたまま、今自分の耳に注がれた事実を咀嚼しきれない、といった表情で佇んでいる。
スピードワゴンは頭に血が昇ってゆくのをどこか冷静に見ている自分を感じながら、ジョルノに向けてさらに言葉を続ける。

「いいか…真実とは!一片の疑問をも許さない!こいつは偽物だ!ディオじゃあねえ!
信じろ!俺も信じる!お前の黄金の、太陽の匂いを!」

「………」

「止めろ…ジョルノ…!私は、君を、攻撃したくないッ!!」

プッチは『ディオ』とジョルノの間に立ちはだかった。
ジョルノは沈黙を保つ。
『ディオ』も口を開かない。
三度の沈黙。
動かないジョルノに、スピードワゴンは駄目か、と目を固く瞑り、悔しそうに下を向いた…
次の瞬間。

「……無駄ァッ!!」



(2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41…)

プッチは動けなかった。唇が、肩が、握った拳が、足が震える。
心臓を氷の上に落としたような感じ。
動揺によりホワイトスネイクを発現させたまま固まってしまう。素数も心を慰めるに至らない。
ぎこちない動作で『ディオ』だと思っていた人物の方を見やると、端正だった友人の顔がどろりと溶けている。
醜く、大きく歪んだ唇の間から下品に舌を垂れ、その人物は笑っていた。

「ヒヒ…早々にばれちまったか。イレギュラーすぎるぜ、あんちゃんよぉ?」

「……どちらが本当のことを言っているのか、判断しかねました。だから…」

ジョルノの後ろに輝く、黄金の人影。
無機物に生命を与えるスタンド、『ゴールド・エクスペリエンス』。
先程その2つの拳は、『ディオ・ブランドー』とロバート・E・O・スピードワゴンに向かって同時に伸びた。

右の拳はスピードワゴンに。
彼はドサ、という音と供にシルクハットを床に落とし、少し遅れて自分も階段を3段ほど転げ落ちると、地面に身を横たえ動かなくなった。
そしてもう一つの左の拳。
それはゲル状のスタンドヴィジョンに阻まれ、本体には届かず宙に固定されていた。

「わかんねえなら全員ぶちのめす…ってことか?ン?」

「…ええ。スピードワゴンさんが偽物の可能性も十分あり得た。結果は…こういう事ですか。」

82 :代理:2009/11/17(火) 21:07:34 ID:6lJNvxMk
エンリコ・プッチは考えていた中で、最悪の展開が起こったと思った。
彼はまだ動けない。頭が現実を受け入れないのだ。

ディオが、おそらくこの男に襲われた。
考えるだけでも足の力が抜けそうになる。
____まさか、殺された?

「…43, 47, 53, 59, 61…!貴ッ様…!!!ディオは!どこだ!?」

「誰が言うかハゲ。で、てめえは用無し、ッと。」

「……ッ!!」

プッチの肉体に、黄色いゼリーのようなスタンドが覆いかぶさる。
それは肩から腰にかけて完全に密着する凶暴な『イエロー・テンパランス』。
気味の悪い動きで襟や服の裾から中へと侵入し、肌に密着してきた。
べっとりとした感触の次に襲ってくるのは焼けるような痛み。

「う、おぉぉ!!」

激しい痛みに動揺し、階段に崩れ落ちながらもプッチはホワイトスネイクをけしかける。
こいつはまだ殺せない。本物のディオの居場所を吐かせるため。
こいつを殺してしまったら、永久に分からなくなる可能性もある。

ホワイトスネイクの拳はあっけなく止められた。元より当たるとは思っていない。時間を、間合いを稼ぐため。
だが、スタンドが殴りつけた腕からも同じような痛みが伝わってきた。肉が溶ける。
DISCを作るために集中する隙がない。
ジョルノが攻撃の為さらに近寄ろうとするが、プッチは大声でそれを止めた。

「来るな!!こいつのスタンド…私の肉体を食っている!!近付くのは危険だ!」

ジョルノははっとした様子でその場に止まる。
プッチは考える。
隙を作るためならば協力者は必須だが、ジョルノにそのような役目は負わせないと。

先程まで『ディオ』だった人物…今はその顔は歪み、うごめき、固まりかけたかと思うとまた歪み、を繰り返している。
プッチはありったけの憎悪を込めてその形の定まらぬ顔を睨みつけた。

「ディオを探すんだ、ジョルノ…!こいつを倒したら、居場所を吐かせ、私も合流しよう…。
君は戦ってはならない。こんな薄っぺらな藁の家に君は関わるべきではない。」

敵を睨んだまま背後のジョルノに低くつぶやく。
ジョルノが躊躇する気配が伝わってきたが、数瞬後には駆けだす足音と、ごそごそという布のこすれる音がした。
そしてまた足音がし、それはだんだんと遠ざかって行った。

(スピードワゴンというチンピラも連れて行ったか。これで、この舞台には私とこいつ、2人きり…)

足音が十分に遠ざかるのを確認する。
プッチはディオが無事であることを切実に、切実に願った。同時にジョルノの無事も。
敵は、痛みで視界が定まらないらしいプッチの様子を鼻で嘲笑いながら言い放つ。

「俺ァ今、サイッコーの気分だ…くたばりやがった!あの!スカしたタマ無し野郎が!承太郎が!!」

その声色は、奇妙の一言に尽きた。
音声のバグのように、様々な年齢、性別の声が入り混じり、気味の悪い響きを放った。
綯い交ぜの声色で高く笑いながら、敵は階段を一段降りプッチに近づく。
プッチの焼けつく痛みは依然収まらない。
浸食のスピードはさほど速くはないが、どうやらこのゼリーのようなスタンドは肉を食って大きくなっているらしい。
腰から太ももの付け根あたりまで範囲が広がっている。
まるで「肉食アメーバ」。

83 :代理:2009/11/17(火) 21:08:52 ID:6lJNvxMk
「だがな…俺の華麗で完璧な作戦を妨害するてめえら…」

敵はすがすがしい笑顔を浮かべた。
ようやく形の定まったその顔は、その敵自身の最大の敵にして、プッチにとっても最大の障害、空条承太郎の顔。

「こいつはメチャゆるさんよなあああ〜〜〜〜!!まずはてめえのベソっかき顔を拝んでやるぜ!」

さらに襲いかかってくる、ドロドロとした不気味なスタンドのビジョン。
自由自在に変化する、軟質の黄色い檻。
それはプッチを覆い尽くし、あっけなく呑み込んだ。

「ンッン〜ッ!ブジュルブジュル潰して、栄養にしてやんぜぇ〜!?」

だが、そこで突然感じる違和感。
人間をつぶして食らうときは、柔らかくて脂っこいステーキを食べたような満足感を味わっていたのだが…
全くスカスカの、まるでスジ肉を飲み込んだような感覚しか感じられない。

「…?」

『空条承太郎』の顔をした人物は、その違和感にはたと笑いを止めた。
今、自分のスタンドで覆い尽くした場所をよくよく眺めると、ただ表面が少し抉れた階段があるだけだった。
訳が分からず、自分が今飲み込んだ物を吐きだす。
すると、溶けかけた木片が数個吐き出された。
それを確認した瞬間、背後に気配を感じる。
ぞっとするような突然の出来事。
あり得ない事態に動揺しかかるも、後ろに振り向きざますぐに自らのスタンドをけしかけた。

「後ろか!イエローテンパランスッ!」

その人影は、確かにエンリコ・プッチの姿。
自らのスタンドに、いともたやすく呑み込まれた。
今度こそ確かに仕留めたと、『空条承太郎』の顔は歓喜に沸き上がった。
本人ならばありえないような下卑た表情で笑う。

そこでどこからともなく響く声。

「2つだ…」

それは、たった今確かに飲み込み、食らったはずのプッチの笑い声。
また別の方向を振り返ると、そこには全く無傷のプッチの姿があった。
肩を震わせ、おかしくてしょうがない、と言った様子で佇んでいる。

「私の作った仕掛けは2つ…」

確実に仕留めたはずのプッチの笑いと不可解なつぶやきに、はたと笑いを止めた『空条承太郎』の顔。
今度こそ、そのへらへらとした態度はなりを潜め、声の聞こえた方向へと、また自分のスタンドをけしかける。

84 :代理:2009/11/17(火) 21:09:32 ID:6lJNvxMk
だが攻撃が届くよりも前に闇に溶け込み、消えるプッチの姿。
その攻撃は失敗、イエローテンパランスは空を切った____

「ハッ!!…な、何だ…」

いつの間にか床へ倒れ伏している自分に驚き、すぐさま立ち上がる。
よく見ると、先程スタンドで少しだけ抉り取ったはずの階段が、無傷のままそこにあった。

さらに視界を巡らせると、背中を一面溶かされ、食われながら満身創痍のエンリコ・プッチ。
彼は、敵を溶かし切り、記憶ディスクを抜きとるまでに至らなかった事に対して歯ぎしりをしていた。

プッチの一つ目の仕掛け。
それはこの人物が敵と断定された時からすでに進行していた。
ホワイトスネイクは全身を溶かし、更に気化させ、「溶解性を持った催眠ガス」のようなものに変化させる事ができる。
『空条承太郎』の姿をした敵は、いつの間にか眠らされていたのだ。
一つ目のプッチは幻覚。
2つ目のプッチも幻覚。
全て幻覚。
しかし、負傷により精神エネルギーが弱まり、能力が弱体化しているようだ。

男が眼をさました事を確認すると、背中の痛みで思うように動けない体を引きずりながらプッチは一人ごちる。

「お前のDISCを生成するまで時間が足りなかったか…だがお前は楽には死なせない…」

敵のスタンドを殴った時の感覚で気付いたことがある。
こいつのスタンドヴィジョンは、”肉と一体化している”という事。
つまり、スタンド使いではない人間に視認不可能なスタンド像そのものに、生物の肉が混じった状態で発現している。
おそらく一般人にも見えるタイプなのではないだろうか?
そしてスタンドそのものは生物ではないので、命令DISCを挿入できない。
しかし、そこに有機物である肉が混じっていたなら。

「分不相応な夢は終わりだ。行け。…ホワイトスネイクッ!!」

プッチのスタンドは主人の命令をきわめて忠実に遂行した。
ぐにゃりと形を変えかけた肉のアメーバの中に、ディスクを押し込む。

2つ目の仕掛け。
そらはたった今作り終え、『イエロー・テンパランス』が同化する肉へと挿入されたDISC。
その命令は___

「あ…あ…」

『空条承太郎』から突如、蒸気が立ち上る。
灼熱の粒子が、中に籠った本体の肉を焼きつける。

このDISCへの命令は、「沸騰しろ」。

「うあっ、あ゛っ、お゛ぉ゛ぉ゛ぉ!!!?」

想像を絶する熱さと痛みが、彼を襲う。
今、やっと全スタンドを解除して素顔を現した彼の名前はラバーソウル。
自らのスタンドが取りこんだ肉__死体__達が復讐するように沸騰し、彼の生身を焦がす。

背面をアメーバに食い散らかされ、重症ながらもプッチは立ち上がり、尻もちをついたラバーソウルを見下す。
この世で最も汚らわしい物を見る目つきで。

「お前からは、すべてを奪う。死ぬ時は骨も残らないと思え。…ディオはどこだ。」

85 :代理:2009/11/17(火) 21:10:22 ID:6lJNvxMk
そう言いつつも答えを期待していないプッチは、記憶DISCを抜きだそうとホワイトスネイクを発現し、手刀を振り上げさせた。
ラバーソウルは後ずさりながら両手を顔の前で交差し、己を守ろうと必死だった。
その手も、隠そうと足掻いている顔も、その他の露出した部分はすべて真っ赤に膨れ、ところどころは早くも水膨れができている。

「言う!言うよおおお!!だからやめろこらぁぁ!!!」

「止める、ものか…」

振り下ろした手刀は、確かにラバーソウルを捉えた。
手刀の衝撃を食らい、あっさりと気絶するラバーソウル。
しばらくの間をおいた後、軽い音と共に床に落ちる、抜き取られた彼の記憶DISC。

だが。
DISCを回収することすら叶わぬまま、どさ、という音と共にプッチは床に倒れる。
背中の痛みは進行し、鈍化して痛いのか熱いのか、あるいは全ては気のせいなのでは?と感覚が定まらなくなってきている。

(駄目だ…意識が…私は、このまま…?)

その時プッチは、自分の頬が当たっている床にわずかな振動を感じた。
最後の力を振り絞って開いた双眸。そこにあったもの。
それは、まばゆく光る、生命そのものの様な___

「ゴールド・エクスペリエンス。」




「…よぉ」

嫌な沈黙が流れていた。
スピードワゴンは物々しい雰囲気を放つ大男に、恐る恐る話しかける。

「……」

大男は動かない。
先程、彼はジョルノという少年から一つの依頼を受けた。
このスピードワゴンという男を預かるようにと。
これは主人・ディオの意思だと思ってもらいたいと。
自分はそれを受けた。ただそれだけだ。
今は、今度こそ本当に死んでしまった戦友との思い出に、感傷たっぷりに浸っていたかった。

対するスピードワゴンは、目を覚ましたとたんあの恐ろしいタルカスが目の前に立っている事実に耐えきれず、もう一度気絶するところであった。
しかしタルカスは動かない。時間の関係で、自分の事を知らないのだろうか?
とにかく声をかけてみたのだが。
自分の言葉など蚊の飛んだ音程度の認識なのだろう、じっと眼を閉じて押し黙っている。
だが、どうしても抑えられず質問を続ける。

「……あんた、どこかで会ったかい?」

「黙れ。ここを動くな。従わなければ殺す。」

「……あ、っそ。」

何か馬鹿馬鹿しくなり、大男の隣に座り込んだスピードワゴンは足を延ばす。
そしてハットの縁を目の下まで降ろし、腕を組んで沈黙した。

86 :創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 21:13:14 ID:3/TzGe79
 

87 :創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 21:19:23 ID:3/TzGe79
【C-4 DIOの館/1日目 日中】

【ロバート・E・O・スピードワゴン】
[スタンド]:なし
[時間軸]:コミックス五巻「悪鬼の最期」にて、ジョナサンとエリナを発見した直後。
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:支給品一式(不明支給品1、確認済)、リサリサのマフラー、民家で見つけた包帯。
[思考・状況]
基本:ジョナサン一人に負担をかけぬよう、自分も弱者を守る。
0.タルカス怖いんだけど…ジョルノ達の事も気になるが、動いたら殺されそうだ。
1.館内の信用できる人物に、不思議な現象について聞く。
2.最悪、誰かにディオ・ブランドーの危険性を伝える
3.ホル・ホースを警戒しつつ、共に目的を同じくする者との合流を図る。
4.ホル・ホースと分担で仲間を探す。繁華街に向かいたかったがディオを追いかけるのを優先
5.地図が正確か確認する(それほど疑っているわけではない)
6.食料・武器の調達もしたい
7.ホル・ホースは信用しきれない。そのために保険をかけた。だが心の奥底では信用してやりたいとも思っている。
8.あの隕石は自然現象か、それとも……?(一応確認したいかな、程度の思考です)
[備考]
※ホル・ホースが戦ったのは波紋使いではないかと薄々考えています。
※スタンドについて未だ知りません。
※ネズミについての真相はスピードワゴンしか知りません。
※ディオが太陽の下を歩いているのに疑問を感じていますが、悪人であることに変わりは無いと考えています。
  また、同行者二人は間違いなく人間と考えています。
※時計と方位磁石は、ジャケットのポケットに入っています

【タルカス】
【時間軸】:ジョナサン達と戦う直前
【状態】:身体疲労(小)精神疲労(小)
【装備】:大型スレッジ・ハンマー
【道具】:基本支給品
【思考・状況】基本行動方針:ディオ様と部下と一緒に荒木をぶっ殺す
0.スピードワゴンをジョルノが迎えに来るまで預かる。
1.館でディオのもとに集う仲間を待ち受ける。
2.ディオとその部下以外が館に侵入してきたら殺す。
3.出来れば鎖が欲しい…
4.ブラフォードよ……
[備考]
※リンゴォのスタンド『マンダム』について把握しました。
※フェルディナンドの姿・声等は何も把握できませんでした。

88 :創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 21:20:26 ID:3/TzGe79
※   ※   ※

「僕の上司も、人の汗を舐めて嘘を判断することができました。後は彼の勢いに押されて、ですかね。」

怪我の治療をしているとき、何故攻撃に踏み切ったのかという問いに対してジョルノはこう答えた。
結果的には大惨事を防げたのだから、スピードワゴンはこのままにしておいて欲しいとジョルノに頼まれ、プッチは渋々承諾した。

治療が終わると、すぐさま殺そうとするプッチを宥めすかし、ジョルノはラバーソウルの火傷を治療。
しかし、右手を左腕の二の腕に癒着させ、左手を右手の二の腕に癒着させた。
同時に右足の裏を左足の膝に癒着させ、左足の裏を右足の膝に癒着させる。
自分自身を抱きしめ、胡坐をかいているような格好だ。
ついでに目もふさぐ。瞼を上下で癒着させた。

「なかなかグロテスクですが…これで動けません。自分の肉体が拘束具を兼ねているんですから。」

「だが、この下道を生かすことに何のメリットがあるんだね?」

プッチはまだおさまらぬ怒りを抑えもせず、ジョルノに聞いた。
この敵、ラバーソウルの記憶DISCはすでに2人で見終えている。
プッチは、ジョルノには突然過ぎる内容ゆえにあまり見せたくはなかったのだが。
そうしてジョルノは、自分の父親がどのような人物なのかをおぼろげに掴んでしまった。
今、彼はあまりいい気分ではない。

(『DIO』のやった事、これは…)

ジョルノは暗欝とした気分を持て余しながらラバーソウルを壁際に転がす。
既に記憶DISCは元に戻し、スタンドDISCを抜きとっている。
ジョルノはラバーソウルに向かってため息をつくと、プッチの方に向き直り意見を述べる。

「殺人はなるべく避けたい。それに、まだ何かに役立ってくれるかもしれませんよ?首輪の解析の為とか、彼に仲間がいればまた色々と、ね…それに。」

ジョルノは再びラバーソウルに近寄ると、彼の頭部をプッチに示した。

「ここ、この部分。これは彼の物ではありません。」

ジョルノが指差したそこには、何の変哲もない髪の毛が存在しているだけだった。
ジョルノは、説明を求める様なプッチの視線に頷く。

「この部分だけ彼の生命とは別の感じがします。くっ付いているようです。」

「つまり、自覚がないままスタンド攻撃を?」

「おそらく。犯人が誰かは分かりませんがね。」

膝を付いていたジョルノは、ゆっくりと立ち上がった。
仲間が2人死亡し、父親である人物の歴史の一端を知ってしまった彼。
はっきりと疲労の色が見て取れた。

だが、プッチはディオが閉じ込められている塔の頂上へとすぐに移動するつもりだ。
ディオが無事と分かった時の彼の安堵はたとえようもなかった。
気絶しているディオを早く起こしに行かなくてはならない。

「ええ……、では、向かいましょう。」

その事をプッチが伝えると、ジョルノはズボンに付いた埃を払いながら頷いた。
ラバーソウルの記憶DISCから読み取った大量の情報も、また時間を作って話合わねばならない。
ジョルノはまたため息をついた。
まともに動けるのはあとどれくらいだろう…睡眠すらとれず、活動し続けているのだ。

先程DISCの中ではっきりと見えた『帝王・DIO』の姿が頭から離れないでいる。

89 :創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 21:21:27 ID:3/TzGe79



寄せては返す、感情の波。

運命は彼らを駆り立てる。
朝も夜もなく。


【C-4 DIOの館/1日目 日中】

【ジョルノ・ジョバァーナ】
[スタンド]:『ゴールド・エクスペリエンス』
[時間軸]:メローネ戦直後
[状態]:健康、精神疲労(中)、トリッシュの死に対し自責の念、プッチからの信頼に戸惑い
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品0〜3
[思考・状況]
0.アバッキオ…!そして『DIO』は吐き気を催す邪悪なのでは?
1.ディオを起こしに塔の頂上へ
2.トリッシュ……
3.ディオに変な違和感(父という事には半信半疑)→未来のDIOには不信感。
4.吉良に不信感。彼の真意を知りたい
5.ジョナサンの名前が引っ掛かる
6.プッチとエシディシに対して不信感
7.プッチとエシディシを警戒。エシディシを放っておくのはまずいが、仕方あるまい
[備考]
※ギアッチョ以降の暗殺チーム、トリッシュがスタンド使いであること、ボスの正体、レクイエム等は知りません。
※ディオにスタンドの基本的なこと(「一人能力」「精神エネルギー(のビジョン)であること」など)を教えました。
  仲間や敵のスタンド能力について話したかは不明です。(仲間の名前は教えました)
※彼が感じた地響きとは、スペースシャトルが転がった衝撃と、鉄塔が倒れた衝撃によるものです。
  方角は分かりますが、正確な場所は分かりません。
※ジョナサン、ジョージの名前をディオから聞きました。ジョナサンを警戒する必要がある人間と認識しました。
※参加者が時を越えて集められたという説を聞きました
  (他の可能性が考えられない以上、断定してよいと思っています。ただし、ディオが未来の父親であるという実感はありません)
※「吉良はスタンド能力を隠している」と推測しています。
※ラバーソウルの記憶DISCを見、全ての情報を把握しました。


90 :創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 21:22:22 ID:3/TzGe79
【エンリコ・プッチ】
[時間軸]:JC6(69)巻、ヤドクガエルに“破裂する命令”をした直後
[状態]:健康 腕の辺りの服がちょっと燃えてる ディオに罪悪感 ジョルノに畏怖の念、ラバーソウルに憎悪の念
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ヘリコの鍵(ヘリコプターはコミックス60巻でチョコラータが乗ってたもの)、ウェザーの記憶DISC 、『イエローテンパランス』のDISC
    不明支給品0〜2(確認はしてます)
[思考・状況]
基本行動方針:ディオ&ジョルノのもとへ、天国へ
0.とりあえず帝王二人の安全を確保したい(ディオ&ジョルノ)
1.ディオを起こしに塔の頂上へ
2.スピードワゴンはディオの敵?ならば、消さなくてはならない。→今のところはジョルノに頼まれたので、放置。
3.首輪解析のため、ナチス研究所を手に入れたい
4.エシディシは良い奴のようだ。しばらく一緒にいてみよう。もっと情報交換をしたい。
5.ディオが違う時代から来ていたことに少しショック。
6.吉良に不信感。彼の真意を知りたい
7.ジョースター一族はチャンスがあれば抹殺(無理はしない)
8.DISCの確認
9.エシディシ、ディオに相応しいスタンド探し(ディオ優先。)
[備考]
※エシディシとはお互い「気が合う、面白い」といった理由で手を組んでいるので利用する等の発想は現段階ではありません。
※時代を越えて参加者が集められていると考えています。
※C-10、特に隠れ家の周りはダービーの手足と周りの植物を基に繁殖したカビが広がってます(大体はエシディシに焼かれました)。
※スタンドが誰にでも見えると言う制限に気付きました。彼らはその制限の秘密が首輪か会場そのものにあると推測しています
※『ジョースター家とそのルーツ』リストには顔写真は載ってません。
※ヘリは墜落しました。残骸はD-2の南部にあります
※影響を恐れ、ジョルノ、ディオにディオの未来に関する情報を教えていません。
※ディオは『スター・プラチナ』を使いこなせるのではと考えていますが、実際のところは不明です。
※「吉良はスタンド能力を隠している」と推測しています。
※ラバーソウルの記憶DISCを見、全ての情報を把握しました。


91 :創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 21:23:06 ID:3/TzGe79
【ラバーソール】
[時間軸]:承太郎と戦闘中、ザリガニ食べてパワーアップした辺り。
[状態]:健康。人間拘束具状態。仗助、重ちー、マイク・O、スカーレットを食べてパワーアップ!?、DISCが戻らない限りスタンド使用不可。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 ×5(内一食分食料と方位磁石消費)、ギャンブルチップ20枚、ランダム支給品×1 (未確認)
    サブマシンガン(消費 小)、巨大なアイアンボールボーガン(弦は張ってある。鉄球は2個)
    二分間睡眠薬×1、剃刀&釘セット(約20個)
[思考・状況]
基本行動方針:勝ち残り、優勝。溺れるほどの金を手に入れる。
1.気絶中
2.参加者をできるだけ減らす。
3.状況によっては誰かに化ける
4.七人の同盟とDIO軍団を上手くぶつけて一人勝ちを狙う。
5.必要な時になったら鳩をサウンドマンに送る。
[備考]
※ラバーソールは承太郎、花京院とロワで会った人間に変装できます(その場の状況で考えるようです)。
 偽のスタンド像も出せますが性能はイエローテンパランスです。
 死者の変装は“特殊な状況”にならない限りやらないようです。
※ラバーソールは仗助が自分自身の怪我も治せると勘違いしています。
※鳩は早人が同封した返事分、一回分の便箋を持っています。
※J・ガイル、アンジェロのスタンドについては理解し切れていません。水、及びそれに順ずるものを媒介とするとだけ把握しています。
※悪魔の虹メンバーとほとんど情報交換を行っていません。お互いの名前と姿ぐらいしか正確には把握していません。
※また、駅にいた悪魔の虹メンバーはイエローテンパランスの能力を「顔を変える」と誤解している可能性があります。
※ラバーソールは川尻早人の顔です。今後顔を変えるかどうかは次の書き手さんにお任せします。
※DIOの館にて遭遇した人物に名前・素顔を明かしてません。
※プッチの時代を越えて参加者が集められていると考えを聞きました。
※リンゴォのスタンドを時を巻き戻すスタンドだと推測しています。
※由花子の髪の毛が「ラバーソール」についたのか、「イエロー・テンバランス」についたかは以降の書き手さんにお任せします。
→ラバーソウルに付いていました。ジョルノとプッチは誰の物かは分かっていませんが、異物が付いている事には気付きました。
※プッチとジョルノに記憶DISCを読まれました。


【C-4 DIOの館 門前/1日目 日中】

【リンゴォ・ロードアゲイン】
[スタンド]:マンダム
[時間軸]:果樹園の家から出てガウチョに挨拶する直前
[状態]:全身にラッシュによるダメージ(中)身体疲労(大)右上腕骨骨折
[装備]:ジョニィのボウィーナイフ
[道具]: 基本支給品 不明支給品0〜2
[思考・状況]
基本行動方針:参加者達と『公正』なる戦いをし、『男の世界』を乗り越える
0.新たな来訪者のようだが、興味なし。
1.遭遇する参加者と『男の世界』を乗り越える
2.休息と怪我の手当てがしたい。
3.日が沈んだらタルカスと再び戦う。
4.日が沈むまでは門を離れるつもりはない。
[備考]
※骨折は気力でカバーすれば動かせます。
※ミセス・ロビンスンのこともあり、男の世界を証明したいという願望がさらに強くなってます。
※フェルディナンドの姿・声等についてはタルカスに言いませんでした。


92 :創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 21:26:29 ID:3/TzGe79
代理投下終了!

しかしラバソ無双かと思ったら……神父流石です

93 :創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 22:53:35 ID:pgJ4a5rp
投下乙です
ラwバwソwww第二回MVPの面目丸つぶれじゃねーかwww
いや、SPWがぼろ雑巾のように由花子に使い捨てされなくてよかったわ。安心、安心…
いや、最後まで疑いながらも利用されてることに気づかないSPWってのも…w

そしてジョルノとプッチの何ともいえない距離感がいい!
この先方針に違いが生まれたとき、果たして二人は戦えるのか?!
そしてラバーソールはどうなる?!コロッセオに向かった吉良は?!
続きが気になるぜ…改めて投下乙だぜ。

94 :創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 22:54:21 ID:6lJNvxMk
代理投下乙です!

>浦島太郎
アレッシー(笑)
結局ただ堕ちていくのみだったなこいつ
露伴が放送のこと忘れてなくてよかったけど、ウエストウッドも放送聞き逃してそうだなあ……

>我たとえ死の淵を歩むとも
やっぱ歴代ボスは伊達じゃねえ……ディオ? ああ、そんなのいたね
テンパランスの攻撃は「触れ続ける」ものだからホワイトスネイクとの相性は悪いね
ジョルノもDIOのこと知っちゃったし、今後が気になるぜ

95 :創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 03:07:56 ID:Jv3K8neV
しかしラバソはディスク抜かれてるし癒着もしてるけど、なんかの拍子に復活しそうだな。
神父はSPWのこと知ってんじゃないのかね?

96 :創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 17:55:08 ID:feNcBHb0
>>95
スピードワゴン財団は知ってても創始者までは知らないんじゃね?

97 :地図の人 ◆rOwVJ6/pbM :2009/11/24(火) 02:37:56 ID:t7lw+Btj
皆さんお久しぶりです
昔地図を作った人です
仕事やイベントで忙しくなかなかスレに顔をだせずに
地図の更新が完全にストップしてしまっていて申し訳ありません

これから少しずつ過去ログを追っていきますが
年内はすこし落ち着きそうにないので更新の時間はとれないと思います
とにかく顔を出しておこうと思ったので現在のスレ状況も把握できていません
とりあえずできることをしておきたいと思ったので
だいぶ古くなっちゃいましたがマップのPSDを公開しようと思います
tp://firestorage.jp/download/d42dc6f5862a3429fb5578a9fbaf805a82a43a17
パスは「jojo」です
なにか使えそうであればお役にたてていただきたいです
レイヤー100枚くらいあると思うので重いです

久しぶりの書き込みがこんなので非情に申し訳ないです…
では失礼します

98 :創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 22:41:13 ID:Zw8ezjsy
地図の人お久しぶりです! ゆっくり把握していってね!

99 :創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 22:15:11 ID:vOp6hkwr
>>97
地図の人乙です
2週間くらい進展が無く暇だったのでちょうど良かったです


100 :創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 22:35:04 ID:S1vvmBKE
規制が解けたぞ、ジョジョォーッ!

地図の人、乙です。
大変な作業かとは思いますが、ご自身のペースで把握を進めてくださいね!

101 : ◆33DEIZ1cds :2009/11/26(木) 20:49:35 ID:+qITOdIp
朗読CD企画について、報告致します。

収録作品の内、既存枠のSS作品が投票により決定いたしました。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12752/1253711994/
↑こちらの>>30で作品を確認していただけます。

つきましては、各作品の作者様へ。
(◆hqLsjDR84w氏、◆xrS1C1q/DM氏、◆em4fuDEyHM氏、◆wKs3a28q6Q氏、◆5Nm.X290ko氏、順不同)
大変お手数ではありますが、CDに収録するのは断りたい、という場合はご一報頂きたく存じます。
上記のURLのスレにてご連絡をお願い致します。
問題無い場合は連絡は必要ありませんので、どうぞよろしくお願い致します。
大変勝手ながら一か月以上経過しましたら、問題無いと判断させていただきます。

同時に、制作枚数の目安を図るためゆるく集計をとっています(上記URLの>>42に記載がございます)。
気になっておられる方は、一度目を通して頂けましたら幸いです。

本来ならもっと早く書き込みをするべきでしたが、規制で遅くなってしまいました。
申し訳ありません。では、失礼します。

102 : ◆hqLsjDR84w :2009/11/27(金) 01:12:42 ID:Nun5bmI+
『まっすぐ』の誤字を修正しましたので、その報告を。

103 : ◆33DEIZ1cds :2009/12/02(水) 20:51:22 ID:mcWgptwk
本日通常放送最終回。(21時よりしゃべります。それまで無音。)

聴き方解説ページ→ ttp://cgi33.plala.or.jp/~kroko_ff/mailf/radio.htm
アドレス→http://std1.ladio.net:8020/jojoroyaleradio009.m3u
後、livedoorねとらじttp://ladio.net/で題名(ラジオでjojoロワ:第9放送)検索でもいけます。
ねとらじから行くと、題名横の「play」から再生できます。

実況スレ→http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12752/1259750826/

よろしくお願いします!


104 :創る名無しに見る名無し:2009/12/09(水) 09:14:40 ID:qvPpFaFa
【第一部:ファントムブラッド】6/11
○ジョナサン・ジョースター/○ディオ・ブランドー/○ロバート・E・O・スピードワゴン/○ジョージ・ジョースター1世/○タルカス

【第二部:戦闘潮流】2/10
○シーザー・アントニオ・ツェペリ/○エシディシ

【第三部:スターダストクルセイダース】6/15
○花京院典明/○J・P・ポルナレフ/○ホル・ホース/○ラバーソール/○J・ガイル/○オインゴ

【第四部:ダイヤモンドは砕けない】8/12
○虹村億泰/○岸辺露伴/○山岸由花子/○トニオ・トラサルディー/○川尻早人/○片桐安十郎(アンジェロ)/○音石明/○吉良吉影

【第五部:黄金の旋風】9/15
○ジョルノ・ジョバァーナ/○ブローノ・ブチャラティ/○グイード・ミスタ/○パンナコッタ・フーゴ/○ホルマジオ/○ペッシ/○リゾット・ネエロ/○ティッツァーノ/○ディアボロ

【第六部:ストーンオーシャン】 8/15
○空条徐倫/○F・F/○ナルシソ・アナスイ/○グェス/○ヴィヴィアーノ・ウエストウッド/○ミュッチャー・ミューラー/○ドナテロ・ヴェルサス/○エンリコ・プッチ

【第七部:スティール・ボール・ラン】 4/10
○サンドマン/○マウンテン・ティム/○リンゴォ・ロードアゲイン/○フェルディナンド

43/88



需要あるのか知らんけど、作ったから生存者名簿投下っと

105 :創る名無しに見る名無し:2009/12/09(水) 09:17:21 ID:qvPpFaFa
そして一部の残りが五人なことに、いま気付く


106 :創る名無しに見る名無し:2009/12/09(水) 12:59:39 ID:BnPH0HvY
おお乙
こうして見ると、減ったねえ

107 :創る名無しに見る名無し:2009/12/09(水) 23:38:41 ID:MoYwGmRo
乙です!
元々の人数が多いからというのもあるけど、5部は生き残り多いな…

108 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 00:11:03 ID:o5ydup+M
再予約…来たか…

水曜日は眠れなくなりそうだな…フフ…

109 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 21:47:36 ID:+FTJGee7
そろそろか……

110 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 21:58:14 ID:pJhx0DMA
覚悟は良いか?俺は出来てる

111 : ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:04:04 ID:+ePGGyXo
お待たせしました。投下します

112 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:04:28 ID:+FTJGee7
支援

113 : ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:05:04 ID:+ePGGyXo
(ウエストウッドは……放っておいていいだろう)

岸部露伴の盲信者――ヴィヴィアーノ・ウエストウッドの様子を見てから、F・Fが結論を下すのにそう時間はかからなかった。

(スタンド能力で従わせている、といったところか?
 しかし不完全なようだな。従わせてる奴も好戦的ではなさそうだ。
 だが『目の前の男が従わせた』となると厄介だな。ここで奴の部下になる気など毛頭ない)

F・Fが知る限りのウエストウッドは、闘争本能を全開にした獣のような存在だった。
他人に従うさまなど想像もつかない。
余談だが、それは彼本来の気性ではなく、過去も現在も、『サバイバー』という介入者がもたらした凶暴性なのだが。
どうあれ、F・Fにはスタンドによる洗脳の可能性しか考えられない。
そして素直に撤退を選んだ。多少の傷ならどうとでもなるが、思考を改ざんされると対処しようがない。
まだ道のりは長いのだ、得体のしれない能力相手に無理をする場面ではない。彼はそう判断した。

(それにしてもアレッシーの奴、なかなか面白いものを持っていたじゃあないか。
 早く教えてくれればよかったものを)

まあ、どの道結末に変わりはなかったがな、と一人ごちる。
マウントポジションを取られているアレッシー『だったもの』に、路傍の小石を見るような感情のない視線を向けつつ。
――感情に満ち溢れた視線を、今の彼が誰かに向けられるかは分からないが。

「ウエストウッド、分かったからいったん止めてくれ。放送の内容を聞きたいんだけど……その前に、」

予備動作をほとんど感じさせない、高速の、拘束の指差し。

「『ヘブンズ・ドアー』!……!?」

岸部露伴が信頼を寄せる絶対命令は、肉の壁に阻まれる。
アレッシー『だったもの』が露伴とF・Fの間に割って入り、スタンド攻撃が防がれたのだ。
パラリ、パラリと、アレッシーの記憶を宿した頁がめくれる。

「フンッ!」

F・F、片腕でその肉塊を持ち上げ、窓ガラスに飛び込み民家を離脱。
間もなく、エンジンが唸りを上げた。

114 : ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:05:56 ID:+ePGGyXo
「ちぇ……」

走り去るバイクを、露伴はバツが悪そうに見つめていた。
この舞台で異常を語るのもおかしいが、他人が殴られるのを放置するなど異常である。
では岸部露伴は、『ヘブンズ・ドアー』が防がれたことを不快に思っているのか。

否。
岸部露伴は「『ヘブンズ・ドアー』の発動が読まれた」ことが気に食わなかった。

処置は済んでいるものの右肩を負傷し、テレンスとの、まさしく『スピード対決』を経てのスタンド使用。
勝負の間、一瞬たりとも気の緩みは許されず、その後の動きが鈍くならないわけはなかった。
もしかしたら、肩の負傷さえなければ露伴はテレンスとの戦いで勝利を納めていたかもしれない。
ともかく、その微妙な狂いの積み重ねがF・Fの優位を生み出した。
妨害行為も岸部露伴を攻撃するアクションではなかったから、ウエストウッドは反応しなかったのだろう。

「まあ気にしても仕方ないか。ウエストウッド、第二回放送、聞いてたかい?」

筆速をはじめとする腕の速さには自信がある。
それでも彼とて人間、重傷を負いながらいつも通りの動きが生み出せるはずがない。
そんなことが分からないほど彼は子供ではない。実際、重傷で休載したことはあるのだから。

「あんたを探すのに必死で聞いてなかった」

だが、この狂いは予想外。
反省はしていない、と言葉が続きそうなほどあっさりとした言い方。
その潔さ、呆れを通り越して清々しく感じる。

「……いっそ命令書きなおそうかな」

自分の命令の強さを、融通が利かないという意味で思い知らされた露伴。
溜息一つ、悩みは尽きず。

それでも、岸部露伴はうろたえない。


【D-3 民家/1日目 日中】
【岸辺露伴】
[スタンド]:ヘブンズ・ドアー
[時間軸]:四部終了後
[状態]:右肩と左腿に重症(治療済みだが車椅子必須)、貧血気味(少々)、右腿にアトゥムの右足首
[装備]:ポルナレフの車椅子
[道具]:基本支給品、ダービーズチケット
[思考・状況] :
基本行動方針:色々な人に『取材』しつつ、打倒荒木を目指す。
0.いっそのことウエストウッドの命令書きなおそうかな?
1.“時の流れ”や“荒木が時代を超えてヒトを集めた”ことには一切関与しない
2.後でダービーのところに戻り決着をつける。その際色々取材したい
3.隕石を回収……ああ、そんなのあったね
[備考]
※参加者に過去や未来の極端な情報を話さないと固い決意をしました。時の情報に従って接するつもりもないです。
 ヘブンズ・ドアーによる参加者の情報を否定しているわけではありません。 具体例は「知りすぎていた男」参照。
※名簿と地図は、ほとんど確認していません(面倒なのでこれからも見る気なし)
※傷はシーザーのおかげでかなり回復しました。現在は安静のため車椅子生活を余儀なくされています。
※第一放送、第二放送を聞き逃しました。
※右腿に食い込んでいるダービーの足首は、露伴の足をつぶす程度のパワーはあるようです。異物感、痛みなどは全くありません。

115 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:06:41 ID:+FTJGee7
支援

116 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:06:50 ID:n8cATjcB
支援

117 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:07:14 ID:+ePGGyXo

【ヴィヴィアーノ・ウエストウッド】
[スタンド]:プラネット・ウェイブス
[時間軸]:徐倫戦直後
[状態]:左肩骨折、ヘブンズ・ドアーの洗脳、サバイバー状態、アレッシー(F・F)を殴って快感
[装備]:『サバイバー』入りペットボトルジュース(残り1リットル)
[道具]:基本支給品(飲料水全て消費)、不明支給品0〜2
[思考・状況]
0.おうロハン、どこ行ってたんだよ。放送? 知るか。
1.出会った人間は迷わず殺す。
[備考]
※怪我の応急措置は済ませました。殴る程度なら痛むものの可能なようです。
※支給品を確認したかもしれません。
※自分の能力については理解しています。
※ヘブンズ・ドアーの命令は以下の二点です。
1)『人を殺せない』
2)『岸辺露伴を治療ができる安全な場所へ運ぶ。なお、その際岸辺露伴の身を守るためならスタンドを行使する事を許可する』
※ヘブンズ・ドアーの制限により人殺しができないことに気づいていません。
※鉄塔の戦いを目撃しました。プッチとサーレーの戦いは空のヘリで戦闘があった、地上では乱戦があった程度しかわかっていません。
 また姿も暗闇のため顔やスタンドは把握していません。
※館から出てきたジョナサン、ブラフォードを見ました。顔まで確認できたかどうかはのちの書き手さんにお任せします。
※『サバイバー状態』ですので相手の筋肉の輝きが見えているかもしれません(のちの書き手さんにお任せしますが要議論?)
※第二回放送を聞き逃しました。



  ★


「イギーが……承太郎が……死んだ?」

相次ぐ訃報。

「承太郎サンが……?」

重なる不幸。

「そんな……あり得ねえ、あいつは、承太郎は!」

握りしめていたはずの携帯電話を手汗で滑らせたポルナレフ。
視線を向ける気にもなれず、呆然とする。
トニオも、先の一言以降厨房で沈黙を保ったまま。
言葉を重ねることができず、いつもの笑顔が失われる。

悪の化身と称するに相応しい宿敵、DIOをも打ち破る強さを持った彼が。
伝染する病のように静かに殺人を繰り返した狂人、吉良吉影と死闘を繰り広げた彼が。

――死んだ?



118 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:09:05 ID:+ePGGyXo
俄かには信じがたいことだ。
事実、目を背けることはできる。ただ、荒木によって名前が告げられただけなのだから。
この場で真偽を確かめる術は現状ない。
だが彼らに、そんな死者への冒涜の様な真似が出来ようか?

熾烈で、苛酷で、容赦ない運命。
時を止めるスタンドを使役する空条承太郎にさえ、運命を止めること叶わない。


「てめえ……ダービー!?」


今、この時でさえ。


  ★


「承太郎が死んだって!?」

相次ぐ訃報。

「アバッキオ……そんな……」

重なる不幸。

花京院のペンが躍動をやめる。
フーゴは頭を抱えて俯き、髪を乱した。

「……花京院君」

フェルディナンドが使役する翼竜はグェスを見つけることはなく。
近隣のエリアも軽く調べてみたものの、成果ゼロ。
知らず仲間を失ったことを考えるとむしろマイナス、徒労に等しかった。
建造物入り組む繁華街で人を見つけようとなると相当に難しいだろうが。
加えて、イギーの死体はカビ塗れで確認が取れず、アバッキオは民家内でその命を散らした。
もとより、見つけられまい。

「……ええ、すいません。グェスさんの無事が分かっただけでも僥倖です。
 捜索を続けましょう」
「いや、捜索はいったん切りあげて繁華街に向かう」
「何故です?」

フェルディナンドとて、冷静であれど冷徹ではないと踏んでいる花京院。
反発するでもなく尋ねる。

「ポルナレフ……だったかな? 筒のような髪形をした男だ。
 繁華街のレストランにいるのが見えた。君たちさえよければ接触したいのだが……」


119 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:09:57 ID:o5ydup+M
支援

120 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:10:05 ID:+ePGGyXo
フェルディナンドは、アヴドゥルの最期の言葉を、仲間に伝えたがっていたから。
空条徐倫に対し、拭えない罪悪感を感じていたから。
だからこそ、花京院はフェルディナンドをある程度までだが信頼している。

「他には誰か?」
「コックがいたな。レストランだから当たり前かもしれないが」
「トニオ・トラサルディー……?」

花京院もその名は鋼田一吉廣から伝えられている。
コックという職に就く者がそう何人もいるとは思えない、おそらく同一人物。
承太郎の人物像が、花京院自身の知るものと大きくかけ離れていたために深慮するつもりはなかったのだが。

「トニオ・トラサルディーに関しては吉廣さん自身あまり知らないようですし、
 同行しているポルナレフが無事なこと、おそらくトニオ・トラサルディーのスタンドが戦闘向きではないことを考えれば」
「危険性は低い、と?」
「ええ」

フーゴの問いに花京院が首肯し、申し訳なさそうな顔を二人に向ける。

「フーゴ、博士。僕の都合を優先させてばかりで申し訳ありませんが、とりあえずポルナレフと……」
「……マズイッ! ものスゴい速度でレストランに接近する者がいる! 襲撃するつもりだ!」
「なんですって!」

焦りを露わにするフェルディナンド。
花京院やフーゴは翼竜の情報を見ることが出来ないものの、フェルディナンドの沈着とした普段の表情が豹変したことから、事態の想像は容易かった。

「急ぎましょう! 僕はこれ以上仲間を……失いたくはない!」

花京院の私情だが、きっと多くの人々が思うこと。思い続けてきたこと。
それでも無情なことに、彼らは殺し合いの運命に翻弄されっぱなしだ。


今、この時でさえ。


  ★


衝突、破砕。
ドアが木っ端みじんになって破片散らばる。

「てめえ……ダービー!?」
「ポルナレフか……!?」

バイクごと入口に突っ込んできた男に対し、ポルナレフは目を見開いて叫んだ。
声色は、行動の非常識さに憤りを感じるそれではない。単純な、驚愕。
そして、ダービーも同一の反応を示した。

「どうしてテメェが!?」
「いろいろ言いたいことはあるだろうが……話は後だ。追われていてな。
 済まないが、お前の助けを借りたい」

121 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:10:29 ID:+FTJGee7
支援

122 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:10:38 ID:o5ydup+M
支援

123 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:11:27 ID:+FTJGee7
支援

124 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:11:30 ID:o5ydup+M
支援

125 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:11:44 ID:+ePGGyXo
放送でダービーの名は呼ばれた。
それもいの一番に、だ。印象に残らないはずがない。

「フォアアアアアアアアアアアッ!」

だがポルナレフの思考は、現状の始末に手いっぱいになる。
風船のように膨れ上がった顔をした、人型の異形に対しての。
速く、しかしおぼつかない足取りで、奇声を発しながらダービーに向かう。

「『シルバー・チャリオッツ』!」

到達より早く、あるいは速く、空気をも裂く乱れ突きが飛ぶ。
瞬時に描かれる赤黒い斑点模様。

「ギャアアアアアア―――スッ」

のたうちまわる怪物。

「うごご……ぐが……が」

傷口を抑える手を切り裂く。逃げ回る足を断つ。
やがて、活動を制止する。
肉片がグズグズと音を立ててしぼむ。

「何だったんだよ、こいつは……」
「助かった……礼を言う」

ダービーがうずくまったまま礼を言う。
観察するまで気付かなかったが、右肩を抑えていた。おそらく襲われたのだろう。

「何事デスカ!?」

厨房からトニオが出てきたが、ポルナレフはそれを右腕で制す。
甲冑纏う騎士を模したヴィジョンも残したままだ。

「トニオさん、近づくな。近づくのは、こっちが聞きてえこと聞いてからだ」
「デスガ……!」
「構わない。誤解を恐れず言えば、私とこいつは敵対していたからな」

黙らざるを得ないと悟ってか、トニオが押し黙る。
逸る気持ちを抑えつつ、ポルナレフは肝心な事を簡潔にまとめた。

「今までどうしてたか。何で放送で名が呼ばれたのに生きてるのか。今後どうするつもりなのか。
 今んとこ聞きたいのはこの3つだ。答えてもらうぜ」

ダービーは店内の椅子にふらりと腰掛け、淡々と語る。

126 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:12:34 ID:+FTJGee7
支援

127 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:13:26 ID:o5ydup+M
支援、支援ンッ!

128 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:14:09 ID:+ePGGyXo
「まず、今までどうしていたか答えよう。殺し合いが始まって最初に会った参加者に賭けを申し込んだ。支給品を賭けて、な。
 だが、おそらくスタンド能力だろう、カビに塗れたせいで敗北した。そして服ごと手足をもがれた」
「何言って……」
「最後まで聞け。手足をもがれた、というのは後で聞いて分かった事だ。あまりの痛みでそれ以降の記憶がほとんど飛んでいる。
 奇声まで発していたようだ」

腕を怪我していることを除けば、見るからに五体満足。
だが、嘘には聞こえない。過去の苦痛を思い出したのだろう、歪む表情は真に迫るものがある。

「……続けろ」
「いつの間にか助けられていてな。F・Fとかいう女と行動することにした。手足を治したのも多分そいつだったんだろう。
 このバイクもF・Fの支給品『だった』」
「もしかシテ……」

トニオの言葉に応えるかのように、ダービーの瞳に瞼が覆い、ポルナレフを見るのをやめた。

「……やられたよ、あの怪物に。奇襲されたのさ。飛ばしてきた肉片で脳天を貫かれて、F・Fは息絶えた。
 私は運良くF・Fのバイクに乗ったまではいいものの、撒くことはできず必死で逃げ回って」
「今に至る、ってか」

ポルナレフはそれでも、同情の眼差しを向けることはない。
4、5回呼吸を置いて、ダービーは再びその口を開き始めた。

「何で放送で名前が呼ばれたのに生きているか……こればかりは私にもわからない」
「じゃあ何か? 死んで蘇ったとでも言うのかよ!」
「一度死にかけはしたがな。とにかく、今私が生きているのはまぎれもない事実だ。これ以上私に分かることなどない」

聡明でないポルナレフは――誰もがそうだろうが――この件に関して結論を出せない。
よって保留。事実を受け止めることにする。

「そして最後に今後どうするか、だが。これは言わなくても察しはつくんじゃあないか?」
「どういうことだよ」
「私のスタンドは『賭けに敗北した者の魂をコインに変える』能力だ。しかも『魂を賭けるという同意』を必要とする。
 そんな私が殺し合いで万に一つでも勝ち残れると思うか? 言うまでもないと思うが、当然私のスタンドは殴り合いできるほどのパワーがない」

そして、この言葉で承太郎が戦ったことのある『変装するスタンド能力の持ち主』てある可能性が払拭された。
ダービーの能力は特性上、ばれてしまえばなんてことはない事をポルナレフは知っている。
もし他人に知らせるなら、賭けの勝利が決定した後ぐらいだろう。みすみす口を滑らせることはしないはず。


129 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:15:16 ID:+FTJGee7
支援

130 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:15:22 ID:+ePGGyXo
「いいからとっとと質問に答えろ」
「ギャンブラーと豪語しておきながら賭けに敗北し、F・Fの死で自分の無力さを思い知らされた。
 DIO様に仕える気持ちだって失せてきたよ。だってそうだろう? あの方に出会ったところで間違いなく私は役立たずとして切り捨てられる。
 誇りも何も消え果ててしまった私に出来ることなんかあるものか。
 ……ただ、欲を言うなら生き残りたい。死にたくないんだ、私は」

かつてエジプトのカフェで見せたギャンブラーとしてのオーラというか、その手の迫力は全くと言って良いほど見られない。
力なく項垂れるだけだ。

「自分のことを役立たずデスとか、そういう風に言ってはいけまセンヨ」
「え……?」

笑顔を向けるトニオに対し、ダービーは、頭を上げ表情に締まりのない顔を見せる。

「あなたがこれカラどうするかはあなた次第デスが、それを見つけるお手伝いは出来マス。
 一度店に入ったからにはお客様デス。お客様には、私の料理で幸せになってほしいのデス」
「しかしだなトニオさん! こいつは」
「私は料理人デスヨ? お客様に料理を振る舞うのは当然じゃあないデスカ」

ポルナレフの言葉を途中で遮ったものの、トニオは相変わらず笑顔を絶やさない。

「……恩に着る」
「俺はまだ信用したわけじゃあねえからな。妙な動きしたらぶった切るぜ」

舌を打ち、そっぽを向くポルナレフ。
だがそれも一瞬のこと。

「ポルナレフ! 無事か!?」
「花京院!」

新たな客人の到着だ。

「うかつだぞ、花京院君。一人で飛び込んでいくなんて」
「それより、襲撃者はどこです?」

イタリアンレストラン・トラサルディー。
店長は休めそうにない。


  ★

131 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:16:07 ID:+ePGGyXo
「そうか、アヴドゥルが……」

簡潔な自己紹介を終え。
真っ先にフェルディナンドがアヴドゥルの顛末とこれまでの経緯を話し、ポルナレフはそう言葉を零した。
口を開くのに精いっぱいで、続ける言葉がロクに浮かばないのだろうが。

「私のことを怒りたければそれでいい。私は……無力なんだ。どうしようもなく。
 荒木に抗う覚悟はできていないし、かといって誰かを殺すことも躊躇した」
「……」
「私は、何者にもなれない」

淡々と語るフェルディナンドを前に、ポルナレフは何も言い返せなかった。

フェルディナンドは、今後に対し確固たるヴィジョンを築いたわけではない。
不甲斐ないと分かっていながらも、自分はどっちつかずの中途半端な人間だと言わずにはいられなかった。
アヴドゥルの仲間で、メッセージを伝えていないのは現在ジョセフ・ジョースターのみ。
ひょっとして自分は、アヴドゥルの言葉を伝えることを、優勝以前に当面の目標としていなかったか?
伝え終えた時、きっと自分は満足しているのではないか?
その可能性にフェルディナンドは恐怖する。
多くの“激しさ”に少なからず感化され、ポルナレフに出会えた嬉しさもある分尚更。
ポルナレフの危機を知った時、柄にもなく叫んでしまったほどだ。
妥協じみた選択に半ば後悔した。優勝か脱出か、突き進むことが出来ない己の弱さを呪った。
いざという時、踏ん切りがつかないのではと臆してしまう。

やるせない気持ちを洗い流すかのように、備えられていた水をコップに注ぎ、飲み干すフェルディナンド。

「博士。僕は、あなたをポルナレフに会わせたかった」
「……?」
「かつて僕やポルナレフは――DIOという男に操られる形ではありましたが、人を襲いました」

衝撃の告白に、フーゴとフェルディナンドは目を見開く。

「でも、かつての仲間は僕たちを救ってくれたんです。承太郎や、アヴドゥルは」
「事実、ですか?」

質問するフーゴの声には震えが感じられた。

「……罪を重ねちゃいねえけどよ、そんなの結局言い訳だ。それでも、あいつらは許してくれたよ」
「仲間がいれば、立ち向かっていけるんです、変わっていけるんです。
 ちょっと間違っても僕らはフォローしてみせますよ」

花京院らに対し、全てを許すつもりはない。
しかし、彼らの存在がフェルディナンドの支えになっていることはゆるぎない事実。
仲間の死を知り、なお立ち上がるその姿、憧れないはずがなかった。


132 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:16:13 ID:+FTJGee7
支援

133 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:17:17 ID:+FTJGee7
支援

134 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:17:24 ID:o5ydup+M
支援

135 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:17:35 ID:+ePGGyXo
「ジョリーンは、私を許すだろうか?」
「ですから、僕たちも出来る限り助力します。特別な誰かが巨悪に立ち向かえるわけじゃあないんです」
「俺たちだって、最初はそうじゃあなかったからな」 
「皆で成長するっていうのは、そういうものですよ」

ただただ、彼らが頼もしく見える。
かつて、アヴドゥルがそうであったように。
恐竜をいざという時の切り札として店の死角に隠していたが、杞憂だったようだ。

「できまシタ。ポルナレフサン、手を怪我シテいるところ申し訳ありまセンが、運ぶのを手伝っていただけマスカ?」
「ああ。……花京院、積もる話はあるだろうが、まずは飯にしないか?」
「……そうだな。こう堅苦しい話ばかりでは、トニオさんの厚意を無視するようなものだし」

まだ互いにスタンド能力をはじめとした情報交換をしていない。
花京院としてはそちらを優先したい気持ちはあるのだろうが、トニオの料理人としての矜持を傷つけるほど非情ではなかった。
何よりこういうのは雰囲気作りが大切だろう。
フーゴは、警戒しているのだろう、ちらちらと視点が移ってとどまらない。
ダービーに至っては、ポルナレフがやたら注視しているからか、先ほどから一言もしゃべっていない。
各々の目的のためにも、ここで和やかな雰囲気は必要になる。


  ★


「僕は、いいです。そんなにお腹が空いていないので」
「そうか? もったいないぜ。トニオさんの腕は確かなんだから」

惹かれるように、厨房へと入っていくポルナレフ。
フーゴだって、自分の言葉を後悔していないわけではない。
トマトの甘酸っぱい香りが厨房から流れ、それが鼻腔をくすぐり食欲をそそる。腹が鳴らなかったのが不思議なくらいだ。
だが、鋼田一吉廣の『トニオは料理に関係するスタンド使い』という言葉が気になって仕方がなかった。
安全性が確かめられるまで、下手に口に入れるわけにいかない。

「私の能力『パール・ジャム』は、体内に入り病気を治すことが出来マス。
 デスガ今回は使っておりまセン。皆さん全員の体調を把握するのには時間がかかりマスシ……。
 何ヨリ、私が好きな日本の言葉がありマシテ」

だから、この言葉にフーゴは後悔する。
いっそ、先の発言を撤回して料理を頂こうか、という考えが脳裏をよぎった。
しかし、拒否。一度断った手前、気が引ける。

「『病は気カラ』という言葉、ご存知デショウカ?
 スタンドで治すダケでなく、料理自体を楽しむコトデ、快適になっていただきタイのでス」


136 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:18:05 ID:o5ydup+M
支援

137 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:18:24 ID:+FTJGee7
支援

138 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:19:01 ID:o5ydup+M
支援

139 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:19:24 ID:+ePGGyXo
その料理人としての誇りが、病を治す力を、『パール・ジャム』を生んだのか?
疑ったことに対して後ろめたさがないわけではないが、それでも真実が明らかになるまで簡単には信じられない。

「オー! ゴメンナサイ! 説明するヒマあったら料理お出ししなくてはイケませんでス」

いそいそと、厨房に戻るトニオ。
完全にタイミングを逃したな、と自嘲するフーゴ。
どうか食事が終わるまで鳴らないでほしいと、下っ腹に力を込めた。


間もなくして。
運ばれたのは、トマトリゾット。
マックイイーンを笑顔にした料理と同一種のもの。
ぷりぷりとした米がトマトの赤に馴染むその様は、ハーモニーと言うべきか調和と言うべきか。

「実にンまそうだぜトニオさんよォ〜! はしたないが、運ぶ途中つまみたかったぜ!」
「確かに……数々の食材を生み出した大地への尊敬が根底としてあるだろうが、相当な腕のようだ」
「グラッツェ〜、この上ない幸せでス」

かつての悪事を引きずるよりは、今を笑顔でいてほしい。
料理には人を変える力がある、変えてみせたトニオが思うこと。
トニオの中で、ダービーの、フェルディナンドの姿がマックイイーンと重なったのだ。
自身が最も扱いを得意とするトマトを使ったのも、改めて自身の覚悟を確かめるため。

「さっ! めし上がってみてクダサイ」

花京院の席には、ミルフィーユのような料理も運ばれた。
曰く、トニオのスタンド能力との相乗効果により全身の傷を治せるものらしい。
便利でも出し惜しんでいてはもったいないということで、食されることとなった。
なお、ダービーはポルナレフの目もあるからだろうが、自ら食すことを辞退する。

「では……頂くとするか」

皆が皆、一様にスプーンで米を掬い、一口。


突如、フェルディナンドが血反吐をまき散らし、イスから転げ落ちる。


「か……はっ」


出血、痙攣、それもすぐに止み。
フェルディナンドの目が輝きを取り戻すことは二度となくなった。


  ★

140 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:19:59 ID:+FTJGee7
支援

141 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:20:24 ID:o5ydup+M
衝撃。だが支援。

142 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:20:57 ID:+FTJGee7
支援

143 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:21:35 ID:+ePGGyXo
「フェルディナンドさんッ!」
「博士!」

花京院がフェルディナンドに駆け寄り、躯を揺する。

「一体何が……そうだ! 傷を治すあの料理なら助かる可能性が」
「やめろノリアキ!」

フーゴが花京院の腕を引きはがそうとする。
しかし花京院は腕をふるって拒否を示し、ならばとフーゴは直視すべき事実を突き付ける。

「もう、生きてたとしても飲み込めそうにない。だけど重要なのはそこじゃあない。いま重要なのは、犯人が誰かということだ」

その冷淡な物言いに花京院は怒りを隠せなかったわけではない。
だが、正論だ。
そっと、昂る思いを抑えフェルディナンドの遺体から手を離す。

「この場にいる何者かが料理に毒を仕込んだ、としか僕には思えませんがね」
「てめえか、ダービー!」
「ヒィィー! おおお前に監視されてる中で、ででできるわけないだろう!?」

ポルナレフがダービーの胸ぐらを、服を引き裂かんばかりに強くつかむ。
鬼気迫るその表情に、ダービーが冷や汗を浮かべジタバタする。

「てめえじゃなかったら、誰だって言うんだよ!」
「喧嘩してる場合じゃあないでしょう、ポルナレフ!……つまり、フーゴ。君はこう言いたいのかい?」

一瞬の静寂。

「この中で料理に何か仕込めるとしたら、トニオさんかポルナレフ以外あり得ない」

そして、告げる。
状況からすれば、それしかない。料理を運んだのはこの二人なのだから。

「ポルナレフはない、と思います。
 見たところ、ダービーさんとポルナレフの仲は険悪なようだ。狙うとしたらダービーさんでしょう。ですから」
「てめえ、トニオさんを疑ってんのか……!」
「申し訳ゴザイマセン!」

ポルナレフが怒りを浴びせる前に、トニオが深々と礼をする。
これにはフーゴも目を見開いた。意外、自白としてはあっさりすぎる。

144 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:21:37 ID:o5ydup+M
支援

145 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:22:36 ID:o5ydup+M
支援

146 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:22:44 ID:+FTJGee7
支援

147 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:22:45 ID:+ePGGyXo
「食材に毒が入ってイタと分からなかっタのは、私の落ち度デス。
 仮に誰かが毒を入れたとシテモ、責められるベキは私。ソレは当然デス」

懺悔、それには違いなかった。
だが内容としては、あくまで犯人ではないが罪を背負うというもの。
そんな覚悟を含めたもの。

「そうですよ、フーゴ! 荒木が用意した食材なら、荒木が毒を仕込んだ可能性だってあるんだ!」
「……それも……そうかも、しれませんが」

見れば、フーゴは戸惑っている。新たに提示された可能性に。
荒木が毒を入れた可能性――あまりにも低いと、花京院自身も思う。
今までの料理の食材に毒が混入せず、今回に限って――というのは確かに都合がよすぎる。
だが花京院は信じたかった。トニオを、トニオの笑顔を。
フェルディナンドやフーゴを信じたように。

「決シテ許されまセン。私モ、毒を入れタ人モ」

トニオがフーゴに近づく。
その視線は、真っ直ぐ向いている。
決して目を逸らさない、この罪に向き合い、償うと、そう語っているかのように。

「デスカラ、協力シテ毒を仕込んだ犯人ヲ」

すっと、トニオが手を差し伸べる。

フーゴは差し出された手を――


「『パープル・ヘイズ』」


――無視し、胸を穿つ。


「サ、ガ……シ……マ……」


ごぽり、と音を立てて口内から溢れた血液が邪魔をし、その言葉は途切れた。


  ★

148 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:23:41 ID:pJhx0DMA
うおおおおおおおおお
支援!

149 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:23:43 ID:o5ydup+M
し、支援ッ

150 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:23:53 ID:FviVsCmI
支援

151 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:24:04 ID:+FTJGee7
支援


152 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:24:06 ID:+ePGGyXo
「フー……ゴ?」

『パープル・ヘイズ』の腕が引き抜かれた。
トニオだったものが、心臓と思しき部位から鮮赤を噴き出して倒れる。
瞬く間に血の海が広がり、床を濡らす。鉄の臭いが鼻を突く。
どさりと倒れた、トニオの遺体が血に浸る。エプロンがそれを吸っても、元流れていたところには戻らない。決して。

「ひぃっ……うわあああああああ」

おぞましい殺害方法に恐怖を覚えたのか、ダービーがたまらずパニックを起こし、店を飛び出した。
排気音が鳴り響いたが、お構いなしで大音量の主張がぶつかり合う。

「君は……君は、なんてことを!」
「一番疑わしいのは、トニオさんだった」
「決まったわけじゃあないでしょう! 君だって見たはずだ! 料理を出した時の、トニオさんの笑顔を!」

帰り血に濡れたフーゴに対し、花京院は感情任せに糾弾する。

「鋼田一吉廣の話を全面的に信用してるわけじゃあないさ。
 だけど、事は起こった。起きてしまったんだ。だったらこうするしかないだろ!」

無駄だった。
フーゴからすれば、最初からトニオしか疑っていなかったと、明らかだったから。
鋼田一吉廣が言う空条承太郎関連の情報、これを頭においた時点で嫌がおうにも警戒する。
そして料理を食したフェルディナンドが死ねば、もはや『トニオ=危険人物』が成り立ってしまう。
トニオのスタンドが関係しているかどうかはともかく、最悪の想定が現実となった。
だから、フェルディナンドが死んでも冷静なままで、手を下す決断も速かった。

「そもそも、病気を治すスタンドっていうのも嘘だったかもしれない! あの時、適当にごまかしただけじゃあないのか!?」
「マックイイーンってやつが元気になったのを俺は見てる!」
「元気になった? マックイイーンっていう人は、どんな病気だったっていうんです?」

ポルナレフは、マックイイーンの症状を知らなかった。
そして、鬱が病気の範疇だと考えられなかった。
マックイイーンを救ったのはトニオやトニオの料理であり、『パール・ジャム』が直接関わっていないと判断したがために。

「それは……」
「ほら、結局わからないんじゃあないか! そうやって騙し騙しやってきたんでしょうよ!
 あの笑顔だって演技に決まってる! あのまま毒を仕込んだ犯人を探すふりして、裏でほくそ笑んでたに違いない!
 仲間と思っていたら寝首掻かれてました、なんて僕は御免だ!」

唯一の希望も潰えた。
傷を治す料理も、今やその効能を失っている。いや、前提として死人を蘇らせるスタンドなどここには存在しない。
死人は何も語らない。真相は、もう闇の中。

153 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:25:17 ID:o5ydup+M
あああ…
しえ、ん・・・

154 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:25:24 ID:+ePGGyXo
「もう君たちと一緒にいることはできない。信用できないんだ……誰であろうと。
 それが良くわかったよ。トニオさんが白か黒か、どっちであろうともう僕はここにはいられない」

フーゴは、花京院らが仮に悪人であろうとかばうようでは先が思いやられる、と判断したのだろう。
花京院の善意が仇になる形となった。
フーゴは、逃げるように店を出る。もはや、振りむけまい。

「追うぞ花京院!」
「ええ!」

だが、過ちから逃げなかったのが二人だ。
フーゴは迷っていた。まだ、やり直せるはずだ。
もとより放っておけるはずがない。

「待てッ!」

静止を命ずる声。
口にしたのはポルナレフ。
先の発言と明らかな矛盾、さしもの花京院も怒りを隠せない。

「ふざけている場合ですかポル……」

振り向くと。

『シルバー・チャリオッツ』の剣先を構えるポルナレフが。

「なッ……!」
「ふざけてなんかねえよ、全然な……」

突き付ける言葉、その語調さえ、刃物のような鋭さがあった。
ともに旅をした仲間に向けるものではない眼光を携えて。

155 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:25:29 ID:+FTJGee7
支援


156 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:26:17 ID:o5ydup+M
支援

157 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:26:19 ID:+FTJGee7
支援

158 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:26:19 ID:+ePGGyXo
「何の真似だ」
「こっちの台詞だ花京院。
 フェルディナンドはよお、『アヴドゥルの死体は埋葬した』って言ったよな? 確かに言った」

間違っていない。彼は出会った当初からそう言っていた。
だが、剣を向けていることへの関連性が見いだせない。
君は何を言っているんだ、そう言おうとして口を開く前に、とある疑問が投げかけられた。

「じゃあ『あれ』は何だってんだよ! てめえらが持ってきたってことか!?
 答えろ、花京院!」

ポルナレフの視線の先に目をやる花京院。
そこには、がたいの良い男性が倒れていた。
髪を束ね、肌は黒く、大きめのネックレスをして……

いや、外見の特徴などどうでもいい。
そんな煩わしい遠回りで事実から目を背けることなど不可能。

花京院は分かった。すぐに、分かってしまった。



あれは、アヴドゥルだ。



アヴドゥルの死体だ。


  ★


『お、お電話ありがとうございます。レストラン・トラサルディーです。
 えー……ご予約のお客様は、お名前と人数、あと……ご来店予定時間を発信音の後にお伝えください。
 お客様のご来店をお待ち…あ、いや、心よりお待ちしております―――』

今は亡き男の肉声。

『あ、場所言わなきゃ駄目だよなあ〜〜〜、死にた……あ、いや、違う違う。
 えと、レストラン・トラサルディーの場所は『【E-5】繁華街』です。あらためて、お客様のご来店を―――』

ブツリと途切れる。

「携帯電話、なかなか役に立ったな」

彼にとっては、もう必要のない情報だ。

159 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:27:00 ID:+FTJGee7
支援

160 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:27:26 ID:o5ydup+M
支援


161 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:27:54 ID:+FTJGee7
支援

162 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:28:02 ID:pJhx0DMA
なんてこったい
支援

163 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:28:08 ID:+ePGGyXo
「まあ、『タンク』無くして成り立つ作戦ではなかったが」

携帯電話でトラサルディーを知ったのは、偶然だった。
警戒して相手は出ないだろうと思いつつコールしてみると、意外や意外、流れたのは参加者からの留守電の音声対応。
携帯電話が複数支給されているとなれば、自然レストランに人が集まるだろう。そこを襲えば――だが、それはあまりに愚直。
敗北はしていないが、ブチャラティを逃したのは失敗だった。今回は確実に事を進めたかった。
しかし相手が集団というのも考えられる、無暗に突っ込んで返り討ちというのは御免こうむりたい。


なら、簡単。内部で潰し合ってもらえばいい。


まずは店に侵入し、アレッシーの肉体を飛び込ませ、あたかも襲われたふりをする。
傷も自作自演。肉体を少し操作してやればわけない。
なお、アレッシーの顔も『フー・ファイターズ』の操作により、原型を完全に失わせた。
そして記憶を頼りに僅かに嘘を交えつつ、無力な立場を装い、取り入る。
ポルナレフがなぜダービーのことを知っていたかは分からない。
だが、空条承太郎に関する二つの記憶が食い違っている事もあり、そういうこともあるとして上手く誤魔化した。

その際、備えられていた水に『フー・ファイターズ』を仕込む。
料理に仕込むのがベストだったが、そんな隙は与えられないだろう。
そもそも出されるのが温かい料理なら、『フー・ファイターズ』が生存できる環境ではない。

あとは、水を飲んだ者が料理を食べた瞬間――喉を爆ぜさせる。
毒殺のように見せかけて。
毒には特有の臭いや味がするものもあると、F・Fは記憶していた。
詳しくなくても、先に毒物混入を疑うのは水より料理だろう。

標的は、フェルディナンドしかあり得なかった。
花京院が死ねば、ポルナレフは真っ先に自分を疑う。有無を言わさず串刺しというのもありうる。
確率は下がるが、同様の理由で花京院もなし。
トニオは論外。口にしない可能性が高いし、『仕込み』を疑われる立場だから必要性がない。
そしてフーゴは、水を含む一切を口にしなかった。
こうして生贄が決まる。
成果は上々。途中で抜け出し、結果を見届けられないのは残念だが。
全滅とはいかなくても、不信不安の疑心暗鬼を引きずるのは明白。

「いざという時、盾にならないかもしれないならこうした方がいい。制限の確認は別の形で取る」

防御くらいにしか使えないと思ったが、パワー型スタンドの前ではあまりに無力。ポルナレフがそれを証明した。
それ以前に、消極的な考えは捨てると決意したのだから。
今回のアレッシーの用途に、F・Fは何ら後悔しなかった。

いや、そもそも『後』に『悔』いることを後悔と言うのだから、この表現は間違いだ。
F・Fは、もはや過去を振り返らないのだから。


  ★

164 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:28:32 ID:o5ydup+M
もう、自分は最高潮です…
支援

165 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:29:22 ID:+ePGGyXo

「ハァッ……ハァッ……!」

フーゴの呼吸が荒いのは、走っているからというだけではない。

(ノリアキの言葉は忘れろ! 忘れるんだ!
 そうさ、僕は間違っていない! ただ、彼らとやり方が違ったってだけだ!)

言い聞かせても、無数の“IF”が浮かんでは消えていく。
別の犯人の可能性も考えられないわけではないし、他にやりようはあったと言われればそうなのだろう。
だが、フーゴにとってはこれしかあり得ない。
ギャングとして非道を歩んだ身だ、抵抗はあれど必要とあらば手を下せる。

『もうお前は、この世で誰からも信頼されてない』

癪に障る男の声が思い出された。

(ああ。そう、なのかも……しれないな)

そもそもこの言葉は、組織というくくりで見ての言葉だった。
だが、広義に解釈した場合でも、現実になりつつある。
『僕は君自身が信じるものや、君が大切に思っているものを否定するつもりはない』とまで言われたのに、花京院は出会ったばかりのトニオを擁護した。

(ああっ、くそっ、信頼されなくて当然さ! 誰も信用しないと誓ったんだから!
 なのに何だ僕は! ノリアキを信じた方が、彼に信じられた方が幸せだったとでも思っているのか!?
 最も疑わしいトニオをろくな理由なく信じた、ノリアキを!)

頭をかきむしりたくなったが、ぐっとこらえる。
食い違う思いが結論を出せずに彷徨う。

「死にたくない、危険な目に会いたくない、それのどこがおかしいって言うんだ!」

だから、結論はともかく本能を優先した。
早い話が振りだしへ戻った、それだけだ。

(トニオ・トラサルディーを殺してくれるとは……わしの努力が知らず実を結んだといったところかの。
 じゃが、いちいち揺らいでいては面倒じゃな。どれ、もうひと押しといくか?)

そして鞄に潜む悪意は、老獪ぶりを示すかのような笑みを浮かべる。
息子への歪んだ愛情が形になったことに満足しながら。


  ★

166 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:29:32 ID:+FTJGee7
支援
死にたくなってきた……

167 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:30:44 ID:+ePGGyXo
花京院は、ダービーを知らなかったために彼を疑えなかった。根拠もなく疑えるはずがない。
フーゴは、安全を優先した。その行為、悪とは言い切れず、相手が違えば彼は穢れ役として必要だったはず。
フェルディナンドは、真実を話さずその命を終える。外道になれなかった彼に、僅かに芽生えた良心がさせたことだったろう。
トニオは、一刻も早く料理を作るため『パール・ジャム』を使わなかった。使っていれば、フェルディナンドの死因が毒ではないことを知れたかもしれない。
ポルナレフは、トニオの意を汲んでダービーを――F・Fを追い出さなかった。その結果がこの惨劇なのは言うまでもない。

F・Fがフェルディナンドを殺したのは事実。

だが、それは単なる引き金にすぎない。

巻き起こった不幸は、紛れもなく彼らが生んだもの。
付け加えるなら、この悲劇はマックイイーンの留守電対応から始まっていた。



全ては、美徳が生んだ不幸。



【フェルディナンド 死亡】
【トニオ・トラサルディー 死亡】

【残り40名】


【レストラン・トラサルディ 閉店】



168 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:31:30 ID:pJhx0DMA
うわああああああああああああ

169 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:31:37 ID:+ePGGyXo
【?-?/1日目 日中】
【F・F】
[スタンド]:『フー・ファイターズ』
[時間軸]:DアンG抹殺後
[状態]:健康。バイクに乗っている。
[装備]:ダービーの肉体(本体)
[道具]:支給品一式(二人分。空のボトルは湖の水で給水しました)、壊れた懐中電灯、加湿器、メローネのマスク、メローネのバイク、カップラーメン、携帯電話
[思考・状況]:
基本行動方針: 空条徐倫を生存させるために彼女を優勝させる
1.中心地へ。
2.ブチャラティチームとプッチの一味は敵と判断
3.ブチャラティ一行を始末できなかった事を後悔
4.余裕が出来たら自分の能力(制限)を把握しておきたい
[備考]
※リゾットの能力を物質の透明化だと思いこんでいます
※承太郎はDISCを抜き取られ廃人化した状態だと思いこんでいます
※リゾットの知るブチャラティチームの情報を聞きましたが、暗殺チームの仲間の話は聞いてません
※隕石を落としたのはウエストウッドじゃあない別のスタンド使いだと思っています
※ジョルノに対してはある程度の信頼を寄せるようになりました。出会ったら……?
※ダービーの体を乗っ取ったので外見は完全にダニエル・J・ダービーです
※ダービとアレッシーの生前の記憶を見たので三部勢(少なくとも承太郎一派、九栄神、DIO、ヴァニラ、ケニーG)の情報は把握しました。
 徐倫を優勝させるために最大限活用します。
※エートロの皮がE-2とD-2の境目付近に放置されています
※エシディシは血液の温度を上昇させることができ、若返らず、太陽光に弱いと認識しました。
※思い出を捨てるため、初期の話し方に戻りつつあります(一人称が『あたし』から『私』、など)
※殺すことに対する躊躇いは無くしました
※リゾットから聞いたブチャラティチームのスタンド能力についての情報は事実だと確信しました(ジョルノの情報はアレッシーの記憶よりこちらを優先)
※自分の能力について制限がある事に気がつきました。
※ディアボロの能力を『瞬間移動』と認識しています。
※参加者の時間のズレを何となく理解しました。

※アレッシーの肉体は消滅しました。
※この後どこへ向かうかは次の書き手さんにお任せします

170 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:32:03 ID:o5ydup+M
美徳の不幸懐かしい!
支援!

171 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:32:24 ID:+ePGGyXo
【E-5 繁華街/1日目 日中】
【パンナコッタ・フーゴ】
[時間軸]:ブチャラティチームとの離別後(56巻)
[状態]:苦悩と不安、傷心、重度の鬱状態、人間不信(悪化)、精神消耗(大)、額に瘤、右腕に中程度のダメージ、服が血まみれ
[装備]:吉良吉廣の写真、ミスタの拳銃【リボルバー式】(5/6)、ミスタがパくった銃【オートマチック式】(14/15)
[道具]:支給品一式、ディアボロのデスマスク、予備弾薬42発(リボルバー弾12発、オートマチック30発)閃光弾×?、不明支給品×?
[思考・状況]
基本行動方針:だれも信用してはならない。気をしっかり持たなくては…
0.死にたくない
1.誰も信用しないと誓ったのだから、信頼されなくて当然だ
1.吉廣に説明された内容についてきちんとした真実を知る(時間があれば、程度に考えている)。
[備考]
※結局フーゴはチョコラータの名前を聞いていません
※荒木の能力は「空間を操る(作る)」、もしくは「物体コピー」ではないかと考えました(決定打がないので、あくまで憶測)
※地図を確認しました
※空条承太郎、東方仗助、虹村億泰、山岸由花子、岸辺露伴、トニオ・トラサルディー、ジョセフ・ジョースターの能力と容姿に関する大まかな説明を聞きました
※吉良吉影の能力(爆弾化のみ)を把握しました。しかし、一つしか爆弾化できないことや接触弾、点火弾に関しては聞いていません。
 また、容姿についても髑髏のネクタイ以外には聞いていません
※吉良吉廣のことを鋼田一吉廣だと思い込んでいます。
※荒木がほかになにか支給品をフーゴに与えたかは次の書き手さんにお任せします。また閃光弾が残りいくつか残ってるかもお任せします。
※花京院とフェルディナンドと情報交換しました。パッショーネのかつての仲間の風貌、スタンド能力をすべて説明しました。
※花京院とその仲間(ジョセフ・ジョースター、J・P・ポルナレフ、イギー、空条承太郎)の風貌、スタンド能力をすべて把握しました。
※アヴドゥルとフェルディナンドの考察から時代を超えて参加者が集められていることも知りました(納得済み)。
※この語どこへ向かうかは次の書き手さんにお任せします。



【E-5 レストラン・トラサルディ前/1日目 日中】
【花京院典明】
[時間軸]:ゲブ神に目を切られる直前
[状態]:とても喉が渇いている、精神消耗(大)、グェスが心配、フーゴは信頼したいがまだできない、右肩に銃創(応急処置済み。ホチキスは使っていない)
[装備]:なし
[道具]:ジョナサンのハンカチ、ジョジョロワトランプ、支給品一式。
[思考・状況] 基本行動方針:打倒荒木!
0.何故アヴドゥルが……!?
1.フーゴを信頼しなくては、旅をしていた仲間たちに顔向けできない!でも心底信じるのは怖い…。
2.グェスを保護するため探す。
3.自分の得た情報を信頼できる人物に話すため仲間と合流しなければ…
4.フーゴが吉廣に説明された内容について話し合い、きちんとした真実を知る(時間があれば、程度に考えている)。
 承太郎が凶悪犯罪者だなんて…まさか、だろ?そうだよね?
5.甘さを捨てるべきなのか……?
6.巻き込まれた参加者の保護
7.安心して飲める水が欲しい。
8.荒木の能力を推測する
[備考]
※水のスタンド(=ゲブ神)の本体がンドゥールだとは知りません(顔も知りません)
※ハンカチに書いてあるジョナサンの名前に気づきました。
※水や食料、肌に直接触れるものを警戒しています。
※4部のキャラ全員(トニオさん含む)を承太郎の知り合いではないかと推測しました。
※荒木から直接情報を得ました
「脅されて多数の人間が協力を強いられているが根幹までに関わっているのは一人(宮本輝之助)だけ」
※フーゴとフェルディナンドと情報交換しました。フーゴと彼のかつての仲間の風貌、スタンド能力をすべて把握しました。
※アヴドゥルとフェルディナンドの考察から時代を超えて参加者が集められていることも知りました(納得済み)。

172 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:33:23 ID:o5ydup+M
支援

173 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:33:44 ID:+ePGGyXo
【J・P・ポルナレフ】
[スタンド]:『シルバー・チャリオッツ』
[時間軸]:3部終了後
[状態]:右手にガラス片による負傷(物を持ったりするのには難儀かも)、その他は健康。後悔、自己嫌悪、焦り
[装備]:無し
[道具]:不明支給品0〜2(戦闘や人探しには役に立たない)、携帯電話
[思考・状況] 基本行動方針:殺し合いに乗ってない奴を守り、自分の正義を貫く
0.何でアヴドゥルの死体がここにあるんだよ、花京院!
1.仲間を集める
2.死んだはずの仲間達に疑問
3.J・ガイルを殺す



※フェルディナンドのデイパック
 (支給品一式×4、麻薬一袋、ダイアーの未確認支給品×0〜2個、スティックス神父の十字架、メス(ジャック・ザ・リパーの物))は、
 【E-5 レストラン・トラサルディ】内に放置されています。
※店内の隅に、LUCKとPLUCKの剣、ローリング・ストーン(ズ)、トニオのデイパック(支給品一式)が置かれています。
※店外に、アヴドゥルの死体が放置されています。
※翼竜は、虫の死骸に戻りました。
※『フランス風クリームスターターとパール・ジャムのミルフィーユ仕立て季節のソースを添えて』は、トニオの死亡により効力を失いました。
※レストランにある食材のうちいくつかが血液でダメになった可能性があります
※『パープル・ヘイズ』のウイルスのカプセルは割れていません。

174 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:34:10 ID:+FTJGee7
美徳というタイトルがつくとたいてい欝
これ豆知識支援

175 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:35:01 ID:o5ydup+M
>>174
ですよね…orz
支援

176 :すべては美徳が生んだもの ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:35:44 ID:+ePGGyXo
投下完了。感想、誤字脱字矛盾点の指摘ばっちこい

美徳の不幸はタイトル元ネタですが読んだことないです

177 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:36:58 ID:pJhx0DMA
凄い負の連鎖・・・
アヴド竜に留守電にヘタレフーゴに黒いプランクトン

178 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:37:48 ID:pJhx0DMA
投下乙です。
なんというか・・・うまく言葉に出来ません・・・

179 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:39:42 ID:o5ydup+M
乙!

複雑な要素が絡み合ってのこの結末…これがバトルロワイヤルというものか…



180 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:51:12 ID:bAhilPY/
投下乙!

うわああああ!!!トニオさああああああああん!!!


181 : ◆0ZaALZil.A :2009/12/16(水) 22:51:58 ID:+ePGGyXo
状態表にミスがッ

F・Fの状態表に
>1.中心地へ。
とありますが、
>※この後どこへ向かうかは次の書き手さんにお任せします
を優先してください

182 :創る名無しに見る名無し:2009/12/16(水) 22:52:57 ID:+FTJGee7
投下乙……orz
救いのない展開にテンションが駄々下がりになっちまいました
前の作品が熱いものであっただけに作風の広さに感嘆するばかりです
それに話自体の完成度が高いにも加えて、後続への見事なパスは見習いたいかと

っていうか本当にFFの一人勝ちだなこれは(吉良の親父もいるけど)
色々と遣り残したことがある二人だけにアッサリ死んだのが逆に辛い
トニオさんもだけど改心してこれからやり直そうってところだった博士の心情を考えると本当に……
しかもアヴドゥルの死体は確かやばい状況だったはずだからな〜
それを見た二人の心境ってのもかなりやばいもんがあっただろう……
互いに仲間だと思える人間をなくしちゃった直後だし、これがどんなフラグに発展するかと思うと
っていうか三部主人公陣は碌な死体の状況じゃないなww
イギーはカビ塗れ、アヴさんはボッコボコ、承りは消滅
カビ+全身大火傷のジョセフが一番ましかもしれないって……
フーゴは欝状態がさらに進んでいるという……
ある意味一番リアルな思考をしているキャラだからな〜
吉良の親父が今後何をやらかすのかって言うのも楽しみだ
それにしてもFFは本当にいいマーダーになってくれたもんだよ
直接戦闘から、だまし討ちや扇動みたいな知能派な面までいけるってのはかなりいい

人一倍凹みやすい癖に欝話が大好きだから興奮しすぎて困る
と、いうわけで最後はこの言葉で締めにしよう



アレッシー(笑)←死体になっても結局扱いがあれ(笑)


183 :創る名無しに見る名無し:2009/12/17(木) 07:06:06 ID:7GduNy+G
投下乙でした!
でも、あれっ??と思ったんですが、
>鋼田一吉廣
これ「鋼田一豊大」ですよね?吉良父が自分の名前を偽ったシーンってありましたっけ……
すみません、まとめ読み直してきます。

184 :創る名無しに見る名無し:2009/12/17(木) 17:27:42 ID:DMaknaVU
102話「使者〜メッセンジャー〜」を見るんだ

185 :創る名無しに見る名無し:2009/12/19(土) 23:24:21 ID:ZyOhhjol
博士の「ジョリーンは、私を許すだろうか?」
に対してFFはノーリアクション?

186 : ◆0ZaALZil.A :2009/12/20(日) 00:13:06 ID:xJ5HRTWj
したらばの何でもありなスレ>>504に書きました

187 : ◆0ZaALZil.A :2009/12/30(水) 14:29:15 ID:u7Ad6Ls/
ペッシ、リゾット、音石明ゲリラ投下します

188 :「首輪」のパワーの謎とは!! ◆0ZaALZil.A :2009/12/30(水) 14:31:18 ID:u7Ad6Ls/
「プロシュート……」

二度目の喪失。
放送にて、またしてもリゾットは味わうこととなる。

「いけないな、こんなでは」

必要な事だと研究所に引きこもってばかりで、チームは減っていき。
こちらは反逆の狼煙どころか、火種さえ見つからない。

「リーダー失格じゃあないか」

プロシュートは、不言実行に手足が付いたような男だ。
きっと多くを語らず、チームの敵となり得る者と死合って散ったのだろう。

彼らは短い命の中で為すべきことをしたはず。
このままでは、仲間に合わせる顔がない。
首輪を解析しうる部屋は見つけた。だが圧倒的に足りない。
首輪のサンプルが、構造を理解できる技術者が。

「……ペッシに悪い影響がなければいいが」

ともあれ今は、今を大事にしなければならない。
無いものねだりはどこまでも不毛だ。
栄光を掴むには、今をどうするかにかかっている。

「……いや、言い訳だな」

ペッシはどうあれ、プロシュートの名を聞いた瞬間、リゾットは確かに揺らいだ。
過去の喪失の痛みを忘れることはできない。故にぶり返す。
それを受け止めず、ペッシがどうのといった逃げ道を作って目をそらした。

(こんな俺にリーダーを名乗る資格があるのか?)

改めて思う。
ペッシに会ったことで、いつの間にか死んだはずの仲間との再会を強く望んでしまったのだろうか?
感傷はとうに捨てたと思っていたのに。

答えを出せないまま、その考えを振り切るように歩む。
ペッシの持ち場である、地下の駅ホームに。


  ★

189 :「首輪」のパワーの謎とは!! ◆0ZaALZil.A :2009/12/30(水) 14:35:00 ID:u7Ad6Ls/
「うっ、うう……兄貴……兄貴ィ……」

平気だと思っていた。
自身が尊敬し、背を追い続けてきた男はあらゆる困難を乗り越え自分たちの前に現れると。
そう高をくくっていた、が、望みは脆くも打ち砕かれた。

「えぐっ、う……ううっ」

屍を越えて戦う覚悟が、踏み台にしてでも立ち上がる覚悟が、こうも痛みを伴うものだったとは。
分かった時にはもう遅い。
俯き、涙を、鼻水を、恥も外聞も気に留めず垂れ流す。

「う……うあ……ああ」

止まらない嗚咽。
反響して何重にも聞こえるそれに、反応してくれるものはいない。

「あの、え〜っと、もしもし?」

否、現れた。

電車から降りたその男、音石明。
ジョセフが生み出した宝を握りしめ、いざ行かんナチス研究所……と思っていたところで出鼻をくじかれた。

「すまないな、俺の『仲間』が迷惑をかけたようで」

遅れて現れたペッシの上司は、普段より謙遜した挨拶を来客に向ける。
当の来客、音石は未だ混乱しているようだ。


  ★


「俺はリゾット、彼はペッシだ」

今回は素直に名乗る。
ミューミューの件は内部の把握が急務だったからやったことである。
今後はそううまくいくまい。協力を欲するなら、信頼を勝ち取らねば。

「ああ、俺は音石明。お仲間さんが泣いているのは心中察するとして……だ。
 俺は殺し合いに乗り気じゃあないが、襲われて命からがら逃げてきたばかりでね。自衛のために支給品を譲ってくれやしねえか?」

とは言え、相手にもよる。
そうも言っていられない事態ではあるが、裏切らない程度に有能な人物がベスト。
しかし数だけ見れば二対一の現状、こいつは何を、とリゾットは思う。
もっと警戒しても良いのではないか。

「いや、支給品はあるんだ。
 あるんだが、スタンド能力の関係上……電気関係の支給品が欲しいんだ、それこそ電池とかな」

この発言にしても、そう。
モノによるが、おいそれと渡すバカがどこにいると言うのか。

「もちろんタダとは言わねえ。相応の礼はするさ」

190 :「首輪」のパワーの謎とは!! ◆0ZaALZil.A :2009/12/30(水) 14:36:39 ID:u7Ad6Ls/
当然である。
欲しければまず与える。それが十分に出来ていなかったから、リゾットらは自分たちのボスに牙をむけた。
人類史上どんな形であれ、それは証明されているのだから。

「生憎俺には持ち合わせがない。あればの話になるが、ペッシのものを譲ろう」
「いいのかい?」
「……一人でいさせることも時として必要だ」

ペッシの耳元で上に戻るとだけ言い、デイパックを取る。
中身の確認はしていなかった。もしかしたら、合流する以前に使い果たしたかもしれない。
しかしリゾットは目ぼしいものがなくても粘ってみるつもりだった。相応の品とやらが気になったから。

「俺が先に見せないと、この場合不公平だな。
 ……仲間が託してくれたもんだからさ、大事に扱ってくれると嬉しい」

しかし、ペッシの心配をするより、自分の心配を先にするべきではないか。
そんなことを思いつつ音石が取り出した紙をちらと見た瞬間、リゾットははっとし、つらつらとメモ帳にこう書き記した。

『それについては、以後筆談で頼む。書いたことは決して口に出すな』

「……有難い。場所を移りたいが、ついてきてくれるか?」
「もちろん」

狼煙の火種、リゾットはまさしくそれを手にしたと理解する。


  ★


『どこでこれを?』
『念写のスタンド使いと一緒にいてな、そいつがやったんだ。さっきも言ったように、放送直後に襲われてはぐれちまったが』
『余計な事を聞いて済まない』
『構わねえよ。きっと生きてるさ、俺は信じてる』

白紙が黒で埋め尽くされていく。
ペッシのデイパックを左手で弄りながら、右手で筆談を行う。
綴る速度は一向に衰えない。

『で、何か分かりそうか?』
『申し訳ないが、その辺については疎い。だが予想では、盗聴器の類がつけられているかもしれないな。
 筆談はそのためだ。そして、カメラは布で覆えば使い物にならなくなるからそちらの可能性は低い。
 この部屋に仕掛けられているかもと思って一通り調べたが、それらしいものはなかった』

これを手にしている音石が死んでいないことから、監視は緩いものだとあたりはついた。
未だ40人以上いるなか、一度に彼らの情報を把握し整理することは難儀。
協力者がいても、逐一報告しなければならないから労力は同じ。
自然監視の手は弱まるだろうが、だからといってマークされていないとはいえない。油断は禁物だ。

『俺としては、音石の意見を聞きたいところだが』
『外せるとまでは言えねえが、機械に触れてた時期はあったしある程度は分かる。ある程度は、な』

191 :「首輪」のパワーの謎とは!! ◆0ZaALZil.A :2009/12/30(水) 14:39:53 ID:u7Ad6Ls/
音石は、自分のスタンド能力の都合上、ある程度の工学知識は持っていた。
解除には至らないまでも、自分たちの首輪と照らし合わせれば少しは分かるかもしれない。
現実に、杜王町に張り巡らされた電線の位置全てを把握したことがあるくらいだ。
……そのまじめさをもっと別の方面に使うべきだとは思うが。

『正面にあるのが電球。人の首輪を見りゃあ流石に気付いていると思うがな。
 近くにある機械は……リゾットの予想が正しけりゃ盗聴器のマイクかなんかだろう。声を拾うなら、この位置だな』

喉元にそれらしい機械が見つかったようだ。
確定したわけではないが、当然の措置だろう。

『後はよくわからねえ。予測でいいなら、おそらく大部分を占めるのは爆薬だ。
 最初見せしめとして首を吹き飛ばされた人がいたが、あれほどの威力だとこれでも足りない気がするがな』
『なるほど。繋がっているのは起爆するためのコードか?』
『だとすれば、電気信号で起爆するんだろうな』

電気信号――その言葉で、紙面を見つめていたリゾットの眉が寄る。

『待ってくれ、電気信号だと?』
『ああ。信管に電気信号を送って』
『違う、根本的にこの首輪はおかしい』

音石を遮るように、さらさらと、形の整っていない字を書き記す。

『見ての通り電球は点いている。これは明らかだ。だったら』

わざと文字の間隔をあけ、強調して書く。

『そ の 電 気 は ど こ か ら 流 れ て い る ?』

ご丁寧に、下線も引いて。

『他にもパーツはあるぞ?』
『禁止エリアのための位置確認をする装置。無理に外そうとしたら爆発する装置。そして、生死を判別する装置。
 これほどのものがまだあると予想できるが……エネルギーを維持できると思うか?』

どう見ても首輪は機械だし、設計図という裏付けもここにある。
多少未来のテクノロジーを用いているとしても、この問題は簡単に解決しそうにない。
首輪は鉄の冷たさを保っている。これだけのエネルギー、表面に熱が伝わっていないのは不自然。


192 :「首輪」のパワーの謎とは!! ◆0ZaALZil.A :2009/12/30(水) 14:45:10 ID:u7Ad6Ls/
『確かにこれ全部機械……だよな。念写できたわけだし』
『そう、完全に機械仕掛けだ。スタンドで作ったのかもしれないが、これは言える。
 だから、エネルギーの問題が生じてきてしまう』

スタンド能力だから、が通用しない領域。
だが、荒木にたどりつくためには避けて通れない防壁。

『実物を見てみないと分からんな』

彼らに結論は出せない。

「約束の支給品だが……これでいいか? 説明文が疑わしいんだが」

突如、口を開くリゾット。
あまり筆談に時間をかけ過ぎると怪しまれる、ここらが潮時ということか。
紙を開いて放りだした中身を音石は見つめ――

「いいもなにも。最高だよ」

間髪いれず、笑顔を浮かべる。


 ★


「『スピットファイヤー』。
 ラジコン飛行機。時速150キロまで加速が可能。バッテリー充電器付き……」

リゾットが、支給品の説明書を復唱する。
玩具に詳しくないリゾットはその文を疑っていたが、どうやら音石が本来持っていた物らしい。

「それで研究所外の索敵を頼めるか?」
「いいぜ。こっちは行くあてもねえんだ、世話になんぜ」

スタンドを乗せれば、電波に関係なく飛行が可能とのこと。
欠けていた外部の防衛力もこれで補える。
ホル・ホースにレーダーを要求したが、いらぬ世話となった。

193 :「首輪」のパワーの謎とは!! ◆0ZaALZil.A :2009/12/30(水) 14:46:57 ID:u7Ad6Ls/
(疑わしいと言わざるを得ない)

だが、そこまでさせて尚、リゾットは音石を訝しんでいた。
もっと言うなら、違和感が拭えずにいた。
音石の、この舞台における身の上について。

(仲間が襲われたというのに、何故支給品を回収する暇があった?)

仲間が襲われたので、自分は『デイパックを回収しつつ』逃げた――そんな余裕があれば早く逃げればいいものを。
設計図は若干の工学知識のある音石に先に渡しておいたというのも考えられるが、託す相手がこうも危機感がなくていいのだろうか?
嘘をついていなければ危なっかし過ぎる。

(だが首輪の設計図をもたらしてくれたのは事実だ。偽物だったとしても、実物を見ればわかること。
 こいつは俺が監視しなければなるまい)

それを差し置いても、もたらしてくれたものの大きさは計り知れない。
だからこそ、そんなことは問題にならないような、何かしらの腹積もりがあるのだろう。
そんな男を、隙だらけのペッシに近づけるわけにはいかない。
ペッシを言い訳に使ったのだ、これぐらいのリスクは背負ってしかるべき。

「俺の仲間と、警戒するべき人物を教えておこう。見つけたら連絡してくれ」

リゾットは、チームのリーダーとしての姿勢を崩さない。


  ★


(首輪の解除、ねえ……)

リゾットの説明を聞きながら、音石もまた、訝しんでいた。
首輪の解析並びに解除、その可能性について。

(そううまくいくもんなのか?)

首輪を外して荒木を倒してメデタシメデタシ――そううまい話があるだろうか?
筆談の際、音石は嘘をついていない。見破られたら自分の立場が悪くなるだけだから。
その音石が自分以上の専門家になら外せるかも、と思ったが、次のステップにある荒木打倒というハードルが山の如く高い。
常識が通用しない全裸の怪物に対峙して感じた絶望を、音石は回顧する。
少なくとも荒木はそいつ以上に強いのだろうし、荒木を倒す道を見出すのは楽観にもほどがある。

(ま、一人じゃ限界があるだろうし、しばらく利用させてもらおうかね)

しかしそんな怪物が跋扈する中、一騎当千も厳しいのは事実。
端側なら危険にさらされる可能性も下がる。
しかも現在スタンドを外に飛ばしているが、本体の危険はリゾットが守ってくれる。
実に遠距離型らしいやり方ができるわけだ。

(首輪回収って名目で、人数減らしも出来ることだしよ)

そして、優勝狙いの音石にとってこれほどうれしいものはない役職――危険人物の排除を一任されたのだ。
リゾットが話した人物以外でも、首輪を手に入れるためと言えば一人か二人殺しても大目に見てくれるはず。
これで、疑われることなく攻撃を仕掛けられる。
もちろん、あの虹村億泰であっても。

音石明は、優勝への狙いがぶれることはない。


  ★

194 :「首輪」のパワーの謎とは!! ◆0ZaALZil.A :2009/12/30(水) 15:00:03 ID:u7Ad6Ls/
果たして首輪の設計図は、荒木を焼き尽くす業火となるか?

それとも、扱いきれずにリゾット自身を燃やすか?

光明はまだ、見えない。



【F-2 ナチス研究所 研究室/1日目 日中】
【暗殺チーム(現在メンバー募集中)】
【リゾット・ネエロ】
[スタンド]:メタリカ
[時間軸]:サルディニア上陸前
[状態]:頭巾の玉の一つに傷、左肩に裂傷、銃創(『メタリカ』による応急処置済み)
[装備]:フーゴのフォーク
[道具]:支給品一式
[思考・状況] 基本行動方針:荒木を殺害し自由を手にする  
1.音石の監視を頼りに、首輪を外すor首輪解除に役立ちそうな人物を味方に引き込む。
2.ホル・ホースを信頼。ミューミュー、音石はそうでもない。
3.暗殺チームの合流と拡大。人数が多くなったら拠点待機、資材確保、参加者討伐と別れて行動する。
4.ブチャラティチームとプッチの一味は敵と判断、皆殺しにする。ブチャラティチームに関しては後ろ向きな行動だろうがやむなし。
5.荒木に関する情報を集める。他の施設で使えるもの(者・物)がないか、興味。
[備考]
※F・Fのスタンドを自分と同じ磁力操作だと思いこんでいます
※F・Fの知るホワイトスネイクとケンゾーの情報を聞きましたが、徐倫の名前以外F・Fの仲間の情報は聞いてません
※情報交換の際ホル・ホースから空条承太郎、ジョセフ・ジョースター、花京院典明、J・P・ポルナレフ、イギーの能力を教わりました。
※ホル・ホースの言葉に若干揺らぎましたが、現在ブチャラティチームと協力する気はさらさらありません
 ただし、カタギの人間(首輪解除に有益な人材)には素性を伏せてでも接触してみる(バレたり、その後のことはケースバイケース)。
※盗聴の可能性に気が付いています。

※リゾット、及びペッシのメモには以下のことが書かれています。
[主催者:荒木飛呂彦について]
荒木のスタンド → 人間ワープ…見せしめの女の空中浮遊、参加者の時間軸の違い(並行世界まで干渉可能)
         → 精密機動性・射程距離 ともに計り知れない
開催目的 → 不明:『参加者の死』が目的ならば首輪は外れない
           『その他』(娯楽?)が目的ならば首輪は外れるかもしれない 
※荒木に協力者がいる可能性有り

195 :「首輪」のパワーの謎とは!! ◆0ZaALZil.A :2009/12/30(水) 15:01:40 ID:u7Ad6Ls/
【音石明】
[時間軸]:チリ・ペッパーが海に落ちた直後
[スタンド]:レッド・ホット・チリペッパー(黄色)
[状態]:体中に打撲の跡(中)、『レッド・ホット・チリ・ペッパー』をスピットファイヤーに乗せて飛行中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×3、不明支給品×1、ノートパソコンの幽霊、首輪の設計図(ジョセフが念写したもの)、スピットファイヤーのコントローラ、バッテリー充電器
[思考・状況]基本行動方針:優勝狙い
0.しばらくこの駅に待機せざるを得ないかもな、能力的に考えて
1.ナチス研究所周辺を監視中。チャンスがあれば攻撃を仕掛ける
2.首輪解除なんて出来んのか?
3.サンタナ怖いよサンタナ
4.電線が所々繋がっていないのに電気が流れているこの町は何なんだッ!? あやしすぎて怖えー!
[備考]
※バトルロワイアルの会場には電気は通っているようです。
 しかし様々な時代の土地が無理やり合体しているために、電線がつながっていなかったりと不思議な状態になっているようです。
 スタンドが電線に潜ったら、どうなるかわかりません。(音石は電線から放電された電気を吸収しただけです)
※ミセス・ロビンスンをスタンド使いだと思っています
※早人とジョセフとディアボロが駅を出た理由を知りません。
※盗聴の可能性に気がつきました
※ブチャラティチーム、ホル・ホース、ミューミューの容姿と能力を知りました。ホルマジオの容姿を知りました。
※スピットファイヤーを【F-2 ナチス研究所】付近に旋回させています。
 少なくともブチャラティチームやプッチ一味(と判断できた場合)、虹村億泰が近づいてきたら攻撃を仕掛けるつもりです。


※フーゴの辞書(重量4kg)、ウェッジウッドのティーセット一式が【F-2 ナチス研究所】に放置されています。



【F-2 ナチス研究所地下鉄駅ホーム/1日目 日中】
【ペッシ】
[時間軸]:ブチャラティたちと遭遇前
[状態]:頭、腹にダメージ(小)、喉・右肘に裂傷、強い悲しみ、硬い決意
[装備]:リゾットにタメ口の許可認証
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2、重ちーが爆殺された100円玉
[思考・状況] 基本行動方針:『荒木』をぶっ殺したなら『マンモーニ』を卒業してもいいッ!
1.兄貴ィ……
2.誰も殺させない。殺しの罪を被るなら暗殺チームの自分が被る。
3.ホル・ホースはいいとして、ミューミューは頼りになるのか?
4.チームの仲間と合流する
5.ブチャラティたちを殺す?或いは協力するべきなのか?信頼できるのか?
[備考]
※100円玉が爆弾化しているかは不明。とりあえずは爆発しないようです。
※ただし、これからは素性を伏せて誰かに接触してみる(バレたり、その後のことはケースバイケース)。

※暗殺チーム全体の行動方針は以下のとおりです。
基本行動方針:首輪を解除する
1.首輪解除のためナチス研究所を拠点として確保する。
2.首輪を分析・解除できる参加者を暗殺チームに引き込む。
3.1・2のために協力者を集める。
4.荒木飛呂彦について情報収集
5.人数が多くなれば拠点待機組、資材確保組、参加者討伐組と別れて行動する



【スピットファイヤーwithバッテリー充電器】
ペッシの支給品。ラジコン飛行機。
音石明がジョセフ・ジョースター殺害のために盗んだ(?)もの。
時速150キロで飛行可能。バッテリー充電器はナチス研究所にも対応しているようだ。
バッテリーがどのくらい維持するか、電波の届く範囲はどの程度かは不明。

196 :「首輪」のパワーの謎とは!! ◆0ZaALZil.A :2009/12/30(水) 15:06:03 ID:u7Ad6Ls/
投下完了。誤字脱字矛盾点の指摘あればどうぞ。

本当は仮投下スレに投下するつもりでしたが、規制が解けてないものだと思って
ゲリラ投下しますとか書いちゃいました、申し訳ない

音石が工学知識をすこしだけ持っていることがちょっとまずいかなって気はしますが……グェスがありならいいかなと思いました
皆さんの意見を伺います

197 :創る名無しに見る名無し:2009/12/30(水) 15:31:56 ID:rKfbEoN9
この程度の知識もナシにRHC使うのは自殺行為だと思いましゅwww
エネルギーに関しては…繋がってない電灯に電気が流れてるくらいだし、普通だよな。

どうでもいいけどD4Cって空間系スタンドだよね。
歴代荒木を空間系スタンドにするって目論見が崩れそう。

198 :創る名無しに見る名無し:2009/12/31(木) 00:11:18 ID:ZrN0J6EW
>どうでもいいけどD4Cって空間系スタンドだよね。
>歴代荒木を空間系スタンドにするって目論見が崩れそう。

???
荒木と関係ないとおもうけど
歴代ボスが時間系じゃない、の間違い?

199 : ◆0ZaALZil.A :2010/01/01(金) 22:04:40 ID:qAzAPQC7
特に指摘の方ないようなのでWikiに載せてよろしいでしょうか?

200 : ◆33DEIZ1cds :2010/01/01(金) 23:00:51 ID:wiYvBbBb
>>199

問題無いと思います。
お疲れ様です。

ジョナサン・ジョースター、ブローノ・ブチャラティ、グイード・ミスタ投下します。

201 :創る名無しに見る名無し:2010/01/01(金) 23:01:38 ID:qAzAPQC7
明けましてオメメタァ支援

202 :サヨナラだけが人生だ ◆33DEIZ1cds :2010/01/01(金) 23:01:45 ID:wiYvBbBb
満身創痍の男二人が佇んでいる。
場所はエリアD-2の端、D-3との境界近く。

奇妙な帽子をかぶった方の男は瞼を閉じぐったりとして、意識が無い様子だ。
彼、グイード・ミスタは、黒髪に良く映える白地のスーツを着込んだもう一人の男に担がれている。
ミスタを背負っている男、ブローノ・ブチャラティは、ゆっくりと歩き出しながら唇を噛み締めて耐えていた。
己の傷から来る痛みにではない。
仲間…アバッキオの死を悼む気持ちを耐えていたのだ。

先刻、放送の時間が迫り、ブチャラティは地中から脱出した。
出る前には地面の中で耳を澄まし警戒したが、足音などが響くことも無く。
襲撃者・ダービーは自分達の追撃を行わなかったと判断し、地表に姿をあらわしたのだ。

忌々しい荒木の声に耐えながら放送の内容をメモし、トリッシュと同じようにアバッキオの名前にも線を引いた。
ためらいは無かった。
ただ、アバッキオは逝ってしまった。この事実が重く心にのしかかる。
しかし、自分が前進を止めることは無い。
自分がためらい、立ち止まることは、チームのリーダーとしてあるまじきこと。

だが彼はもくもくと歩きながらも、思い出すのを止められなかった。
少し前までの日々の光景が眼前に広がる。
それは、ネアポリスで事務所代わりにしていたレストラン。
仲間たちがいつも集まって、仕事の報告や連絡、果てはくだらないお喋りや、小さな喧嘩に至るまで。
自分はそんな彼らを眺めつつ紅茶をすすり、喧騒をBGMに目を通すべき書類をひらりと捲る…

そんな在りし日の日常は、もう二度と戻ってはこないのだ。
ブチャラティは片方しか残っていない目を一度だけ固く閉じると、鋭く前方を睨みつけた。

(一歩一歩確かに地面を踏みしめて、絶対に荒木にたどり着く。そして、必ず目的を成し遂げよう。
アバッキオの分も、トリッシュの分も、スージーの分も…!ここで死んでいった全ての参加者の想いを、俺たちが受け継ぎ、先へ進めるッ!)

傷から来る痛みのせいか、彼の歩調はひどく弱弱しい。
だが彼は信じて疑わない。
この地面がつながるどこかに、倒すべき邪悪がいると。
仲間や出会った人々の為、自分はそこへ向かってゆくだけであると。

203 :サヨナラだけが人生だ ◆33DEIZ1cds :2010/01/01(金) 23:02:54 ID:wiYvBbBb


D-3とE-3の境目、そこは住宅街。

透き通った瞳に悲しみを秘めて、ジョナサン・ジョースターは街中を歩き続けていた。
暗い夜と暗い朝を乗り越え、たった一人悲嘆に暮れながら。
全てを砕き、また全てを取り戻すために。

荒木によってフィールド内に舞い戻り、決意を固めた彼は素早く行動を起こした。
取り敢えず体勢を整えるため、手ごろな住宅を探し侵入しようと移動を開始したのである。
未確認の支給品もある。戦力の補給のためにも、何を持っているのか確かめなくてはならない。

数刻前のジョナサンならば、他人の自宅に侵入するのには抵抗を覚えたかもしれない。
だがジョナサンは、少し前の彼とはもう違うのだ。
誇り高い英国紳士を目指したジョナサンは、もうどこにもいない。
妻を奪われ、父を奪われ、尊敬すべき友の死の原因を作ってしまった彼。
失い続ける人生に絶望した彼に手を差し伸べたのは、他でもない。
主催者・荒木はファウストをかどわかすメフィストフェレスのように、ジョナサンに優勝を目指させることに成功したのだ。

ジョナサンは先程までの荒木の言葉を何度も反芻しながら、周囲を見回し、条件の良い住宅を探す。
しばらく北上すると、場所で言うならばD-3の端、D-2との境目も近いところで手ごろな家屋を見つけた。
ここにしようと決めかけたその時、前方に人影を見る。
その影は、こちらに気付くと引きずるように歩みを進め、自分に近寄ってきた。

「ジョナサン!無事だったか。」

再会を喜ぶニュアンスを含みつつ、影___ブチャラティが声をあげた。

「やあ、君たちか…」

そう言いつつも、ジョナサンは全身に緊張が走るのを控えられずにいた。
先程の自分の誓いを実行する時のことを考えると、眩暈がしそうだった。
問答無用で襲う、という選択肢を咄嗟に選ぶことができず、完全に機を失してしまった。

一方、ジョナサンの漆黒の決意を知る由もないブチャラティは、ゆっくりとジョナサンの元にたどり着く。
彼は一度地面に片膝をつくと、ミスタの体を一端横たえた。
そうしてふっと息を付き、体のあちこちを庇いながら立ち上がってジョナサンと向かい合う。

「あんた、すごい有様だな。あながち無事でも無かったのか?」
「いや…、この血は、僕のじゃあない」

ジョナサンは自分の身なりを確認するようにちらと見やると、肩をすくめた。

「そうか…。色々聞きたいことがあるが…放送は聞いたか?エリナ嬢とブラフォードの事は……」

ジョナサンは黙っている。
彼の心情を慮り、ブチャラティも言葉を切った。
先に沈黙を破ったのはジョナサンだった。
顔には微笑を浮かべている。


204 :サヨナラだけが人生だ ◆33DEIZ1cds :2010/01/01(金) 23:04:45 ID:wiYvBbBb
「…君たちこそ、ひどい怪我だね。あれから何かトラブルが?」

それを見たブチャラティは、エリナやブラフォードの死がジョナサンにいかなる影響を与えたのか測りかねていた。
目の前に佇む屈強な体つきの青年の表情は、一朝一夕に読み取れる類いのものではない。
しかし数刻前のように取り乱した様子は全く無く、瞳に生気を湛えてはいる。

ブチャラティは、再び合流したのならば、協力し合うというあの時の約束を心強く思い出していた。
しかし不明点が多々あることも事実。

なぜエリナ嬢はあのような無惨な最後を遂げたのか?
ブラフォードはなぜ死んだのか?
ジョージ氏はどこにいるのか?

ジョナサンにとっては辛い話かも知れない。
だが今後のために、詳しく話し合うことが最も必要であると思われた。
止むを得なかったとはいえ、ジョースター邸を破壊してしまったことも謝らねばならない。
そう考えながら、ブチャラティは自らの提案を口にした。

「ああ、ご覧の通り…怪我の治療を急いでいる。人目に付きにくいところで情報交換もしたいが、あんたはどうだ?」
「OK。彼を運ぶのを手伝おう。」
「すまない。」

ブチャラティが再度、ミスタを抱き起そうとジョナサンから目を逸らした瞬間。
一瞬の隙を見逃さず、予備動作もほとんど無い流れるような動きで。

ジョナサンの手刀がブチャラティの意識を奪った。



動悸が早まる。

意識の無いミスタとブチャラティを前に、ジョナサンは途方に暮れていた。
激しい戦闘だったのだろう、2人はボロボロだった。
そしてこの程度の怪我ならば、波紋で治療が可能だ。
そんなことは分かっている。

問題は、彼らを殺さなければ自分の目的を達成することはできない、という事。
優勝し、全てを無かったことにする。
その目的を果たすには、殺人の実行が不可避である。

(殺すのか?本当に?この二人を、僕がこの手で……)
未だ動かせない体。口の中がカラカラに乾く。手が震えた。
ジョナサンは自分の足元近くに屈むと、未だ気絶したままのミスタの身体に手を当てた。

まだ、助けられる。
自分なら、この傷を癒し、彼らを痛みから解放してやれる。
彼らが自分にしてくれたこと、言ってくれた言葉、全て覚えている。
彼らは気高く、日光の様に明るくて、力強い戦士だ。
そんな彼らを殺すのか。

そう思考すると同時に、あの男の笑みが頭の端で揺らめいた。
その笑顔とは勿論、先程彼に優しい声で残酷な言葉を流し込んだ、荒木のものだ。

『彼らを生き返らせる、救える、しかもそれが君だけだとしたら…君は………どうする?』

『君が優勝したら望むものを何でも与えてあげるよ。何でもさ。 平穏も、父も母も親友も失われた友情も…文字どおりなんでもさ。
どうだい、ますますやる気が湧いてきただろう?そうさ、頑張るんだよ、ジョジョ…君には僕も期待してるんだ…フフフ…』

甘く柔らかに囁くその声色。
それは心地よい響きを伴ってジョナサンの耳の中でリフレインした。

205 :創る名無しに見る名無し:2010/01/01(金) 23:05:34 ID:qAzAPQC7
支援

206 :サヨナラだけが人生だ ◆33DEIZ1cds :2010/01/01(金) 23:06:41 ID:wiYvBbBb
「うるさい、黙ってくれ…!」

大きく頭を振り、悲痛な声で呟く。
固く閉ざした瞼の裏には、ボロボロと崩れる体を引きずって、自分に近づいてきた家族や友人の姿が再生された。
その一瞬の悪夢から逃れるように目を見開くと、乱れた息を整えるため深呼吸をする。

「まだ、…助け、られる……」

そう呟くと、ジョナサンは意を決して波紋を練った。



___お?

なんだこれ!
下に俺がいるじゃねえか!何だこりゃあ…?
それと、ありゃあジョナサンじゃねえか?
おいおいおい、なんでブチャラティまで倒れてんだ?!

俺は異常な事態に混乱した。
妙な浮遊感を全身に感じる。
最も、俺の身体は今地面に横たわっているのだが。

なんで俺が俺を見下ろしてんだ?
どうも気絶していたらしいが、何が何だか全く分からねえ。
眼下に見えるのは、怪我だらけの俺の体とブチャラティ、俺の前で屈み込む血まみれのジョナサン。

そもそも俺はいつから意識が無いんだ?
ジョースター邸でエリナ・ジョースターの死体を見つけて、ゲームにノリノリの奴が攻撃してきて。
ピストルズに弾丸を跳ね返すよう指示して、それから景気良く相手を攻撃してやって…?

状況が掴めねえぜ…まさか、…ジョナサンがブチャラティを攻撃したのか?
てか今、あいつ俺に何やってんだよ?なんで泣いてんだ?

ふと、ジョナサンが何かつぶやいているのが聞こえ、俺は耳を澄ました。
すると途切れ途切れのか細い声で、俺の体に向かって語りかけているのが聞こえる。

…『ごめん』?『死んでくれ』?『すべて元に戻るまで』?

……つまり、俺は今あいつに殺されてる最中か?俺っていわゆる幽体離脱状態?
ハッ!シャレにならねぇ、なんてこった…クソッ…

地面にぶっ倒れてる体も動かせねえ。
感覚が吹っ飛んでいるようだ。

おいおい…どんどん地面が離れて行きやがるじゃねぇか。
畜生、なんとかならねえのかよッ!
俺ってこのままおっ死ぬこと確定?マジかよ…!
まだやり残したことがたくさんあるってのに…チームの野郎どもはどうなったんだよ…

まだ出会えていないチームのメンバーの顔を想い出しながら、何故か俺は眠気を覚えた。
これが死ぬ間際の感覚なのかと、変に冷静な自分の思考を薄気味悪く感じる。

眠ィ……案外、落ち着いてられるものなんだなァ…
……だめみてえだ、もう意識がどっか行っちまいそうだぜ…
あ〜あ…ここでゲームオーバー、か。

ジョナサン、お前…エリナが死んで、それから何があったか知らねえが、悪い方向に舵を取ったな。
全く、しょうがねえ野郎だぜ。俺があんなに熱く語ってやったのによぉ。


207 :サヨナラだけが人生だ ◆33DEIZ1cds :2010/01/01(金) 23:08:28 ID:wiYvBbBb
俺は未だうずくまって肩を震わせているジョナサンを見下ろしながら、薄くなってゆく意識を留めようと必死になっていた。
泣きながら俺を殺すジョナサンの姿を見ていると、不思議と憐憫の様な情が胸に湧き起こる。

こんな状況だ、恨んだりしねえからせめて…早く、自分の間違いに気付け。
俺で最後にしろ…人殺しなんてのは汚れ役のギャングの仕事だぜ。

そして、ブチャラティ!ぶっ倒れてねえで起きろ!起きろ!
あんたは死んじまっちゃ駄目だろうが!あんたがいなくてチームが纏まるわけねえだろ!!

俺は最後の意識を倒れているブチャラティの方へ強く向けた。
敵へ全神経を集中して、愛用の銃を撃つときのように。

俺の気のせいかもしれない。
だが何故か、届いた、という感覚があった。

きっと俺は笑っていると思う。

でも、まだ、後もう一つ想いが届くのなら。
後一言が許されるのなら。

ブチャラティ、アバッキオ、フーゴ、ナランチャ、そしてジョルノ!

仲間達へ、

________アリーヴェデルチ。ピストルズと先に待ってるぜ、あの世でな!


208 :サヨナラだけが人生だ ◆33DEIZ1cds :2010/01/01(金) 23:09:59 ID:wiYvBbBb


生命や、希望に満ちた、太陽の力。波紋。
それを操る人間である彼は、たった今、何をしたのか?

「殺した、僕が。まだ助かった人を。僕が殺さなければ、まだ、生きていることが出来た人を。」

震える手を髪の中に突っ込み、滅茶苦茶に掻き毟る。
唇も震え、肩は強張り、足は言う事を聞かずに地面から立ち上がることができない。
眼前には、魂の抜け切ったミスタの体。
呼吸は完全に止まり、疑う余地もなく、彼は死んだ。

「波紋で、心臓を止めた。もう戻れない。この僕の手で、全てを打ち砕くまで。」

揺れる心を戒める。膝に手を付き、震えを封じて立ち上がった。
ミスタの体を回り込み、傍らにうつ伏せで倒れているブチャラティの肩をつかむと仰向かせる。

そして心臓付近に手を当て、再度波紋を流し込もうと息を整えた刹那。

「!!」

ブチャラティの手が、ジョナサンの腕を掴んだ。

「あんたの、答えは、それか……?」

苦しそうではあるが低い声で唸るように、ブチャラティの唇から言葉がこぼれる。
ジョナサンは飛び上がらんばかりに驚き、腕を振りほどいて咄嗟に後ずさる。
気絶していると思っていたブチャラティが、爛々と光る眼で自分を睨みつけているのだ。
あまりにも突然の出来事に呼吸が乱れ、波紋を練るどころではなくなっていた。

「君、その怪我で…僕に殴られてそんなすぐに目が覚めるだなんて…」

ブチャラティは体をねじり、地面に手を付いて上半身を起こす。
その間も息を荒く吐きながら、ジョナサンを見つめ続ける。
その瞳の底にぎらぎらと煮えている光に、ジョナサンは恐怖を覚えた。

「…ミスタの声が、俺を目覚めさせてくれた。俺達に…あの世で待っていると。あいつは最後、笑っていた。」

ブチャラティは独り言のようにそうつぶやく。

気のせいなどでは決してない。
自分のすぐ傍らで、ミスタは死んだ。
だが、あいつは俺達の心へ想いを届けてくれた。
ミスタの言葉、ミスタの笑顔、それを想うと、力が湧かないはずはなかった。

ジョナサンはその言葉を受けると少し目を見張り、こらえきれずにブチャラティから目を逸らした。
地面の砂利を見つめながら、震える声で言葉を絞り出す。

「……すまない。すまない。全て僕が悪いんだ。だから…憎んでくれて構わない。ここで、死んで、もらいたい。」
「それはジョークか?あんたはセンスが無いな…。」

そう言い返しながらブチャラティは立ち上がり、ジョナサンと対峙した。
二人の距離、わずか2メートルほど。『スティッキー・フィンガーズ』の射程距離内だ。
右手をあげ、左足を後ろに引いて構える。
前髪の影からぎらりと光る眼線で、ジョナサンを射抜かんばかりに再度睨みつけた。

「あんたは俺の部下を、手にかけた。そういう行動を、ギャングは決して許しはしない…!」
「止めてくれ!僕に攻撃させないでくれ!君は怪我をしているんだ、さらに苦しむ必要なんてない!」

209 :サヨナラだけが人生だ ◆33DEIZ1cds :2010/01/01(金) 23:11:31 ID:wiYvBbBb
ジョナサンのその言葉を聞き、ブチャラティはどこか悔しそうに眉間にしわを寄せる。
(一体何があった。お前は現来そんな人間じゃあ無いはず。この数時間の内に一体何が起こった。)
だが、ジョナサンはミスタを殺した。
その事実は、いかなる事情を伴っていようとも、帳消しにすることなどできはしない。
そしてミスタの上司である自分が、仲間である自分が、やるべきことは一つ。

「もういい。話が噛み合わねえ。」

言いつつスタンドを発現し、まずは拳を一発。
当然ジョナサンはそれをよけ、動揺した顔はそのままに構えの姿勢をとった。
お互いコンディションは最悪。
ブチャラティは片目になったがゆえに平衡感覚が定まらず、相手との距離感、自分の動きの感覚に違和感を覚える。
加えて怪我だらけの体が、意志の通りに動いてくれるかどうか疑わしい。

ジョナサンは精神の動揺を抑えられず、波紋に安定感が無い。
肉体は健康でも、波紋は呼吸を操る技術。精神を集中させ、確信を持って放つ一撃にこそ重みが生まれる。
今の自分にそれを成す自信が無かった。

「もう後へは引けないぜ…俺やあんたがどう決めようとな。」

ブチャラティは、引く気などさらさらなかった。

そんな彼に対応すべく、ジョナサンは焦りを覚える。
自らの目的の為参加者を殺す。このシンプルな行動方針に何の変更点も無い。
だが、苦しませたくない。
誰にも苦しんで欲しくは無い。

だから気絶させた後で生命を奪おうと思ったのに…
皆で寄ってたかって、僕を、

「何故…苦しめる…ッ」

頭の中の言葉を、思わず口に出してしまう。
そのことにも気付かず、ジョナサンはどう動くか考えていた。

ここは引くべきなのだろうか。
怪我を負った相手が、自分の足に追いつけるとは思えない。
くるりと踵を返し、そのまま全速力で走れば何の問題も無く振り切れるだろう。

それとも、ここで彼の全てを終わらせてやるべきなのか。
しかしこの動揺した精神状態で、波紋を練ることができるのか?

ジョナサンの額に、一筋の汗が流れた。



一体どこで何が、間違ってしまったのか。
一つ倒れると決して止まる事の無いドミノの様に、彼らの運命は進む。

ジョナサンの心の中に、一つの拠り所として輝いているのは、妻や父親達の笑顔。
ブチャラティの心の中に、一つの思い出として輝いているのは、仲間達や、街の人々の笑顔。

そんな彼らがなぜ、牙を剥き出し、お互いを排除しにかからなくてはならないのか。
彼らは共通の物を目指しながら、別々の道を行く。

眠りながら彷徨い歩む奴隷達の、安息の地は遠い。

【グイード・ミスタ 死亡】

【残り39名】

210 :サヨナラだけが人生だ ◆33DEIZ1cds :2010/01/01(金) 23:13:25 ID:wiYvBbBb
【D-3/ 1日目 日中】
【ジョナサン・ジョースター】
[時間軸]:エリナとのハネムーンでアメリカに向かう途中の船上でワンチェンと遭遇する直前
[状態]:唇と右手から少量の出血(波紋の呼吸で治療中)、顔と体中が血塗れ、鼻の骨折(波紋の呼吸で治療中)、
    波紋の呼吸、ブチャラティの眼光に恐怖
[装備]:“DARBY'S TICKET”、サブマシンガン(残り弾数不明)
[道具]:デイパック*3、不明支給品1〜5(全て未確認)、エリナの首輪、エリナの指輪、
   ブラフォードの首輪、ダニーについて書かれていた説明書(未開封)
[思考・状況]
基本行動方針:優勝し、荒木に全部なかったことにして貰った後、荒木を殺す
0.――――ただ、全て打ち砕くだけだ
1.この場を去るべきか、ブチャラティに引導を渡すべきか?
【備考】
※ジョージ・ジョースター一世を殺したと思い込もうとしてます。
※精神的動揺が及ぼす波紋への影響がどの程度のものかは、次の書き手さんにお任せします。

【一人ぼっちのチーム・ブチャラティ】
【ブローノ・ブチャラティ】
[時間軸]:護衛指令と共にトリッシュを受け取った直後
[状態]:肩に切傷(血は止まっている)、左頬の腫れは引いたがアザあり、右腕の骨折、
   左手の甲と左腕に無数の傷、右肩、右大腿、左腹部に掠り傷、
   左眼球付近を消失(ジッパーで処置しています)、
   トリッシュの死に後悔と自責 アバッキオとミスタの死を悼む気持ち
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、シャーロットちゃん、スージーの指輪、スージーの首輪、
   ワンチェンの首輪、包帯、冬のナマズみたいにおとなしくさせる注射器
[思考・状況]
基本行動方針:打倒主催、ゲーム脱出
1.ジョナサンを倒す。(殺害か、無力化かは後の書き手さんにお任せします)
2.絶対にジョセフと会い、指輪を渡す。彼にはどう詫びればいいのか…
3.チームの仲間に合流する。極力多くの人物と接触して、情報を集めたい。
4.ダービー(F・F)はいずれ倒す。
5.“ジョースター”“ツェペリ”“空条”の一族に出会ったら荒木について聞く。特にジョセフ・ジョースター、シーザー・アントニオ・ツェペリ(死亡したがエリザベス・ジョースター)には信頼を置いている。
6.ジョナサンとブラフォードを信頼。できれば他のジョースターにも出会いたい
7.ジョナサン、ブラフォード、ジョージはどこに行ったのだろう?
8.ダービー(F・F)はなぜ自分の名前を知っているのか?
9.スージーの敵であるディオ・ブランドーを倒す
[備考]
※パッショーネのボスに対して、複雑な心境を抱いています。
※ブチャラティの投げた手榴弾の音は、B−2の周囲一マスに響きわたりました。
※波紋と吸血鬼、屍生人についての知識を得ました
※荒縄は手放しました。
※ダービー(F・F)の能力の一部(『F・F弾』と『分身』の生成)を把握しました。
※ブチャラティが持っている紙には以下のことが書いてあります。
@荒木飛呂彦について
* ナランチャのエアロスミスの射程距離内いる可能性あり
  →西端【B-1】外から見てそれらしき施設無し。東端の海の先にある?(単純に地下施設という可能性も)
* 荒木に協力者はいない?(いるなら、最初に見せつけた方が殺し合いは円滑に進む)
A首輪について
* 繋ぎ目がない→分解を恐れている?=分解できる技術をもった人物がこの参加者の中にいる?
* 首輪に生死を区別するなんらかのものがある→荒木のスタンド能力?
  →可能性は薄い(監視など、別の手段を用いているかもしれないが首輪そのものに常に作用させるのは難しい)
* スティッキィ・フィンガーズの発動は保留 だか時期を見計らって必ず行う。
B参加者について
* 知り合いが固められている→ある程度関係のある人間を集めている。なぜなら敵対・裏切りなどが発生しやすいから
* 荒木は“ジョースター”“空条”“ツェペリ”家に恨みを持った人物?→要確認
* なんらかの法則で並べられた名前→国別?“なんらか”の法則があるのは間違いない
* 未知の能力がある→スタンド能力を過信してはならない
* 参加者はスタンド使いまたは、未知の能力者たち?
* 空間自体にスタンド能力?→一般人もスタンドが見えることから

211 : ◆33DEIZ1cds :2010/01/01(金) 23:18:12 ID:wiYvBbBb
以上です。

矛盾点、誤字、その他諸々ご指摘お願い致します。

最後になりましたが、あけましてオメメタア!今年もよろピくねー!

212 :創る名無しに見る名無し:2010/01/02(土) 07:20:55 ID:Q7o2FozA
>>211
元旦からGJ
ミスタの最後が切ない・・・お前はよくやったよミスタ。
ブチャラティ頑張れ超頑張れ

213 :創る名無しに見る名無し:2010/01/07(木) 00:47:30 ID:xzjV82bF
ジョナサン…やってもーた……

214 :◇0ZaALZil.A氏代理投下:2010/01/11(月) 21:11:33 ID:XlrpWXxU
非常にマズい。

私、ティッツァーノは心臓を握られたかのような危機を感じています。
目の前のヴェルサスに対して不満を述べたいわけではありません。
確かにヴェルサスが睡眠中の今、襲われたら逃走もままならないのですが。
しかしそれよりも現状はマズいのです。

「アナスイとティムが生きているだなんて……!」

放送で読み上げられなかった両者。
あれだけのスタンド使いでもただでは済まないと思っていましたが。
ちょっと前なら素直に喜べたことなのですが、とんでもない。

アナスイのデイパックには『トーキング・ヘッド』を仕込んだままだ。
ここで、何らかの事情で水を飲み込んだとしましょう。
彼は『トーキング・ヘッド』の能力は知っている、しかし『仕込みの事実』は知らない。
能力が発動したら、その後はいともたやすく想定できる――

――『あいつらは何か意図があって俺たちを騙そうとした』と非難を受けるでしょう。

「積極的に出すぎましたね……」

今更ながら後悔してきました。
中途半端な説明に終わらせなければ、こうはならなかったはず。
『嘘をつく能力』を拡大解釈されて更なる誤解――元々騙すことも考えていたので語弊がありますが――は避けられないでしょう。
信頼を得ることを優先しましたが、完全に裏目です。
二兎を追う者は、でしたっけ? 地でいってしまいました。
説明しようにも難しい。二人がどこにいるか分からないというのもありますし。
しかもヴェルサスの穴は『私たちを除く』全員が巻き込まれた。
『まとめて殺そうとしたのでは』なんて言われてもおかしくない。実際私だって死んだんじゃあないかと思いましたし。
アナスイもティムも瀕死の重傷を負っている、という線もありますが堅実ではないでしょう。
スクアーロを落ち着かせるという名目はありましたが、私自身『あり得ない』が『あり得た』ためにやられた身ですから。

「しかし、どうする?」

動こうにも厳しい。
ヴェルサスを置いて行くわけにはいかないし、探すあてもない。
かと言って熟睡しているヴェルサスを起こすのも気が引ける。
しかし逆にここで待機していれば状況はますます不利になっていくかもしれません。

「やはり起こすしか?」

説明を端折って急を要するとだけ言えばヴェルサスも一先ず納得してくれるでしょうが……どこへ行ったものか。
そこまで時間は経っていないですから、まだ穴の近くにいるかもしれません。

「そこを動くな」

……!
窓越しに命令してきたのはマウンテン・ティム。
アナスイがいないのが気になりますけど、それどころじゃあない。
出向いてきてくれたのは有難いのですが……言葉を慎重に選ばなければなりませんね。


  ★




215 :◇0ZaALZil.A氏代理投下:2010/01/11(月) 21:12:40 ID:XlrpWXxU

「無事を喜んでいる場合じゃあない……ですね」
「全くだな」

民家に入って最初に交わした言葉はこれだけ。
ティムは、片方の足が地肌を晒していることなど気に留めず、ギャングの私でさえ怯みかねない眼光を向けています。
無理もないでしょうね。私たちはほぼ無傷、穴に落ちていないのは明らか。
だからと言って問答無用で襲いかかる人ではないはずですが、ここは先手を打たねばなりません。

「穴を空けたのはヴェルサスです」
「……そうか」

このままヴェルサスに全責任を押しつけることはできた。
保身を考えればその方がいいのかもしれませんが……私は彼の温情に少なからず感謝していますし。
出来る限りの擁護はしてみましょう。

「仕方のないことだったと思います。あれがなければ、私とヴェルサスはやられていた」
「何故隠していた? 隠さなければ、他にやりようはあったはずだ」

ティムは私の言葉を遮ってきました。
正直な話、問いの答えは私の知ることではありません。
知っている限りを、彼の神経を逆なでしないように伝えるほかない。

「……分かりません。無自覚の力なのかもしれませんが、私が何を言っても結局は推論の域を出ません」
「そのことに対してお前は思うことはないのか?」

……ないことはない。
ハッキリ言って、そんな切り札あるんなら最初っから言えと思わざるをえません。
ヒーローが必殺技を止めに使うようにもったいぶられちゃあ苛立ちもしますよ。
しかし、私に対してその能力を使わなかったのも事実。
単なる弱音と言っていい心情を吐露した際も、寝ながらではありましたがちゃんと聞いてくれていました。

「当初からずっと一緒にいましたから、信頼しているつもりです。
 ヴェルサスは人を無暗に襲ったりなんかしませんよ。気の迷いで殴られはしましたがね」

彼の過去に深く触れたわけではありませんが、これは胸を張って言えますよ。
そのせいか私情で埋め尽くしてしまいましたが……嘘は言っていませんし、変に疑われたり勘ぐられたりはしない、と願いたい。

「だから信頼してくれ、なんて言えた立場じゃあないことはもちろんわかってます。
 ただ……」
「わかった、もういい」

頭を垂れて、右手を左右にぶんぶん振るティム。
今までの話には、我々が無実である根拠はまるでない。
体裁を取り繕って、聞こえのいい言葉を選んでいると言われればそうなのでしょう。

「……しかし、俺はまだ信用できない。下手をすれば俺もアナスイも死んでいた。
 個人的感情で動くべきではないが……これは事実だ。だから、俺はお前たちを監視する」




216 :◇0ZaALZil.A氏代理投下:2010/01/11(月) 21:14:44 ID:XlrpWXxU
だから、その言葉が聞きたかった。
ティムの保安官としての人間性を鑑みれば当然でしょうが、割とマシな結果に落ち着きましたね。
不信感は払拭できませんでしたが、後々何とかしていかなければなりません。
『再び信頼を得る』『トーキング・ヘッドも回収する』
両方やらなくちゃいけないのが、私のつらいとこですね。

「命の危機に晒された張本人を前にして冷静になれ、なんて酷じゃあないか?」
「……ごもっともです」

その一言は、ヴェルサスを起こす身としてはつらいものがありますが、仕方ないですね。
目を覚ますと、そこには死んだはずのティムが! となりますし。
文面だけなら仲間との再会みたく聞こえますけど、ヴェルサスに向けられるのは警戒の眼差しときてる。

「特別懲罰房へ向かう。怪我の処置を済ませてから出るが、準備をしていてくれ。
 それと、放送を聞き逃した。教えてくれるとありがたいんだが」
「わかりました。まず死者ですが……」


  ★


「マイク・Oがか? 俄かには信じがたいな」

いまさらですが、放送内容は衝撃的なものでした。
アナスイとティム、二人がかりであっても逃してしまったマイク・Oの死。
私たちは会っていないので何とも言えないのですが、未だそれだけの実力者がいることは想像に難くない。
そして、これは個人的な事ですが……ブチャラティチームの一人、アバッキオもその名を告げられました。
状況が違えば吉報でしょうが、彼も暗殺チームの猛追を掻い潜ってきた実力者のはず。

「それにブラックモアも……」

強敵かと思ったがそんなことはなかった、なんて楽観視はしません。
ちょっと前まで危機感が欠如していましたし、それで先手を取られる痛手も経験しました。
二度目はないと思うべきです。

「それじゃあ向かうとするか。ヴェルサスを起こしてくれ」
「分かりました。ほら、ヴェルサス、起きてください」

ヴェルサスの肩をポンポン叩く。
起きる気配がないので、今度は少し力を込めてゆさゆさ揺らしてみる。

「う……んん……なんだよ、せっかく人がいい気分で寝てるときに」

こっちはずっと襲われやしないかとハラハラしてたんですけどね。
まあ、ゆっくりお休みって言ったの自分ですけど。

「ン……? げぇっ! ティム!?」




217 :◇0ZaALZil.A氏代理投下:2010/01/11(月) 21:16:30 ID:XlrpWXxU
元気そうで何より、と喜ぶべきなんでしょうか?
ともあれ、これだけ叫べれば問題ないですね。

「その辺の事情は歩きながら説明しますから、ひとまずここを離れましょう」
「あの二人組が穴から出てくるかもしれないからな」


  ★


向かう途中、もちろんヴェルサスにこれまでのあらましを話しはしましたが、それどころではありません。
とにかくすぐに知りたかったのは、『トーキング・ヘッド』を持っているアナスイの所在。

「奴はコロッセオに向かった。徐倫を探すために」

何故止めてくれなかった、というのは的外れでしょう。
仲間の死を知らされた身なら、そう動くのは当然。
……しかし、そうなるといよいよ『トーキング・ヘッド』の回収が難しくなってきた。
特別懲罰房からコロッセオまでは距離があるし、中央よりですから人が集まっていることでしょう。
懲罰房でアナスイと待ち合わせるとのことですが、ティムの話からして徐倫を優先してもおかしくありません。

考察を話すのも必要な事でしょうが。
何とかして、『不信感を持たれずに、特別懲罰房を抜け出す手段』を考えなくては……!




218 :◇0ZaALZil.A氏代理投下:2010/01/11(月) 21:18:49 ID:XlrpWXxU
【G−4 穴付近の民家前/1日目 日中】

【マウンテン・ティム】
[時間軸]:SBR9巻、ブラックモアに銃を突き付けられた瞬間
[状態]:左肩と腹部に巨大な裂傷痕(完治)。左足に切り傷(小、処置済み)。服に血の染み。やや貧血。全身ずぶ濡れ。右足が裸足。
[装備]:物干しロープ、トランシーバー(スイッチOFF)、アナスイの右足(膝から下)
[道具]:支給品一式×2、オレっちのコート、ラング・ラングラーの不明支給品(0〜3)
[思考・状況]
基本行動方針:ゲームに乗った参加者の無力化、荒木の打倒
1.特別懲罰房へ向かう
2.「ジョースター」、「ツェペリ」に興味
3.特別懲罰房を拠点にしたい(そこでアナスイを待つ)
4.ティッツァーノとヴェルサスは信用できるのか?
5.もしアナスイが再び殺人鬼になるようなら止める。生死を問わず
6.アラキを倒す


[備考]
※第二回放送の内容はティッツァーノから聞きました。
※アナスイ、ティッツァーノと情報交換しました。アナスイの仲間の能力、容姿を把握しました。
 (空条徐倫、エルメェス・コステロ、F.F、ウェザー・リポート、エンポリオ・アルニーニョ
  ブチャラティ、ミスタ、アバッキオ、フーゴ、ジョルノ、チョコラータ)
※ティッツァーノとの情報交換で得た情報は↓
 (自分はパッショーネという組織のギャングである。この場に仲間はいない。ブチャラティ一派と敵対している。
  暗殺チームと敵対している。チョコラータは「乗っている」可能性が高い。
  2001年に体に銃弾をくらった状態でここに来た。『トーキングヘッド』の軽い説明。)
  親衛隊の事とか、ボスの娘とかの細かい事は聞いていません。
※マイク・Oのスタンド能力『チューブラー・ベルズ』の特徴を知りました。
※マイク・Oの目的(大統領夫人の護衛)を知りました。
※ラバーソールとヴェルサスのスタンド能力と容姿を知りました。
※アナスイが愛のために暴走してしまわないか心配しています。もし暴走するようなら、アナスイの生死を問わず止める覚悟はできています。
※自分が不確定だと思った考察はアナスイには話さないようです。(精神状態を心配しての配慮です)
※自分達が、バラバラの時代から連れてこられた事を知りました。


219 :◇0ZaALZil.A氏代理投下:2010/01/11(月) 21:20:27 ID:XlrpWXxU
【ドナテロ・ヴェルサス】
[時間軸]:ウェザー・リポートのDISCを投げる直前
[状態]:疲労(中)、服がびしょぬれ
[スタンド]:アンダー・ワールド
[装備]:なし
[道具]:テイザー銃(予備カートリッジ×2)、杜王町三千分の一地図、牛タンの味噌漬け、基本支給品
[思考・状況]
基本行動方針:絶対に死にたくない、幸せになる。
0.特別懲罰房へ。
1.どんな事してでも生き残って、幸せを得る。その方針は依然変わりなくッ!
2.プッチ神父に会ったら、一泡吹かせてやりたい。
3.この先不安。ティムとアナスイ生きてたの!? 他の二人も!?
4.ティッツァーノムカつく、もっと寝ていたかったのに。


[備考]
※ティッツァーノの『トーキング・ヘッド』の能力を知りました。
※ティッツァーノ以外のマフィア、ブチャラティ達の事、パッショーネの事を聞きました。
(ブローノ・ブチャラティ、グイード・ミスタ、レオーネ・アバッキオ、パンナコッタ・フーゴ
 ジョルノ・ジョバァーナ、チョコラータ)
※荒木のスタンドを「物体をコピーする」能力だと思っていますが、確証が持てないので保留あつかいにしました
※ティッツァーノの言葉により「自分達は偽物かもしれない」という考察を聞きましたが
 幸せになるという行動方針にブレはありません。
※荒木の能力により『アンダー・ワールド』には次の制限がかかっています。
 ・ゲーム開始以降の記憶しか掘ることはできません。
 ・掘れるのはその場で起こった記憶だけです。離れた場所から掘り起こすことはできません。
 ・『アンダー・ワールド』でスタンドを再現することはできません。
 ・ただし、物理的に地中を掘り進むことは今まで通り出来ます。
※ラバーソールとマイク・Oの、能力と容姿を知りました。
※アナスイ、ティムの容姿とスタンドビジョンを知りました。
※アンジェロ、Jガイルの容姿と『アクア・ネックレス』のスタンドビジョンを知りました。
※星型の痣を持つ相手(ジョナサン、ジョルノ、徐倫)の位置が大体わかります ただし、誰が誰かまでは判別出来ません。



【ティッツァーノ】
[時間軸]:ナランチャのエアロスミスの弾丸を受けて、死ぬ直前。
[状態]:胸に切り傷(中、処置ずみ)、背中に痛み、服がずぶぬれ、絶望していました(ヴェルサスの言葉で緩和ずみ)
[スタンド]:トーキング・ヘッド
[装備]:ブラックモアの傘 、牛タンの味噌漬けを包んでた布(包帯として)
[道具]:岸辺露伴のサイン、少年ジャンプ(ピンクダークの少年、巻頭カラー)、基本支給品
[思考・状況]
基本行動方針:生きて町から出る。
0.特別懲罰房へ。着いたら二人に考察を話す?
1.『トーキング・ヘッド』を放置してたらマズイ。回収しなくては……どうやって?
2.ここで生き残るためには「情報」が必要、どんな些細なことにも気をつけないと……
3.この先不安……自分は本当に「ティッツァーノ」なのか?スクアーロは生きてるのか?
4.この名簿は一体?なぜ自分はここに呼ばれたんだ……?
5.少しだけ見直しましたよ、ヴェルサス
6.アラキを倒し、生きて町から出る

220 :◇0ZaALZil.A氏代理投下:2010/01/11(月) 21:23:13 ID:XlrpWXxU
[備考]
※ヴェルサスの『アンダー・ワールド』の能力を知りました。
※ヴェルサスの知り合いについて、かなりおおざっぱな説明をうけました。後で、もう少しくわしく聞く気です。
※アナスイ、ティムと情報交換しました。アナスイの仲間の能力、容姿を把握しました。
 (空条徐倫、エルメェス・コステロ、F.F、ウェザー・リポート、エンポリオ・アルニーニョ
  ベンジャミン・ブンブーン、ブラックモア、オエコモバ)
※荒木のスタンドを「物体をコピーする」能力だと思っていますが、確証が持てないので保留あつかいにしました。
※「自分達が偽物ではないか?」という考察を情報が集まるまで、保留にしました。
※パッショーネのボスが代替わりし、スクアーロが死んだ可能性について、情報が集まるまで保留にしました。
※ラバーソールとマイク・Oの、能力と容姿を知りました。
※トーキング・ヘッドを操作できる射程距離に制限がかかってる可能性がありますが、
 本人は気づいてないようです。(ちなみに原作の射程距離はB)
※アナスイ、ティムの容姿とスタンドビジョンを知りました。
※アンジェロ、Jガイルの容姿と『アクア・ネックレス』『ハングドマン』のスタンドビジョンを知りました。


ティッツァーノの考察↓

荒木の能力について

 「死者を生き返らせれる」
  ・アナスイ、ティムが主張している。
   ・おそらく違う。アナスイとヴェルサスが「自分達は殺された記憶を持っていない」と言っているため。
    (これは他の参加者にも要確認。)
   ・女性が宙に浮いて殺された方法が説明不可能。
   ・そもそも人を生き返らせるスタンドなんて、ありえない。
  ただし↓
   ・参加者を一斉に集める方法→死体の自分達を集め、一斉に生き返らせれば可能。
   ・バラバラに配置する方法→自分達の「生存」を解除し、死体をバラバラに配置し、再び生き返らせれば可能。

 「物体をコピー出来る」
  ・ヴェルサスの「この地面には記憶が無い」と、バラバラな地名の地図から考察。
   ・女性が宙に浮いて殺された方法→連続的にコピーして浮いているように見せかけた?
   ・参加者を一斉に集める方法、バラバラに配置する方法→簡単に可能。
  ただし↓
   ・自分達の記憶と体の状態が一致しない→説明不可能。

その他の考察

 「自分達は偽物であり、本物の記憶を植え付けられているだけ」
  ・自分達の記憶と体の状態が一致しない、ヴェルサスの「この地面には記憶が無い」から考察。
   ・荒木のスタンド?
   ・もしこの仮説が正しければ、荒木は
    「本人そっくりの人形を作れる力+本人の記憶を植え付ける力」を持っている事になる
   ・スタンドは原則、一人一能力。これだと2能力持ってる事に。

 「パッショーネのボスが2001年に代替わりしている」
   ・アナスイからの情報(アナスイの勘違いの可能性も、他の参加者に要確認)
    ・事実ならば、スクアーロは生きていない?

なお、上の全ては情報不足のため、推論の域を出ない物とする。


221 :◇0ZaALZil.A氏代理投下:2010/01/11(月) 21:26:00 ID:XlrpWXxU
投下完了。

『トーキング・ヘッド』の射程的に考えてアナスイとの距離は確実に射程外でしょうが、
射程距離を超えるとどうなるっていうのがいまいちわからないし、ティッツァーノが自分から動く何かしらの要因がほしかったし……
ということで射程距離のことはあまり考えなかったのですが、どうでしょう?

誤字脱字矛盾点含め、問題があるなら修正します。これでいいなら、規制中につき代理投下願います


222 :◇0ZaALZil.A氏代理投下:2010/01/11(月) 21:28:18 ID:XlrpWXxU
代理投……下終了ですorz
激しく早とちりして指摘前にやっちまいましたごめんなさい
個人的には問題はないかな〜と思います
ただ、タイトルがないようなのでそこのところはよろしくお願いします

感想はまた後ほどに

223 :赤ずきん ◆yxYaCUyrzc :2010/01/14(木) 16:12:52 ID:2k1LzDig
さ、どうぞどうぞ。何か飲むかい?一通り揃ってるけど……うん、はいはい。
じゃあ持ってくるからそこ座っていてよ。




お待たせ。この間お客さんから頂いたおかきがあったから持ってきたよ。
さてと……。しかしまァ、珍しいというかなんというか……。
こんなところまで『話を聞きたい』って出向いてくるなんて。あ、いやいや、別に構わないよ。
僕も全くの暇ではないけど話も出来ないほど忙しいって訳でもないから。で?誰の話聞きたいのさ?


――オインゴ?


また渋いとこついてくるねぇ。で、いつ頃の話?ふんふん、ダービーのところから帰ってきて第二放送跨いだあたりね。
オーケー。じゃあ資料取ってくるからちょっと待っててよ。

224 :赤ずきん ◆yxYaCUyrzc :2010/01/14(木) 16:14:09 ID:2k1LzDig
オインゴがI-6に戻ったのは放送の少し前だね。あの後は特に何もないさ。
自分のもとに来る潜水艦を待って、乗り込んだらちょうど放送になった、って感じだったから。

放送を聞いたリアクション?……いやぁ、そんなに大きな動揺とか喜びとかはなかったよ。
あ、でも承太郎の名前聞いた時にはさすがに驚いてたね。
「あの空条承太郎がッ!?」
みたいな感じで。


え、『口真似上手くない』?自信あったんだけどなぁ〜。
――あぁ、ごめんごめん。もうやらないよ。僕もショックだし。


んで、えぇ〜と、その後は……
「いや、承太郎はもともと敵だからな。それよりも死んだフリして隠れてたってことにすれば――」
みたいな事言ってたよ。アレでなかなか頭が回るんだよね。口に出して言っちゃうあたりがちょっと残念だけど。
その他の知り合いの名前で?……いや、それほどでもないよ。ほらエンヤ婆あたりは彼から見たらもう死んでるはずなんだし。
もっと言えばオインゴ自身は弟さえ無事なら他はどうでもいいって言う感じじゃあないか。知ってるだろ?

それよりも気にしてたのは禁止エリアだったね。ほらI-7が禁止エリアになったから少しドキっとしてたね。
でも、ほらあそこって川沿いギリギリまでしかエリアが続いてないだろ?それを確認したみたいでさ、安心してたよ。


それから?いや普通にデイパックからパン取り出して食べてたよ。


――そうそう!食事と言えば今大変な事になってるところがあってさァ〜!今まさにって感じなんだよ!
あ、その話はいいの?いやでも――あ、いや。うん、そうだよね。

225 :赤ずきん ◆yxYaCUyrzc :2010/01/14(木) 16:15:55 ID:2k1LzDig
で……なんだっけ。ああパン食べて。そこからね。
「ここは……“待ち”だな」
なんて言ってたよ、ニヤニヤ顔で。ん?あぁ今はオインゴ本人の顔だよ。


え?『その前に参加者と接触するって言ってた』?
じゃあそれを今から説明しようか。


要するにオインゴは“今すぐ潜水艦を下りる必要はない”んだよ。
潜水艦の中から……アレなんて言うんだっけ。いや、ソナーじゃなくて。ほら外を見るための――
……まぁ名前はいいや。アレで外に誰かいるか探すつもりだよ。水中からね。
それで誰か発見したらそいつに見つからない場所で潜水艦下りて接触、と。もちろん他人の顔で。
つまり“潜水艦を下りる決断を待ち”って事さ。
探知機も持ってて安全に移動できるし、運のよさも後押ししての決断だろうね。
「そうと決まれば今はノンビリと休ませて貰いますかね」
なんて言ってたよ。っていうか言いながら既にゴロンと寝っ転がってたな、ははは。
うん。さっきも言ったけど彼はなかなか頭がよく回る方だと思うよ。天才って訳ではないけど自分の能力をキチンと把握してる。
そういう点では……アレだ、サーレー。あんな感じだろうね。



それで……今彼の潜水艦は南に向かってるよ。探知してるのは……場所から言ってリサリサの首輪だね。
その後?東に向かうんじゃあないかな。西……上流に行ってたら禁止エリア入っちゃうからね。
――あ、いや分かんないよ。もしもオインゴが、
「禁止エリア近くに何かアイテムが落ちてるかもなァ」
なんて言い出せばそりゃ行くだろうし、そっちにはティッツァーノとかヴェルサスがまだいるだろうから。
逆に東ならグェスだね。移動範囲はそっちの方が圧倒的に広くなるし。
まあ決めるのはオインゴ自身だよ。まだ南の小島の調査だって終わってないんだから。



――え?そのグェスやティッツァ達は今どうしてるか?他に海沿いに向かう人間?
ちょ、ちょっと待ってよ。そんないっぺんに答えられないよ。そもそもオインゴの話だけって言ったじゃあないか。
え、あぁ、まあいずれって事で今回は勘弁してくれよ。ね?僕だって流石にそこまで纏まった時間は取れないし。
……うん、そう言ってもらえると助かるよ。それじゃあまた―――

226 :赤ずきん ◆yxYaCUyrzc :2010/01/14(木) 16:19:29 ID:2k1LzDig
【I-6 川の底/1日目 日中】


【オインゴ】
[スタンド]:『クヌム神』
[時間軸]:JC21巻 ポルナレフからティッシュを受け取り、走り出した直後
[状態]:健康。胃が痛いのは完治。潜水艦に乗っている。
[装備]:首輪探知機(※スタンド能力を発動させる矢に似ていますが別物です)、承太郎が徐倫に送ったロケット
[道具]:支給品一式(食料を消費。残りはペットボトルの水2本、パン3個。その他の基本支給品は二人分)、
    青酸カリ、学ラン、ミキタカの胃腸薬、
    ダービーズ・チケット、潜水艦
[思考・状況]
基本行動方針:積極的に優勝を目指すつもりはないが、変身能力を活かして生き残りたい。
1.潜水艦&鏃を利用し参加者に気付かれず移動した上での接触を試みる。まずは南に行こう。
2.ピンチになったら潜水艦やダービーズ・チケットを使って『逃げる』か『海を攻略する』。
4.他人の顔と学ランを使って、奴らの悪評を振り撒こうかなぁ〜(バレそうになったらチケット使って逃げる)。
5.億泰のスタンド能力を聞き出したい(とりあえず戦闘型ではないかと推測)


※顔さえ知っていれば誰にでも変身できます。スタンドの制限は特にありません。
※承太郎、億泰、露伴、ウェストウッド、テレンス、シーザー、ジョージの顔は再現できます。
※エルメェス、マライア、ンドゥール、ツェペリ、康一、ワムウ、リサリサの死体を発見しました。
 しかし死体の状態が結構ひどいので顔や姿形をを完全に再現できるかどうかは不明です。
※億泰の味方、敵対人物の名前を知っています。

227 : ◆yxYaCUyrzc :2010/01/14(木) 16:23:08 ID:2k1LzDig
別PCで本投下終了です。とりあえず空気からの脱却を。

今回の作品は、最近バキで良く見る「目撃者は語る」的な文章にしてみました。
語っているのは荒木か協力者か……はたまた懲りずに暴走したゼロ自身か(ぇ
ただ“後日”語る話だとwikiに掲載する際に話の時間軸で問題だと思いますので“リアルタイムでの語り”と言う事でw

タイトルは一時投下スレ>>497氏の『赤ずきん』で行こうと思います。
『一休さん』は何か頓知の聞いた話の時に使用させて貰います。ご意見ありがとうございました。

何か問題ありましたら……と言っていた矢先に自分で問題発見しました。
オインゴすでにリサリサの死体発見してましたorz
wiki掲載時はその点を修正します。
その他問題、誤字脱字ありましたら指摘をお願いします。


さて最後になりましたが、執筆もかなり久しぶりでラジオにまで手が回るのはまだまだ先になりそうですorz
誰か「俺がラジオやってやろう」な方がいてくれると嬉しい限りです。
……べ、別に諦めたわけじゃないよッ!ただPCの中掃除してやらないとo...rz

228 : ◆0ZaALZil.A :2010/01/14(木) 23:26:47 ID:gBv7xIg1
特に指摘の方ないようなので、明日Wikiに載せます

>◆yxYaCUyrzc氏
投下乙です。これは新しい。
修正の方頑張ってください

229 :創る名無しに見る名無し:2010/01/18(月) 00:34:28 ID:JjdYowKp
ほしゅ

230 :人は人の心の中に ◆0ZaALZil.A :2010/01/18(月) 19:08:48 ID:TuWuIRA8
日は高く昇り、光がさんさんと地上を照りつける。
たゆたう波、被るは砂浜。その側を駆ける一人の少女。
ここに追いかける美男子でもいれば、まるでドラマのワンシーン――

「荒木の野郎! ピンポイントで狙ってきやがって!」

――なんだろーが、現実はそうじゃあない。
あたしは見ての通り全速力で疾走中。何でかって?

『13時に I-7』が禁止エリアになるんだとよ!

さしずめ追ってくるのは美男子じゃあなくて時間ってとこか?
逃げ道全部塞がれてはいない? 一時間余裕がある? んなもん知るか!
こっからどうなるか分かったもんじゃあないんだ、とっとと抜け出すに越したことはない!
大体、あの爆発見て禁止エリアの近くにいられる奴いるかってんだ! 生きた心地しなかったぞ!

本音を言やあ、予想できなくはなかったよ。
あたし、荒木の野郎が大事そーにしてた日記パチったし、地図でいうところの端方面にいっぱなしだったし。
それにしたって報復が露骨すぎやしねえか位置的に考えて!
あーちくしょう、こんな事だったら首輪いじってるんじゃあなかったよほんとに!

左手に果樹園が見えてきた。
……あそこで見た死体、出来れば埋葬してやりたかったな。民家の裏に放置しっぱなしだった。
信心深い、ってわけじゃあねえが(だったら服役してないし)あのままってのもあんまりいい気しねえ。
きっと、死にたくて死んだわけじゃあないんだろうし。
……あの人たちは、ここにいる誰かの心の中にいられるのかな? それとも、わたしみたいに忘れられる?
わからない。

何で……あいつらは殺し合ったんだ?

大切な人を守りたかったから?
荒木の野郎が許せなかったから?
死にたくなかったから?

皆がそうだったらいい。最初から殺し合わなければ、それで。

出来ないんだろう。状況が許してくれない。
恐怖にあおられて、助けてくれる人がいなくて、救いがなくて――


231 :人は人の心の中に ◆0ZaALZil.A :2010/01/18(月) 19:09:32 ID:TuWuIRA8
――救いがない?

ちゃんちゃらおかしい。
今のあたしは一人だ。自分でそうなるよう仕向けてしまったとかは置いといて。
仮にみんな死んで、あたしだけ生き残って……そしたら、一人のままなのに救われるの?
そんなわけない。今孤独なあたしだから分かる。
あたしが徐倫を、花京院を――友達を必要としたように、誰だって他人を必要とする。一人では生きていけない。

みんな死んで一人になったら、誰の心の中にもいられない。それがずっと続くんだ。
一生、孤独。

一番救われない、報われないことじゃあないか。

どうして、今になって気づいたんだろう。こんな簡単な事。
花京院に忘れられたくないあたしだから、わかったのかもしれないけど。
あたしだけじゃあない。皆が皆、そうであるはずなのに。
……誰かのことを考えられるようになったのは進歩かな? シリアスなキャラは合わないと思ってたんだが。
まあいいや、橋が見えてきた。ここを出れば禁止エリアに怯える必要もなくなる。

「ハァッ……ハァッ……!」

地面に転がって仰向けになり、切れ切れになった呼吸を整える。バール抱えたまんまだったから、体力の消耗が激しい。
デイパックに水があったな。川の水そのまんまってのがチョイ不安だが、出そう。

――ブヒヒイィン……

唸るような鳴き声。言うまでもない、馬だ。割と近くから聞こえた。
参加者なわけないだろーが、誰かが乗っている可能性はある。ドジったな、こっちはさっきまで走ってて疲れきってる。
足音鳴らして近づいてきたそいつの鞍には……誰も乗っていなかった。

「……はぁ〜。ビビらせんなよ、ったく」

緊張が解け、あたしはへたりと崩れるようにしゃがんだ。
とりあえず誰も乗ってねえってことは、もらってっていいってことだよな? これは盗むとは言わねえだろ。
馬なんて乗ったことないから不安もあるが。バイクと一緒の感覚で乗れるわきゃねえし。
揺れがダイレクトに伝わるんだろーからな。

232 :人は人の心の中に ◆0ZaALZil.A :2010/01/18(月) 19:10:16 ID:TuWuIRA8
「どお、どお」

良し、今のは真似事だったけど、馬がちゃんと動きを止めてくれた。
近くで見ると、結構デカい。花京院の背丈もなかなかだったが、こいつはそれ以上だ。
……もっと他の分かりやすいたとえ持って来いってのは無しだぜ、ちょうどうまいこと思いつかなかっただけ。
そして今のも「馬」とかけたわけじゃあない、つーか全然うまくねーし。

「よっこらせ、っと」

乗れるかどうか疑問だったが、杞憂に終わった。
馬がちょうど都合よくかがんで、乗りやすくしてくれたからだ。偶然かな?
とりあえず、そんなに嫌われてないってことにしておくぜ。
北に行くとすっかな。さすがに一人で中央に行くのは怖い。……花京院にはまだ会いたくないし。

手綱を引き寄せて、ハイヨーなどと叫んでみる。

「ヒヒイィィィィィィン!!」
「わ、わっ、ちょっと!」

盛大に仰け反った馬は後ろ足立ちになり、ナポレオンの絵画みたいなポーズをとる。
何だ、今の一言で刺激しちまったのか? あたし押しちゃいけないスイッチ押しちゃったのか!?
明らかに興奮してるじゃん、これ!


そして、


慌てふためくあたしを無視し、


蹄鉄高らかに、


馬が猛ダッシュし始めた。


  ★

233 :人は人の心の中に ◆0ZaALZil.A :2010/01/18(月) 19:12:15 ID:TuWuIRA8
結局あたしは、馬が動きを止めるまで身をゆだねていた。
叫んで舌噛んで死にましたとなったら笑うに笑えねーし、そもそもそんな余裕がなかったし。
結構な距離移動しちまったみてーだ。あぶねえ奴に会わなかったのは幸運だったぜ。
道中、馬を扱いきれずに爆走するさまを見られたかもしれないけどな。

「あ〜……怖かった」

ずり落ちるように馬から降りる。
馬に怒りをぶつけたら今度こそタダでは済まない気がしたのでやめておく。
と言うより、目の前がそれどころではない。

「……また、死体」

血の気のない老人が横たわってる。確認するまでもなく脈はない。
老人と言うにはいささか若々しい顔は、死んだにもかかわらず満足げな笑みを浮かべたままだ。
何かをやり遂げ、それを誇らしく思う表情。

一体、何なんだろう。
最初に見た爺さんを跡形もなく消すスタンド使いくらいしか、殺しに積極的な奴は見なかったはずなのに。
元々人と出会ってないのもあるだろうけどさ。
なのに、どうしてこうも行く先々で人が死に続ける?
殺しあっても最後に一人のままじゃ、寂しいじゃないか。

でも、この爺さんは誰かの心の中にいることが出来たんだろうな。
死んだとは思えないくらい安らかな顔だから。悔いを残してたらこんな顔はしねえって。
あたしとは違う。
自分が一番大切で、身勝手でわがままで、だから大切なものが離れていくあたしとは。

……この殺し合いもあたしと一緒なのかもしれない。
自分一人が大事だから、どんな横暴も許されると思いこむ。
その先なんて考えないで。人を踏みにじるのも、何とも思わずに。
繰り返して……最後には報われた? 逆だ、まるでそんなことなかった。

234 :人は人の心の中に ◆0ZaALZil.A :2010/01/18(月) 19:13:44 ID:TuWuIRA8
「止めなきゃ」

そうは言うけど、この殺し合いを止めよう、なんて大それたことじゃあねえ。
スタンドは強くないし、頭も悪い。そんな願いは身の程知らずも良いとこ。

あたしは、あたしの悪意を止めるんだ。

生きてこの街を出るためにすべきことはたくさんある。
首輪を外すとか、この街を出るとか、荒木を倒すとか……いろいろありすぎて、手の届かない遠いところを見て、絶望してた。
でも違うんだ。まずやるべきは人を人の心の中にいられるようにすることだった。
皆に訴えなきゃいけない。あたしみたいに誰の心にもいられないままじゃ虚しいって。

「爺さん。これ、使わせてもらうよ」

具体的にどうするかって? ちゃんと考えてるよ。
爺さんの傍らにあったデイパック、これの中身がうってつけだ。


拡声器。


これで周りの参加者に呼びかける。
……自分でも、馬鹿げた考えだと思うよ。
もし花京院がこの作戦を聞いたら「そんな危険な真似はできない!」っつって止めにかかるはず。
花京院に限ったことじゃあねえな。誰だってそう思う、あたしだってそう思う。
出来る限り安全な場所を探してからやるけど、危険人物も引き寄せちまうかも、ってのは事実。
でもよ。あたしだって花京院に認められたいんだ。日記をパチった時とは違う『気高く勇気ある行動』で。
結局のところ、花京院にあたしの人間性の判断をゆだねちゃいけねえ。花京院に認められたいんなら、自分でやらなきゃ。
このまま逃げ続けるより、あたしは誰かの心の中にいたい。

「それに、ここんところのあたしはツイてるからな……ハハッ……」

ちょっと調子に乗ってみる。言葉を発する唇は震えてたけど。
怖いよ、こうでも言わないとやってられない。
でも……自分が変われば世界が変わる、だったか? どこで聞いた言葉か忘れたが。まあいいや。
とにかく、この殺し合いを止める前に、あたしは変わってみせる。
やっぱり身の丈に合わないことするよか、身勝手な方が性に合うってことだね。
後は徐倫が見つかればいいんだが、声を聞いて駆けつけてくるかも、と期待しておこう。


235 :人は人の心の中に ◆0ZaALZil.A :2010/01/18(月) 19:14:51 ID:TuWuIRA8
去り際振り返ると、爺さんの顔の笑みがより一層強くなった気がした。



【E-6 ストレイツォの死体側/1日目 日中】


【グェス】
【時間軸】:脱獄に失敗し徐倫にボコられた後
【状態】:精神消耗(中)、疲労(中)、花京院に屈折した思い(嫌われたくない/認めて欲しい)、罪悪感、自分が悪いと認めた
【装備】:バール(民家から拝借)
【道具】:支給品一式×2(地図・名簿が濡れている)、首輪×4(無傷3個、空1個)
     「基盤、配線、謎の機械」をエニグマの紙に包んだ物、プラスチック爆弾2分の1
     小さな鋏、ピンセット、ペンチ、ドライバー二種(全部、民家より拝借)、不明支給品が0〜2個、拡声器
【思考・状況】基本行動方針:会うのはちょっと怖いがジョリーンを探し、彼女が脱出を目指しているならそれを手伝う。
0.安全な場所へ移動し、拡声器で訴える
1.死にたくないけど、誰かの心の中にいられないのはもっと嫌
2.自分は腐れゲス野郎だけど、今よりましな人間になりたい。
3.ジョリーンに会って、脱出を目指すなら手伝いたい。
4.花京院にはマシな人間になれるまで、会いたくない。
5.首輪を解除する方法を探す
【備考】
※グェスは、エルメェスや他の刑務所関係者は顔見知り程度だと思っています。
※空条承太郎が空条徐倫の父親であると知りました
※花京院と情報交換をしました。
※花京院に自分ははめられて刑務所に入れられた、と嘘をついています。 →嘘だったと告白しました。
※フーゴが花京院に話した話一部始終を聞きました。
※グェスが出て行ったのはフーゴと花京院が会話を始めてから約1時間後、博士登場の約1時間前です。
 花京院達が公邸を出るころにはグェスが立ち去ってから2時間強経っています。
※ダービーズアイランドを見ましたが、そこに何かがあるとは思ってません。
※グェスが発見した馬はエル・コンドル・パサです。I-5からH-7へ移動してきたところをグェスが乗りました。
 道中誰かに見られたかもしれません。この後グェスが馬をどうするかは、次の書き手さんにお任せします。

首輪について
※グェスが持ってる首輪は、ウィル・A・ツェペリ、ンドゥール、広瀬康一、ワムウの物です。
 (現在、ワムウの首環は金属部分の一部が壊れていますが、頭につながる第二の爆弾は配線ごとくっついたままです。
  中身が全て外に出されています、そして、信管と、爆弾の半分が無い状態です。)
※グェスは、首輪が付けていた本人が死亡すれば、何をしても爆発しないという事と、首輪の火力を知りました。
※首輪についている爆薬は、人一人を余裕で爆死させられる量みたいです。
 グェスは「もし、誰かの首輪が爆発したら周りの人間も危険な火力」と判断しました。
 (ただし、首輪から取り出して爆破したからこの火力なのか ワムウの首輪だからこの火力なのかは不明です。)
※謎の機械はおそらく盗聴器、GPSだと思われますが、グェスは気づいていません

236 :人は人の心の中に ◆0ZaALZil.A :2010/01/18(月) 19:17:05 ID:TuWuIRA8
投下完了。
タイトルはいいのが思い浮かばなかったので、そのまんまで

237 :創る名無しに見る名無し:2010/01/18(月) 21:27:03 ID:4o9Pkv6g
乙です
ロワ名物の拡声器キターーーーーーーー!

238 :創る名無しに見る名無し:2010/01/18(月) 21:52:05 ID:YC32pb6V
乙です。
拡声器キタ!!!!

グェスの支給品がどんどんすごいことにwww

239 :創る名無しに見る名無し:2010/01/18(月) 23:59:19 ID:l5kpSi5L
拡声器≒死亡フラグ
グェスやばいなあ

240 : ◆yxYaCUyrzc :2010/01/19(火) 13:32:22 ID:mwvuT/yj
投下乙です。
グェスの幸運は拡声器フラグに勝るのか……!?

さて、遅くなりましたが「赤ずきん」wikiに掲載しました。
掲載・リンクの不足、本文中修正箇所での矛盾等々ありましたらご一報を。

241 : ◆33DEIZ1cds :2010/01/21(木) 23:02:04 ID:9wD15Io9
投下された方々、乙です。

リゾット・ネエロ、ペッシ、音石明、サンドマン、ラバーソール投下します。


242 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/21(木) 23:06:42 ID:9wD15Io9
かなた、青空を背に凄まじいスピードで前進する影が一つ。
俊敏で流れる様なその動きを例えるならば、まるで砂漠の獣の様。
その人物は息一つ乱さず砂ぼこりを巻き上げながら、みるみるうちに近づいてくる。

(お!早速来たぜぇ。来訪者はインディアンってか…にしても走るの早すぎじゃね?)

リゾットにナチス研究所周辺の監視を任された音石は依然ラジコン「スピットファイアー」上より監視状態を保つが、いつまでもこうしてはいられない。
迫り来る人間はリゾットに教えられた人物でもなければ、杜王町の連中でもなく、風体はさながらどこかの先住民族。
21世紀人の音石にとっては怪しいことこの上もない。
しかし差し当たって判断しなくてはならない事柄は決まっている。
リゾットへ報告すべきか、独断にて攻撃を仕掛け首輪を回収するか。

(報告してるうちにたどり着かれちまう…先手必勝。誰か知らんがくらえ!)

何よりもあんな胡散臭い見た目。
人数減らし及び首輪確保の口実にはもってこいだ。
スピットファイヤーを旋回させ、相手への接近を開始する。
依然接近を続ける相手も、ラジコンの存在に気付いた様子を見せた。
音石は上空から回り込んで直接電撃を叩き込もうと考え、機体を降下させかけた。
が、突如現れたラジコンに驚いたのか相手は速度を緩めつつ一瞬屈み込み、地面の砂を掴んで投げつけてきた。
スタンドの視界が覆われ一瞬相手が見えなくなる。

(おいおい、餓鬼の喧嘩かっつうの)

児戯のような反撃に笑みをこぼした音石だったが。
少しの間の後視界が開けたと思った時。

「あ。」

レーダのように放射された赤い光に、プロペラの先端が削られた。
バランスを崩し、傾いた機体。
思わず声が零れる。
一呼吸の焦りの後、今の光が相手のスタンド能力かと考えつつ、持ち直そうと神経を集中させかけた。
しかし、次の瞬間には首根っこを引っ張りあげられ。

「何をしている。」

墨のように真っ黒な瞳に至近距離で睨み付けられ震え上がるはめになった。


243 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/21(木) 23:09:33 ID:9wD15Io9
※  ※  ※

薄暗がりの廊下で芋虫の様にのたうつ影。
その奇妙な影は頭を振り上体を反らしたかと思うとまた赤ん坊のように体を曲げて縮こまる、という動きを繰り返している。

『ああ、彼のデイバックは置いていこう。』

『いいんですか?』

彼の瞼は塞がり、その目で己の姿を確認することは不可能なのだが……。
彼の腕は交差し、手のひらがそれぞれ反対の二の腕へと溶け込むように馴染んでいる。
また、足は胡座の状態で、ヨガ行者の如く各々対になる腿へと組み込まれている状態である。

『こんなやつの荷物に怖気を震うのも癪だが、何か仕掛けがあるかもしれないだろう?』

彼は小さく息を吐きながらうつ伏せになり、肘と膝で匍匐前進を始めた。
そうして、暫く闇雲な様子であたりを探っていたが、ある地点で彼の唇からは笑みが漏れる。

『今の我々が早急に必要とする物も無いし、中身が安全かどうか確認している時間は無い』

『そうですね…では、何はともあれ屋上へ。』

探し当てた己のデイバックをすがるように抱え込むと、ジッパーを歯で噛み引いて開く。
さらにデイバックの底に噛みつき引っくり返すと中身を床へとぶちまけた。

瞬間、白い塊が躍り出る。

乱暴に訪れた外部世界との接触をものともせず、それはしなやかな動きで両の羽を広げると真昼の空へと上って行く。
やがて一定の高さに到達すると羽ばたきをやめて風へとその身を委ねた。
青い空に一点の白が移動して行くその様は美しかったが、怒りに煮えたぎる男___ラバーソールの預かり知ることでは無かった。

……殺す。殺す殺す殺す。
あいつら許さねえ。
こんなことが許されるわけがねえ。
サウンドマンにこの俺の姿を見せ、奴等を危険人物として排除しに行かせてやる。
そして生きたまま俺の前に引きずり出させ、最も屈辱的な死に様を与えてやる。

奴への手紙は屋上ですでに書き終えて結びつけた…こういう緊急事態に備えてな。
場所の指定はこの館。
鳩よ、おめえを頼りにしてんぜ。
行け!そして俺に勝利を呼び込め!

244 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/21(木) 23:10:15 ID:9wD15Io9

【C-4 DIOの館内部/1日目 日中】
【ラバーソール】
[時間軸]:承太郎と戦闘中、ザリガニ食べてパワーアップした辺り。
[状態]:健康。人間拘束具状態。仗助、重ちー、マイク・O、スカーレットを食べてパワーアップ!?、DISCが戻らない限りスタンド使用不可。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 ×5(内一食分食料と方位磁石消費)、ギャンブルチップ20枚、ランダム支給品×1 (未確認)
    サブマシンガン(消費 小)、巨大なアイアンボールボーガン(弦は張ってある。鉄球は2個)
    二分間睡眠薬×1、剃刀&釘セット(約20個)
[思考・状況]
基本行動方針:勝ち残り、優勝。溺れるほどの金を手に入れる。
0.許さねえ……
1.サウンドマンが到着次第、自分の現状を説明し、ジョルノとプッチを殺すための段取りを整える。
2.参加者をできるだけ減らす。
3.七人の同盟とDIO軍団を上手くぶつけて一人勝ちを狙う。
[備考]
※ラバーソールは承太郎、花京院とロワで会った人間に変装できます(その場の状況で考えるようです)。
 偽のスタンド像も出せますが性能はイエローテンパランスです。
 死者の変装は“特殊な状況”にならない限りやらないようです。
※ラバーソールは仗助が自分自身の怪我も治せると勘違いしています。
※J・ガイル、アンジェロのスタンドについては理解し切れていません。水、及びそれに順ずるものを媒介とするとだけ把握しています。
※悪魔の虹メンバーとほとんど情報交換を行っていません。お互いの名前と姿ぐらいしか正確には把握していません。
※また、駅にいた悪魔の虹メンバーはイエローテンパランスの能力を「顔を変える」と誤解している可能性があります。
※DIOの館にて遭遇した人物に名前・素顔を明かしてません。
※プッチの時代を越えて参加者が集められていると考えを聞きました。
※リンゴォのスタンドを時を巻き戻すスタンドだと推測しています。
※由花子の髪の毛が「ラバーソール」についたのか、「イエロー・テンバランス」についたかは以降の書き手さんにお任せします。
→ラバーソウルに付いていました。ジョルノとプッチは誰の物かは分かっていませんが、異物が付いている事には気付きました。
※プッチとジョルノに記憶DISCを読まれました。
※サヴェジガーデンはまっすぐにサウンドマンを目指します。どの地点で彼の手元に届くかは、後の書き手さんにお任せします。


245 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/21(木) 23:10:56 ID:9wD15Io9
※  ※  ※

「やめ…ぢっぞぐす、うえっ」

掴んでいた襟首を乱暴に離すと、リゾットは床に這いつくばって息を荒げる音石を見下ろした。
先程行った情報交換の内容をペッシに伝えるため、数分ほど地下に降りていただけだったのにも関わらず。
自分が伝えた人物以外の接近は、報告をするように言い伝えてあったのにこの体たらくだ。
やはり信頼のおけるかつてのチームのような扱いは厳禁だと考えながら、リゾットは吐き捨てた。

「どちらが先に仕掛けた。言え。」

「あっ…」

あっちが先に、と偽りかけた音石だったが。
泣く子もさらに泣き出しそうな威圧感に押し負け、目を斜め下にそらしながら事実を告げることにした。
ばれたならば、ただでは済まない。そんな雰囲気が痛いほど伝わってきたのだ。

「お、俺だけど!でも怪しかったか「余計な事を喋るな。」

言い放ち音石を黙らせる。
自分達の目的は脱出のための勢力拡大である。
片端から訪問客を襲って、この施設は危ないという噂を立てられでもしたら。
荒木にたどり着く前に、自分達が討伐対象になりかねない。

リゾットが窓ガラス越しに外へと目を向けると、インディアンの姿をした客人は既に制止し、建物内の様子をうかがっていた。
手には赤く光る宝石のようなものを握っている。
こちらがもめて隙が生じてしまったのにも関わらず何もしてこない様子を認め、リゾットは相手が乗っていない可能性が高いと踏む。
彼はいつでも能力を発動できるように気を張りつつ扉から外へと出、接触を試みることにした。
対峙しても、インディアンの青年は沈黙を保ったままだった。

「先に攻撃をしかけたことは謝る。此方に戦意はない…そちらはどうだ。」

この言葉を受けると、相手はデイバックに赤い宝石をしまい込み頷いた。
リゾットは慎重に言葉を選ぶ。
一つ一つの積み重ねが、後でどこにどう響いてくるか分からない。
いつもの仕事のように、ターゲットの様子を窺う。
だが今回狙うのは相手の命ではなく、心だ。
自分達と組むことが、いかに有益か。
それを伝えることができれば、賢明な人間なら取る行動は一つ。協力。

「我々が求めるのは情報だ。あんたもそうだろうと思う。こちらで話し合わないか。」

相手は数秒そこで考えている風だったが、よろよろと飛び続けるラジコンを横目に警戒しながらもリゾットの方へと歩み始めた。


246 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/21(木) 23:11:37 ID:9wD15Io9
※  ※  ※

先刻、湖畔で睡眠をとり体を休めたサウンドマンは、放送を聞き逃すこともなく把握し、予定通りに湖を回り込むと南下を開始した。
だが初めのチェックポイントであった豪華客船では、たいした収穫も無く無駄足となり、ジョースター邸に至っては跡形もなく倒壊していた。
さらに地図上で数マスに渡って移動を続けるも、誰に出会う事もなく。
訝りながらも根気よく南下を続け、このナチス研究所にてやっと参加者と出会えたという訳であった。

「こちらからは以上だ。」

サウンドマンがナチス研究所に来てから数十分の内に、全ての情報交換が手際よく進んだ。
今まで出会った参加者、そこで見聞きした事柄全て。
誰が危険なのか、既に徒党を組んでいる参加者たちは何を考えているのか、このゲームの開催理由の予想、首輪の機能。
時には筆談を交え、荒木や首輪、参加者に関する新情報がお互いにもたらされた。

話を一通り終え、お互いの利点は一致していた。
荒木の打倒及び、障害になる者の排除。
筆談に用いていたペンをはたと置き、リゾットは切り出した。

「こちらの行動方針としては、先程言った通りだ。次にあんたはどう考えているか聞きたい。」

だがサウンドマンはその問いに答えず、リゾットの傍らにたたずむ音石をじって見つめた。
リゾットは訝しく思ったが、サウンドマンの視線が何か意を含んでいる事に気付く。
当の音石は不機嫌な様子を隠そうともせず、眉間に皺を寄せてサウンドマンを睨み付けた。

「なんだよ。」

「……俺はお前を知っているぞ。音石明。スタンドはレッド・ホット・チリペッパーズ。電気というエネルギーを操るスタンド。」

この時点で、お互いが明かしていたのは名前のみ。
あり得ないほど自分の能力が筒抜けであることに音石は恐怖を感じ、その顔色は急速に生気を欠いて行った。

「お前が億泰の兄の仇だな。」

「なっ」

何故それを、と言いかけて留まったが、時すでに遅し。
敏いリゾットの前では肯定したも同然。自分を犯罪者だと明言してしまったようなもの。
サウンドマンは片眉を上げて笑みを深める。

このゲームで出会い、再会の暁には協力を約束した男、虹村億泰より聞き及んでいた真実。
音石の人相、名前、スタンド能力、さらにその経歴に及ぶまでサウンドマンは熟知していた。
同時にその人格のどうしようもない邪悪さも。

「スタンド能力で様々な悪事を働いていた犯罪者…」

億泰との会話の中、彼がこの話をしているときは場の空気が凍るかのような表情をしていたこと。
サウンドマンは鮮明に覚えていた。
一語一語を噛みしめ、大の男が目を潤ませすらしながら語った物語、忘れようはずはなかった。

「利己的な動機から殺人の他、下らない犯行を重ねた愉快犯…。」

そのやり取りを聞きつつ、普段は変化に乏しいリゾットの表情が、大きく歪められた。
それでも、リゾットは静観を貫く。顔は元の無表情へと落ち着かせた。

「で、でたらめ!そうだろう?!こんな奴の言う事信じるのかよ!?」

焦りを隠しきれずに急いて饒舌になる音石の表情を、リゾットは苦々しい気持ちで見やった。
こいつの、音石の表情!
それは世の裏を渡り歩き、その薄汚なさの髄まで知り尽くしてきたリゾットにとってはあまりに見慣れた顔だった。
眉間にしわがより、眉尻は下がり、眼は笑っているのに、口元をひきつらせ、脂汗を流す、下等な嘘つきの顔。

247 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/21(木) 23:12:18 ID:9wD15Io9
「お、俺を信用しねえってのかよ?」

音石は脂汗を流しながらリゾットに詰め寄った。
今までの話でサウンドマンが嘘をつく必要性も無いし、リゾットは自分の感覚をもちろん信用している。
だが、物的証拠が何もないことも事実。
元より、犯罪者など自分達も同じ穴の貉。そこをどうこう言うつもりなどリゾットには毛ほどもない。

「…サウンドマンの話の信憑性は置いておくとしても、お前は指示以外の行動を取った。なぜ人影を認めた時点で俺に報告しない?
単独での勝手な行動は、全体の統率を著しく乱す。」

「それは!間に合わなさそうだったから…」

「呼べば聞こえる距離のはずだ。…もういい。結局あんたは何が言いたい?」

リゾットは目を瞑って首を降り、水掛け論を終わらせるとサウンドマンに向き直った。
音石は焦りの表情のまま目だけを彼に向ける。
しばしの沈黙。

「…お前を憶泰の所へ連れていく。」

その申し出は2人をまごつかせるのに十分だった。
音石は馬鹿馬鹿しいと鼻で尊大に嘲笑し、リゾットは無表情に固められていた眉を釣り上げた。

「あほかっつーの!?あほかっつーーーの!俺はここで監視する役なんだよ!」

な!と音石は同意を求めてリゾットを仰ぎ見る。
当のリゾットは顎に手を当て、思考に沈んでいた。
サウンドマンの話を信じるのならば、音石はケチな小者の犯罪者。
この施設にいる間は、リゾット自身がが監視するべきという考えは未だ健在ではあるが。

今や音石の素性は、ほぼ白日の下にさらされた。
逃げる途中で“わざわざ”回収したというデイバックの事といい、こいつは本当にくさい。

(こいつは、状況次第で確実に裏切る。そんな人物に施設周辺の見張りを任せるのは果たして得策か?)

クセの強いゴロツキたちをまとめあげてきたリゾットにとって、音石の様な三下奴の考えることを見破るのは容易い事。
今までの全ての情報を総括して考えてみる。
要するに音石は、自分の得になる風が吹くところへと向き直る風見鶏なのではないだろうか?
先の仲間たちとも『はぐれた』のではなくこっそりと見捨てて逃げてきたのでは?だからこそデイバックを回収する時間もあったのだろう。
いずれにせよ断言はできないが。

(この施設は、首輪解除及び脱出の為の要となる場所。そこにこんな人間を置いておくことは、危険。)

とどのつまり、爆発する可能性のある物を手元に置く必要性は皆無。
なによりも自分達の命がかかったこの局面において、マイナス面がプラス面を上回る人物と行動を共にすることは、破滅を自ら引寄せる行為。
レーダーの能力は惜しいが、希望的観測ながらホル・ホースが見つけてきてくれるかもしれないというあてもある。


248 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/21(木) 23:12:59 ID:9wD15Io9
「お前は限りなく黒に近いグレーだ。」

「んな!ありかよ…証拠もねえのに!そうだ、首輪の事だって!あれだって、俺が来なけりゃ…!?」

焦って叫んだ音石が、ふと首元に感じる違和感。
恐る恐る指でなぞると、首元に腫れもののような何かが浮き出ている。
部分を触っただけでは何か分からず、蚯蚓腫れの様なその隆起に合わせて指を動かすと、それは鋏の形だった。

「な、なんだ!何やった!?どうなってる!」

「鋏だ。お前の皮膚の下、いつでも首を掻き切れる位置に。要するに黙れという事だ。」

盗聴機が付いていると分かっている今、それを荒木に悟られる様なことがあれば全ての行動が灰塵に帰す。
焦った音石が口を滑らせぬよう取った行動だった。

「ああ…そのままだリゾット。」

そう言うとサウンドマンはどこからか一枚の植物の葉を取り出し、音石の首と首輪の間に挟み込む。
それには漫画の擬音の様な文字が張り付いていた。

「不穏な動きをすれば即我が能力を解除する。音は本来の衝撃となって首輪に作用する。後は、言うまでもないだろう。それが我がスタンド能力…イン・ア・サイレント・ウェイ。」

これは勿論、能力の全てでは無い。
このゲームに於いて能力を知られるのは最も忌避すべき事ではあるが、音石に対して主導権を持つため、その一端を開示するのは必要なことだった。
サウンドマンはなぜこのようなリスクの多い行動を取るのか。

憶泰の為?
それもある。

憶泰はコーイチの友人。
惹かれる物を確かに感じている。
そして、自分とて姉を持つ身。
こいつを億泰に引き渡し、後の始末は億泰自身にゆだねるつもりである。

だがもうひとつの理由は、もっと現実的なもの。
憶泰の話に出てきたような浅ましい犯罪者が、脱出に向かう過程に於いて必ず障害になると考えたから。

集団の中に潜めば重要な場で裏切るかも知れない。
脱出を目論んでいることを荒木に密告するかもしれない。
混乱が起これば疑惑や増悪が連鎖し、果ては全滅。
そのような事態が起き得る。だから自分は集団での行動は避ける。
誰のためでもなく、自分のために。

「つまり、お前はこの場には留まらず、移動したいということだな。」

「そうだ。俺は情報を収集し、あるいは伝える。全ては再び故郷の地をこの足で踏みしめるため。」

リゾットは考えあぐねていた。
ここで音石を手元に置いておくべきか否か。
だが、何より自分達は『チーム』である。単なる烏合の衆でもなければ、リゾットの独裁でもない。
リーダーは確かに自分だが、メンバーの考えを聞かずに無理やりに事を推し進める気などなかった。

249 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/21(木) 23:13:45 ID:9wD15Io9
「ペッシ!!上がってきてくれ!」

そうリゾットが声をあげた数秒後、泣きはらした目をこすりつつも姿を現した、一番信用できる部下。
彼は放送直後よりも幾分か落ち着いた様子ではあるが、まだ暗く沈んだ様子がありありと受け取れた。
逝ってしまった彼の大切な兄貴は、あまりにも大きな存在だった。
チームの中で最も慕い、目標としていたプロシュートの死にペッシが何を感じているのか、想像に難くはない。

リゾットはしかし、今は気遣いよりも現状を伝えることを優先する。
今は何よりも、自分達の目的を達成することが大切なのだから。

「リゾットがいいなら、俺からは何も言う事はねえ。」

一通りのいきさつを把握したペッシは、鼻声ながらもはっきりと意思を伝えてくれた。
これで決断ができると心の中で礼を言い、リゾットは再びペッシを持ち場へと戻らせた。
「しっかり監視するよ」と言い残し、ゆっくりと持ち場へ戻るペッシの些か猫背気味な背中を見送ると、リゾットは要望を口にする。
サウンドマンの類稀なる俊脚、確固とした行動方針を聞き、この男には脱出の糸口を広げるためのメッセンジャー役が適任だと考えたのだ。

「では、我々からも一つ言伝てを預かってもらいたい。」

「俺はお人好しではないぞ。」

リゾットはサウンドマンのこの言い分に、こいつは信用できると思った。
意志が強く目的が揺らがず、変にへつらいもせず、己の言い分をはっきり述べてその場の空気や情に流されない。
この男が脱出を目標とし、自分達の利害が完全に同じである以上、大きな戦力になるだろう。

「代わりに音石を連れて行くがいい。これで貸し借り無しだ。」

だから、今信頼が地に落ちた音石と引き換えにしても釣りが来ると思ったのだ。

「…いいだろう、単独で出来ることに限界があることも事実。それが脱出に繋がるものであれば、内容を聞こう。」

何かと自分に託されるメッセージにサウンドマンは肩を竦めたが、脱出を目指すための礎となるのならばと引き受けることとした。
音石は物の様に自分を扱う二人に、小声で悪態を付いていた。
それも聞こえぬふりを決め込み、リゾットは荒木に関するメモの纏め書きの複写をサウンドマンへ手渡す。

「大した事ではない。我々がここにいて、参加者の情報を待っていることを伝えてくれればいい。当然同じように脱出を目指している人間にだ。」

「分かった、伝えて回ろう…」

先程の情報交換の際、リゾットはブチャラティチームのことをかつていた組織での敵対勢力であると告げていた。


250 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/21(木) 23:14:27 ID:9wD15Io9
お互い争い合い、命を奪い合ったと。
そして、協力をする気は無いことも。
だが他の参加者と同じように、余計なことは言わずにここへ来るよう告げてほしいと頼んだ。
ブローノ・ブチャラティを筆頭とするチームについては恐らく脱出を目指していると考えられる。
どういう考えの元、組織に反旗を翻したのかは分からないが…。
ネアポリス市民や幹部から信頼の厚かった彼らが、軽薄な殺人ゲームに積極的に参加しているとは考えられない。

ナチス研究所で脱出のために動いている我々の話を聞けば、必ずやって来る…。
そしてうまく行けば自分の手で仕留めることが出来るだろう。

「殺すのか?そいつらを。」

彼らの因縁を聞かされたサウンドマンは、心底不思議だというように首をかしげた。
脱出を目指しておきながら、同じく脱出を目指すと予想される人物たちと協力する気はないと言う。
サウンドマンにはリゾットの気持ちは分からなかった。
確かに自分が部族にいた頃、族内の誰かに外部の人間が危害を加えれば報復に出ただろうとは思うのだが、リゾットの話す事はそれとも少し性質の違う『こだわり』の様な気がした。

「そうだ。これはこのゲームとは関係の無い、我々のけじめ。いずれはやらねばならない事柄…そうしなければ俺たちは自分の人生を歩めない。」

ともあれ、サウンドマンは自分が第三者の立場であることを十分理解している。
余計な茶々を入れるつもりはなかった。
彼らが潰し合って果てたとしても、それは彼らの選択した道の末路。
だがリゾットの表情は何とも複雑で、一言お節介を焼いてしまうのを止められなかった。

「その者達に対するお前の執着、まるで尖り過ぎた針のようだ。折れるまでそのままでいるつもりか?」

「…、…折れる前に刺してやるさ。」

低く呟かれたその台詞に、サウンドマンはくっと喉を鳴らす。

「要らぬ世話だったか。では、お互いが折れてしまわぬよう祈ろう。」

そう残し、踵を返しドアから外に出ると、振り向くこと無く歩き出した。
音石はすでに先を歩かされている。
彼は諦めたのか、2人のスタンド攻撃に臆しているのか、話し合いの途中から完全に沈黙を貫いていた。
ふてくされたような表情はなりを潜め、憮然とした様子で黙々と歩を進めている。
レッド・ホット・チリペッパーを乗せたラジコンは二人の周りを旋回しているが、プロペラ先端の破損により機体が傾いていた。
飛行は可能ではあるが、安定性に問題が生じてしまっているようだ。
その様子をしばらく見送ってから、リゾットは静寂を取り戻した室内に目を向け、ふと自分のつま先を見つめ思案に暮れた。

(尖った針だなどと。)

自ら後ろ向きな行動という自覚があるだけに、サウンドマンの一言が消化できない塊のように留まっている。
数刻前のホルホースの言葉も、また頭に浮かんだ。

脱出を目指すためには何でもするが、ブチャラティチームと協力だけはできない。
それは心に決まっているつもりだった。
自分の下に付き、命令を遂行する過程で死んでいった部下たちの事を考えればそれが当然と思っていた。

だがこのキリングフィールドで、何度も自分の精神は揺らいだ。
他者との接触の度に、仲間が死ぬ度に。
自分の目指すものと、その過程に生じる軋轢に揺れる心は自分が未熟な証拠か。

リゾットは堂々巡りになりかけた思考を振り切るように、長いコートを翻すと元居た研究室へと戻って行った。


251 :創る名無しに見る名無し:2010/01/21(木) 23:29:17 ID:Y/w1Hnm9


252 :◇33DEIZ1cds氏代理投下:2010/01/22(金) 21:26:11 ID:dFGYNXU5
【F-2 ナチス研究所 研究室/1日目 日中】

【暗殺チーム(現在メンバー募集中)】
【リゾット・ネエロ】
[スタンド]:メタリカ
[時間軸]:サルディニア上陸前
[状態]:頭巾の玉の一つに傷、左肩に裂傷、銃創(『メタリカ』による応急処置済み)
[装備]:フーゴのフォーク、首輪の設計図(ジョセフが念写したもの)
[道具]:支給品一式
[思考・状況] 基本行動方針:荒木を殺害し自由を手にする  
0.俺は未熟だな…
1.サウンドマンをメッセンジャー役に任命。自分達の事をふれて回らせ、首輪を外すor首輪解除に役立ちそうな人物を味方に引き込む。
2.ホル・ホースを信頼。サウンドマンもまあ信頼。ミューミュー、音石はそうでもない。
3.暗殺チームの合流と拡大。人数が多くなったら拠点待機、資材確保、参加者討伐と別れて行動する。
4.ブチャラティチームとプッチの一味は敵と判断、皆殺しにする。ブチャラティチームに関しては後ろ向きな行動だろうがやむなし。
5.荒木に関する情報を集める。他の施設で使えるもの(者・物)がないか、興味。
[備考]
※F・Fのスタンドを自分と同じ磁力操作だと思いこんでいます
※F・Fの知るホワイトスネイクとケンゾーの情報を聞きましたが、徐倫の名前以外F・Fの仲間の情報は聞いてません
※情報交換の際ホル・ホースから空条承太郎、ジョセフ・ジョースター、花京院典明、J・P・ポルナレフ、イギーの能力を教わりました。
※ホル・ホースの言葉に若干揺らぎましたが、現在ブチャラティチームと協力する気はさらさらありません
 ただし、カタギの人間(首輪解除に有益な人材)には素性を伏せてでも接触してみる(バレたり、その後のことはケースバイケース)。
※盗聴の可能性に気が付いています。
※サウンドマンと情報交換しました。
・荒木について分かっていること(リゾットたちのメモの内容をそのままサウンドマンに伝えた)
・首輪について分かっていること(盗聴の可能性があること、電気がどこから来ているのか不明であること)
・今まで出会った人物の人相、名前、能力。
・危険だと思われる人物
(お互い、自分達及び仲間のスタンド能力は伝えていません。)
※リゾット、及びペッシのメモには以下のことが書かれています。(複写してサウンドマンに渡したメモも同じ内容です)
[主催者:荒木飛呂彦について]
荒木のスタンド → 人間ワープ…見せしめの女の空中浮遊、参加者の時間軸の違い(並行世界まで干渉可能)
         → 精密機動性・射程距離 ともに計り知れない
開催目的 → 不明:『参加者の死』が目的ならば首輪は外れない
           『その他』(娯楽?)が目的ならば首輪は外れるかもしれない 
※荒木に協力者がいる可能性有り
※フーゴの辞書(重量4kg)、ウェッジウッドのティーセット一式が【F-2 ナチス研究所】に放置されています。
【F-2 ナチス研究所地下鉄駅ホーム/1日目 日中】
【ペッシ】
[時間軸]:ブチャラティたちと遭遇前
[状態]:頭、腹にダメージ(小)、喉・右肘に裂傷、強い悲しみ、硬い決意
[装備]:リゾットにタメ口の許可認証
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2、重ちーが爆殺された100円玉
[思考・状況] 基本行動方針:『荒木』をぶっ殺したなら『マンモーニ』を卒業してもいいッ!
0.リーダー、色々まかせっきりですまねえ…監視頑張るよ。
1.兄貴ィ…… でも立ち直らなきゃ…
2.誰も殺させない。殺しの罪を被るなら暗殺チームの自分が被る。
3.ホル・ホースはいいとして、ミューミューは頼りになるのか? 音石とサウンドマンはよくわからないから、リゾットに任せる。
4.チームの仲間と合流する
5.ブチャラティたちを殺す?或いは協力するべきなのか?信頼できるのか?
[備考]
※100円玉が爆弾化しているかは不明。とりあえずは爆発しないようです。
※音石の経歴や、サウンドマンとリゾットが交換した情報の内容を知りました。
※暗殺チーム全体の行動方針は以下のとおりです。
基本行動方針:首輪を解除する
1.首輪解除のためナチス研究所を拠点として確保する。
2.首輪を分析・解除できる参加者を暗殺チームに引き込む。
3.1・2のために協力者を集める。
4.荒木飛呂彦について情報収集
5.人数が多くなれば拠点待機組、資材確保組、参加者討伐組と別れて行動する

253 :◇33DEIZ1cds氏代理投下:2010/01/22(金) 21:28:43 ID:dFGYNXU5


……俺はお終いか?
絶対ェ違う!
諦めねえ!俺は諦めねえ!

まだ死ぬって決まったわけじゃねえんだ。
億泰の野郎の前に引き出されるっていうんなら、逆にそれはチャンスだと考えてやる!
今度こそあいつをぶっ殺すチャンスだってなァ…

運命に見放されても意地汚く最後まで諦めなかったやつが強くなれるんだ。
俺は這いつくばって泥水を舐めようが、最後には絶対に生き残る。
笑ってこのイカれた戦場からおさらばしてやる!

後ろでスカして歩いてるサウンドマンにもひと泡吹かせてやる。
覚えてやがれ。

だが焦ったり、感情的になるのはだめだ。

見てろよ?
俺は……反省すると、強いぜ。



【F-2 ナチス研究所/1日目 日中】

【音石明】
[時間軸]:チリ・ペッパーが海に落ちた直後
[スタンド]:レッド・ホット・チリペッパー(黄色)
[状態]:体中に打撲の跡(中)、『レッド・ホット・チリ・ペッパー』をスピットファイヤー(プロペラの一部に欠損あり)に乗せて飛行中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×3、不明支給品×1、ノートパソコンの幽霊、スピットファイヤーのコントローラ、バッテリー充電器
[思考・状況]基本行動方針:優勝狙い
1.しばらくはサウンドマンに付き従うしかないが、億泰の元に引き出されるというのなら積極的に仕留めにかかる。
2.首輪解除なんて出来んのか?
3.サウンドマン怖いけどむかつく!いい気になるなよ!
4.電線が所々繋がっていないのに電気が流れているこの町は何なんだッ!? あやしすぎて怖えー!
[備考]
※バトルロワイアルの会場には電気は通っているようです。
 しかし様々な時代の土地が無理やり合体しているために、電線がつながっていなかったりと不思議な状態になっているようです。
 スタンドが電線に潜ったら、どうなるかわかりません。(音石は電線から放電された電気を吸収しただけです)
※ミセス・ロビンスンをスタンド使いだと思っています
※早人とジョセフとディアボロが駅を出た理由を知りません。
※盗聴の可能性に気がつきました
※ブチャラティチーム、ホル・ホース、ミューミューの容姿と能力を知りました。ホルマジオの容姿を知りました。
※サウンドマンとリゾットの情報交換はすべて聞きました。
※スピットファイヤーをサウンドマンと自分を中心とした周りに旋回させていますが、プロペラの欠損により動作に安定感がありません。
※首輪に衝撃音を張り付けた葉っぱを挟まれています。サウンドマンが音の固定能力を解除すれば衝撃が起き、首輪も連動して爆発します。




254 :◇33DEIZ1cds氏代理投下:2010/01/22(金) 21:31:42 ID:dFGYNXU5
【サンドマン】
【スタンド】:『イン・ア・サイレント・ウェイ』
【時間軸】:ジョニィの鉄球が直撃した瞬間
【状態】:健康、満腹、暗殺チーム仮入隊(メッセンジャー)
【装備】:なし
【道具】:基本支給品×2、不明支給品1〜3(本人確認済み) 、紫外線照射装置 、音を張り付けた小石や葉っぱ、スーパーエイジャ、荒木に関するメモの複写
【思考・状況】 基本行動方針:元の世界に帰る
0.ややこしい考え方の人間もいるものだ。
1.億泰が向かったと思われるコロッセオに向かい、合流を図る。(音石を引き渡した後は自分は手出しをせず、2人の好きにさせる気でいます。)
2.ツェペリの『荒木は死者を復活させて命を弄ぶ』論に少し興味。荒木の言葉の信憑性に疑問。
3.名簿にあるツェペリ、ジョースター、ブランドーの名前に僅かながら興味
4.遺言は伝えた。その他に彼らを知る人間とも一応会ってみたい(優先はしない)
5.もう一度会ったなら億泰と行動を共にする→音石についてのごたごたが片付いたら協力し合うつもりです。
6.ジョルノの話に興味。 だがリゾットとの会話によりプッチには警戒。あるいはジョルノも同様に警戒すべきなのか?
7.鳩が来たら一応その場に向かう。が、従うかどうかはその場で判断する。

【備考】
※7部のレース参加者の顔は把握しています。
※スカーレットが大統領夫人だと知っています。
※ンドゥールに奇妙な友情を感じています。 康一、ツェペリにも近い感情を持っています。
※億泰と情報交換をしました。
内容は「康一と億泰の関係」「康一たちとサンドマンの関係」「ツェペリの(≒康一の、と億泰は解釈した)遺言」「お互いのスタンド能力」「放送の内容」です。
※チーム・ザ・ウェーブの遺志は億泰に託しました。
※エンヤ婆を攻撃した石は、I-7  中央部(果樹園跡)での大規模な戦闘中に集めて小石や葉っぱに張り付けて置いた音の残りです。まだ余りがあるようです。
何の音を保存しているかは、次の書き手さんにお任せします。
※プッチの時代を越えて参加者が集められていると考えを聞きました。
※早人がニセモノだと気づきましたがラバーソールの顔・本名は知っていません。
※リゾットと情報交換しました。が、ラバーソールとの約束については、2人だけの密約と決めたので話していません。
※F・F、ブチャラティチーム、ホル・ホース、ミューミューの容姿と能力を知りました(F・Fの能力は、リゾットが勘違いしている能力)。ホルマジオの容姿を知りました。
※盗聴の可能性に気付きました。




255 :創る名無しに見る名無し:2010/01/28(木) 00:28:01 ID:foGEVq8y
保守

256 : ◆33DEIZ1cds :2010/01/28(木) 21:24:05 ID:gtkdsHhW
リゾット・ネエロ、ペッシ、音石明、サンドマン、ラバーソール修正分を投下します。

257 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/28(木) 21:24:59 ID:gtkdsHhW
かなた、青空を背に凄まじいスピードで前進する影が一つ。
俊敏なその動きを例えるならば、まるで砂漠の獣の様。
その人物は息一つ乱さず砂ぼこりを巻き上げながら、みるみるうちに近づいてくる。

(お!早速来たぜぇ。来訪者はインディアンってか…にしても走るの早すぎじゃね?)

その姿を発見した音石明は、口の端を釣り上げた。
黒衣の男、リゾット・ネエロにナチス研究所周辺の監視を任された音石は依然ラジコン「スピットファイアー」上より監視状態を保つが、いつまでもこうしてはいられない。
迫り来る人間はリゾットに教えられた人物でもなければ、杜王町の連中でもなく、風体はさながらどこかの先住民族。
20世紀人の音石にとっては怪しいことこの上もないが、差し当たって判断しなくてはならない事柄は決まっている。
リゾットへ報告すべきか、独断にて攻撃を仕掛け首輪を回収するか。

(報告してるうちにたどり着かれちまう…先手必勝。誰か知らんがくらえ!)

何よりもあんな胡散臭い見た目。
人数減らし及び首輪確保の口実にはもってこいだ。
スピットファイヤーを旋回させ、相手への接近を開始する。
依然接近を続ける相手も、ラジコンの存在に気付いた様子を見せた。
音石は上空から回り込んで直接電撃を叩き込もうと考え、機体を降下させかけた。
が、突如現れたラジコンに驚いたのか相手は速度を緩めつつ一瞬屈み込む。
そして次の瞬間には、地面の砂を掴んで投げつけてきた。
スタンドの視界が覆われ一瞬相手が見えなくなる。

(おいおい、餓鬼の喧嘩かっつうの)

児戯のような反撃に笑みをこぼした音石だったが。
少しの間の後視界が開けたと思った時。

「あ。」

レーダーのように放射された赤い光に、プロペラの先端が削られた。
バランスを崩し、傾いた機体。
思わず声が零れる。
一呼吸の焦りの後、今の光が相手のスタンド能力かと考えつつ、持ち直そうと神経を集中させかけた。
しかし、次の瞬間には首根っこを引っ張りあげられ。

「何をしている。」

墨のように真っ黒な瞳に至近距離で睨み付けられ震え上がるはめになった。


258 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/28(木) 21:25:48 ID:gtkdsHhW
※  ※  ※

薄暗がりの廊下で芋虫の様にのたうつ影。
その奇妙な影は頭を振り上体を反らしたかと思うとまた赤ん坊のように体を曲げて縮こまる、という動きを繰り返している。

『ああ、彼のデイバックは置いていこう。』

『いいんですか?』

彼の瞼は塞がり、その目で己の姿を確認することは不可能なのだが……。
彼の腕は交差し、手のひらがそれぞれ反対の二の腕へと溶け込むように馴染んでいる。
また、足は胡座の状態で、ヨガ行者の如く各々対になる腿へと組み込まれている状態である。

『こんなやつの荷物に怖気を震うのも癪だが、何か仕掛けがあるかもしれないだろう?』

彼は小さく息を吐きながらうつ伏せになり、肘と膝で匍匐前進を始めた。
そうして、暫く闇雲な様子であたりを探っていたが、ある地点で彼の唇からは笑みが漏れる。

『今の我々が早急に必要とする物も無いし、中身が安全かどうか確認している時間は無い』

『そうですね…では、何はともあれ屋上へ。』

探し当てた己のデイバックをすがるように抱え込むと、ジッパーを歯で噛み引いて開く。
さらにデイバックの底に噛みつき引っくり返すと中身を床へとぶちまけた。

瞬間、白い塊が躍り出る。

乱暴に訪れた外部世界との接触をものともせず、それはしなやかな動きで両の羽を広げると真昼の空へと上って行く。
やがて一定の高さに到達すると羽ばたきをやめて風へとその身を委ねた。
青い空に一点の白が移動して行くその様は美しかったが、怒りに煮えたぎる男___ラバーソールの預かり知ることでは無かった。

……殺す。殺す殺す殺す。
あいつら許さねえ。
こんなことが許されるわけがねえ。
サウンドマンにこの俺の姿を見せ、奴等を危険人物として排除しに行かせてやる。
そして生きたまま俺の前に引きずり出させ、最も屈辱的な死に様を与えてやる。

奴への手紙は屋上ですでに書き終えて結びつけた…こういう緊急事態に備えてな。
場所の指定はこの館。
鳩よ、おめえを頼りにしてんぜ。
行け!そして俺に勝利を呼び込め!


259 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/28(木) 21:28:32 ID:gtkdsHhW
【C-4 DIOの館内部/1日目 日中】
【ラバーソール】
[時間軸]:承太郎と戦闘中、ザリガニ食べてパワーアップした辺り。
[状態]:健康。人間拘束具状態。仗助、重ちー、マイク・O、スカーレットを食べてパワーアップ!?、DISCが戻らない限りスタンド使用不可。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 ×5(内一食分食料と方位磁石消費)、ギャンブルチップ20枚、ランダム支給品×1 (未確認)
    サブマシンガン(消費 小)、巨大なアイアンボールボーガン(弦は張ってある。鉄球は2個)
    二分間睡眠薬×1、剃刀&釘セット(約20個)
[思考・状況]
基本行動方針:勝ち残り、優勝。溺れるほどの金を手に入れる。
0.許さねえ……
1.サウンドマンが到着次第、自分の現状を説明し、ジョルノとプッチを殺すための段取りを整える。
2.参加者をできるだけ減らす。
3.七人の同盟とDIO軍団を上手くぶつけて一人勝ちを狙う。
[備考]
※ラバーソールは承太郎、花京院とロワで会った人間に変装できます(その場の状況で考えるようです)。
 偽のスタンド像も出せますが性能はイエローテンパランスです。
 死者の変装は“特殊な状況”にならない限りやらないようです。
※ラバーソールは仗助が自分自身の怪我も治せると勘違いしています。
※J・ガイル、アンジェロのスタンドについては理解し切れていません。水、及びそれに順ずるものを媒介とするとだけ把握しています。
※悪魔の虹メンバーとほとんど情報交換を行っていません。お互いの名前と姿ぐらいしか正確には把握していません。
※また、駅にいた悪魔の虹メンバーはイエローテンパランスの能力を「顔を変える」と誤解している可能性があります。
※DIOの館にて遭遇した人物に名前・素顔を明かしてません。
※プッチの時代を越えて参加者が集められていると考えを聞きました。
※リンゴォのスタンドを時を巻き戻すスタンドだと推測しています。
※由花子の髪の毛が「ラバーソール」についたのか、「イエロー・テンバランス」についたかは以降の書き手さんにお任せします。
→ラバーソウルに付いていました。ジョルノとプッチは誰の物かは分かっていませんが、異物が付いている事には気付きました。
※プッチとジョルノに記憶DISCを読まれました。
※サヴェジガーデンはまっすぐにサウンドマンを目指します。どの地点で彼の手元に届くかは、後の書き手さんにお任せします。


260 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/28(木) 21:30:03 ID:gtkdsHhW
※  ※  ※

「やめ…ぢっぞぐす、うえっ」

掴んでいた襟首を乱暴に離すと、リゾットは床に這いつくばって息を荒げる音石を見下ろした。
先程行った情報交換の内容をペッシに伝えるため、数分ほど地下に降りていただけだったのにも関わらず。
自分が伝えた人物以外の接近は、報告をするように言い伝えてあったのにこの体たらくだ。
やはり信頼のおけるかつてのチームのような扱いは厳禁だと考えながら、リゾットは吐き捨てた。

「どちらが先に仕掛けた。言え。」

「あっ…」

あっちが先に、と偽りかけた音石だったが。
泣く子もさらに泣き出しそうな威圧感に押し負け、目を斜め下にそらしながら事実を告げることにした。
ばれたならば、ただでは済まない。そんな雰囲気が痛いほど伝わってきたのだ。

「お、俺だけど!でも怪しかったか「余計な事を喋るな。」

言い放ち音石を黙らせる。
自分達の目的は脱出のための勢力拡大である。
片端から訪問客を襲って、この施設は危ないという噂を立てられでもしたら。
荒木にたどり着く前に、自分達が討伐対象になりかねない。

リゾットが窓ガラス越しに外へと目を向けると、インディアンの姿をした客人は既に制止し、建物内の様子をうかがっていた。
手には赤く光る宝石のようなものを握っている。
こちらがもめて隙が生じてしまったのにも関わらず何もしてこない様子を認め、リゾットは相手が乗っていない可能性が高いと踏む。
彼はいつでも能力を発動できるように気を張りつつ扉から外へと出、接触を試みることにした。
対峙しても、インディアンの青年は沈黙を保ったままだった。

「先に攻撃をしかけたことは謝る。此方に戦意はない…そちらはどうだ。」

この言葉を受けると、相手はデイバックに赤い宝石をしまい込み頷いた。
リゾットは慎重に言葉を選ぶ。
一つ一つの積み重ねが、後でどこにどう響いてくるか分からない。
いつもの仕事のように、ターゲットの様子を窺う。
だが今回狙うのは相手の命ではなく、心だ。
自分達と組むことが、いかに有益か。
それを伝えることができれば、賢明な人間なら取る行動は一つ。協力。

「我々が求めるのは情報だ。あんたもそうだろうと思う。こちらで話し合わないか。」

相手は数秒そこで考えている風だったが、よろよろと飛び続けるラジコンを横目に警戒しながらもリゾットの方へと歩み始めた。


261 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/28(木) 21:31:44 ID:gtkdsHhW
※  ※  ※

先刻、湖畔で睡眠を取り体を休めたサウンドマンは、放送を聞き逃すこともなく把握し、予定通りに湖を回り込むと南下を開始した。
だが、初めのチェックポイントであった豪華客船ではたいした収穫も無く無駄足となり、ジョースター邸に至っては跡形もなく倒壊していた。
さらに地図上で数マスに渡って移動を続けるも、誰に出会う事もなく。
訝りながらも根気よく南下を続け、このナチス研究所にてやっと参加者と出会えたという訳であった。

「こちらからは以上だ、リゾット。」

サウンドマンがナチス研究所に来てから数十分の内に、全ての情報交換が手際よく進んだ。
今まで出会った参加者、そこで見聞きした事柄全て。
誰が危険なのか、既に徒党を組んでいる参加者たちは何を考えているのか、このゲームの開催理由の予想、首輪の機能。
時には筆談を交え、荒木や首輪、参加者に関する新情報がお互いにもたらされた。

話を一通り終え、お互いの利点は一致していた。
荒木の打倒及び、障害になる者の排除。
筆談に用いていたペンをはたと置き、リゾットは切り出した。

「ベネ…こちらの行動方針としては、先程言った通りだ。次にあんたはどう考えているか聞きたい。」

「俺は一か所には留まらない。集団で行動もしない。」

このサウンドマンの発言に、音石は食いつく様に突っかかった。
自分のラジコンを破損させられたことを根に持っているのか、彼に詰め寄り唸る。

「おい!こっちの情報だけ食い逃げする気かよ!」

音石の大声にも動じることなくちらりと視線を向け、サウンドマンはペットボトルの水を取り出した。

「こいつを黙らせてくれリゾット。」

水を飲みながら呑気な様子でそう言う。
一方、リゾットはそんな2人を見ながら考えに沈む。
無言のリゾットへ向き直り、音石は腕を組むと床を足でタップした。

「リゾットさんよ…こいつ、信用できんのかよ?俺なら答えはNO!だぜぇ〜?」

奴の態度が気に入らないと、イラつきながらなおも食い下がる。
そんな様子など何処吹く風で、サウンドマンは走り通しだった身体を休めようと手近な場所に腰掛けた。
問いかけられたリゾットは音石を真正面から見据えると、非難を含めたニュアンスで言う。

「その言葉はお前自身に向けて使うべきだな。先程お前は指示以外の行動を取った。なぜ人影を認めた時点で俺に報告しない?
単独での勝手な行動は、全体の統率を著しく乱す。個人の信用度も下がる。」


262 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/28(木) 21:35:20 ID:gtkdsHhW
「それは!間に合わなさそうだったから…」

「呼べば聞こえる距離のはずだ。…もういい。」

音石の言い訳にリゾットはため息をこぼした。
逃げる途中で“わざわざ”回収したというデイバックの事といい、こいつはやはりくさい。
クセの強いゴロツキたちをまとめあげてきたリゾットにとって、音石の様な三下奴の考えることを見破るのは容易い事。

(こいつは、状況次第で裏切る可能性がある…。そんな人物に施設周辺の見張りを任せるのは果たして得策か?)

今までの全ての情報を総括して考えてみる。
要するに音石は、自分の得になる風が吹くところへと向き直る風見鶏なのではないだろうか?
先の仲間たちとも『はぐれた』のではなくこっそりと見捨てて逃げてきたのでは?だからこそデイバックを回収する時間もあったのだろう。
いずれにせよ断言はできない。それに探索能力は捨てがたい音石の長所。

考えつつもリゾットは目を瞑って首を降り、音石との水掛け論を終わらせるとサウンドマンに向き直った。

「つまり、お前はこの場には留まらず、移動したいということだな。」

「そうだ。俺は情報を収集し、あるいは伝える。全ては再び故郷の地をこの足で踏みしめるため。」

リゾットは考えあぐねていた。
サウンドマンを自分達の身内へと引き入れ、かつ脱出へ向けて組む組織の構成要因としてふさわしいかどうか。

だが、何より自分達は『チーム』である。単なる烏合の衆でもなければ、リゾットの独裁でもない。
リーダーは確かに自分だが、メンバーの考えを聞かずに無理やりに事を推し進める気などなかった。

「ペッシ!!上がってきてくれ!」

そうリゾットが声をあげた数秒後、泣きはらした目をこすりつつも姿を現した、一番信用できる部下。
彼は放送直後よりも幾分か落ち着いた様子ではあるが、まだ暗く沈んだ様子がありありと受け取れた。
逝ってしまった彼の大切な兄貴は、あまりにも大きな存在だった。
チームの中で最も慕い、目標としていたプロシュートの死にペッシが何を感じているのか、想像に難くはない。

リゾットはしかし、今は気遣いよりも現状を伝えることを優先する。
今は何よりも、自分達の目的を達成することが大切なのだから。

「リゾットがいいなら、俺からは何も言う事はねえ。」

一通りのいきさつを把握したペッシは、鼻声ながらもはっきりと意思を伝えてくれた。
これで決断ができると心の中で礼を言い、リゾットは再びペッシに持ち場へと戻るよう促した。
「しっかり監視するよ」と言い残し、ゆっくりと去っていくペッシの些か猫背気味な背中を見送ると、リゾットは要望を口にする。
サウンドマンの類稀なる俊脚、確固とした行動方針を聞き、この男には脱出の糸口を広げるためのメッセンジャー役が適任だと考えたのだ。


263 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/28(木) 21:37:25 ID:gtkdsHhW
「では、我々からも一つ言伝てを預かってもらいたい。」

「俺はお人好しではないぞ。それ相応の見返りがなくては。」

リゾットはサウンドマンのこの言い分に、こいつは信用できると思った。
意志が強く目的が揺らがず、変にへつらいもせず、己の言い分をはっきり述べてその場の空気や情に流されない。
この男が脱出を目標とし、自分達の利害が完全に同じである以上、大きな戦力になるだろう。

「脱出の為に協力し合うのだ。貸しだの借りだのの話をしているうちに何者にも変えられぬ時間は過ぎ、戻らなくなるぞ。」

「……いいだろう、単独で出来ることに限界があることも事実。それが脱出に繋がるものであれば、内容を聞こう。」

何かと自分に託されるメッセージにサウンドマンは肩を竦めたが、脱出を目指すための礎となるのならばと引き受けることとした。
音石は流される自分の意見に納得がいかないのか、小声で悪態を付いている。
それも聞こえぬふりを決め込み、リゾットは荒木に関するメモの纏め書きの複写をサウンドマンへ手渡した。

「大した事ではない。我々がここにいて、参加者の情報を待っていることを伝えてくれればいい。当然同じように脱出を目指している人間にだ。」

「分かった、伝えて回ろう…」

先程の情報交換の際、リゾットはブチャラティチームのことをかつていた組織での敵対勢力であると告げていた。

お互い争い合い、命を奪い合ったと。
そして、協力をする気は無いことも。
だが他の参加者と同じように、余計なことは言わずにここへ来るよう告げてほしいと頼んだ。
むしろ優先的にここへ来るよう進言して欲しいと。

ブローノ・ブチャラティを筆頭とするチームについては恐らく脱出を目指していると考えられる。
どういう考えの元、組織に反旗を翻したのかは分からないが…。
ネアポリス市民や幹部から信頼の厚かった彼らが、軽薄な殺人ゲームに積極的に参加しているとは考えられない。

ナチス研究所で脱出のために動いている我々の話を聞けば、必ずやって来る…。
そしてうまく行けば自分の手で仕留めることが出来るだろう。

「殺すのか?そいつらを。」

彼らの因縁を聞かされたサウンドマンは、別れ際に心底不思議だという様子で首をかしげた。
脱出を目指しておきながら、同じく脱出を目指すと予想される人物たちと協力する気はないと言う。
サウンドマンにはリゾットの気持ちは分からなかった。
確かに自分が部族にいた頃、族内の誰かに外部の人間が危害を加えれば報復に出ただろうとは思うのだが、リゾットの話す事はそれとも少し性質の違う『こだわり』の様な気がした。


264 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/28(木) 21:39:09 ID:gtkdsHhW
「そうだ。これはこのゲームとは関係の無い、我々のけじめ。いずれはやらねばならない事柄…そうしなければ俺たちは自分の人生を歩めない。」

ともあれ、サウンドマンは自分が第三者の立場であることを十分理解している。
余計な茶々を入れるつもりはなかった。
彼らが潰し合って果てたとしても、それは彼らの選択した道の末路。
だがリゾットの表情は何とも複雑で、一言お節介を焼いてしまうのを止められなかった。

「その者達に対するお前の執着、まるで尖り過ぎた針のようだ。折れるまでそのままでいるつもりか?」

「…、…折れる前に刺してやるさ。」

低く呟かれたその台詞に、サウンドマンはくっと喉を鳴らす。

「要らぬ世話だったか。では、お互いが折れてしまわぬよう祈ろう。」

そう残すと踵を返してドアから外に出、振り向くこと無く走り出した。

リゾットはサウンドマンの背中を追い、窓の外を見る。
加速を経て最高速度へと達したサウンドマンのスピードは目を見張る様な有様だった。
土埃と共に瞬く間に施設から遠ざかってゆく。
上空ではレッド・ホット・チリペッパーを乗せたラジコンが施設の周辺を旋回しているが、プロペラ先端の破損により機体が傾いている。
飛行は可能ではあるが、安定性に問題が生じてしまっているようだ。
その様子をしばらく見送ってからリゾットは静寂を取り戻した室内に目を向け、ふと自分のつま先を見つめ思案に暮れた。

(尖った針だなどと。)

自ら後ろ向きな行動という自覚があるだけに、サウンドマンの一言が消化できない塊のように留まっている。
数刻前のホル・ホースの言葉も、また頭に浮かんだ。

脱出を目指すためには何でもするが、ブチャラティチームと協力だけはできない。
それは心に決まっているつもりだった。
自分の下に付き、命令を遂行する過程で死んでいった部下たちの事を考えればそれが当然と思っていた。

だがこのキリングフィールドで、何度も自分の精神は揺らぐ。
他者との接触の度に、仲間が死ぬ度に。
自分の目指すものと、その過程に生じる軋轢に揺れる心は自分が未熟な証拠か。

リゾットは堂々巡りになりかけた思考を振り切るように、長いコートを翻すと元居た研究室へと戻って行った。


265 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/28(木) 21:41:02 ID:gtkdsHhW
【F-2 ナチス研究所 研究室/1日目 日中】

【暗殺チーム(現在メンバー募集中)】
【リゾット・ネエロ】
[スタンド]:メタリカ
[時間軸]:サルディニア上陸前
[状態]:頭巾の玉の一つに傷、左肩に裂傷、銃創(『メタリカ』による応急処置済み)
[装備]:フーゴのフォーク、首輪の設計図(ジョセフが念写したもの)
[道具]:支給品一式
[思考・状況] 基本行動方針:荒木を殺害し自由を手にする  
0.俺は未熟だな…
1.サウンドマンをメッセンジャー役に任命。自分達の事をふれて回らせ、首輪を外すor首輪解除に役立ちそうな人物を味方に引き込む。
2.ホル・ホースを信頼。サウンドマンもまあ信頼。ミューミュー、音石はそうでもない。
3.暗殺チームの合流と拡大。人数が多くなったら拠点待機、資材確保、参加者討伐と別れて行動する。
4.ブチャラティチームとプッチの一味は敵と判断、皆殺しにする。ブチャラティチームに関しては後ろ向きな行動だろうがやむなし。
5.荒木に関する情報を集める。他の施設で使えるもの(者・物)がないか、興味。
[備考]
※F・Fのスタンドを自分と同じ磁力操作だと思いこんでいます
※F・Fの知るホワイトスネイクとケンゾーの情報を聞きましたが、徐倫の名前以外F・Fの仲間の情報は聞いてません
※情報交換の際ホル・ホースから空条承太郎、ジョセフ・ジョースター、花京院典明、J・P・ポルナレフ、イギーの能力を教わりました。
※ホル・ホースとサウンドマンの言葉に若干揺らぎましたが、現在ブチャラティチームと協力する気はさらさらありません
 ただし、カタギの人間(首輪解除に有益な人材)には素性を伏せてでも接触してみる(バレたり、その後のことはケースバイケース)。
※盗聴の可能性に気が付いています。

※サウンドマンと情報交換しました。

・荒木について分かっていること(リゾットたちのメモの内容をそのままサウンドマンに伝えた)
・首輪について分かっていること(盗聴の可能性があること、電気がどこから来ているのか不明であること)
・今まで出会った人物の人相、名前、能力。
・危険だと思われる人物

お互い、自分達及び仲間のスタンド能力は伝えていません。

※リゾット、及びペッシのメモには以下のことが書かれています。(複写してサウンドマンに渡したメモも同じ内容です)
[主催者:荒木飛呂彦について]
荒木のスタンド → 人間ワープ…見せしめの女の空中浮遊、参加者の時間軸の違い(並行世界まで干渉可能)
         → 精密機動性・射程距離 ともに計り知れない
開催目的 → 不明:『参加者の死』が目的ならば首輪は外れない
           『その他』(娯楽?)が目的ならば首輪は外れるかもしれない 
※荒木に協力者がいる可能性有り

※フーゴの辞書(重量4kg)、ウェッジウッドのティーセット一式が【F-2 ナチス研究所】に放置されています。

266 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/28(木) 22:01:52 ID:gtkdsHhW
※  ※  ※

……俺ってちょっとやばい?

いや…この探索能力があれば、しばらくはここに置いてもらえるはずだ。
大丈夫だよな?

俺は優勝するんだ。
首輪解除して荒木を倒す事ができれば万々歳だろうけどよ…リスクはでかいぜ、だろ?

俺は確実に生き残る事が出来る道を選ぶだけだ。

うぜえサウンドマンにもいずれひと泡吹かせてやる。
スピットファイヤー壊しやがって、覚えてやがれ。
億泰、お前もだ…ま、運命の導きで巡り合えれば、だけどな。ケッ。

だが焦ったり、感情的になるのはだめだ。
さっきはちょっと先走っちまったな。
もっとうまく立ち回って、今はこのリゾットに取り入るんだ。

見てろよ?
俺は……反省すると、強いぜ。

【音石明】
[時間軸]:チリ・ペッパーが海に落ちた直後
[スタンド]:レッド・ホット・チリペッパー(黄色)
[状態]:体中に打撲の跡(中)、『レッド・ホット・チリ・ペッパー』をスピットファイヤー(プロペラの一部に欠損あり)に乗せて飛行中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×3、不明支給品×1、ノートパソコンの幽霊、スピットファイヤーのコントローラ、バッテリー充電器
[思考・状況]基本行動方針:優勝狙い
0.しばらくこの駅に待機せざるを得ないかもな、能力的に考えて 。もっとリゾットに気に入られないとヤベえ!
1.ナチス研究所周辺を監視中。チャンスがあれば攻撃を仕掛ける
2.首輪解除なんて出来んのか?
3.サウンドマンむかつく!いい気になるなよ!
4.電線が所々繋がっていないのに電気が流れているこの町は何なんだッ!? あやしすぎて怖えー!
[備考]
※バトルロワイアルの会場には電気は通っているようです。
 しかし様々な時代の土地が無理やり合体しているために、電線がつながっていなかったりと不思議な状態になっているようです。
 スタンドが電線に潜ったら、どうなるかわかりません。(音石は電線から放電された電気を吸収しただけです)
※ミセス・ロビンスンをスタンド使いだと思っています
※早人とジョセフとディアボロが駅を出た理由を知りません。
※盗聴の可能性に気がつきました
※ブチャラティチーム、ホル・ホース、ミューミューの容姿と能力を知りました。ホルマジオの容姿を知りました。
※サウンドマンとリゾットの情報交換はすべて聞きました。
※スピットファイヤーをナチス研究所周辺に旋回させていますが、プロペラの欠損により動作に安定感がありません。


267 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/28(木) 22:04:57 ID:gtkdsHhW
【F-2 ナチス研究所地下鉄駅ホーム/1日目 日中】
【ペッシ】
[時間軸]:ブチャラティたちと遭遇前
[状態]:頭、腹にダメージ(小)、喉・右肘に裂傷、強い悲しみ、硬い決意
[装備]:リゾットにタメ口の許可認証
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2、重ちーが爆殺された100円玉
[思考・状況] 基本行動方針:『荒木』をぶっ殺したなら『マンモーニ』を卒業してもいいッ!
0.リーダー、色々まかせっきりですまねえ…監視頑張るよ。
1.兄貴ィ…… でも立ち直らなきゃ…
2.誰も殺させない。殺しの罪を被るなら暗殺チームの自分が被る。
3.ホル・ホースはいいとして、ミューミューは頼りになるのか? 音石とサウンドマンはよくわからないから、リゾットに任せる。
4.チームの仲間と合流する
5.ブチャラティたちを殺す?或いは協力するべきなのか?信頼できるのか?
[備考]
※100円玉が爆弾化しているかは不明。とりあえずは爆発しないようです。
※音石の経歴や、サウンドマンとリゾットが交換した情報の内容を知りました。

※暗殺チーム全体の行動方針は以下のとおりです。
基本行動方針:首輪を解除する
1.首輪解除のためナチス研究所を拠点として確保する。
2.首輪を分析・解除できる参加者を暗殺チームに引き込む。
3.1・2のために協力者を集める。
4.荒木飛呂彦について情報収集
5.人数が多くなれば拠点待機組、資材確保組、参加者討伐組と別れて行動する


268 :ハーフ・ア・サティスファクション ◆33DEIZ1cds :2010/01/28(木) 22:06:59 ID:gtkdsHhW
※  ※  ※

リゾット・ネエロ…奇妙な人物だ。
このフィールドに呼ばれているのは一癖も二癖もある連中ばかりだな。

ブチャラティという者がどういう人物なのかはわからないが、よほど遺恨を抱いているのだろう。
その話の時は、あの男の黒い目が燃えていた。
あの魂の慟哭の様な光、なかなか良いものだった。

だが俺は音のように駆け抜けるだけ。
この場所から脱出するために全身全霊を懸ける。
メッセージは伝えよう、ブチャラティだろうと、他の者だろうと、同様に。全く同じに。

ここから向かうべきは…特別懲罰房という場所。
コロッセオが最も近いが、マップ中央寄りのあまりにも目立ちすぎる施設は…リスクが高い。
ゲームに乗った者、乗っていない者、その他諸々集まっているだろう。
億泰がいるかもしれないが、今は合流は優先事項ではない。
だから俺は避ける…他のエリアで、コロッセオに行ったことのある者から情報を頂ける可能性もある。

…空が明るい。姉も同じ空を見ているのだろうか。

【F-2 ナチス研究所/1日目 日中】

【サンドマン】
【スタンド】:『イン・ア・サイレント・ウェイ』
【時間軸】:ジョニィの鉄球が直撃した瞬間
【状態】:健康、満腹、暗殺チーム仮入隊(メッセンジャー)
【装備】:なし
【道具】:基本支給品×2、不明支給品1〜3(本人確認済み) 、紫外線照射装置 、音を張り付けた小石や葉っぱ、スーパーエイジャ、荒木に関するメモの複写
【思考・状況】 基本行動方針:元の世界に帰る
0.ややこしい考え方の人間もいるものだ。一先ず地図上の主要施設を回る。今は特別懲罰房へ向かってみる。
1.「ナチス研究所にて、脱出の為の情報を待っている」というメッセージを、脱出を目指す人物へ伝えて回る。
2.ツェペリの『荒木は死者を復活させて命を弄ぶ』論に少し興味。荒木の言葉の信憑性に疑問。
3.名簿にあるツェペリ、ジョースター、ブランドーの名前に僅かながら興味
4.遺言は伝えた。その他に彼らを知る人間とも一応会ってみたい(優先はしない)
5.もう一度会ったなら億泰と行動を共にする。
6.ジョルノの話に興味。 だがリゾットとの会話によりプッチには警戒。あるいはジョルノも同様に警戒すべきなのか?
7.鳩が来たら一応その場に向かう。が、従うかどうかはその場で判断する。

【備考】
※7部のレース参加者の顔は把握しています。
※スカーレットが大統領夫人だと知っています。
※ンドゥールに奇妙な友情を感じています。 康一、ツェペリにも近い感情を持っています。
※億泰と情報交換をしました。
内容は「康一と億泰の関係」「康一たちとサンドマンの関係」「ツェペリの(≒康一の、と億泰は解釈した)遺言」「お互いのスタンド能力」「放送の内容」です。
※チーム・ザ・ウェーブの遺志は億泰に託しました。
※エンヤ婆を攻撃した石は、I-7  中央部(果樹園跡)での大規模な戦闘中に集めて小石や葉っぱに張り付けて置いた音の残りです。まだ余りがあるようです。
何の音を保存しているかは、次の書き手さんにお任せします。
※プッチの時代を越えて参加者が集められていると考えを聞きました。
※早人がニセモノだと気づきましたがラバーソールの顔・本名は知っていません。
※リゾットと情報交換しました。が、ラバーソールとの約束については、2人だけの密約と決めたので話していません。
※F・F、ブチャラティチーム、ホル・ホース、ミューミューの容姿と能力を知りました(F・Fの能力は、リゾットが勘違いしている能力)。ホルマジオの容姿を知りました。
※盗聴の可能性に気付きました。


269 : ◆33DEIZ1cds :2010/01/28(木) 22:16:38 ID:gtkdsHhW
以上です。
せっかく代理投下していただいたのに修正になってしまい申し訳ないです…ありがとうございましたorz

まだ何かご指摘がありましたらお願いします。
あとまだ未確定だが、3月頃にラジオをやるかもです。
その時は皆様またよろしくおねがいします〜

270 :創る名無しに見る名無し:2010/02/04(木) 21:00:06 ID:RTyJ7nYc
投下乙!
スタンドDISCって抜かれてても動けたんだっけ?→ラバソ
制限?

271 :創る名無しに見る名無し:2010/02/04(木) 22:49:32 ID:dUSRJnzM
>>270
記憶を抜かれると死ぬんじゃなかったか?

272 :創る名無しに見る名無し:2010/02/04(木) 23:19:15 ID:N2Pl+ggb
・原作でマックイイーンがハイウェイ・トゥ・ヘルだけ取り上げられてる
 (挿すと何故かホワイト・スネイクの映像が見れる、がスタンドDISCと明言されてる)
 「マックイイーンのやつに一枚返してやったらとりあえずヤツは蘇生したんだからな
  そのスタンド能力のDISCは絶対にアイツには返さねーけどな」
・昏睡承太郎ならサヴェジ・ガーデン作戦で先に戻ってきたのはスタープラチナ
 ウェザーはピンピンしてたのでなにかしらで調整できると思われる

273 :創る名無しに見る名無し:2010/02/04(木) 23:20:12 ID:N2Pl+ggb
っと忘れてた
投下乙!ラジオ楽しみにしてます

274 :創る名無しに見る名無し:2010/02/04(木) 23:24:52 ID:vT9wfMU2
「スタンド使いがスタンドDISCのみ抜き取られた」描写は本編中にはない
とりあえず平気ってにしとこうって事になってるんじゃない? 1stでもそうだったし

>>272
スタンドDISCにも挿した人の記憶が宿ってることがあるという説がある

275 :創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 00:34:43 ID:4N+Cs+uN
新人さんの予約wktk

276 :創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 01:28:48 ID:Hsw2dVMY
新人さんが来てくれたー!
wktkすぎます…ッ

277 :創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 11:54:09 ID:7gOi+akA
三行状態表更新しておきました。

これからの新作ラッシュが楽しみだ

278 :創る名無しに見る名無し:2010/02/06(土) 03:51:28 ID:jRGbJNs/
更新乙!
そして投下が楽しみだ…

279 :創る名無しに見る名無し:2010/02/06(土) 16:30:56 ID:dZxhFJde
白雪姫状態のディオが気になるところ……wktk!
更新乙です!

280 : ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 11:07:25 ID:yY7UjahK
ヒャッハァー! 規制解けたぜ!
夕方6時ごろ投下予定です

281 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 13:12:49 ID:A2X5Y1I+
kt----

282 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 17:20:42 ID:xRqsDc/F
予告…来たか…

283 : ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 18:24:26 ID:yY7UjahK
そいじゃ、投下します

284 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 18:26:29 ID:yY7UjahK
はや半日。
過去、過ぎ去った時間が虹村億泰にもたらす事実はあまりに、重いものだった。

空条承太郎の死。

自分のわがままで別れた知人。
大木のように安心感さえある物腰が失われたその姿に違和感を持ったものの、今ではそれさえ後悔する。
変に勘ぐらなければ、もう少し冷静でいられたかもしれないのに。
過去は取り戻せない。この先埋めていく術も、今の億泰は持たない。

「うっ……うぅ」

溢れる悲しみは涙に変わる。掬いあげて元に戻すことなどできない。
拳を握りしめ、歯を食いしばる力は所詮徒労。

「うおおおおおおおおおおお!」

行き場のないわだかまりは、所構わずぶつけられる。
線路を構成する鋼造りの軌条。選ばれた標的。

拳一つで殴ると、銅鑼のような音が鳴り響き、飴細工のようにレールがひしゃげ。
それだけでは飽き足らず、粘土細工のようにちぎっては投げ、ちぎっては投げの繰り返し。
この時点で原型をとどめていないが、まだ容赦しない。枕木を虱潰しに砕いていく。
知性とか理性とか、そんなものはかけらも感じられない、まるで獣の様相を呈していた。

「う、ぐう、う、おおおおおお!」

叫ぶ、吠える、哮る。
泣きじゃくる声も混じり、波となって空気を揺らす。
何せ地下だ、反響することで音量は倍となり、鼓膜をつんざく。

「やっかましいんだよ、さっきから!」
「WHOOOOOOOHHHHHHH!」

――虹村億泰の鼓膜を。

我を失い取りみだすエシディシを、億泰はスタンドで必死に押さえこんでいた。


  ★

285 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 18:27:17 ID:yY7UjahK
「カーズは……我らの一族である以前に、同志だった」

泣き止んだエシディシの語り口は、先との落差を考慮に入れても異常なくらい淡々としていた。

「俺はな、奴の夢に惹かれたんだ。俺たち一族――いや、今や俺一人だが、太陽の光の下では生きられん宿命にある」

宿命を与えられるまま受け入れることなく、抗う存在。
そうやって見方を変えれば、黄金の精神を持つ者たちと同じだろう。

「カーズは天才だった。太陽を克服する、その夢を奴なら本当に実現出来るんじゃあないか。
 そう思わせるほどの凄みがあった」

石仮面を発明し、赤石で脳を押すパワーを強化するという理論に到達。
ヨーロッパで条件に見合う、言わばスーパー・エイジャの所有者を見つけ、守護する波紋戦士との激闘を繰り広げる日々。
やがて2000年の眠りに落ち、目を覚ました時には波紋戦士は残りわずかとなっていた。
ついにスーパー・エイジャがヴェネチアにあると知り、ようやく自分の、カーズの悲願が果たされると内心浮足立った。
――そして、この殺し合い。

「……何だかよくわからねえけどさ」

億泰は、似た痛みを知っている。

「俺も、仗助や康一、承太郎さんが死んだって聞かされた時、同じこと思ったよ。すげーショックでさ。
 ひたすら走りまわったりもした。……流石にさっきみたく泣き叫びはしなかったがよ。そいで、襲われて気絶して、そいつらの夢見たんだ」

彼も、迎え入れるはずの平穏をいともたやすく崩された被害者だ。
億泰は理解している。掴み取った日々がかき消される痛みを。
時に惑い、兄の仇敵を見つけた時のように周りを見失いもした。

「夢の中でそいつら悲しそうな顔してたよ。なんて言えばいいか分かんねーけど、心で伝わった。
 こんなことしてる場合じゃあねー、あいつらの無念を晴らしてやんなきゃってな」

しかし、街をあらゆる怪奇から守るために、東方仗助は戦った。
見た目に反し強い勇気をもってして、広瀬康一は成長した。
経験からなる判断力としたたかさを、空条承太郎は体得していた。
彼らに恥じないよう、億泰は今度こそ立ち向かうことを誓う。

「お前も、そのカーズってやつが望んだことをすればいいんじゃあねえか? そいつもそうしてほしいはずだぜ、きっと」

人を励ます柄ではないし、自覚もある億泰にとっては、これが精いっぱい。
こういった仕事は、僅かに会っただけだがサウンドマンの方が向いている気がした。
エシディシは、ふ、と息を吐く。

286 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 18:28:27 ID:yY7UjahK
「名を聞いていなかったな、人間」
「……億泰。虹村億泰だ」
「俺の名はエシディシ。人間には『柱の男』と呼ばれていた」
(柱の男、ねえ……柱どころか、大木じゃあねえの? やっぱ人間じゃあねーのな)

影で悪口じみたことを呟くが、名前を聞かれた意味を好意的に解釈したりもする。
悪くは思われていないようだし、敵意むき出しで向かってくることはないだろう。
名前を聞くタイミング的に、会話が成り立ってない気もするが。そのあたりも人間ではない感じがした。

「カーズが望んだこと……か。なるほどな」
「お、おい? どこ行くんだよ」

ホームを飛び降り、線路上に立つエシディシ。
いくらどこぞの部族のような格好をしていようと、そうだと自称しようとも。
億泰にとってその姿はいささか非常識で、奇怪だった。

「駅の路線図はもう見た。今は別行動をとっているが、行動を共にしていた者がいてな。
 いるかどうかは別として、ここでじっとしているよりはましだろう」
「線路歩いて行くのかよ!?」

にべもない態度でエシディシが答える。

「違うな、『走って』だ」

と。

クラウチングスタートから始まる全力疾走。
億泰が始動を認識した時には、トップスピード。
それこそ、本来我が物顔でこの場を走る電車に比類する速度。
瞬く間に視認不可能に。

「おいおい……」

しばし、あんぐりと口を広げる億泰。
だが、ずっとそうしているわけにもいかないらしい。

287 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 18:30:10 ID:yY7UjahK
かつり、かつりと段を下る音。
騒がしい大男が一人減ったからか、微々たるものだろうとよく聞こえてきた。
万全ではないことに不安を覚えつつ、それでもエシディシに対して大見栄を張ったのだからと気合を入れる。

「誰だ!」
「待ってくれ。俺はこの殺し合いに乗っていない。お前もそうなんだろう? さっきの会話からすると」

諸手を上に挙げ現れた男の見てくれは、悲惨だった。
腕を中心として無数の傷があり、右腕は人体の構造を無視した方向に折れ曲がっている。
何より特徴的なのは、左眼付近に縦一線にしかれたジッパー。
右腕をボロボロにした億泰でさえ、その姿に心を締め付けられるものがあった。

「誰かいるな……放送の内容と、空条徐倫を知っているかを聞かせろ」

そして、また一人。
傷ついた愛の戦士がコロッセオ地下を訪れる。



【D-4 コロッセオ駅ホーム/1日目 】午後
【虹村億泰】
[スタンド]:『ザ・ハンド』
[時間軸]:4部終了後
[状態]:右腕がカビの攻撃により重症
   (ザ・ハンドの『削る』能力は現在は使用不可。スタンド自体は発現可能。回復すれば使用できるようになると思われます。)
   自分の道は自分で決めるという『決意』。肉体的疲労(中)、精神的には少々弱気。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式。(不明支給品残り0〜1)
[思考・状況]
基本行動方針:味方と合流し、荒木、ゲームに乗った人間をブチのめす(特に音石は自分の"手"で仕留めたい)
1.とりあえず二人の対応。
2.エシディシも仲間を失ったのか……。こっちに危害は加えないらしいが。
3.仗助や康一、承太郎の意思を継ぐ。絶対に犠牲者は増やさん!
4.もう一度会ったならサンドマンと行動を共にする。
5.なんで吉良が生きてるんだ……!?
【備考】
※オインゴが本当に承太郎なのか疑い始めています(今はあまり気にしていません)
※オインゴの言葉により、スタンド攻撃を受けている可能性に気付きましたが、気絶していた時間等を考えると可能性は低いと思っています
 (今はあまり気にしていません)
※名簿は4部キャラの分の名前のみ確認しました。ジョセフの名前には気付いていません。
※サンドマンと情報交換をしました。 内容は「康一と億泰の関係」「康一たちとサンドマンの関係」
「ツェペリの(≒康一の、と億泰は解釈した)遺言」「お互いのスタンド能力」「第一回放送の内容」です。
※デイパックを間違えて持っていったことに気が付きました。誰のと間違ったかはわかっていません。
 (急いで離れたので、多分承太郎さんか?位には思っています。)
※エルメェスのパンティ(直に脱いぢゃったやつかは不明)はE-4に放置されました。
※『グリーン・ディ』のカビは解除されています。

288 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 18:30:54 ID:yY7UjahK
【ブローノ・ブチャラティ】
[時間軸]:護衛指令と共にトリッシュを受け取った直後
[状態]:肩に切傷(血は止まっている)、左頬の腫れは引いたがアザあり、右腕の骨折、
   左手の甲と左腕に無数の傷、右肩、右大腿、左腹部に掠り傷、
   左眼球付近を消失(ジッパーで処置しています)、
   トリッシュの死に後悔と自責、アバッキオとミスタの死を悼む気持ち
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、シャーロットちゃん、スージーの指輪、スージーの首輪、
   ワンチェンの首輪、包帯、冬のナマズみたいにおとなしくさせる注射器
[思考・状況]
基本行動方針:打倒主催、ゲーム脱出
0.二人と情報交換
1.いずれジョナサンを倒す。(殺害か、無力化かは後の書き手さんにお任せします)
2.絶対にジョセフと会い、指輪を渡す。彼にはどう詫びればいいのか…
3.チームの仲間に合流する。極力多くの人物と接触して、情報を集めたい。
4.ダービー(F・F)はいずれ倒す。
5.“ジョースター”“ツェペリ”“空条”の一族に出会ったら荒木について聞く。
  特にジョセフ・ジョースター、シーザー・アントニオ・ツェペリ(死亡したがエリザベス・ジョースター)には信頼を置いている。
6.ジョージはどこに行ったのだろう?
7.他のジョースターと接触を図りたい。
8.ダービー(F・F)はなぜ自分の名前を知っているのか?
9.スージーの敵であるディオ・ブランドーを倒す
[備考]
※パッショーネのボスに対して、複雑な心境を抱いています。
※ブチャラティの投げた手榴弾の音は、B−2の周囲一マスに響きわたりました。
※波紋と吸血鬼、屍生人についての知識を得ました
※荒縄は手放しました。
※ダービー(F・F)の能力の一部(『F・F弾』と『分身』の生成)を把握しました。
※ブチャラティが持っている紙には以下のことが書いてあります。



@荒木飛呂彦について
 ・ナランチャのエアロスミスの射程距離内いる可能性あり
  →西端【B-1】外から見てそれらしき施設無し。東端の海の先にある?(単純に地下施設という可能性も)
 ・荒木に協力者はいない?(いるなら、最初に見せつけた方が殺し合いは円滑に進む)

A首輪について

 ・繋ぎ目がない→分解を恐れている?=分解できる技術をもった人物がこの参加者の中にいる?
 ・首輪に生死を区別するなんらかのものがある→荒木のスタンド能力?
  →可能性は薄い(監視など、別の手段を用いているかもしれないが首輪そのものに常に作用させるのは難しい)
 ・スティッキィ・フィンガーズの発動は保留 だか時期を見計らって必ず行う。

B参加者について

 ・知り合いが固められている→ある程度関係のある人間を集めている。なぜなら敵対・裏切りなどが発生しやすいから
 ・荒木は“ジョースター”“空条”“ツェペリ”家に恨みを持った人物?→要確認
 ・なんらかの法則で並べられた名前→国別?“なんらか”の法則があるのは間違いない
 ・未知の能力がある→スタンド能力を過信してはならない
 ・参加者はスタンド使いまたは、未知の能力者たち?
 ・空間自体にスタンド能力?→一般人もスタンドが見えることから

289 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 18:33:14 ID:yY7UjahK
【ナルシソ・アナスイ】
[時間軸]:「水族館」脱獄後
[状態]:健康 (?)全身ずぶぬれ、右足欠損(膝から下・ダイバーダウンの右足が義足になっている)
[装備]: なし
[道具]:支給品一式(食料、水2人分)、点滴、クマちゃん人形、双眼鏡、首輪(ラング)、トランシーバー(スイッチOFF)
[思考・状況]
基本行動方針:ゲームに乗った参加者の無力化、荒木の打倒
0.二人に第二回放送と徐倫のことを聞く
1.仲間を捜す(徐倫は一番に優先)
2.殺し合いに乗った奴ら、襲ってくる奴らには容赦しない
3.ウェザー…お前…
4.徐倫に会った時のために、首輪を解析して外せるようにしたい
5.アラキを殺す
6.あの穴を作ったのは誰だ?
7.徐倫に会えたら特別懲罰房へ行く…のか?
[備考]
※マウンテン・ティム、ティッツァーノと情報交換しました。
 ベンジャミン・ブンブーン、ブラックモア、オエコモバ、ブチャラティ、ミスタ、アバッキオ、フーゴ
 ジョルノ、チョコラータの姿とスタンド能力を把握しました。
※ティッツァーノとの情報交換で得た情報は↓
 (自分はパッショーネという組織のギャングである。この場に仲間はいない。ブチャラティ一派と敵対している。
  暗殺チームと敵対している。チョコラータは「乗っている」可能性が高い。
  2001年に体に銃弾をくらった状態でここに来た。『トーキングヘッド』の軽い説明。)
  親衛隊の事とか、ボスの娘とかの細かい事は聞いていません。
※マイク・Oのスタンド能力『チューブラー・ベルズ』の特徴を知りました。
※アラキのスタンドは死者を生き返らせる能力があると推測しています。
※ラバーソールとヴェルサスのスタンド能力と容姿を知りました。
※ティッツァーノの『トーキングヘッド』の能力を知りました。
※デイパックには『トーキング・ヘッド』入りの水が入っています。
※首輪は『装着者が死亡すれば機能が停止する』ことを知りました。
 ダイバー・ダウンを首輪に潜行させた際確認したのは『機能の停止』のみで、盗聴機能、GPS機能が搭載されていることは知りません。
※ヴェルサスの首筋に星型の痣があることに気が付いていません
※自分達が、バラバラの時代から連れてこられた事を知りました。
※ヴェルサスとティッツァーノも穴に落ちたと思っています。
※ダイバーダウンが義足になっています。(原作神父戦でウェザーにやったように)
 その為、スタンドの行動に制限があると思われます(広範囲に動き回れない等)。
 その他の細かい制限は後の書き手さんにお任せします。


[備考]コロッセオ地下は駅ホーム以外は遺跡(7、8巻参照)のような構造になっています。
   コロッセオ駅の線路が一部破壊されました。電車の運行にどの程度影響があるかは後の書き手さんにお任せします


  ★

290 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 18:35:21 ID:yY7UjahK
「僕は何をやってるんだ……」

ジョナサンは、ブチャラティから速足で逃げ、今なお走り続ける。
『スティッキィ・フィンガース』の能力の恐ろしさは、以前身をもって味わった。
例え重傷の身でも、手足を失うリスクがあるのは変わらない。ゆえに、闘争より逃走を取ったのだ。

「これは、こんなのは逃げだ」

しかし、そう、逃げだ。
ジョナサン・ジョースターはブローノ・ブチャラティの気迫に恐れをなした。
このことが紛れもなく一要因として働いているし、当人も自覚している。
目的から遠ざかる行為でしかない、と。

「目を覚ませ、ジョナサン・ジョースター!
 お前が全てをなかったことにするって誓いは! 全て打ち砕くって誓いは! この程度の弱さなのか!」

頬を叩いて言い聞かせても、吐きだされる呼気は相変わらず荒れている。
前に進むための足は、目立った怪我も疲労もないのにどこかおぼつかない。
ついに跪き、息を整える。
こうしている間にもブチャラティが追ってきているかもしれないのに。
蛇に睨まれた蛙のように身動きをとれず、肩を抱えて震える。

「何でこうも苦しい……!? やり方が変わった、それだけのこと!
 他に目的は出来たけど、荒木に辿り着くためには、必要な事なんだ!」

今となっては死ぬことさえできない。
何もかもなかったことに出来る、自分にならそれが出来ると、希望を見出してしまったから。
ジョナサンは認めようとしない。新しい決意には、新しい痛みが伴うことを。
反省すべきは認識の甘さ。

ここには彼が目指した紳士の面影も、あえて悪を貫く戦士の姿もない。
惑い、歩む道も見出せない巨躯の男がいるだけだ。


  ★


『本当に、空条承太郎ってやつとその仲間を殺せば』

『ああ、一億ドルは君のものだ。殺害の手段は問わない』

『そいつはとってもお得な仕事ですね、ヒヒ』

『油断するなよ。既に何人か刺客を送り込んだが、誰一人欠けることなくここへ近づいてきている』

『心配せんでくださいよ、『黄の節制』に弱点はない』

『……試してみるか?』

『! ひっ……ひぃっ!』

『やれやれ……ここで私を倒せば報酬以上の金が手に入ると思ったか。
 これに懲りたら二度とそのような愚かな考えは起こすな。さもなくば……』

『ハァー、ハァー、ハァー……!』

『私がお前を殺すぞ』


  ★

291 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 18:37:16 ID:yY7UjahK
「くっ……」

未だジョルノの脳裏に焼きつき、時たまフラッシュバックするラバーソールの記憶。
――正確には、自らの父親『帝王DIO』の片鱗だが。
底の見えないドス黒さ、計り知れない恐怖に鳥肌が治まらない。
一度の対面しかしていない彼の記憶でさえ、上に立つべき支配者の圧倒的な印象が集約されていた。

「ディオ……良かった……」
「馴れ馴れしくするな! うっとうしい!」

それもこれも、この『ディオ』の未来の姿。
ラバーソールの記憶を頼りに塔の頂上へいくと、面影こそあるものの似ても似つかぬ未来のDIOがいた。
参加者間の時間のズレを知り、ラバーソウルの記憶を見ても、ジョルノはどこか信じきれない。
しかし、目をそむけることは出来ない。彼の聡明さは全てを見渡さんばかりに開かれている。

「プッチ神父。僕はいったんコロッセオに戻ります。
 吉良さんがまだ戻ってきません。何らかのトラブルがあったのかも」
「正直に言ってくれても、私は構わない」

俯き思案するジョルノだったが、そうまで言われて引くことはできない。

「……わかりました。出会った時からそうでしたが、僕はあなたを信用できない」

神父は狼狽するわけでもなく話を聞く。強いて言うなら、僅かに眉間にしわを寄せる程の変化しかなかった。
その返答を想定していたか、していた中でも悪くない部類の答えだったのか。
二人の間の空気は変わらない。ただ、プッチが次に何を発するか考えあぐねているのみだ。

「DISCの件をあなたが知らなかったということもあり得ますが、僕はそんな答えでは納得できません」

なので、先にジョルノが自らの発言を補足する。

ジョルノ・ジョバァーナには、ギャングスターになるという夢がある。
私腹を肥やすためだけに人々に――例え子供相手でも――麻薬を広めるようなボスを許せないから打倒する、そんな夢が。
目的のためには他の痛みなど省みないDIOは、パッショーネのボスと同じなのだ。
それが分かっていてプッチに協力するのは、黄金のような夢に反する真似だ。

自分の父親であろうと――実感が薄いのもあるが――ジョルノがこのことを黙認できるはずがない。

「私の配慮不足、それは認めよう。だがここを去ってどうする? 誓いの約束は?」
「どうするかはあなたが示すことです。目的が一致するなら、戦う必要はありません。
 誓いは、由花子さんとラバーソウルは非協力的ですし、吉良さんだってまだ戻ってこないんですからそもそもできませんよ」

だが何も今すぐ敵対するわけではない。
脱出に人手はいるだろうし、むやみやたらに敵を増やす必要もないのだから。

「スピードワゴンさんも連れて行きます。あなたが疑わしいと言うのなら僕が監視に付きましょう。構いませんね?」

292 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 19:00:38 ID:yY7UjahK
不信感が現れていないということはないはずだが、なぜかプッチはジョルノを信頼している。
ジョルノにはそれが不思議で、なお且つ不愉快だった。
自分を『あの』DIOに重ねようとしているのなら、迷惑なことこの上ない。
しかし、その信頼を逆に利用することで、スピードワゴンの無事は確保できる。

暫しの黙考を経て首肯するプッチを確認し、足早にジョルノは塔を去る。
プッチはその姿を目で追い続ける間、ある問いを自分に投げかけた。

(結局、彼もジョースターの血統ということか?)

当然と言えば当然だ。と言うより、わかりきっていたこと。
肉体はジョナサン・ジョースター。DIOの影響はあってもDIOの血を完全に引き継げやしない。
DIOの息子と認識するのは筋違いもいいところ。

あるべき未来におけるエンリコ・プッチは、DIOの息子たちを『天国へ押し上げる存在』としか認識していなかった。
彼らの命はそのためにあり、そうするのが何より幸福な生きる目的であると。ジョースター家もそれに含まれる。
しかしここにいるのはDIOの意思が融合したプッチではない。故に甘さが出る。ジョルノにそこを利用されようと尚。

(だが私は諦めない。彼には、私とDIOの深遠なる目的を必ず理解させる)
「プッチ……プッチ! 聞いているのか!」

一層決意を固めるプッチを遮るように、ディオが叫ぶ。
ディオは、プッチらが自分が知らない話を進めていることに憤慨しているのではない。
彼にとっては、目の前の小事より自分の大事だ。

「俺を陥れたユカコと変装男はどこだと聞いている!」
「由花子は館を去った。しかし、その相方は拘束済みだ。下らぬ企みの裁きは君に任せる」

怒りを隠しきれないのはプッチも同じだ。
由花子とラバーソールの計画は記憶DISCから読み取れた。
よもや共謀し、ディオを殺し合いで優勝するためのまき餌にしようとは。
知っていれば、あの場で絞め殺していただろうに。

「奴らには、この俺の誇りを傷つけた報いを受けさせるッ! 必ずな!」

ここに帝王の姿はない。
あるのは、誇りからは程遠い自尊心に満ちた、怒り狂う青年だ。


  ★

293 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 19:02:31 ID:yY7UjahK
「どうしたもんかな……」

周囲の警戒に当たるウエストウッドをよそに、岸辺露伴がつぶやく。

あくまで彼は普段『ヘヴンズ・ドアー』を『読み取る』目的で使う。
人の心を盗み見てでも知りたいという好奇心がそうさせたのだ。
『書き込む』のは必要があるときしかしない特例。
だからこそ、何を書けばどこまでやれるとか試したことはないし、今現在だって思い悩む。

(例え危険でも、彼の人間性を失わせることはなるべくしたくないからね)

そして岸辺露伴が取った暫定的措置。
治療できる場所へ運ぶ云々の記述を、『岸辺露伴を信頼する』に書き換えた。
命令を遵守し、自制を効かせられない事態を避けるためだ。

『殺し合いからの脱出に平和的に協力する』などと欲張った命令は下さない。
それは彼の持つ凶暴的な面を否定し、リアルを失わせ、人生を偽物にすることに繋がるからだ。
殺人は見ていていい気分するものではないから止めるが、他人の人格を変えてまでする気はない。
更生は、警察とか法に委ねるべきだ、と。看守である彼に更生と言うのもおかしな話ではあるが。
とにかく、リアリティを保ちたいがゆえに岸辺露伴は悩むのだ。

しかし、良かれと思ってやったことが大きな痛手にもなりうる。
これだと、疑わしい者にも鉄拳制裁で対応してしまうかもしれない。何かほかにいい書き込み方は。

「答えが出ないな。それより、あいつに放送のこと聞く方が先だね」

地図を見る気はなかったが、禁止エリアは死活問題だ。
魂を賭けはしたものの、自分の与り知らないことで命を奪われるつもりはない。
都合良く青年も通りかかった。血に塗れているのが気になるが、いざとなればスタンドを使えばいい。

「おい、そこの君! 二回目の放送聞き逃したんだけど、教えてくれないかい?」
「すいません。僕もほとんど聞き逃しちゃって……知ってる分だけでも教えましょうか?」
「ああ、頼むよ」

その言葉に露伴は舌打ちたい気分になるが、紳士的対応に免じて抑えを効かせた。
名簿を開き、青年が寄ってくる。

「えっとですね、まず死者が……」


――ヒュン

294 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 19:04:36 ID:yY7UjahK
露伴の耳に空を切る音が入るのと、ウエストウッドが青年を殴ったのは同時だった。
首だけ動かし、ウエストウッドを見やる露伴。
ウエストウッドが作り出すは、拳にした右手と、青年の整った手刀を抑える左手。
青年に殺意があったと認めるには十分な証拠。

「ウラァ!」
「チィ……!」

そこからウエストウッドは、剛体を生かした強烈な体当たりで追撃。
手放し放り投げたジュースが天よりぶちまけられ、両者を濡らす。
転げ回り、共に飛び跳ねるように起き上がる。
間合いが開く。攻めに転じる前にウエストウッドが叫ぶ。

「ロハン、とっとと逃げろ!」
「その言葉に甘えさせてもらうかな……!」

先のタックルで、『ヘヴンズ・ドアー』の能力射程外程度の距離がおかれた。
肉弾戦となると車椅子の世話になっている自分にはつらいものがあるし、命令のせいでウエストウッドが露伴を庇う必要性が生じる。
露伴にとってここは離れるのが得策。
慣れない車椅子の操作でその場を離脱する露伴。

「殴る相手がいなくなってウズウズしてたとこだぜ! スカッとキレまくってはらしてやる!」

青年――ジョナサンが構え、深呼吸を始めたことで、火蓋は切って落とされた。


  ★


「なあ、ジョルノ。ディオのことを聞かせてくれってのは別にいいんだがよ。
 その前に俺はお前が何者なのか聞かせてほしいぜ」

タルカスに断わりを入れ、門番のリンゴォに軽く挨拶し、二人はDIOの館を出た。
ホル・ホースとの約束はまだ猶予があり方向も同じなので、スピードワゴンはジョルノの事情を優先することに。
しかしそれも火急の用事ではないから、これくらいの雑談は許されるだろう。
そう踏んでいたスピードワゴンだが、肝心要のジョルノは少し憂鬱気味だ。
無理に答えなくていいんだぜ、と遅めのフォーローを入れても、沈む表情が締まることはない。

「僕は……」

295 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 19:07:49 ID:yY7UjahK
答え難い質問。

『俺は、ディオの敵だッ!吸血鬼ディオの!』

こうまで言われた後で、『僕はDIOの息子です』と言える無神経さをジョルノは持ち合わせていない。
吸血鬼――およそ悪の存在として用いられる、いいイメージのない言葉。
親だの血筋だので人を決めてほしくはないとジョルノは考える。
トリッシュだってボスの娘という理由で忌避はしなかったし、襲いかかる奴らは打ちのめしてきた。
しかし、スピードワゴンがどう判断するかは分からない。断言するに足る証拠がないのだから。

二人の沈黙は、他者の乱入によって破られた。

「君たち、悪いけど僕を押して行ってくれないか?
 暴漢に襲われたんだ。仲間が戦ってるけど、今の僕が追われるとまずいだろう?」

持ち前の器用さで車椅子を操る、岸辺露伴に。

「……スカッとキレまくってはらしてやる!」
「コオオオオオオ!」

間髪いれず交錯する、己を鼓舞するかのような怒声と吸気。
どうやら戦場はさほど離れていないらしい。
ジョルノとスピードワゴンは同時に振り向いたが、スピードワゴンの場合は事情が違った。

(あの深い呼吸音は、ジョースターさん!)

自然のエネルギーを取り込むかのような独自の音は、波紋の呼吸。
そこからスピードワゴンが導き出した答えは一つ。

「ジョルノ! そいつを連れて逃げろ!」
「スピードワゴンさん!」
「なあに、心配なさんな! 向こうで戦ってるのは俺の知り合いなんだからよ!」

岸辺露伴の仲間はジョナサン・ジョースターである、と。

しかし現実は非情である。
襲いかかってきたのはジョナサンで、襲われたのはウエストウッド。
ジョナサンは殺人止むなしの立場で、ウエストウッドは逆。
誤解から生まれた争いでも何でもない。
スピードワゴンは勘違いしている。不幸な事に、露伴もジョルノもそれに気づけない。
看守とチンピラが知り合いというのは少し考えればおかしいと思うはずだが、生憎非常事態でそんな余裕がなかった。

296 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 19:09:54 ID:yY7UjahK
こうしてはいられないと、迷いなくハンドルを握るジョルノ。
目的地は変わらない。

「島があるのにも驚いたけど、コロッセオまであるとはね。
 ……って、おいおい、もしかしてあのコロッセオに行こうっていうのかい?」
「その通りです」
「冗談じゃあないよ! あんな目立つところ」

目立ち、人が集まるばなら、その分取材が出来る。
その点に関しては喜ばしいが、身動きが制限されるなか、自分から中心地へ向かっていくつもりはなかった。
焦る露伴とは対照的に、椅子を押すジョルノは自らの平静たる所以を答える。

「奇襲される可能性ですか? まずないです、番人がかなり強いんですから」


【D-3/1日目 午後】
【岸辺露伴】
[スタンド]:ヘブンズ・ドアー
[時間軸]:四部終了後
[状態]:右肩と左腿に重症(治療済みだが車椅子必須)、貧血気味(少々)、右腿にアトゥムの右足首
[装備]:ポルナレフの車椅子
[道具]:基本支給品、ダービーズチケット
[思考・状況] :
基本行動方針:色々な人に『取材』しつつ、打倒荒木を目指す。
0.一先ずジョルノと一緒にコロッセオへ避難。
1.“時の流れ”や“荒木が時代を超えてヒトを集めた”ことには一切関与しない
2.後でダービーのところに戻り決着をつける。その際色々取材したい
3.隕石を回収……ああ、そんなのあったね
[備考]
※参加者に過去や未来の極端な情報を話さないと固い決意をしました。時の情報に従って接するつもりもないです。
 ヘブンズ・ドアーによる参加者の情報を否定しているわけではありません。 具体例は「知りすぎていた男」参照。
※名簿と地図は、ほとんど確認していません(面倒なのでこれからも見る気なし。ただし地図は禁止エリアの確認には使うつもり)
※傷はシーザーのおかげでかなり回復しました。現在は安静のため車椅子生活を余儀なくされています。
※第一放送、第二放送を聞き逃しました。
※右腿に食い込んでいるダービーの足首は、露伴の足をつぶす程度のパワーはあるようです。異物感、痛みなどは全くありません。



【ジョルノ・ジョバァーナ】
[スタンド]:『ゴールド・エクスペリエンス』
[時間軸]:メローネ戦直後
[状態]:健康、精神疲労(中)、トリッシュの死に対し自責の念、プッチからの信頼に戸惑いと苛立ち
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品0〜3
[思考・状況]
0.コロッセオへ行き、エシディシにプッチとの協力を断ち切る旨を伝える。
1.『DIO』は吐き気を催す邪悪なのでは?
2.トリッシュ……アバッキオ…!
3.ディオに変な違和感(父という事には半信半疑)→未来のDIOには不信感。
4.吉良に不信感。彼の真意を知りたい
5.ジョナサンの名前が引っ掛かる
6.プッチとエシディシに対して不信感(プッチは特に)
7.プッチとエシディシを警戒。プッチを放っておくのはまずいが、彼は疑わし過ぎる

297 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 19:11:09 ID:yY7UjahK
[備考]
※ギアッチョ以降の暗殺チーム、トリッシュがスタンド使いであること、ボスの正体、レクイエム等は知りません。
※ディオにスタンドの基本的なこと(「一人能力」「精神エネルギー(のビジョン)であること」など)を教えました。
  仲間や敵のスタンド能力について話したかは不明です。(仲間の名前は教えました)
※彼が感じた地響きとは、スペースシャトルが転がった衝撃と、鉄塔が倒れた衝撃によるものです。
  方角は分かりますが、正確な場所は分かりません。
※ジョナサン、ジョージの名前をディオから聞きました。ジョナサンを警戒する必要がある人間と認識しました。
※参加者が時を越えて集められたという説を聞きました
  (他の可能性が考えられない以上、断定してよいと思っています。ただし、ディオが未来の父親であるという実感はありません)
※「吉良はスタンド能力を隠している」と推測しています。
※ラバーソウルの記憶DISCを見、全ての情報を把握しました。


  ★


「てめえ、何モンだ」
「貴様に名乗る名前はない!」

正確には名乗る名前は捨てた、だ。
これから拳で語り合う二人にとって、互いの名など些事なのだろうが。
ジョナサンは既にマシンガンを手放した。構える隙あらば先のようにタックルが飛んでくると判断してのこと。

「まあいいや。見えるぜ、お前の長所が。
 血管……血液か? そこから何重もの波が見える。美しい波がな。それがお前の最強のパワーか?」

波紋のことだろう。
何故分かったとは言わない。ジョナサンにも見えていたから。
ウエストウッドの右腕が放つ、金剛石のような輝きが。
原理だの理屈だのは気になるが後回しだ。

「ジョースターさん! 加勢するぜ!」
「ジョースター? それがお前の名前か?」
「名乗る名前はないと言ったはずだッ!」

乱入者スピードワゴンは、この言葉を聞いて更に誤解を深化させる。
奴は、誇りあるジョースターの姓を名乗る必要がないほどの外道なのか、と。
スピードワゴンはデイパックのファスナーを素早く切開、布切れを取り出す。

「ジョースターさん、これを!」

ジョナサンにマフラーを投げつけるスピードワゴン。
戸惑いつつも首に巻くジョナサンを、ウエストウッドはただ見ていた。
マフラーなんぞ着けたら、引っ張られて首を絞められる危険が付きまとう。
しかし、そんなやり方でウエストウッドは満足しない。
ロハンに拳を向けた罪は、体で払ってもらわねば気が済まないから。
そこに憂さ晴らしや最強証明という実益も兼ねているが。

298 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 19:12:35 ID:yY7UjahK
「ウリィア!」

先手はウエストウッドの鋭いフック。ジョナサンは上体を後ろにそらして回避。
低い体勢のまま右足を踏むように突き出し、膝を狙う。
ウエストウッドは隙ありとばかりに、足を掴みにかかる。
まずいと察したジョナサンは、エネルギーを後方に集中、更に仰け反ることでバック転。
刈り取るように、ウエストウッドの顎につま先がクリーンヒット。

「う…うまいッ! 回避動作がイコール攻撃に繋がっているぞ!」

スピードワゴンは称賛したが、これには弱点がある。
目線ががめまぐるしく変化し、視界に相手をとらえるのが難しくなることだ。
しかし顎は脳に衝撃がダイレクトに伝わる部位、そうそう反撃は食らうまい。

と、ジョナサンは油断した。

ウエストウッドが持つ、執念ともとれるタフネス。
それは、『ストーン・フリー』の重い一撃一撃を耐え忍び続けた程だ。
ここでノックダウンとはいかない。

「ウシャアアアアアッ」

寧ろ反撃に転じてみせる抜け目のなさ。
ウエストウッドの右から飛来する自慢の拳。ジョナサンは着地したばかりで次の動作に移れない。
せめて出来る抵抗は、波紋でダメージを最小限にすることぐらいだ。
ジョナサンのボディを正確に捉えた右の拳は――

「グウゥ!」
「これは……!」

――岩に阻まれたかのように固まっている。
実際、阻まれた。
偶然ジョナサンの胴部にはためいたマフラーによって。

「波紋を100パーセント伝える糸で編んだマフラーらしい! これで鬼に金棒よお!」

299 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 19:14:15 ID:yY7UjahK
ジョナサンの波紋エネルギーは全力でなくとも並大抵ではない。
弛まぬ努力と、ウィル・A・ツェペリから受け継いだ生命エネルギーの賜物。
それを100%込めるとなれば、マフラーはたちまち鋼鉄と化す。

「うおおおおおおお!」

これは好機と、ジョナサンは怒涛の連打を繰り出す。
磨かれたように滑らかなウエストウッドの肉体に、クレーターを形成するように。
歯が飛び散り、血反吐が撒かれようと。
巨体ゆえ吹き飛ばないのを利用し、ひたすらに殴る殴る殴る。
反撃の隙など微塵もない。
決まった、これで終わりと、見守るスピードワゴンのみならず、ジョナサンも確信していた。


突如、焼けつくような音と肉が焦げるような臭い。
ジョナサンの右肩と左腿に走る激痛。


ラッシュを止めるジョナサン。音源の肩を確かめる。
深く抉り取られていた。

「な……!?」

一体なぜ? どうやって? 言ったところでウエストウッドは答えてくれやしない。

「ジョースターさん……火の玉だ! 信じ難ぇが、上から降ってきやがった!」

それは、観察者たるスピードワゴンの役目だ。
火の玉――スピードワゴンの言葉が比喩でも何でもないとすれば、焼けた傷跡も確かに説明がつく。
同時に、ジョナサンは自らの不利を悟った。
マフラーが波紋で強度を上げられるとしても、所詮糸、肉焦すほどの熱には耐えられまい。
戦場が開けているので壁に出来そうなものもない、場所を移れば――

「もらったァァァ!」
「しまっ……!」

思考を策の構築に分断されたために、波紋も防御もままならずハイキックを入れられるジョナサン。
その巨体が宙を舞う。

「もうてめ〜は『隕石』から逃れることはできねぇんだああああああ――――っ」

300 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 19:16:23 ID:yY7UjahK
ジョナサンの眼前に迫る、空気が揺れて見えるほどの熱量を内在させる火球、複数。
回避? わかっていても、空中で自由な動作など取れるはずがない。
防御? 取ったところで、何発と耐えられる威力ではない。
では――無理? 死?

「くおおっ!」

結末を語るにはまだ早い。
スピードワゴンが盾になり、隕石を防いだからだ。
腹部に隕石をとらえ、ジョナサンには当てまいと必死でこらえる。
ツェペリの腕の氷を溶かした時のような勇気を持って。
今度こそ手遅れにはなるまいと、足手まといにはなるまいと。

しかし、弾丸を軽く超える速度を宿した相手だ、すぐさま吹き飛ばされる。
覚悟が功を奏したか、ジョナサンへの直撃ルートから軌道をそらすことには成功した。
モロに衝撃を食らったスピードワゴンは、

「アチチッ、いってぇ〜……死ぬかと思ったぜ」

無事。

スピードワゴンとて考えなしに突っ込んでいく馬鹿ではない。
服の裏に最後の支給品『植物イラスト図鑑』を仕込んでいたのだ。
そこそこの厚さで、一回限りで燃え尽きたものの隕石の軌道をそらすのには成功した。

「ジョースターさんにばっかり……いいカッコさせて、たまっかよォ!」

支給品を確かめた時は『荒木は本当に殺し合いをさせたいのか?』と首を傾げたが、ここにきて役に立つとは。
しかも、そらした隕石が辿るコースはウエストウッドの顔面。
起き上がることはできないが、ここまでやったならその必要もない。

「勝った!」

隕石は――ウエストウッドの眼前で灰塵と化した。

「何だってェ――!」

叫ぶスピードワゴンを無視し、ウエストウッドがむくりと起き上がる。

「何だか……力がうまく出せねぇが、隕石はちゃんと俺の方に落ちてくる。だったら問題ねえよなあ?」

301 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 19:18:47 ID:yY7UjahK
この場にはいないのでどうしようもないが――岸辺露伴はあるミスを犯した。

露伴はウエストウッドに『人を殺せない』と書き込んだ。
確かに彼自身は人を殺すほどのパワーを発揮できない。
しかし、『プラネット・ウェイブス』が引き寄せた隕石は別。
隕石はあくまで引き寄せるだけ。
更にスタンドをつい最近使えるようになったばかりで降下する隕石のサイズが自由自在とはいかず、目の前で必ず燃え尽きる制約もある。
そのため、『隕石=ウエストウッドの攻撃』とは取れない。
つまり――隕石中心の攻撃に切り替えれば、ウエストウッドは問題なく人を殺せる。少なくとも重傷は負わせられる。
思うように馬力が出せない彼は、そうせざるを得ない。

「邪魔してくれやがって、はらしてやる」

のしのしと、スピードワゴンに近づいていくウエストウッド。
眼中にないつもりだったが、また止めを刺そうとしたところで邪魔されたらたまらない。
最強証明が阻まれたことに憤りを感じたのだろう、青筋がはちきれんばかりに脈打っている。

対するスピードワゴンは、怒りを買ったと分かっていながらも動けない。
身代わりになった際、隕石の衝撃までは殺せず肋骨を折ってそれが臓器に刺さってしまった。
世界中を旅してまわり、「食屍鬼街」にて数多の悪党を執り成してきた彼とて、ただの人間。
人を超越した存在でも、側に立つ者使役する超能力者でも、卓越した技術者でもない。
為す術なし。

「待、て」

幽鬼のようにふらりと立ち上がるは、ジョナサン。
闘士の炎は未だ勢いを衰えない。

「お前の相手は、僕だ」

強気でいるものの、ジョナサンの容態はひどいと言わざるを得ないだろう。

波紋は、血液や体細胞から波を発生させる技術。
肩と腿を負傷し、出血は波紋でフォローしてもなお夥しい。
波紋エネルギーそれ自体が出血によって衰えているのも、コンディションの悪化に拍車をかける。

無論、ウエストウッドはそれを『サバイバー』の効果で見抜いている。
波の勢いが弱まり、筋肉はどす黒く映っていることだろう。
だからと言って敵に情けをかけるような男ではないが。

302 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 19:20:19 ID:u1twGCab
 

303 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 19:42:49 ID:0idrYF1M
支援

304 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 20:06:36 ID:yY7UjahK
「第二ラウンド。いや……最終ラウンドか」

呼吸の荒いジョナサンに対し、ウエストウッドの表情からは余裕が見て取れた。
パワーに劣ると自覚した今、無暗にジョナサンに近づく必要はない。
一定の距離を保って隕石を落とし続ければいいだけなのだから。

ウエストウッドはなかなか動こうとしないジョナサンに業を煮やし、フラフラと脱力しながら近づいてみせた。
ついには両手を広げてノーガードの体勢をとる。
罠だ、ムキになって襲いかかるのを待っているんだ、スピードワゴンが叫ぶもジョナサンは聞く耳持たず。
何としても一打をもぎ取らねばと、踏み込んで放った渾身のブロー。
しかしそれより鋭いものを何発と喰らった身だ、既に見切られている。宙を漂う羽毛のように軽々とかわされること数回。
やがて訪れた体制の崩れを、ウエストウッドは見逃さない。
カウンターとして、ジョナサンにアッパーカットのような上段回し蹴りが刺さる。

「とどめが来たぞォ―――ッ」

刹那、ジョナサンの背後から、ごうと音立て迫る火球。
直撃すれば、今度こそ命はない。

直撃すればの話だが。

「うおお、おおおおおお!」

しかし、ジョナサンは! 隕石を首から外したマフラーで受け止めた!
波紋で強化しようと、拮抗状態は長く続かないはずなのに。
だが、絶え間なくガリガリと何かが削れるような音で、スピードワゴンはすぐさま察した。

「マ、マフラーの中に石が!」

スピードワゴンが隕石を防いでいる合間に、ジョナサンは石をマフラーに包んでいたのだ。
軌道が逸れ、隕石とともに石を詰めたマフラーもウエストウッドの顔面向けて飛んでいく。

「やった! あれなら燃える球が消えても、マフラーに詰めた石はあの野郎に向かう!
 波紋で強化しているからかマフラーに火が燃え移るのも遅い! 攻守において完璧だ!」
「とでも思ったか!」

305 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 20:07:36 ID:yY7UjahK
自信たっぷりに解説するスピードワゴンだが、ウエストウッドもまた満面の笑みを浮かべる。

「やっぱりてめ〜もクズだ! FE40536と同じ手を使うクズだ!」

このウエストウッドが空条徐倫と戦う以前の彼なら、ここで勝敗が決していただろう。
だが彼は知っている。自分が敗北を喫したこの作戦を知っている。

「この距離なら追撃はできねえ! 残念だったな!」

凄まじいスピードを有する石包みのマフラーは、そうそう避けられるものではない。
しかし似た作戦で一杯喰わされたウエストウッド、同じ轍は踏むはずもなく。
なまじ威力を知っているために、全神経を回避運動に注ぐ。

「当たる面積を最小限にッ!」

回避と言っても完全には無理、致命傷を避けるのに成功すればそれでいい。
リンボーダンスのように、上体を地面と水平に。
包みは耳をかすり、こめかみを焼き、頭皮を剥がし――そこで通り抜けた。
こうまですれば隙だらけだが、蹴りで距離を稼がれ、マシンガンを手放したジョナサンに遠距離攻撃の手段はない。

「勝った! 次の隕石で終わりにしてやるぜええええええ!」
「いいや、お前に次なんてものはないね。手の内を隠していたのは僕も同じだ!」

だがジョナサン・ジョースターには、リーチの問題を埋める『手』が存在する。

「ズームパンチ!」

関節をッ! 関節をはずして腕をのばすッ!

非常識的な現象にウエストウッドは目を見開くが、注意が向いていなかったゆえ拳の到達を許す。

しかしジョナサンが腕を伸ばしたのは、殴るためではなく、ウエストウッドの胸ぐらを掴むため!

「ふるえるぞハート!」

引き寄せて、射程圏内に。

「燃え尽きるほどヒート!」

次の隕石は、間に合わない。

「山吹色の波紋疾走!」

306 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 20:09:14 ID:yY7UjahK
雨あられの如くウエストウッドに振りかかる幾千もの拳。

頭蓋を叩くように、肋骨を砕くように、肩を外すように。何より戦意を折るように。

完膚なきまでに、二度と立ち上がることのないようひたむきな猛打の応酬。

微塵の隙も与えず叩くさまは、例えるなら拳の絨毯爆撃。

ついにウエストウッドの厳つい容貌が見る影もなくなり、突風に煽られたかの如く宙を舞った。


  ★


「さすがだぜ、ジョースターさん」
「せっかくのマフラーを燃やしちゃったけどね」

ジョナサンはマシンガンを回収しつつ、スピードワゴンと互いを讃え合う。
スピードワゴンが服に物を仕込んで隕石を防ぐ様子を見ていたからこそ、ジョナサンはあの策を思いつけた。
ジョナサンとスピードワゴン、どちらが欠けていても出来なかったことだ。
波紋を伝えるマフラーを失ったのは痛いが、勝利には代えられない。

「いいってことよ。さあて、俺っちも、起き上がるとすっかな」
「無理しなくていい。君はそこで寝ていてくれ」
「おいおい、言ったじゃあねえの。俺は、ジョースターさんにばっかりいいカッコさせるつもりは」

――遮り、発砲音。

スピードワゴンの温かい言葉に対し、ジョナサンは鉛玉で答えた。
弾丸は心の臓を貫通。念押しに首にもう一発。

「いいんだ、君はそんなことを考える必要はない。君も……ね」

振り向き、大の字で寝転がるウエストウッドに銃口を向けて言う。
起き上がることはせず、ぜんまいが切れたかのようにきりきりと、首を動かすウエストウッド。
抵抗が出来るはずもない。

「こんな……カス、野郎に」

唯一動く口で悪態付くほかなく、掠れた声と相まって惨めだった。
波紋による攻撃はあくまで対屍生人、対吸血鬼用のもの。人間相手では普通に食らわせてもしびれる程度。
だから、銃弾で確実に息の根を絶たねばならない。
銃口はジョナサンの心境を表すかのように、まるでぶれない。

307 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 20:10:52 ID:yY7UjahK
「俺……が、さ、い……きょ」

言い切る前に、喉に銃弾が刺さる。
とめどなく血の川が流れようと関係ない。光を失ったうつろな瞳に、一発。
絶え間なく広がる血の湖にも動じない。もう動くことのない右肩に、一発。
目を痛めそうなほどの朱が視界を占めても、引き金動かす力は衰えない。膨れたドテッ腹に、一発。
そうまでしておきながら、ジョナサンは一仕事終えたかのような充足した面立ち。
英国紳士を目指したかつてのジョナサンとはかけ離れた姿。

「なんて晴れ晴れとした気分なんだ……。今なら誰にでも勝てそうだ!」

ジョナサンが『サバイバー』入りジュースを被っていなければ。
スピードワゴンに止めを刺していたか分からないし、ウエストウッドに勝てなかったかもしれない。
幸か不幸かの判断をここで下すのは時期尚早。
だが、今のジョナサン・ジョースターは不十分な覚悟を過剰な闘争心で補っているにすぎない。
ひとたび『サバイバー』が解ければ、おそらくその心は傾いてしまうだろう。
戦意を失う可能性が付きまとっていることは充分に不幸。その間に本物の決心がつけば話は別だが。

「さて。荷物は出来る限り軽くしたいから、使える物だけ取っていこう。早く傷の処置もしたいし」

スピードワゴンのデイパックを開けると、包帯が目についた。
怪我の治療をしたいジョナサンにとって有難かったが、どちらかと言うと武器を欲していたジョナサンは内心がっかりする。
強力な武器なら既に使っていてもおかしくないかとつぶやき、今度はウエストウッドのデイパックをあさる。

「つぅ……! 針か?」

びくり、と犬に噛まれたかのように鞄から素早く手を出す。
再び恐る恐る手を入れ、ゆっくりと引きぬかれたのは、トゲ付きのメリケンサック。
拳主体の戦闘スタイルをとるジョナサンとはなかなかの良相性。
しかし銃に勝るアドバンテージは得られまいと、これもデイパックにしまうことにした。
これくらいかなとひとりごち、その場を去ろうとしたが、銀の光が目に入る。
ウエストウッドの頭部に、枕のようにしかれたものが日光を反射したらしい。

308 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 20:13:02 ID:yY7UjahK
「これは何だ? グニャグニャしてて生温かいけど……これくらいなら持っていても苦にはならないかな」

デイパックに円形の『それ』をしまうジョナサン。
――そう、『それ』は『プラネット・ウェイブス』のスタンドDISCだ。頭部を強打した際、抜け落ちたもの。



ひとりの囚人は壁を見ていた。

もうひとりの囚人は鉄格子からのぞく星を見ていた。

箱庭の囚人、ジョナサン・ジョースターは――空に煌めく星を見るか?



【ヴィヴィアーノ・ウエストウッド 死亡】
【ロバート・E・O・スピードワゴン 死亡】



【D-3/ 1日目 午後】
【ジョナサン・ジョースター】
[時間軸]:エリナとのハネムーンでアメリカに向かう途中の船上でワンチェンと遭遇する直前
[状態]:波紋の呼吸、サバイバー状態、唇と右手から少量の出血、鼻の骨折、右肩と左ももに隕石による負傷(いずれも波紋の呼吸で治療中)、
    顔と体中が血とジュース塗れ、ブチャラティの眼光に恐怖(サバイバーの効果により和らいでいる)
[装備]:“DARBY'S TICKET”、サブマシンガン(残り弾数不明)
[道具]:デイパック*3、不明支給品1〜5(全て未確認)、メリケンサック、エリナの首輪、エリナの指輪、ブラフォードの首輪、
    ダニーについて書かれていた説明書(未開封)、民家で見つけた包帯、『プラネット・ウェイブス』のスタンドDISC
[思考・状況]
基本行動方針:優勝し、荒木に全部なかったことにして貰った後、荒木を殺す
0.――――ただ、全て打ち砕くだけだ
1.適当なところで怪我の治療をしたい
【備考】
※ジョージ・ジョースター一世を殺したと思い込もうとしてます。
※精神的動揺が及ぼす波紋への影響は、『サバイバー』の効果で戦闘に支障が出ない程度に回復しました。
 ジュースが渇くなどすれば、サバイバー状態は解けるかもしれません。

※ウエストウッドの支給品は、『サバイバー』入りペットボトルジュース2リットルとメリケンサックでした。
※スピードワゴンの最後の支給品は、植物イラスト図鑑でした。隕石により燃えてなくなりました。
※リサリサのマフラーは燃えてなくなりました。

309 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 20:16:52 ID:yY7UjahK
【メリケンサック】
2部からの出展。
イタリアンレストランでジョセフらに喧嘩を売ってきたおっさんが使っていたもの。
拳にはめて打撃力を強化するための武器。トゲがついてて痛そう。
『人を殺せない』の命令さえなければ立派に役立ってくれただろうに。
わかったからどうだってんだよこのクソガキが――ッ!!


【植物イラスト図鑑】
4部からの出展。
露伴に仕事の資料になると言わせたほどの情報量を誇る、しかしマイナーな本。そこそこ分厚い。お値段7500円。
大柳賢が(露伴とジャンケンするためとはいえ)買おうとしてたが、露伴が気まぐれ起こして買わせたらどうなってたんだろう。
小学生に払えるのか? 貯金とかしてなさそうだし。


  ★


「クソッ、クソッ、クソォ!」

人をサッカーボールのように足蹴にし、それを神父が静観するという光景。
言葉にすれば風刺画か何かと思うだろう。
違う、この空間のありのままを語ったにすぎない。

悪鬼の形相でラバーソールを蹴り、時に踏みつけ、更には自慢の拳で殴るディオ。
ラバーソールがうめこうが、痛みに悶えようが攻勢を緩めない。
時に骨が折れ、痣がにじみ出ようと、知ったことではないのだろう。
プッチはラバーソールの記憶を全て閲覧している。
ジョルノは反対したもののもはや吐かせることなどないから猿ぐつわも付けていたが、きっと外にも響いていた。

「誰かいるのか!?」

周囲など気にも留めていないはずだった。
警戒する分にはプッチがいる。日の当らない部屋にならタルカスも。
だからこそ思う存分憂さ晴らしに精を出すことが出来た。
しかし、今の野太い声には聞き覚えがある。故に挙動が固まる。

「エシディシ! 何故君が!?」
「『DIOの館』、やはりここにいると思ったぞ。推測ではあったがな。あんまりにも暇なので路線を伝ってきた」

310 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 20:19:57 ID:yY7UjahK
地下より、荘厳とも秀麗ともとれる肉体を顕示するかのように現れたエシディシ。
顕示すると言ってもエシディシにそのつもりはない。
彼が恐れの為すのは太陽くらいのもの、顔見知りにビクつく必要もないから。
それはすまなかった、と退屈させたことをプッチが軽く謝罪するが、興奮しているのか息もつかせぬ早口が飛ぶ。

「エシディシ、聞いてくれ。ディオを陥れようとした者がいた、もちろんそれは大変腹立たしいことなんだが……
 君にスタンドを与えるという約束、覚えているだろう? 素質があると思うんだ、このスタンドなら」

そう言ってプッチはエシディシに見せつけたDISCを投げる。
不親切なように映るかもしれないが、エシディシに陽が当たる場所へ近づけと言うのは酷だ。
ラバーソールが何か奥の手を持っているかもしれないからその場を離れることも出来ない。

「こんな外道のスタンドを君に与えるのは本当は心苦しいけども、素質の点では完璧なはずだ。
 それにディオにはもっとふさわしいスタンドを与えてやりたいしね」

エシディシはそのDISCを受け取る。――『イエローテンパランス』のスタンドDISCを。

柱の男は、体全体で生物を取り込み、捕食する。
『イエローテンパランス』は、生物の肉を消化吸収し、取り込む。
似ているとかではなく、両者は全くもって一致している。これほど相性のいい組み合わせがあるだろうか。
手に入れた瞬間、プッチが自らの巡り会わせを神に感謝したほどだ。

(フン。スタンドが欲しいのは事実だが、今の俺は気分がいい。奴に帝王の器量を見せるのも悪くないしな)

そして、反応が不安だったディオも反発せず、寧ろ上機嫌な事がプッチにとって一番ありがたかった。
エシディシは帽子のつばを整えるかのように自然な感じで、躊躇いも見せずDISCを頭部に納める。
深呼吸をし、一念込めるかのように掛け声。
源泉のように湧き出たのは、液体と固体の間をさまよう肉の塊。

「これは……」
「『イエローテンパランス』。攻撃を防ぐ盾にも、相手を溶かす矛としても使える肉のスタンドらしい。
 操作に慣れが必要だろうが、変装も出来る」

黄色いスライムは背中から腕へ、足へ、胴へと広がり、やがては顔も包みこむ。
ジュルジュルと音を立てて、黄色はエシディシの肉体と同じ色味をつけていく。
ついには、スタンドが元の肉体、衣服と見紛うほど正確に擬態した。
この分なら慣れるのも早そうだ、とプッチは小声で称賛する。

311 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 20:24:23 ID:yY7UjahK
窓から漏れる日差しに、恐る恐るコーティングされた手を差し伸べるエシディシ。
変化はない。

「太陽光も防げるのか」

エシディシに『イエローテンパランス』を与えた最たる理由がこれだ。
あらゆる攻撃を防ぐ鎧、それは紫外線とて同じ。
これで太陽に怯えることもない。

「元々の使い手はこいつか?」

その言葉で電流走ったかのように、ラバーソールが跳ね上がる。

「この際だ、処分は任せる」
「しかし、ディオ……」
「俺の有り余る怒りはユカコにぶつけるとしよう」

ディオはプッチにニヤリと、邪悪な笑みを見せ。
しかし地を這うラバーソールに対しては、侮蔑の眼差しを向け。
蹴技でボールをパスするかのように、ラバーソールをプッチの方向に転がす。

「〜〜〜ッ! 〜〜〜〜ッ!!」
「ディオを侮辱した罪を償え」

声にならない悲鳴を上げるラバーソールの耳元でプッチが囁き、『ホワイトスネイク』で持ち上げ、投擲。
エシディシはそれを片手で軽々と受け止める。

「ありがとうよ、プッチ」

エシディシは、満身創痍のラバーソールを――


「これでお前『等』も用済みだ」


――プッチに向けてブン投げる。


そして、磔にした罪人を裁くかのように。


プッチの背にある壁ごと、力強く一蹴した。

  ★

312 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 20:26:56 ID:u1twGCab
 

313 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 20:28:59 ID:yY7UjahK
「何事です、ディオ様!」

タルカスのディオに対する忠誠心は、陽光の恐怖心に勝る。
部屋に駆け付けるまでのタイムラグはないに等しかった。
しかしそこで止まる。
事態を把握できない? 命令を下されていない? 確かにそれらも理由としてあるだろう。

(奴は、俺が投げたハンマーを弾いた男ではないか!)

プライドをズタボロに打ちのめした張本人が、目の前にいる。
思考を全部そちらに持っていかれ、タルカスは一切の挙動を忘れたかのように動かなかった。動けなかった。

「何、故だ……エシ、ディシ……」

ろくな思考が効かないのはプッチも同じだ。
協力関係を結んだはずの男が反旗を翻したと、すぐに受け入れられるはずがない。
別れてしばらくたったとはいえ、先ほどまで前兆も何もなかったのだから。

上半身は壁にめり込み、肋骨は肺に刺さり、呼吸もろくに出来ない。
更に全身の骨折に加え、事切れたラバーソールの背中とプッチの腹部が一体化して枷となり、動くのには難儀するのが予想された。
咄嗟に守った頭部と右腕は無事だが、今『ホワイトスネイク』を出したところで、自由自在とはいくまい。

「放送でカーズの名が呼ばれた。一族は、もはや俺一人」

何を言ってもいまさらだが、プッチはもっと知るべきだった。エシディシのことを。
どんなことが出来るかとか、知り合いの名前だとか、そういうことではなく。

「昼を歩けぬ境遇でも、カーズは決して諦めなかった。太陽の克服を。
 立場は下でも、俺はそんな奴の志に敬意を惜しまなかった。……それが死んだ」

単純に、エシディシがどんな存在かを考えるべきだった。
何のために戦い、何を大切にし、何を優先するかを。
よくよく考えれば、分かることだったはずだ。
エシディシがプッチと組んだのは信頼からではなく、『太陽に弱く、昼間に動ける者を手元に置きたかった』から。
晴れて自由の身となった彼が、誰かを必要とするはずがない。その可能性は付きまとっていた。
一族の死も重なって、いつまでものんびり闘争なき世界に身を置くといった腑抜けた考えは捨てて当然。

「俺は必ずやカーズの、我ら一族の無念を晴らす!
 感謝するぞプッチ。これでもう、日光に弱いという言い訳もせずに済む。殺し合いの覇を掴むのに支障はない!」

314 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 20:30:42 ID:yY7UjahK
何より、カーズの夢、カーズの野心、カーズの羨望。
エシディシが果たさずして誰が果たす。問いの答えは実にシンプルだ、誰もいない。
スタンドを手に入れようが入れまいが、この未来はいずれ迎える必然。

億泰には感謝の意もあるし、戦力の観点でさしたる障害にはなるまいとして放置した。
それよりは、決意の意味合いも込めてここでプッチ達との協力関係を断ち切るのが先。
孤独を歩むのに迷いはなかった。頂点は、常に一人なのだから。

「あ、ああ……」
「貴様らとて同じことよ」

エシディシが向かう先はディオ。
ここで彼さえ打ち取ってしまえば、まだ見ぬ軍団の士気は低下すると判断してのこと。
スタンド使いとなり、素の身体能力さえ人間の比ではないエシディシ。
ただの人間であるディオに、勝ち目は兆に一つもない。

(何という、事だ……。ディオに、何もして、やれない……なんて)

しかしプッチはまだ自らの人生を顧みることはせず、かといってエシディシを謗りもしない。

(彼は、ここで死ぬ、べきでは……ない! 彼はいずれ、帝王になる男だ!
 人の上に立ち、星々照らす、太陽のように……人に進むべき、道を示せる……与えてやれる、存在なんだ!)

ディオ・ブランドーの名を名簿で目にした時は心躍り。
実際に出会った時には、自分を知らない頃のディオと知り、目の前が暗くなるとはどういう感覚かを理解し。
それでも、いつかは帝王として芽を出し花開くものと思っていた。
しかし見届けられないどころか、ディオさえ命散らそうとしている。
そんな未来をプッチは認めない。

(『人に……与える』?)


最期まで、エンリコ・プッチは諦めない。


「く、来るなぁ!」

迫るエシディシにディオが叫ぶ。
そう言われて動きを止めるほどエシディシは親切ではない。

315 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 21:02:13 ID:yY7UjahK
「MU?」

そして、周囲に無頓着な男でもない。
息も絶え絶えのプッチは、いつの間にやらDISCを手に持っていた。
止めを刺したと思っていたエシディシは、今度こそ息の根を止めようと近づく。

「させるかぁッ!」
「ヌゥゥ!」

タルカスがエシディシに突撃。
腐肉を溶かすジェルにも屈しないどころか、それがうまく太陽光を防ぐ結果に終わる。焦ったエシディシの作戦負け。

タルカスには、プッチが何をしようとしたのか理解不可能だった。
円形のものは見たことがあるが、プッチの目線と深刻ぶりから、ディオに渡すことが重要な意味を持つとしか。
日の光など知ったことではない。ここで屈すればディオは死ぬ。
力量で劣るとしても、時間稼ぎにはなる。
そうこうしているうちに、DISCはディオの傍らへと投げられた。

「貴様ァ!」
「手出しはさせん! お急ぎください、ディオ様!」
「こいつを頭に差し込めばいいんだな、プッチ?」
「ああ、自分で言うのもおこがましいが、君なら使いこなせる、はずだ……!」

DISCは、プッチ自身が使役していたもの――『ホワイトスネイク』のスタンドDISC。
記憶や力をDISCという形に変え、『人に与える』事が出来る能力だ。
プッチは自らの目的のため人々にスタンドを与え続けてきた。彼が慕う帝王と同じように。

ディオはエシディシがやったように、恐れを見せることなく、頭部に拾ったDISCをめり込ませていく。
逸る気持ちを抑えつつズブリ、ズブリと差し込んでいき、半分ほど入ったところで、決意するかのように一気に頭部に収めた。

すっぽりとはまったDISC、ディオは――はじかれない。

タルカスを振り払おうとしたエシディシにも焦りが生じ、もがく力が一層強くなる。

「スタンドの名は、『ホワイトスネイク』……呼ぶように、ヴィジョンの発現を、イメージするんだ!」
「これで……これで俺にもスタンドが!」

とうとうタルカスを突き飛ばすのに成功したエシディシ。それも時すでに遅し。
ディオが腕を高く突き上げる。
思い返すは、ジョルノ・ジョバァーナが織り成した拳の弾幕。
あれなら相手がエシディシだろうと応戦可能。
腕を振り下ろす。

「うおおおおお! 出ろおォォォォォ! 『ホワイトスネイク』ッ!!」



その叫びに呼応するかのように――

316 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 21:04:24 ID:yY7UjahK
――はいかず、スタンドは僅かも出ない。



「フ、フフ、フハハハハ……」

唖然とする3人を嘲るかのようにして静寂を破ったのは、エシディシ。

「少しビビってしまったが、貴様には素質がなかったらしいな。所詮苦境を打開する力を持たぬ凡夫か!」

ディオが膝をつく。
幾度となく追い詰められた。その度『何らかの手助けによって』助かった。
ジョルノに助けられ、支給品に助けられ、リンゴォに助けられ、プッチに助けられた。
そう、思い返せばディオは自力で逆境を乗り越えたことがない。
反論の余地はどこにもない。ディオ・ブランドーはただの凡夫。

(凡夫……この俺が!?)

ディオが認めなかろうと、それを裏付けるのかのように助けてくれる存在はいない。
プッチはスタンドが使えず、タルカスは突き飛ばされ部屋の隅。
リンゴォに助けを請うたところで先にやられるだろうし、仮に時を戻してもらっても対処はディオに一任される。

「さあ、終わりだ! 絶望の中で死んでいけ!」
「くっ……そおおおおおおおおお!」





火薬が爆ぜるような音がした。





ディオが見たのは、拳。


次いで、隆々とし、張りとつやのある筋肉質な腕。

317 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 21:06:06 ID:8ZEvxpxf



318 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 21:07:04 ID:8ZEvxpxf
支援

319 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 21:07:16 ID:yY7UjahK
その腕には、あるデザインが施されていた。


横縞模様と、「G」「△」「C」「T」と読めそうなマークが。


「なん……だと?」

誰もが理解するのに数秒を要した。
ディオが土壇場でがむしゃらに振るった腕から半透明の腕が伸び、エシディシの拳を防いでいたことを。
警戒してか、エシディシがバックステップを取る。

(はじかれて、いないなら……当然だな)

一方壁にもたれるプッチは安堵し笑みを浮かべる。
もし、ディオがスタンドの概念を知らなければ。
もし、ディオがスタンドを見ることが出来なければ。
もし、ディオが『ホワイトスネイク』との相性が悪ければ、僅かもスタンドを扱うことが出来なかっただろう。
しかし、事実の前にもしもは禁句。
彼は腕だけとはいえ『ホワイトスネイク』を扱うに相応しい男だった。現状がそれを証明している。

「ここは一時退くとするか」

エシディシがプッチを最初に始末したのには訳がある。
『ホワイトスネイク』は対象に触れていればDISCを生成でき、その点で『イエローテンパランス』と相性が悪いことを見抜いていたからだ。
プッチを始末してしまえば自分にとっての脅威はなくなると踏んでの行動。
しかしスタンドはディオに受け継がれ、腕だけではあるものの発現に成功している。
一人ならまだしも、タルカスと二人がかりであれば虚を突かれ気絶させられる可能性が出てきてしまう。
全員始末する予定が狂ったことに声色からして不快感があふれていたが、為すべきことを見つけたエシディシは冷静だ。

「だが覚えておけ! 俺は全生物の頂点に立つ……荒木をも倒してだ!」

ディオを指さし宣言すると、エシディシは窓ガラスをブチ破り、猛進する。
門番のリンゴォはその姿を見て尚平静を保っていたものの、心境は優れなかった。

「くっ」
「よせ、リンゴォ!……悔しいがあれは、時を巻き戻したところで対応できない」

破壊の権化と言って良い、一族が生き残りへの畏怖の念で手が震え、秒針を動かすことが出来なかったから。
例え時を戻したところで勝負の申し込みなど出来る手合いではないだろう。あれは争うだけの獣だ。

320 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 21:08:42 ID:8ZEvxpxf
支援

321 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 21:08:56 ID:yY7UjahK
  ★


「ディオ……本当は、私のなんかより、ふさわしいスタンドを……与えたかった」

か細く、風が一陣吹けばかき消されてしまいそうな声で、プッチがディオに語りかける。
目も微かにしか開かれていない。ディオのことなど、ぼんやりとしか見えていないだろう。
震える右手でデイパックを指す。示されるは、自らが封印した弟の記憶。

「ウェザーという参加者の、記憶を宿した、DISCだ。『ホワイトスネイク』を、一瞬だが……記憶していたはずだ。
 ヴィジョンを……完全に再現するために、見て……おくといい。
 本当は私の記憶を、見た方がいいんだろうが、ね……そこまでの時間は、なかった」

自分の記憶DISCを与えたら、こうやって別れの挨拶も出来やしない。
ギリギリまで粘ってDISCが消滅するのは避けるべき。
ならば、確実な手段を選ぶのは当然。このような形でウェザーの記憶が生かされるとは思っていなかった。

「君は……人の上に立つべき男だ。……私は死ぬが、君の中で……私の意思が、生きる。
 私に、私が掴み損ねた夢を、見せてくれ……」

ここに一つの偶然が重なった。

プッチは、DIOの骨から生まれた緑色の赤子と融合し、DIOの意思が融合される未来を迎えるはずだった。
DIOの骨は、天国へ行こうとする意志とともにDIOから受け継がれたもの。
その未来に反し、ここでプッチは死ぬ。
代わりに、ディオがプッチのスタンドDISCを、その悪意を受け継ぐのだろう。

本来辿るべき未来とは逆になった。しかし、悪意は悪意を持つ者に受け継がれるという運命は変わらない。

「それで…………じゅう……ぶん」

他にも変わらないことはある。
エンリコ・プッチは、最後まで帝王のことを思い、逝った。
その神を愛するような気持ちに変化はない。

ディオは、力尽きるプッチを見届け、話の中で出たウェザーの記憶DISCをまじまじと見つめる。
DISCをデイパックにしまい、腕だけしか出せないスタンドを発現。
スタンドの腕を握っては開き、握っては開きを繰り返し、やがてクックと喉を鳴らす。
そして――

322 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 21:09:58 ID:8ZEvxpxf
支援

323 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 21:10:26 ID:yY7UjahK
  ★


「ディオ……本当は、私のなんかより、ふさわしいスタンドを……与えたかった」

か細く、風が一陣吹けばかき消されてしまいそうな声で、プッチがディオに語りかける。
目も微かにしか開かれていない。ディオのことなど、ぼんやりとしか見えていないだろう。
震える右手でデイパックを指す。示されるは、自らが封印した弟の記憶。

「ウェザーという参加者の、記憶を宿した、DISCだ。『ホワイトスネイク』を、一瞬だが……記憶していたはずだ。
 ヴィジョンを……完全に再現するために、見て……おくといい。
 本当は私の記憶を、見た方がいいんだろうが、ね……そこまでの時間は、なかった」

自分の記憶DISCを与えたら、こうやって別れの挨拶も出来やしない。
ギリギリまで粘ってDISCが消滅するのは避けるべき。
ならば、確実な手段を選ぶのは当然。このような形でウェザーの記憶が生かされるとは思っていなかった。

「君は……人の上に立つべき男だ。……私は死ぬが、君の中で……私の意思が、生きる。
 私に、私が掴み損ねた夢を、見せてくれ……」

ここに一つの偶然が重なった。

プッチは、DIOの骨から生まれた緑色の赤子と融合し、DIOの意思が融合される未来を迎えるはずだった。
DIOの骨は、天国へ行こうとする意志とともにDIOから受け継がれたもの。
その未来に反し、ここでプッチは死ぬ。
代わりに、ディオがプッチのスタンドDISCを、その悪意を受け継ぐのだろう。

本来辿るべき未来とは逆になった。しかし、悪意は悪意を持つ者に受け継がれるという運命は変わらない。

「それで…………じゅう……ぶん」

他にも変わらないことはある。
エンリコ・プッチは、最後まで帝王のことを思い、逝った。
その神を愛するような気持ちに変化はない。

ディオは、力尽きるプッチを見届け、話の中で出たウェザーの記憶DISCをまじまじと見つめる。
DISCをデイパックにしまい、腕だけしか出せないスタンドを発現。
スタンドの腕を握っては開き、握っては開きを繰り返し、やがてクックと喉を鳴らす。
そして――

324 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 21:13:14 ID:8ZEvxpxf
支援

325 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 21:15:02 ID:yY7UjahK
「ハハハハハハハハハハハハハ!」

――天を仰ぐ様に仰け反り、高笑う。
息も継がず、高笑う。
肺からすべての空気を押し出すように、高笑う。
笑う笑う笑う。

「いいだろう、やってやる! ついでだユカコ、貴様への借りも存分に返してやろう!」

どれほど無力を思い知らされ続けた?
どれほど辛酸をなめ続けた?
どれほど馬鹿にされ続けた?

手に入れた復讐のための力に胸が高鳴る。頬が引きつる。目つきが歪む。

腕しか使えないと言うのは誤解だ、腕さえあればいい。

腕さえあれば邪魔な奴らを叩き潰せる。臓器を抉り出せる。四肢を屠ることが出来る。

これが笑わずにいられるか。

「まだ腕だけしか使えないことは試練と受け取ろう。
 プッチ以上にこのスタンドを使いこなしてみせようじゃあないか。それでこそ……帝王というもの!」

DIOの城にて、『ディオ』の蛮声が木霊する。

邪悪な帝王の片鱗は、プッチの願いどおり芽生え始めた。



【ラバーソール 死亡】
【エンリコ・プッチ 死亡】

【残り 35名】

326 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 21:15:49 ID:yY7UjahK
【D-5/1日目 午後】
【エシディシ】
[時間軸]:JC9巻、ジョセフの“糸の結界”を切断した瞬間
[状態]:『イエローテンパランス』を身に纏っている。あえて人間の強さを認めた
[装備]:『イエローテンパランス』のスタンドDISC
[道具]:支給品一式、『ジョースター家とそのルーツ』リスト(JOJO3部〜6部コミックスの最初に載ってるあれ)
    不明支給品0〜2(確認済み)
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いに優勝し、全生物の頂点に。
1.必ずやカーズ達の無念を晴らす!
2.億泰には感謝せねばなるまい。
3.常識は捨てる必要があると認識
[備考]
※時代を越えて参加者が集められていると考えています。
※スタンドが誰にでも見えると言う制限に気付きました 。彼らはその制限の秘密が首輪か会場そのものにあると推測しています
※『ジョースター家とそのルーツ』リストには顔写真は載ってません。
※ダービー=F・Fと認識しました。エシディシ本人は意図的に広めようとは思っていません。
※『イエローテンパランス』の変装能力が使えるかは不明です。現在はエシディシの肉体や服装に擬態させているだけです。
※頭部を強打されればDISCが外れるかもしれません。



【C-4 DIOの館/1日目 午後】
【ディオ・ブランドー】
[時間軸]:大学卒業を目前にしたラグビーの試合の終了後(1巻)
[状態]:最高にハイ、内臓の痛み、右腕負傷、ジョルノ、シーザー、由花子(と荒木)への憎しみ、『ホワイトスネイク』の腕部分のみ使用可能
[装備]:『ホワイトスネイク』のスタンドDISK
[道具]:チャーイ(残量1.5g)、ヘリコの鍵、ウェザーの記憶DISC、基本支給品×2、不明支給品0〜3
[思考・状況]
基本行動方針:なんとしても生き残る。スタンド使いに馬鹿にされたくない。
0.ついに念願のスタンドを手に入れたぞ!
1.スタンド使いを『上に立って従わせる』、従わせてみせる。だが信頼などできるか!
2.ジョルノ、由花子に借りを返す(現在は気分がいいので借りについては保留)
3.勿論、行動の途中でジョナサン、ジョージを見つけたら彼らとも合流、利用する
4.なるべくジョージを死なせない、ジョナサンには最終的には死んでほしい(現時点ではジョルノにジョナサンを殺させたい)
5.ジョルノが……俺の息子だと!?(半信半疑)
[備考]
1.見せしめの際、周囲の人間の顔を見渡し、危険そうな人物と安全(利用でき)そうな人物の顔を覚えています
2.チャーイは冷めません
3.着替えは済んでいます
4.ジョルノからスタンドの基本的なこと(「一人能力」「精神エネルギー(のビジョン)であること」など)を教わりました。
  ジョルノの仲間や敵のスタンド能力について聞いたかは不明です。(ジョルノの仲間の名前は聞きました)
5.ジョナサン、ジョージの名前をジョルノに教えました。エリナは9割方死んでいるだろうと考えていたのでまだ教えていません。
6.シーザー戦で使用したロードローラ(3部のあれ)はD−3南部に放置されています。壊れたか、燃料が入っているかは不明です。
7.参加者が時を越えて集められたという説を聞きました(本人は信じざるを得ないと思っていますが、実感はありません)
8.ラバーソールと由花子の企みを知りました。
9.『イエローテンパランス』の能力を把握しました。
10.『ホワイトスネイク』の全身はまだ出せません。DISC化の能力が使えるかは不明です。頭部を強打されればDISCが外れるかもしれません。

327 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 21:17:21 ID:8ZEvxpxf
支援

328 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 21:18:41 ID:yY7UjahK
【タルカス】
【時間軸】:ジョナサン達と戦う直前
【状態】:身体疲労(小)、イエローテンパランスによるダメージ(小)、精神疲労(中)、エシディシに対し畏怖の念
【装備】:大型スレッジ・ハンマー
【道具】:基本支給品
【思考・状況】基本行動方針:ディオ様と部下と一緒に荒木をぶっ殺す
0.我が心はディオ様とともに。
1.館でディオのもとに集う仲間を待ち受ける。
2.ディオとその部下以外が館に侵入してきたら殺す。
3.出来れば鎖が欲しい…
4.ブラフォードよ……
[備考]
※リンゴォのスタンド『マンダム』について把握しました。
※フェルディナンドの姿・声等は何も把握できませんでした。



【C-4 DIOの館 門前/1日目 日中】
【リンゴォ・ロードアゲイン】
[スタンド]:マンダム
[時間軸]:果樹園の家から出てガウチョに挨拶する直前
[状態]:全身にラッシュによるダメージ(中)、身体疲労(大)、右上腕骨骨折、エシディシに対し畏怖の念
[装備]:ジョニィのボウィーナイフ
[道具]: 基本支給品 不明支給品0〜2
[思考・状況]
基本行動方針:参加者達と『公正』なる戦いをし、『男の世界』を乗り越える
0.恐ろしい奴だった……。
1.遭遇する参加者と『男の世界』を乗り越える
2.休息と怪我の手当てがしたい。
3.日が沈んだらタルカスと再び戦う。
4.日が沈むまでは門を離れるつもりはない。
[備考]
※骨折は気力でカバーすれば動かせます。
※ミセス・ロビンスンのこともあり、男の世界を証明したいという願望がさらに強くなってます。
※フェルディナンドの姿・声等についてはタルカスに言いませんでした。


※【C-4 DIOの館 門前】にヨーロッパ・エクスプレスが、【C-4 DIOの館】にラバーソールのデイパック
 (支給品一式 ×5(内一食分食料と方位磁石消費)、ギャンブルチップ20枚、ランダム支給品×1、サブマシンガン(消費 小)、
  巨大なアイアンボールボーガン(弦は張ってある。鉄球は2個)、二分間睡眠薬×1、剃刀&釘セット(約20個))が放置されています。

329 :悪意の継承者 ◆0ZaALZil.A :2010/02/07(日) 21:20:30 ID:yY7UjahK
投下完了! 支援してくれた方々に感謝。
長丁場になってしまって申し訳ない。時間帯考えるべきでしたね。

誤字脱字矛盾点その他もろもろ指摘ございましたらどうぞ

330 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 21:22:12 ID:vSP8AiNG
投下乙!
ディオ「スタンドがでたよ!」
プッチ「やったね、ディオちゃん」
ですねw

あれほど無双したラバーソールが死んでも
全然安心できない不思議!

331 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 21:23:18 ID:3ngVAkDe
乙!
というか実質ラバソ超強化じゃないっすか!

332 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 21:28:27 ID:8ZEvxpxf
投下乙
スピードワゴンなら……それでもスピードワゴンならジョナサンを何とかしてくれる→駄目でした\(^o^)/
エシディシ来た! 憶秦にも手を出さなかったしこれならかつる! →駄目でした\(^o^)/
ディオ様覚醒ktkr→ダークサイドにな!! \(^o^)/


>>330
だってイエローテンパランスはほぼ完璧に操れる上に、本体自体がチートの塊
しかも数少ない弱点はほぼ克服したマーダーっていうラバソ以上の怪物に進化したし……

333 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 21:34:49 ID:xfWXExpK

なんというマーダー覚醒祭り

334 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 21:37:58 ID:uAH2oPCU
マーダーが落ちたと思ったら
凶悪マーダー誕生の巻!!

335 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/07(日) 22:14:46 ID:xhcD4uhH
圧☆倒☆的☆乙ッ!
二転三転マーダー覚醒祭り!文章全体に漂う対主催陣オワタ感\(^o^)/ がヒドイw
スピードワゴンがようやく仕事した(解説役)と思ったら死んでました…SPWかわいそうにw
アレッシーより寧ろ SPW(笑) だろ…
そして圧巻のエシディシィイーーーーッ!線路を走り始めたときはヒーロー、颯爽と参上かと思ってたのに!
いい意味で裏切られた!
プッチが最後に託したこれからのディオ様に期待!でも所詮人間だから何処まで活躍できるやら…ジョルノの反応も楽しみだ。
それにしても参加者が死ぬ死ぬ…これは荒木も笑いが止まらんな
改めて投下乙!次回作も待ってます。

報告ですが大口叩きながらですが今日投下できるかどうかはギリギリといった所です。
もしかしたら明日になるかもしれません…このタイミングで報告スミマセン…orz
書き終わり次第、推敲をしてこちらか一時投下スレにて投下しますのでよろしくお願いします。

336 :創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 22:50:26 ID:A2X5Y1I+
>>330
ネッシーさん・・・またとんでもないものを書きましたねwwww
どこから感想を書けばいいかわからないけど、とりあえずSPWの説明口調にワロタwww
そして、とにかくエシディシ舐めてた・・・
他の柱の男は警戒してたけど、エシディシは穏健派でいるとばかり思ってた
よく考えたらエシディシもロギンズを血も涙もなく殺害し、スージーQを殺そうとした危険人物だったんだな
そしてジョナサン・・・スピードワゴンを躊躇なく殺すとは・・・サバイバーのせいでもあるが堕ちたもんだな・・・
しかし、ディオ覚醒やジョルノ&ブチャラティ合流フラグなど、希望も残されていて助かった
億康&露伴が希望たり得るかはわからんが・・・w
もう終盤(?)だし、ディオ&エシディシのスタンド付加もアリでいいでしょう
改めて投下乙
次回も期待しています

337 : ◆fedyYYAe9Q :2010/02/08(月) 02:30:41 ID:ChTTX+V9
とっても面白かったです。
ラバーソールのスタンドがエシディシになってディオがスタンド使いになって感動しました。
ウェストウッドVSジョナサンを勘違いしたSPWも面白かったです。
露伴たちは勘違いしたままなんですね。ジョナサンくず杉で笑いました。


投下します。

338 :ビッチ・ボーイ ◆fedyYYAe9Q :2010/02/08(月) 02:31:29 ID:ChTTX+V9
あんた、そりゃないよ
あんたは、欲望のまま動くわがまま野郎
あんたはそれでいいのかもしれないけれど
あんた、そりゃないよ
好き勝手に行き過ぎだ
あんたが理性を持てばうまくやれるけど
あんた、そりゃないよ
あんたがやられなければ、あんたは一生気がつかないんだ
痛みなんてわからないんだろうね
あんた、そりゃないよ
こっちはそれでよかった
こっちにはこっちの考えがあったんだ
あんたは最高の相棒だ
あんた、そりゃないよ
自分の本能に従って生きていくのさ

あんた、そりゃないよ
あんた、それはない

そいつはだめだ


☆ ☆ ☆

339 :ビッチ・ボーイ ◆fedyYYAe9Q :2010/02/08(月) 02:47:58 ID:ChTTX+V9

巨大な穴から脱出した片桐安十郎はコロッセオを見ながら言った。

「よかったじゃあねーか。くたばってくれて」

仲間のJ・ガイルにそう言った。
カーズにさんざんいじめられていたので、J・ガイルにとって彼は怖い存在だった。
そのカーズの死亡が荒木飛呂彦から知らされたのだ。
ちなみにJ・ガイルは第二回放送の内容を片桐安十郎に話していた。

「どうするよ? 俺はこのまま駅に戻ってもおいしくないんだが。
雨もやんじまったしよ、ガキのお守りはごめんだぜ」

本来ならば、片桐とJは第二回放送後にサンタ・ルチア駅に戻る手筈だった。
同盟者のブラックモアがそう提案していたので。
そのブラックモアが死んでしまったのは、同盟が解消されたことを意味する。
ウェザー・リポート、ヴァニラ・アイス、ブラックモアの3人は特に同盟の利益を持つ人物。
おいしいものが無くなった同盟はあっても無駄なのだ。
ブラックモアに「裏切ってもいい」と言われていたので、気持ちの整理は必要ない。
残る同盟者は先にコロッセオの方へむかったラバーソールと駅に残っている川尻早人。
同盟を組んでいてもそこまでメリットはない。

「いい加減人の話を聞けよ」

Jは笑いが止まらなかった。
あんなに偉そうな態度で圧倒的な恐怖を備えていたカーズが死んだ。
報せを聞いて笑いが止まらなかった。
カーズを倒した相手のことよりも、カーズが死んだことに対する喜びが抑えられなかった。
笑って笑って笑いまくる。片桐に理由を問われたら素直に答えるしかないほど、笑っていた。

「そろそろ行こうぜ」

片桐はJの頭をペンでたたいた。

「俺はイライラしてるんだ」

☆ ☆ ☆


340 :ビッチ・ボーイ ◆fedyYYAe9Q :2010/02/08(月) 02:53:45 ID:ChTTX+V9
「J・ガイルの旦那……旦那じゃねーか」

しばらくしたあと、片桐とJはホル・ホースたちと再会した。
片桐とJが穴から脱出した後の行動を、北に移動、にしたからである。
残る同盟者として先に北へ向かったラバーソールと再会を望んでいた。
彼が駅に戻ることを読んで、南に進むつもりはなかった。そこまでするほどの友情はない。
残念ながら彼と再会することはできなかったが、代わりにホル・ホースと会うことができた。
Jの提案で片桐はラバーソールを後回しにすることにした。
彼らはホル・ホースの計らいで住居の中に招かれた。

「こいつはミューミューって奴。大事な人材ってやつです。妙な真似は勘弁してやってくださいな」

ホル・ホースにはミューミューという仲間がいる。
ミューミューはあいさつもせず、ふんぞり返って、ドリンクを飲んでいた。
コーヒーを恥じらいも無くグビグビと何杯も飲んだ後があった。
強がっていても精神的に疲弊しているのが片桐たちにもわかっていた。

「あんな足手まとい、生かす価値があるのか」
「アンジェロさん。ここだけの話、あいつは強い護衛がいるんです。
 俺は上手くそいつらを取り込むことに成功したが、その代償でこいつを引き受けた」
「お前がギブ・アンド・テイクに応じたってことは相当の能力者なのか」
「J・ガイルの旦那、悪いことは言わない……味方にしといて損はないスタンド使いだ」

ホル・ホースは更にスピードワゴンと待ち合わせをしていることも話した。
そしてついさっき、この辺りで戦闘があったので、移動を迷っているということも話した。

「あたしとしては、せっかく作ったコネを上手く生かして生き延びたいんでさ」
「軟弱な野郎だな。おいJ・ガイル、こんな相棒なんかと組んでたら、お前も見くびられるぜ」
「……その通り、と言いたいところだが」

Jは椅子からたちあがり、ホル・ホースの肩にぽんと手を置いた。

「ホル・ホースの能力は俺が評価する。こいつの本当の才能はスタンドや諜報じゃない。
『他人の能力を上手く生かす』ことに価値がある。“1番よりもナンバー2”!で名前を残した有名人はいっぱいいる。
有能なリーダーには有能な右腕がついていたのはいつの時代も一緒だ。プライドもパワーも使い方を間違えたらカス同然よ。
こいつの事だ。俺たちに話していない有益な情報はまだまだいっぱいあるはずだ。大方、別の『旦那』がいる」
「なんだと!? てめーとんだ二枚舌だなぁ」
「落ち着けアンジェロ。俺はそれでもいいと思ってる。100%信頼できないのがホル・ホースのいいところなんだ。
話さないってのは、自分だけが美味しい思いをするためだけじゃない。
同じ情報でも話すタイミングを間違えるとおいしさが減るのをホル・ホースは知ってるのさ」

J・ガイルに頭を叩かれると、ホル・ホースはニニニと笑った。
冷や汗ひとつかいていない彼の顔は、くぐり抜けてきた場数に対する自信がありありと見て取れた。

「ふーん」

熱した鉄が急に冷えるように、アンジェロは気の抜けた声を出した。
そして椅子から立ち上がり、窓の外を眺めた。

「いい気になってんなテメー」


☆ ☆ ☆

341 :ビッチ・ボーイ ◆fedyYYAe9Q :2010/02/08(月) 02:57:56 ID:ChTTX+V9
「うわああああああああ――ガボボッ! 」

悲鳴をあげかけた声帯ごと、口の中の粘膜と舌を切りつけ、食道の壁に深く傷を走らせる。
胃の壁を破りぬけてあふれた胃酸が、十二指腸、心臓、肝臓、すい臓を焼付けさせる。
小腸と大腸チーズのように穴ぼこにされ。腎臓と尿道付近も容赦なく切開し、何十本という血管はぶちぶちと千切れた。
痛みと危険の信号を脳が全身に送るがもう遅かった。
内から外に広がる圧力で骨も筋肉も皮膚も風船のようにふくらんで――はじけた。

「ふうううう〜〜〜〜〜〜ッッ」

ずたずたになった死体を見て片桐は大きく深呼吸をする。

「はあああ〜〜〜〜〜〜ッッ」

深呼吸は己の感情の高ぶりを抑えるためである。
彼が抑える感情はホル・ホースへの怒りではない。

「す〜〜〜〜〜っきりしたぜ〜〜〜ッ! 」


342 :ビッチ・ボーイ ◆fedyYYAe9Q :2010/02/08(月) 03:04:29 ID:ChTTX+V9
喜びだ。
このバトルロワイアルに来てから、彼は欲求不満だった。
慎重に行動していた分、いい気になってる人間を殺す衝動を我慢していたツケが限界にきていた。
殺し損ねたッ――は論外。
殺したかどうかわからない――も論外。
殺せたかも――それも論外。

「テメーは一瞬、変えたんだよ。“自分は絶対に死にたくない”という気持ちを、“殺されずにすみそう”という余裕になッ!
あ〜〜スカッとした。やっぱり殺しはこうでなくちゃな! ヒーヒヒヒヒ! 」

自分の手で確実に目の前で死ぬ――それが理想的な正解。











「……何してんだあんた」

大きく背伸びをする片桐に、銃口が向けられた。

「別にお前を殺ってもよかったんだぜホル・ホース。お前にも相当ムカついてたからな。
だがテメーとJ・ガイルのよしみで後回しにしてやったんだッ! どこのアホに媚売ってたのか知らないが、そいつに言っとけ。
“強いスタンド使いに襲われて、なんとか命からがら逃げてきました”とでもな!」

ホル・ホースが構える拳銃『皇帝(エンペラー)』に、片桐のスタンドアクア・ネックレスが立ちふさがる。

「やめとけアンジェロ。ホル・ホースもいきがってんじゃねー」

ホル・ホースは、まだアクア・ネックレスの能力を知らなかった。
ミューミューが飲んでいたコーヒーにアクア・ネックレスが潜入していたことも、彼は知らない。
能力のわからない相手に正面から挑むことは無謀。

「二ヒヒさっすがJ・ガイル旦那。あっしは最初からそんなつもりはねー。厄介な仕事が増えただけでさぁ
アンジェロさんよ、死体の始末はそっちでしてくれや。久々に死体の臭いを嗅いじまった。気持ち悪くてしかたがねえ」
「ホル・ホール、まだ奴らの所には行くな。もう少しお前の話を聞いておきたい」
「……アイアイ・サー」

ホル・ホースはニヤニヤと笑いながら、屋内を出た。

「アンジェロよぉ、お前もうちょっと空気読めや」
「大物ぶんな、カーズに一喜一憂してたテメーに言われたくはねーよ」
「なんだと!テメーだって承太郎が死んで大はしゃぎしてたじゃねーか! 」
「冗談だ。テメーの相棒とやらの力量を見せてもらったぜ。ありゃ使えるな。
『不慮の事故』にあっても汗もかかず顔色も変えないし、あの殺気は本物だった。大したタマじゃねーか」
「いや、どうかな。いつもはもう少しスゴみがあるんだが、ちょっと元気が無かったように感じた」
「へぇ、あれで全力じゃないと。……ま、いいや」

343 :ビッチ・ボーイ ◆fedyYYAe9Q :2010/02/08(月) 03:08:18 ID:ChTTX+V9

片桐はそそくさと死体の処理を始めた。

「なぁ、その死体どうするんだ」
「もっとバラバラにしてトイレに流す。掃除は任せろ、こういうのは慣れてる」
「……死体処理、手伝わせてくれねーか」
「あん?」
「俺も、その、ヒヒ、しばらく、死体を触ってなかったからな」
「……ヒヒヒヒ、あんたも好きねえ」

【E-4 民家/1日目  午後】
【J・ガイル】
[時間軸]:ジョースター一行をホル・ホースと一緒に襲撃する直前
[能力]:『吊られた男』
[状態]:左耳欠損、左側の右手の小指欠損、全身ずぶぬれ
    右二の腕・右肩・左手首骨折(すべて添木つき)、巨大穴に落下したときのダメージあり?
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
0.北上してラバーソールを探す予定だったけど、まずホル・ホースと情報交換
1.アンジェロとホル・ホースを可能な限り利用し、参加者を減らす。
2.自分だけが助かるための場所と、『戦力』の確保もしておきたい。
3.20時にDIOの館に向かう
[備考]
※『吊られた男』の射程距離などの制限の度合いは不明です。
※ヴァニラアイスの能力、ヴェルサス、ティッツァーノ、アレッシーの容姿を知りました。
※第二放送をアンジェロに話しました。


【片桐安十郎(アンジェロ)】
[スタンド]:アクア・ネックレス
[時間軸]:アンジェロ岩になりかけ、ゴム手袋ごと子供の体内に入ろうとした瞬間
[状態]:健康、テンション高 、全身ずぶぬれ
[装備]:ディオのナイフ ライフルの実弾四発、ベアリング三十発  
[道具]:支給品一式
[思考・状況] 基本行動方針:安全に趣味を実行したい
0.J・ガイルとホル・ホースを可能な限り利用し、気に入らない参加者を減らす。
1.荒木は良い気になってるから嫌い
2.20時にDIOの館に向かう
[備考]
※アクア・ネックレスの射程距離は約200mですが制限があるかもしれません(アンジェロは制限に気付いていません)
※名簿に目を通しました。
※ヴェルサス、ティッツァーノの容姿を知りました。
※第二放送をJ・ガイルから聞きました。


【ミュッチャー・ミューラー 死亡】
※ミューミューの死体はアンジェロたちに隠蔽工作の処理をされています(少し時間がかかるようです)。
※ミューミューの基本支給品は【E-4 民家】にあります。
※ホル・ホースとJ・ガイルたちが知り合いだったために、
彼らの情報を盗み聞きすることも兼ねて、彼らにジェイル・ハウス・ロックを発動させなかったようです。


☆ ☆ ☆

344 :ビッチ・ボーイ ◆fedyYYAe9Q :2010/02/08(月) 03:09:26 ID:ChTTX+V9

ホル・ホースは殺し屋である。
依頼を受ければ喜んで引き受ける。
彼はDIOに雇われてジョースター一行を始末するために現れた殺し屋である。
アヴドゥルを討ち取ったときには、彼を罵ってポルナレフを怒らせた。
J・ガイルがポルナレフに敗北したと見るや、迷わず彼を見捨てる。
一度はDIOの背後に銃をつきつけるほど彼はしたたかな男。

“ホル・ホースは仲間にしようかなって最初考えてたんです
連載を続けるうちに仲間になりそうでならないキャラクターがひとりくらいいてもいいんじゃないかって
そのときは巻頭カラーに承太郎たちと一緒に書いちゃった後だったんですけど
もうちょっと活躍させてあげてもよかったですね”

このように語られるのがホル・ホースである。
ミューミューを失ったことで、リゾットチームに溝を作ってしまった。
ホル・ホースなら上手くたちまわるだろう。
あって1日もたっていない女など世界中にはいて捨てるほどいる。
それよりはそこそこ付き合いのある商売仲間を優先する。
理不尽に殺す相手に対し文句を言う資格もないしそのつもりもない。
こんなことは彼の人生で何度でもあった。

しかし

「この気持ちは、なんなんだ……まるで“心が折れちまいそうな気分”だ」

ロバート・E・O・スピードワゴンにかけられたシビル・ウォーの呪いで、彼の精神は壊れかけていた。
片桐たちはうまく騙せたが、もはや限界だ。
現在午後3時間近。残り1時間ちょっとで彼の心は完全に折れてしまう。

「お嬢さん、俺は、いったい、どうすればいいんだ」

何も言わず現れた女性にすがりたくなるほど、彼の精神は限界だった。

「知らないわよ」

山岸由花子の姿にホル・ホースは、

「ダメだ、この先にいっちゃダメだ、命が、いくつあっても足りねえ」

ミューミューの姿を重ねて扱いた。
彼女を危険な目に合わせまいと、手をつかんだ。
シビル・ウォーのせいで精神を疲れさせられているのに、ホル・ホースは女性への感傷が原因と勘違いした。

「そう、敵がこの先にいるのね? くわしく聞かせて」

哀れなホル・ホースは、最悪の女に優しくしてしまった。



345 :ビッチ・ボーイ ◆fedyYYAe9Q :2010/02/08(月) 03:12:12 ID:ChTTX+V9
【E-4  外/1日目  午後】
【ホル・ホース】
[スタンド]:エンペラー(皇帝)
[時間軸]:「皇帝」の銃弾が当たって入院した直後。
[状態]:頬、右上腕に裂傷、左肩に銃弾による貫通傷(すべて『メタリカ』による応急処置済み)、貧血気味
[装備]:腹部にダニー(身体的な異常は0だが、あと1時間ちょっとで心が折れる)
[道具]:支給品一式、チューブ入り傷薬、死の結婚指輪の解毒剤リング、ナチス駅の時刻表、不明支給品1(確認済)
[思考・状況] 基本行動方針:生き延びるために誰かに取り入り、隙を突いて相手を殺す。
0.え?
1.スピードワゴンの帰りを待つ。帰ってこないようだったら、方針を変える
2.スピードワゴン、リゾット、J・ガイルが旦那だ!アンジェロみたいなクソは旦那じゃねえ。
3.探知能力を持った者、またはレーダーを探す。
4.このネズミをどうにかしたい。
5.女は見殺しにできねー。
[備考]
※シーザーとの戦闘はみんなに隠すつもり。
※情報交換の際リゾットからブチャラティチームの能力を教わりました。
 暗殺チームの名前と能力(ペッシ含む)は教わっていません。ミューミューの能力は教わりました。
※リゾットの考察メモの内容を聞きました。
※吉良吉影を『警戒が必要な人物』と認識しました。
※ミューミューと『知り合いの名前』を情報交換しました。名前以外の情報をどこまで伝えたかは次の書き手さんにお任せします。
※ホル・ホース、スピードワゴンの両者は、隕石を見、鉄塔とスペースシャトルの破壊音を聞きました。
※【F-4】でシアーハートアタックの爆音が響きました。ホル・ホースとミューミューには聞こえたようです。
※J・ガイル、片桐安十郎と情報交換しましたが、どこまで情報交換したのかは次の書き手さんにお任せします。
※ミューミューの死で自分が動揺していると勘違いしています。

※ネズミについて(SPWの不明支給品のひとつでした)
このネズミは【アクセル・ROの作りだした“ダニー”】です。出典SBR15巻。 解除方法は原作同様“水で清める”だけ。
ロワでの制限として“心が折れるまでには約10時間かかる”。シビル・ウォーの“罪をおっ被る”という能力は無し。
ダニー自体を破壊する事は出来ます(コミック内の描写より)が腹と一体化しているのでまず無事では済まないでしょう。
上記が記された【説明書】はスピードワゴンが破り、その一部は屋外へ捨て、残りは食べてしまいました。


【山岸由花子】
[時間軸]:4部終了後
[状態]:健康、強い覚悟
[装備]:妨害電波発信装置、サイレンサー付き『スタームルガーMkI』(残り7/10)
[道具]:基本支給品、不明支給品0〜1 承太郎の首輪
[思考・状況]基本行動方針:優勝して広瀬康一を復活させる。
0.情報を聞き出す!
1.吉良吉影を利用できるだけ利用する。
2. DIOの部下をどうにか使って殺し合いを増進したい。
3.正直知り合いにはなるべくあいたくない。けど会ったら容赦しない。
4.一応ディオの手下を集める
[備考]
※エンヤの能力が死体操作であることを知りました。生きた人間も操れると言う事はまだ知りません
※荒木の能力を『死者の復活、ただし死亡直前の記憶はない状態で』と推測しました。
 そのため、自分を含めた全ての参加者は一度荒木に殺された後の参加だと思い込んでます
※吉良の6時間の行動を把握しました。
※空条承太郎が動揺していたことに、少し違和感。
※プッチの時代を越えて参加者が集められていると考えを聞きました。
※ラバーソールのスタンド能力を『顔と姿、声も変える変身スタンド』と思ってます。
 依然顔・本名は知っていません。
※スピードワゴンの名前と顔を知りました。


346 :ビッチ・ボーイ ◆fedyYYAe9Q :2010/02/08(月) 03:16:29 ID:ChTTX+V9
投下おわりました

タイトルはホル・ホースの元ネタ?のホール&オーツの「リッチ・ガール」からとりました。
この曲はホール&オーツのガールフレンドの元彼を哀れんだ歌で本当はリッチ・ボーイなんだそうです。
ホール&オーツがだめな男を女性におきかえて歌ったそうです。

347 :ビッチ・ボーイ ◆fedyYYAe9Q :2010/02/08(月) 03:18:07 ID:ChTTX+V9
ビッチという意味は元々色んな意味で使われていたので使いました。
ビーチ・ボーイっぽくなってしまいましたけど。
これからも予約しますので他の書き手のみなさんよろしくです。

348 :創る名無しに見る名無し:2010/02/08(月) 21:47:25 ID:sUoBcmuv
マダオ死んだーッ!!?
なんて女性に優しくないロワwwww
もうこれでグェス死んだら、ジョジョロワヒロインの良心いなくなるぞwww

>>◆fedyYYAe9Q氏
投下乙!これからも投下してくださるとのことで、期待しています!
少し気になったのですが
ホル・ホースの行動表に「女は見殺しにできねー」とありますので
もう少しミューミューが死んだ事に対してのリアクションがあってもいいのでは?



349 :創る名無しに見る名無し:2010/02/08(月) 22:09:06 ID:WMePQdbS
>>348
ウエストウッドに続いてミューミューまで・・・
今日は看守の厄日か何かか?
プッチまで消えて、6部勢が一気に少なくなってきましたね・・・
スピードワゴンが結局前回と同じような死に方でワロタ
お二方とも投下乙です
これからもお願いします!

>>348
私はリアクションが無かったことが、
逆にホルホースの見捨てるときは見捨てるという冷静さが出ていていいと思いました

350 : ◆fedyYYAe9Q :2010/02/09(火) 00:45:36 ID:c5zF8sW0
感想ありがとうございます。

ホル・ホースは>>349さんの言うとおり冷静と情熱の間を揺れ動く様子を書こうとしました。
ちょっと説明不足だったかもしれません。
まとめサイトで加筆をしようと考えていますのでよろしくお願いします。

351 :創る名無しに見る名無し:2010/02/09(火) 10:10:13 ID:k8pAP27E
ご本人が規制で書き込みできないということですので、 ◆Y0KPA0n3C氏の作品が一時投下スレに投下されていることを代理報告します。

352 : ◆0ZaALZil.A :2010/02/09(火) 16:58:28 ID:4gKIRM5E
両氏ともお疲れ様です

「悪意の継承者」特に指摘がないようなら明日Wikiに掲載させていただきます

353 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 18:42:05 ID:axYJvwIr
一時投下していた自分のSSですが加筆、修正した物を 7:30〜8:00 ごろに投下予定です。
支援してくださる方、いましたら喜びで悶えます。

354 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 19:17:53 ID:ZEhdNwF8
支援して◆Y0KPA0n3C.氏を くるい もだえさせるのだ 喜びでな!

355 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 19:30:55 ID:fCUrkJlZ
支援 支援 支援

356 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:03:21 ID:axYJvwIr
お待たせしました。
花京院典明、J・P・ポルナレフ、ホルマジオ、グェス、空条徐倫、パンナコッタ・フーゴ、FF、ディアボロ、川尻早人
投下します。

357 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:04:37 ID:axYJvwIr
ヒュンヒュンと高い風切り音は花京院にとって耳慣れたもの。自分は知っている、この音を知っている。花京院は額にじっとりと汗が浮かぶのを感じた。
この音はシルバー・チャリオッツが高速でレイピアを回している音。シルバー・チャリオッツのスピード、達人級の剣捌きが生む一種の芸術品。
そして花京院は知っている。これをポルナレフがやる時は、これを見せる時のポルナレフは―――

―――ポルナレフは本気だ。本気で『切る』気だ。

「考えてみりゃ、いや、気づいてみればって言い変えたほうがいいか。ここに来てからいろんなことがいっぺんに起きすぎてよォ、俺には考える時間がなかった。元々考えるってのがどうも苦手な俺が、だぜ?」

二人の間合いは近くもなく遠くもなく、その点ではイーブンイーブン。
ポルナレフにとっての好都合は場所が室内であること。そして先の騒動で二人の間を遮るものがないこと。
つまり、ポルナレフが踏み込めばあっという間に戦況は傾く。
一方、花京院にとって幸いだったのが入り口に近いこと。
ダービーとフーゴが駆け抜けて行った扉は真後ろ、およそ五メートルの位置。

「でもよ、考えるのも面倒だ。死んだイギーが、アヴドゥルが、そしててめー、花京院がいようがいまいが知ったこっちゃねぇ。俺は自分の目で見たもんしか信じねぇ、そう決めたぜ」

レイピアの回転がピタリと止まった。切っ先は花京院の喉元へ向いていた。

「てめえはホンモノか、ニセモノか、どっちなんだよ『花京院典明』」

勝負は間合いの取り方、その一点に絞られていた。どちらが先に踏み込むか、どちらが先に隙を作り出すか。
花京院は静かに己の傍らにスタンドを呼び出す。ポルナレフの目が細められた。

死んだ者が蘇る。本当にそんなことが可能なのか。
二度と会えないと思ったかけがえのない人物に再開できる。そんな夢のようなことが起こりうるのか。
そんなことはどうでもよかった。そんなことは後で考えればいい。今一番考えなきゃいけないのは―――

―――てめえが本物なら、俺の太刀筋なんか嫌というほど見てるはずたぜ、花京院。

仲間の姿に、仲間だからこその信頼。
同時にポルナレフの脳裏に今再び浮かぶ、承太郎の語った敵。
変幻自在、姿も声も変えるスタンド使い。

―――ニセモノなら容赦はしねぇ。ただ叩っ切るだけだ。

じわりとじわりと距離をつめる。ゆっくりゆっくり出口へ向かう。
互いに出方を伺う。張りつめた緊張感が痛いほどの沈黙となり二人を包む。
花京院が口を開いた。

358 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:05:10 ID:fCUrkJlZ
  

359 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:07:25 ID:axYJvwIr

「いいか、ポルナレフ。聞いてくれ」

その言葉をポルナレフは遮る。

「口を開くな。てめぇが何者か知らねぇがここにアヴドゥルがいる以上、何を言おうと言い訳にしか聞こえねぇ」

もはや両者の激突は何人にも止められない。
ポルナレフは決意を固める。
花京院は覚悟を決めた。
そして己の拳を固め、両者が動き出したその刹那―――



『あー、テステス、テステス――――――』





     ◇   ◆   ◇




もう何時間こうしてるんだろう。ぼんやりした頭でふと壁にかけられた時計を見上げる。
時計は壊れていた。私の八つ当たりの結果、時計は12時を過ぎた少し辺りで時を止めていた。

「うううぅ…………!」

激情に駆られている自分を冷静に見つめるもう一人がいる。何だかすっごく変な気分だわ。こういうの何て言うんだったかしら?二重人格?
ちょっと違う気がする。なんだったかしら。

「うううぅう………ッ!…父さん………父さん………!」

ああ、思い出したわ。そうそう、ハイスクールで習ったんだわ、そういえば。
そう、確か『適応規制』っていうのよ、こういうの。
『昇華』だとか『逃避』だとか色々あったわ。

「イギー………アバッキオ………ウェザー………ああああ………ああぁああ――――――ッ!」

なんでかしらね。こうやって泣いてるのに、涙を流してるのに、悲しんでるのに。
こうやってすごく冷静な自分がいる。まるで無理に泣いてるみたい。不思議な気分。

「あああぁ………あぁああぁ――――――ッ!」

八つ当たりで暴れ回っても気が晴れない。
泣き叫んでも何も変わらない。
子供のように駄々を捏ねても誰もかまってくれやしない。
胸にポッカリと穴が空いた、例えるならそんな感じだった。

「………荒木…荒木、荒木飛呂彦ォオオ――――――ッ!」

可笑しいわね、放送前に覚悟したはずだったのに。
もう何も失わないって誓ったはずなのに。

360 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:08:54 ID:ZEhdNwF8
しえん

361 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:10:10 ID:axYJvwIr
「父を返せッ!母を返せッ!」

手段も選ばない。戦い抜く、守りたいから戦う。そう思ったのになぁ。

「友を返せッ!仲間を返せッ!………返してよォ…!私の…全部………返せよッ!」

虚しい。とてつもなく虚しい。
今の私は全部カラッポ。それもこれも全部…全部………。

「荒木…荒木ィイイイ―――――――ッッ!!!」

復讐をやめろなんて説得は誰だってできやしない………ハッ、我ながら素敵な言葉だわ。
そうよ、復讐。今の私を突き動かす、この気持ちは復讐。

「ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう!」

復讐とは自分の運命への決着をつけるためにある。
アンタの言葉を借りるわ、エルメェス。
最初から気づくべきだった。ママが殺された時、ううん、空条承太郎の娘、空条徐倫として生まれた瞬間から『そうなるはず』だったんだわ。

―――決着をつけましょう、荒木飛呂彦。

今度こそ迷わない。前に何が立ちはだかろうと、どんな敵が現れようと、誰が何と言おうとも。
私の覚悟は変わらない。私は―――

―――私はアンタを殺す。





     ◇   ◆   ◇






「駅には治療できるような設備も薬品もない。少し遠いが特別懲罰房に向かいたい。立てるか…?」
「…はい、大丈夫………です」
「………」
「………」
「背負ってやる」
「…ありがとう…ございます」

ディアボロは背中に伝わる鼓動を感じつつ、純粋に驚いていた。子供とはこんな軽いものなのか、と。
その軽さは子供というものを言葉よりも的確に表していた。
他人がいなければ生きていけない、弱く、脆く、儚い存在。
守る大人がいなければあっという間に消えてしまう、蝋燭の火のようなそんな存在。

―――俺は今まで何一つ背負って来なかった

僅かな重みを感じ、ディアボロは改めて実感した。
そして再度誓う。ジョセフの想いを無駄にしないことを。


362 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:10:18 ID:tsS6D0fv
 

363 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:11:21 ID:ZEhdNwF8
しえん

364 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:11:22 ID:fCUrkJlZ
  

365 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:11:32 ID:axYJvwIr
「………体調は…体は大丈夫か?」
「…大分楽になりました」

早人はその身を大きな背中に預け、想いを馳せていた。一人の男を思い出していた。まさに自分にとってのヒーローを。
赤の他人の自分を身を呈して守ってくれた。傷を気遣いこうやって背負ってくれた。そして自分の危機には本気で怒ってくれた。

―――仇、取らなきゃ

傷だらけになったって構わない。ボロボロになったって仕方ない。ウェザーはそれ以上の傷を負い、そして死んでしまったのだから。
早人は再び誓う。必ずやり遂げる、と。

ディアボロはその重さを背中に感じ、早人はその背中に暖かみを感じた。
会話もなく、街の喧騒もない。不器用なディアボロの優しさが早人を背負わせ、二人は黙ったまま一つだけの足音に耳を傾ける。
ただひたすら歩く。

太陽が二人を照らす。作り出される影は一つ。
だというのに二人はどこまでも遠かった。
そんな二人の耳に飛び込んでくる一人の叫び。それは二人の視界に特別懲罰房がまさに見えてきたといった時だった。


『あー、テステス、テステス――――――』





     ◇   ◆   ◇




ビビってるかって?ああ、ビビってるよ。
勘弁してくれって言いたくなるさ。こんなの馬鹿げてるって放り出したくなるさ。
でもこれはアタシがやるって決めたんだ。誰でもないアタシが決めたこと。そうだろ?
ならやんなきゃなんねーさ。

じいさんから拡声器を預かった後アタシは少し西に移動して繁華街に入った。ちなみに馬には乗ってねぇ。
なんでかって?そりゃまた暴走されたら今度こそ誰かに見つかっちまうからさ。ってももう既に誰かに見られたって可能性もあるけどな。

「ここら辺で…いいかな」

繁華街に入った理由は二つ。
一つは隠れる場所が多いし、要り組んだ地形だからだ。
さすがに覚悟を決めたからといって道路のど真ん中で、アタシはここですよー、なんてクレイジーなことはできねぇ。
命は投げ捨てるもんじゃねし、アタシは死ぬつもりも更々ない。そうなると拡声器を使う場所として重要となるのが声が通るような場所、且つ危険なやつに目ェつけられたとしても逃げれる、まける場所。
そういう訳でアタシがチョイスしたのは繁華街の中で少し浮いてる小さいビル。
屋上に出れるうえ、回りの建物に比べて少しだけ高いってのがミソだ。
声が届きませんでした、なんてこともないだろうし、いざとなったら屋根づたいに逃げられる。まさに至れり尽くせりってやつだ。

二つ目は少しでも人が集まるとこでコイツを使うためだ。
地図にデカデカと『繁華街』と名前が乗っている以上ここに集まる人数は一人や二人じゃねーはずだ。一人でも多くのやつにアタシの言葉を聞いてもらうとしたらここっきゃねえだろ。中央にも近いしな。

「一人でも多く………か」


366 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:11:49 ID:tsS6D0fv
 

367 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:14:14 ID:ZEhdNwF8
しえん

368 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:14:30 ID:axYJvwIr
リスク高ぇな、おい。
…怖ぇよ………怖ぇよ……………………。
心の底では少し思ってたんだ。こんないい場所が見つかりませんように、って。
何かの拍子に拡声器は壊れてしまいました。残念!グェスは結局何も出来ませんでした。
そうならねーかなってよ。

「…やっぱやるっきゃねーか」

ああ、やるっきゃねぇさ。これも神の思し召しってやつだ。これでやんなきゃアタシは一生ウジ虫野郎だ。
やるっきゃねぇ…いや、できる。アタシならできるんだ。やるんだ、グェス!
震える手で拡声器を持ち上げ立ち上がる。ビルの屋上、張り巡らされたフェンスの向こうに広がる繁華街。誰がいるかはわからない。誰が聞くかもわからない。
でも…できる、やるんだ………っ!
ヤクの一種と一緒だ。ヤッちまえばどうってことねぇさ。あっという間にお仕舞いさ。だからグェス、押せ…押せ…!
拡声器のボタンに指をかける。そしておもっいっきり息を止め―――

『あー、テステス、テステス――――――』





    ◆





『あー、テステス、テステス………ゴホンゴホン。あー、どうやらコイツの調子は良好のようだな。
この声が聞こえる全員に聞いて欲しい事がある。先に言っとくがアタシの名前は言えねぇ。
こんなことしといて、なんだが、臆病者なんでな、勘弁してくれ。この話も終わったら直ぐにトンズラさせてもらうつもりなんでね、アタシはまだ死にたくねェ。
だってそうだろ?誰だって死にたくねぇはずだ。誰だって好き好んで人を殺すやつなんてそういねぇよ。
だからもう…荒木の言いなりになるのはやめようぜッ!?
死にたくねぇからだとか、殺らなきゃ殺られるだとか、そんなんを言い訳に…もうウンザリ、沢山だ!
こんな殺し合い馬鹿げてる。クレイジーだ。イカれちまってるッ!
…臆病者のアタシでさえこんなことができるんだ。だから皆勇気を持ってくれ。
殺さねぇ勇気を持ってくれ。んで荒木に立ち向かう、そっちに勇気を向けようぜ………アタシが言いたいのはそんだけだ。
…そろそろ話を切り上げねぇと危ねぇ輩がよってきそうだな。まぁつまりはそういうことだ。アタシができんのはここまでだ。
………それじゃトンズラさせてもらうぜ…あばよ』





     ◆






369 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:15:12 ID:fCUrkJlZ
 

370 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:16:20 ID:axYJvwIr
ドッと汗が吹き出る。心臓がバクバク脈打ち、爆発するんじゃねーかと不安になる。
ああ?トンズラ?できるわけねぇだろ、バカヤロー!あれはな、アタシなりに考えた戦略なんだよ。
いいか、ノッてるやつの立場になって考えてみろ。拡声器で大声あげてアタシはここですよー、なんて言うヤツがいたらどうする?
大喜びで狩りに来るに決まってんだろ!
だからあえて『トンズラする』なんて言ったんだよ。ここら辺で声がしたってことは知られてもいい。でもよ、『ここ』に残っているってことはバレちゃなんねぇんだよ。

それによ、もし仮に見つかってもこっちは屋上だ。うまく隣の屋根を伝っていけば出し抜くのも不可能じゃない。
それに、なにより、逆も然りなんだぜ?
ノッてねぇヤツで、アタシの考えに賛同してくれるヤツがゼロ、ってことはないはずだ。もしそんな奴らが来てくれたら…仲間にしてもらいたい…是非とも。
希望的観測?いいじゃねぇか、夢見たって。夢見て何が悪い?
まぁ、そんなことはいいとして実際問題、一番の難点は見分けがつかねぇことだ。考えて見ろ、姿を現したがいいが話しかけてみたら殺る気満々でした、じゃギャグにもならねぇ。目もあてられないぜ。
だからこその静観なんだよ。向こうにこっちがみられるかもしんねぇがそんなリスクは重々承知、じゃねーとせっかくの拡声器が台無しだ。
奇襲に備えて階段とビルの入り口にトラップも仕掛けてあるしよ。子供騙し程度のもんだが入ってきたってわかりゃ後は屋根上の鬼ごっこ。
んでいざとなったら要り組んだ街中でかくれんぼってわけだ。尤も『張る』のが命じゃそんな余裕もねーがな。
…さて、そろそろ誰か来てもいい頃だな。のんびりしてる場合でもねぇし、気張って―――


―――グェスは計算高かった。拡声器を使うリスクの大きさを充分に理解し、対策を練ってまで利用した。
拡声器の声を聞いた者はそうは思わないだろう。この場で多くの参加者を呼び出す拡声器を使った時点でグェスをある意味喰ってかかる者が大多数。
コイツはなんて馬鹿な参加者なんだろう、と。
その過小評価こそグェスが望んだものだった。そうすれば漬け込める、隙をつける。
グェスの一番の幸運は、一番のファインプレーは感情的に行動しなかった、その臆病さにあった。

―――だがグェスは見逃していた。
問答無用でグェスを襲ってくる相手がいる可能性を。グェスが悪だと、使えないヤツだと決めつける人物がいることを。極限状態で変わってしまったのは何もグェスだけではないことを。


「ん、何だ?影………?」

怒りは、憎しみは、人を容易に変える。

「オラッ!」



例えそれが聖母のような人物であっても。







     ◇   ◆   ◇





371 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:17:00 ID:ZEhdNwF8
しえん

372 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:18:22 ID:axYJvwIr
アタシは本当にラッキーだった。そもそも何をラッキーとするかは人によって違うだろうけれども少なくともアタシはラッキーだったと言えるね。
なんせコンクリートを粉々に砕く一撃を紙一重でかわせたんだからな。

「ヒィイイ………ッ!」
「チッ!」

だが状況はアンラッキーすぎる。なんだっていうんだよ、急に。
なんだってあんたはアタシに襲いかかってくるのさ、ジョリーン。
確かにアタシはアンタに悪いことをしたさ。でも今の一撃はまるで、まるで………

―――本気でアタシを殺すみたい

「なんだよ、ジョリーン、アタシだよ!!グェスだよ、グェス!!」
「ああ、わかってるわよ、グェス。あんたみたいなクズ野郎はぶちのめさなきゃなんねーってことはね」

本日二度目となるラッキー。だけどさっきみたいなスーパーラッキーとは言えないね。
反射的に庇うようにあげた両腕、それを掻い潜るように捩じ込まれ、顔面に叩き込まれた豪腕。
顔はジンジンするわ、腕のどっちかがゴキリと嫌な音をたてたのにそれでラッキーだなんて言えるんだから泣けてくる。
おまけとは言っちゃなんだが階段の近くまで吹っ飛ばしてくれたから上出来すぎる…なんてか。

「ヒィイイ……ッ!なんでだよ、何があったんだよ、ジョリーン!」
「………ッ!あんたみたいなゲスが生きてるのに、父さんは…父さんは………ッ!」

動揺しまくってるわりにアタシの頭ん中はクールだった。今のジョリーンはイッちまってる。父さん…肉親を亡くして薬中みたいにキレちまってる。
アタシはその八つ当たりの対象にされたってわけか。光栄だわ、本当に……。
アタシの拡声器での演説効果はどうなったって?知るかよ、ボケ。
ジョリーンからすれば小心者でクズでゲスなグェスはホイホイやって来た参加者を殺っちまう最悪なクレイジー野郎なんだろうな。
だから、私が裁くッ!そんなところだろ。
否定しないさ。アタシはクズでゲスで小心者さ。でもよ………

「まだ死にたくないんだよ、アタシは!」
「逃がさない」

情けないことに声は震えてた。足もガクガクさ。でも、まだ死にたくない。
干しっぱなしのシーツを投げると、屋上からの階段を二段飛ばしで一気にかけ降りる。後ろで盛大な悪態をつくジョリーンの声が聞こえた。
狭い階段じゃスタンド能力なんざ、関係ねぇ。アタシのほうが先に下につける。そうだ、余裕をもてよ、グェス。
痛む腕を気にしてる暇もねぇ。とにかくビルの外にでて、出て―――


―――出てまた逃げるのか?



373 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:18:32 ID:fCUrkJlZ
 

374 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:21:33 ID:ZEhdNwF8
しえん

375 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:21:59 ID:fCUrkJlZ
 

376 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:24:27 ID:axYJvwIr
二階の踊り場についた瞬間、その場にしゃがむ。さっきまでアタシの頭があった位置を轟音とともに貫く拳があった。
バラバラとくだけ散った細かいコンクリートが口の中に入りたっぷり味わうことになる。アタシはジョリーンの姿を見ることなく、文字通り階段を転がり落ちる。

アタシはなんのためにあんな馬鹿げたことをした?まさか本当に誰かを殺る気だったのか?誘き寄せてアタシの手でグシャ、そうするつもりだったのか?

ちげーだろーが!
なんとかしてーからやったんだ。一人がやだからやったんだ。誰かの心の中にいたい…だからやったに決まってんだろ!
止めてやるさ、ジョリーン。目覚ましてやるよ、このバカ野郎が。

勢いよく壁に体をうちつけ、ようやくアタシは止まった。
バネ仕掛けのオモチャのように立ち上がると出口へと向かう。身体中が痛むがそんなことは言ってられねぇ。ジョリーンもすぐ後ろにいやがる。
後ろでアタシが仕掛けた空き缶のトラップがカランと鳴った。

アタシはビルに入った時に確認した通り、オフィスフロアーとなっている一階を走る。机と机の間を駆け抜け出口へ向かう。
後ろで思い切りジャンプする音がした。室内の蛍光灯で影ができる。すかさずデスクにヘッドスライディング。

「オラァッ!」

紙の束やらファイルやらを撒き散らし、またもや間一髪でジョリーンの一撃を避ける。出口はすぐそこだ。
キャスター付きの椅子を全力でジョリーンの方へ蹴り飛ばす。コンマ一秒でも時間稼ぎになりゃ上出来だ。

アタシが自動扉のガラスを突き破ったのと同時にさっきの椅子が空を舞った。
体操選手ばりの華麗な前転一回転を成功させ振り向くと目にうつったのは猛然と突っ込んでくるジョリーンの姿。
打つ手なし?アタシのスタンドじゃ太刀打ちできない。
逃げるのも不可能。残念!グェスの冒険はここでお仕舞いでした!…ってか?

いいや、違うね。階段で転がり落ちたのは『そうなった』からじゃない。『そうしたかった』からしたんだ。
アタシは右手に持っていたデイバックをジョリーンに投げつける。当然のようにストーンフリーの強烈な一撃をうけ、明後日の方向へ飛んでいく。だけど違う。狙いはそんなんじゃない。

「!」




377 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:25:24 ID:axYJvwIr
デイバックを投げたのは時間を稼ぐのともう一つ役目があった。
そう、アタシがいま投げた『首輪』を投げつける時間とそれを視界から隠すための役目が。
…トラウマを抉るようで申し訳ねぇがそんなこと言ってられる相手じゃねえ。後で謝るから勘弁してくれ、ジョリーン。
いくらジョリーンだろうと流石にこれで隙が生まれないはずがない。殴れば爆発するイメージに重ね、母親の死だ。その隙を利用して―――

―――ポフ

「お前みたいな…お前みたいなクズがいるから………いるから………ッ!!」

ジョリーンのストーンフリーで編み込んだネット。一瞬で作り上げられたそのネットは首輪のエネルギーを吸収。カランカラン、と四つの首輪が地を跳ねる。
ジョリーンはなんなく対処した。それどころか首輪をみて怒りを新たにアタシに向かってくる。

「そう、それが最高ね。弾き返されることもなかったし、首輪が破壊されるなんてこともなかったしよ」

変わったのはアンタだけじゃねえさ、ジョリーン。臆病者のグェスならこうはしねえ。昔のアタシならこうはできねぇさ。


『それでスタンドってはどういうもんなんだよ、花京院』
『そうですね…大雑把に言ってしまうと精神力ですからスタンド使いの気持ち次第で大きく変わるんですよ。勿論基本的なルールはありますけどね』


本当の狙いは『これ』さ。
アンタを殺すつもりもない。アンタをビビらせるつもりもないし、アンタから逃げる気もないね、ジョリーン。
なにより、もう自分から逃げる気も、ない。

『例えば?』

驚愕に見開かれたジョリーンの目。一瞬だけ動作が停止。そして嵐のような拳のラッシュが襲いかかってくる。だが構いやしねぇ。
その一瞬がアタシの勇気の成果。その一瞬が成長の証。

『そうですね…まぁ最初に覚えておくべきは―――』

首輪を投げたと同時にアタシはジョリーンに向かって走り出していた。スタートをきっていたアタシは拳の嵐を掻い潜り懐に潜り込む。
そしてジョリーンが再び狙いを定め、アタシをぶちのめそうと狙いを定める前に………!

『スタンド使いとスタンドが近ければ近いほど正確性、スピード、パワーは強くなるんですよ』


「グーグー・ドールズッ!!」





     ◇   ◆   ◇


378 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:26:19 ID:+vRYjoDJ
支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援

379 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:26:34 ID:tsS6D0fv
 

380 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:26:52 ID:fCUrkJlZ
 

381 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:27:05 ID:zyvXXtia
 

382 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:29:02 ID:axYJvwIr

「俺はまだてめえを信用してねえ」

チラリと目を向けると、少し後ろから低く押し殺した声が聞こえた。花京院は思い切り舌打ちをしたくなる気分をなんとか我慢するとなるべく冷静な声で返事をした。

「だったら気が済むまで見張ってればいい。そう言ったはずだ、ポルナレフ」

返事代わりの舌打ちに、こっちがしたい気分だ、と花京院は小さく毒づく。
時は少しさかのぼる―――



   ◆



「あの人は一体何を………ッ!」

そこまで言うと花京院は目の前のポルナレフに目もくれず、外に飛び出そうとした。
聞いたことのない女の声とその内容に気を取られていたポルナレフは花京院の突然の行動に虚をつかれた。
考える前に口を開いた。

「待ちやがれッ!」

だからまさか本当に花京院が止まるとは思わなかった。道路で急停止した花京院と先と同じぐらいの距離で再び対峙するポルナレフ。

「まさか本当に止まるとはな…」

その顔にほんのちょっとだけ疑問の色を浮かべるとポルナレフはポツリと呟く。
それとは対称的に花京院は苛立ちを隠せない。普段の彼らしくない焦りを含んだ大声で即座に切り返す。

「今僕達は下らないことで時間を無駄にするわけにはいかないだろ、ポルナレフ!」
「下らない?下らないだと、てめえ!アヴドゥルの―――」
「死者は生き返らないッ!」

興奮ぎみのポルナレフを一喝するかのような花京院の叫び。それはエジプトへの道中をともにしたポルナレフさえ聞いたことがない声だった。
面食らったポルナレフに畳み掛けるように花京院は次々と言葉を投げ掛ける。その表情は真剣そのものだった。

「確かにアヴドゥルさんのことは下らないことなんかじゃない!でも今は一秒だって時間が惜しい!
いいか、さっきの拡声器はここら一帯どころか、繁華街全体、それすら越えて遠くまで聞こえたかもしれない!もし近くに殺戮者がいれば、いや、こうやって言ってる間も彼女は危険に曝されてるんだぞ、ポルナレフ!」
「て、てめえがニセモノの可能性がある以上野放しには―――」
「空条承太郎、スタンドは超高速超精密動作を誇る近距離パワー型スタンド、スター・プラチナ!
ジョセフ・ジョースター、波紋使いでスタンドはハーミット・パープル!念写の能力を持ち波紋はスタンドを伝わせることができる!モハメド・アヴドゥル、スタンドは―――」
「DIOの手下だったらそんぐらい知ってても不思議は―――」
「ジャン・ピエール・ポルナレフ!妹の名前はシェリー、血液型AB、好きな映画は『がんばれ ベアーズ』!」
「そ、それは………」
「君と口論してる暇はもうない。襲いたいなら襲えよ、ポルナレフ」

383 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:29:23 ID:fCUrkJlZ
 

384 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:29:56 ID:axYJvwIr

半ば投げやりに会話を打ち切るとクルリと背を向け花京院は走り出した。その後ろ姿があまりに無防備でポルナレフはなぜだか狼狽した。
まるで裏切られた、そう花京院の背中が言ってるように感じたからだ。

「おい、待て、待てよこの野郎!」

慌ててポルナレフは後を追う。なんだか隣に並ぶのは気が引ける気分で花京院の斜め後ろにつけた。
今更なんだと、言いたげな花京院の視線をしっかり意識しながらもポルナレフはわざと目線を反らし小さい声で主張した。

「お前がニセモノかホンモノかわかるまでついて行かせてもらうぜ」
「…どうぞ」

花京院はわざとらしく鼻を鳴らした。



   ◆



「それで…さっきの拡声器の女はどういうやつなんだ?」

沈黙に耐えきれなくなったか、はたまた少しでも情報を引き出そうという魂胆か。花京院の中にわざと無視してやろうか、というひねくれた考えが浮かぶ。だがそんなことで信用を失うのも馬鹿らしい。
精一杯の反撃としてわざとらしいため息をつくとグェスのことを要領よくまとめ、説明することにした。

「彼女の名前はグェス。行動したのは大体四・五時間ってところでしょうか。10時頃にはぐれてしまい、僕はそれ以来彼女を探してました」
「それで?」
「彼女はスタンド使いで、その能力は自分は小さくなれないが相手を小さくすることができる能力です」
「発動条件は?」
「わかりません」
「おいおい、マジかよ。ホントにお前ら一緒に行動してたんだろうな?」
「ええ、彼女は僕の『友達』で『仲間』です」

友達、仲間という言葉を強調し花京院はキッパリと言い切った。
同時にハイエロファント・グリーンをビルに這わせ、近くに誰かいないか伺う。
その様子をそっと観察する。記憶の中となんら変わらないハイエロファンとを確認するポルナレフ。だがまだ確信はもてない。
返事代わりにポルナレフは皮肉の一つでも言おうかと口を開きかけ、そして突然止まった。
先を行く花京院は後ろから聞こえていた足音が消えたことでそれに気がつく。

待つ必要はないし、そもそもついて来てると言ったのがポルナレフである以上、花京院に止まる必要は全くない。無視してグェスを探しにいっても良かったが彼はそんな男ではない。
何してるんですか、急かすように後ろのポルナレフに問いかけるが返答はない。
舌打ちとともに今来た道を少しだけ引き返す。いい加減にしないと僕も怒りますよ、と半ば脅すように声をかけようとしたその時。

「フーゴにこの声は聞こえたと思うか?」
「!」

二人の顔色が変わる。今だけは二人の心が一つになっていた。それだけは避けなければと。そして同時に走り出す。

385 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:31:29 ID:tsS6D0fv
 

386 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:31:52 ID:fCUrkJlZ
 

387 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:32:15 ID:axYJvwIr
花京院はグェスの身を心配してだった。政府公邸での一件の二人、そしてなにより今のフーゴの状態を考えるとどうなるかわからない。最悪のケースもありえると思うと自然と走るスピードもあがる。
ポルナレフも同様だった。無力な参加者も気になるが、彼はフーゴをどうにかしたいという気持ちが強かった。もうこれ以上、誰かを殺させるわけにはいかない。

「ハイエロファント・グリーン!」
「なんか見えるか?!」
「わからない…が近いようだぞ、ポルナレフ!ハイエロファントが振動を感じ取った。僕のスタンドの近くのビルに誰かがいる可能性は高い!」
「よし、案内しろ!」
「次の細い路地を右、大通りにでたら十字路で左だ!」

要り組んだ迷路のような道を駆け抜ける。無意識にだがポルナレフは花京院を守るように先を走っていた。
ハイエロファント・グリーンが先行してる以上、今の花京院は無防備に近い。襲撃にでもあえばひとたまりもない。
口では反発してるがポルナレフは認めつつあったのだ。この花京院はホンモノだ、と。

―――彼女は僕の『友達』で『仲間』です
―――こんなクサイ台詞が似合うのはコイツぐらいしかいねぇだろ

結果から言うとハイエロファントが感じ取った振動はグェスが自動扉を突き破った際に生まれたものだった。
二人は無事に現場にたどり着くことができたのだ。そう、現場に。

指示通り先を行くポルナレフの背中を花京院は追う。ハイエロファント・グリーンも手元に呼び戻したし、もうポルナレフに守ってもらう必要はない。
いや、それどころか直情型のポルナレフだ。いらぬ誤解をグェスとの間に起こしかねないな。そう花京院が思ったのは最後の十字路をポルナレフが曲がった時だった。
だが曲がった先に見えた光景は棒立ち状態のポルナレフの後ろ姿。

何かあったのか、そう言おうとした瞬間―――悪寒。
走る銀閃と花京院が首を仰け反らせたのは同時だった。
目の前で散る髪の毛を見て花京院はゾッとした。もし当たっていたら―――

「ポルナレフ―――」
「その顔で喋るんじゃねえ………ッ!」

訳がわからない。だが敵は、ポルナレフはそんなことで待ってくれない。
完全にシルバー・チャリオッツの間合いにいる花京院はどうして、と理由を聞くこともできず繰り出される突きの回避に専念するのみ。
花京院のそんな精神状態では当然かわしつづけることなどできるわけもなく、徐々に赤い線が身体中に走りはじめ、そして―――

「シルバー・チャリオッツッ!」
「ぐぅう………ッ!」

囮のレイピアに大きく反応してしまった花京院は手痛い蹴りの一撃をうけ、通りの反対側まで吹き飛ばされる。
未だにどうしてポルナレフが変わったかもわからず、グェスの状態も、そもそもそこにいるのかさえわからずいる。
呻きながら何とかその場に立ち上がろうと壁を支えにする。
そして花京院は見た。
訳もわからず殺されてたまるか、と睨み付けるようにポルナレフを見上げた時、映った視界に彼女はいた。



足元に首輪を4つ転がし、その両の手の中でもがく参加者を、今にも握りつぶそうとしているグェスの姿がそこにあった。





     ◇   ◆   ◇






388 :代理:2010/02/11(木) 20:34:24 ID:DbJVC3GH
二階の踊り場についた瞬間、その場にしゃがむ。さっきまでアタシの頭があった位置を轟音とともに貫く拳があった。
バラバラとくだけ散った細かいコンクリートが口の中に入りたっぷり味わうことになる。アタシはジョリーンの姿を見ることなく、文字通り階段を転がり落ちる。

アタシはなんのためにあんな馬鹿げたことをした?まさか本当に誰かを殺る気だったのか?誘き寄せてアタシの手でグシャ、そうするつもりだったのか?

ちげーだろーが!
なんとかしてーからやったんだ。一人がやだからやったんだ。誰かの心の中にいたい…だからやったに決まってんだろ!
止めてやるさ、ジョリーン。目覚ましてやるよ、このバカ野郎が。

勢いよく壁に体をうちつけ、ようやくアタシは止まった。
バネ仕掛けのオモチャのように立ち上がると出口へと向かう。身体中が痛むがそんなことは言ってられねぇ。ジョリーンもすぐ後ろにいやがる。
後ろでアタシが仕掛けた空き缶のトラップがカランと鳴った。

アタシはビルに入った時に確認した通り、オフィスフロアーとなっている一階を走る。机と机の間を駆け抜け出口へ向かう。
後ろで思い切りジャンプする音がした。室内の蛍光灯で影ができる。すかさずデスクにヘッドスライディング。

「オラァッ!」

紙の束やらファイルやらを撒き散らし、またもや間一髪でジョリーンの一撃を避ける。出口はすぐそこだ。
キャスター付きの椅子を全力でジョリーンの方へ蹴り飛ばす。コンマ一秒でも時間稼ぎになりゃ上出来だ。

アタシが自動扉のガラスを突き破ったのと同時にさっきの椅子が空を舞った。
体操選手ばりの華麗な前転一回転を成功させ振り向くと目にうつったのは猛然と突っ込んでくるジョリーンの姿。
打つ手なし?アタシのスタンドじゃ太刀打ちできない。
逃げるのも不可能。残念!グェスの冒険はここでお仕舞いでした!…ってか?

いいや、違うね。階段で転がり落ちたのは『そうなった』からじゃない。『そうしたかった』からしたんだ。
アタシは右手に持っていたデイバックをジョリーンに投げつける。当然のようにストーンフリーの強烈な一撃をうけ、明後日の方向へ飛んでいく。だけど違う。狙いはそんなんじゃない。

「!」


389 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:34:42 ID:axYJvwIr
彼女は僕の『友達』で『仲間』です、か。
ああ、そうかい、そういうことか。とんだ仲間だな…とんだ友達だな………ッ!
最初から組んでやがったんだ、コイツらは!なんてことはねぇ、拡声器は獲物を集めると同時に集合の合図。まんまと俺ははめられたってわけか。

「全員動くんじゃね―――ッ!」
「ヒィッ!」

唯一手筈通りにいかなかった理由は時間がなかったってわけだ。本来なら俺が到着する頃にはあの女の手の中にいる参加者は始末済みのはず。
そして何食わぬ顔で合流、ニセ花京院との連携で俺を殺る。そういう心づもりだったんだろ………!

「ポルナレフッ!冷静に僕の話を聞いて―――」
「てめえがその顔で話すんじゃねぇ………ッ!!よくもぬけぬけとそんな言葉が言えるもんだぜ…虫酸がはしる………ッ!」

…ってことはあの手の中の参加者は『俺側』か?徒党を組むようなゲス野郎どもだ。仮に釣られたのが同じゲスだったら…いや、待て。
見境なく殺し回るヤツだったらコイツらにとっても始末する対象………そうすると、いや、そもそも………くそ、わかんねぇ。
ただコイツらはまだ俺を説得できると思ってやがるのは確かだ。じゃなかったらもうとっくに俺は襲われてるはずだ。
建前上ニセ花京院としては、殺せ、なんて指示もできねえ。女も俺に見られた以上目の前で殺るわけにはいかねえ。

「彼女と話をさせてくれッ!これは誤解だッ!いや、正当防衛だッ!何かがここであったんだッ!」
「目の前であんなものを見せられて説得力ねぇんだよッ!てめえ、頭脳がマヌケか?それにな、俺の『仲間』の花京院が信頼した相手だったらな、あんなやつを認めるわけがねぇんだよッ!」

ちょっと待て…となるとこのニセ花京院が俺と会った時同行してたのはフーゴと…フェルディナンド。
待てよ…待てよ、コイツは………もしかしたらッ!!

「ッッッ!違うッ!彼女はそんな人じゃないッ!正当防衛なんだ、きっとッ!襲いかかってきたのはきっとッ!」
「黙れェエエ―――ッ!下手な演技もいい加減にしやがれッ!」

最初からターゲットは『複数』いた?
一人目はフェルディナンド。そして二人目はトニオさん。三人目は拡声器で引き付けられたあの参加者。そして四人目は俺…
いや、違う。店にトニオさんしかいないって状況もありえた。それにフェルディナンドを殺すタイミングがおかしい。
ニセ花京院とフーゴが組んでるならフェルディナンドはもっと早くに始末されてるはず…。
つまりは………

「違うッ!彼女はそんな人じゃないッ!」
「でもコイツはお前の大切なお仲間でお友達なんだろ?アア?ちげーのかッ!?じゃなんでそんなヤツが人殺しなんかしてるか、馬鹿な俺にわかるように説明してくれよッ!」
「………ッ!」
「言ってみやがれ!コイツは、この女はなんでもねぇ、ただのゲス野郎の人殺し、そう言ってみろよ、花京院ッ!」
「………それとこれとは話が違うッ!」


390 :代理:2010/02/11(木) 20:35:41 ID:DbJVC3GH
ごめん勘違いした
>>388は無視して

391 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:36:35 ID:axYJvwIr
ニセ花京院、フーゴ、そしてこの女、グェスがグル。
つまり三人組の殺し屋。
フェルディナンドを殺そうと三人は一度分裂、ニセ花京院の話を信じるならここでフェルディナンドに接近する。
その場で殺さなかったのはさっきレストランで起きたような混乱を起こすため、そして確実にフーゴが逃げ切れるため。毒はあらかじめしかけられていたのか…?
そしてあわよくばニセ花京院が信頼を勝ち取るという三段構えの作戦。拡声器は再集合の合図と同時に釣りでいうエサ。
三人で集まった輩を始末する………ッ!
間違いない………こういうことだったんだッ!

「言えねーじゃねーかッ!つまりはそういうことなんだろッ!?裏で組んでるってわけだ!妙に律儀なやつだな、裏切れば俺の信頼は少しでも勝ち取れたかもしれねえのによッ!」
「ポルナレフ…信じてくれッ!僕は、僕たちは―――」
「まぁ、尤も―――」

もう迷わねぇ。
最初からこうするべきだったんだ。
トニオさんが死んだ。イギーが死んだ。アヴドゥルが死んだ。そして…承太郎も死んだ。
何を迷ってたんだ、俺は。大人ぶって、ウジウジして、守るって言い訳を振りかざして何もしない。何もできない。
ちげーだろ、ジャン・P・ポルナレフッ!

「どっちみちてめーはダメだ。人殺しの、徒党を組む、こすずるいゲス野郎。そしてなにより俺の仲間、『本物の花京院』を侮辱した以上てめーを」

俺は昔から何も変わってねぇ。何一つ変えちゃいけねぇ。
ただ目の前にある悪を、『黒』を俺は―――

「叩っ切るだけだッ!」





     ◇   ◆   ◇




重力の恩恵を受けたその鋭さはまさに光。かわしきることは叶わず、末端のハイエロファントが宙を舞う。
フィードバックしたダメージで額から血が飛び散る。だがそれに構ってられる余裕も時間もない。
目にも止まらぬと言っても過言ではない連続突きが僕に襲いかかる。
拳で弾くがパワー不足は否めなく、押し負け始めるハイエロファント。手から出血が止まらない。

「くっ…!」


392 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:36:45 ID:DbJVC3GH
そして支援

393 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:37:37 ID:h1hM1UqD
愛=支援

394 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:37:38 ID:ZEhdNwF8
しえん

395 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:38:15 ID:axYJvwIr
苦し紛れの攻撃も軽くかわされ逆にその腕を貫こうとレイピアが牙を向く。しかし咄嗟に柔軟性をいかしシルバー・チャリオッツの右腕に細くハイエロファントを絡ませる。
敵の剣を握る腕を止めると同時にギシギシと締め上げる。ポルナレフの顔が苦痛に歪む。苦し紛れの左腕のパンチも首をふってかわす。
そのまま腰に体重をのせ、捻るように回す。僕の体を中心にまるでコマ投げのような要領でポルナレフを振り回す。
そして残ったハイエロファントの左腕で顔面にぶちかますカウンター。
遠心力も乗せたうえ、相手の体重を上乗せした一撃。そのまま右腕の拘束を緩めると今度は逆にポルナレフが道路の反対側まで吹き飛んだ。

「『それは仲直りの握手の代わりだ、ポルナレフ』」

言えるわけがない。どっちも認めるわけにはいかないんだよ。
僕はお前の仲間だ、ポルナレフ。このエジプトの旅は、こんな楽しい思い出は、僕の17年間で最高のものさ。
何も隠す必要もない。自分だけに見える未知の力に怯える必要もない。そんな仲間と過ごすのは最高に楽しかったんだぜ?
友達の母を救う。DIOという巨大な悪に立ち向かうのは確かに怖いさ。僕も君も身を持って経験してるはずさ。そうだろ?

年が一回りも二回りも違うジョースターさん。気さくで頼れる人だ。
豪快でユーモア溢れるアヴドゥル。
寡黙だが、その根本にある優しさと怒りを力に変える凄い男、承太郎。

なんでここまで頑張れた?なんで皆戦えた?
僕は仲間がいるからさ。一人じゃない、そうわかったからだ。
友がいるだけでこんなも強くなれる。
仲間がいるだけで巨大な力に立ち向かえる。
お前もその一員なんだよ、ポルナレフ。僕にとって気持ちがかよいあう、同じ目的をもった仲間。

だから負けられないんだ。彼女の『友達』でいる以上僕は、負けられないんだよ、ポルナレフ。
だから―――

「エメラルド・スプラッシュ!」

僕の最強最高の一撃。
これで目を覚ませ、ポルナレフ!僕たちが争ってる場合じゃない!本当の敵は荒木なんだよ!
だから、思い出せ。この一撃で。忘れたわけないだろ、ポルナレフ?
『アヴドゥルさんが死んだ時』の一撃さ。僕のエメラルド・スプラッシュを思い出せ!

緑の宝石がポルナレフに襲いかかる。
驚愕にその瞳を染めつつも、レイピアの高速捌きで次々撃ち落としていく。
だが足りない。気持ちが、精神が、負けられないという根性が違う。
ついに押し負けたシルバー・チャリオッツ。両手を弾かれ、無防備にその体を晒す。

ここから始まるんだ。
誤解だってわかりあえる。間違えたってやり直せる。
そう、強い絆と信頼関係があれば、友達と仲間がいれば、どんな時だって人間は強くなれるんだッ!

スローモーションのように最後のエメラルド・スプラッシュが向かっていく。
ポルナレフは覚悟をしたように目を瞑る。空気を裂き迫る緑の閃光。それは吸い込まれるように、ポルナレフの―――




   「 キ ン グ ・ ク リ ム ゾ ン ! 」





     ◇   ◆   ◇

396 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:38:33 ID:DbJVC3GH
しえんぬ

397 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:39:30 ID:axYJvwIr
空条徐倫は『空条承太郎』と『DIO』を知っていた。
ジャン・P・ポルナレフは『空条承太郎』と『DIO』を知っていた。

空条承太郎―最強のスタンド『スター・プラチナ』の使い手であり、ジャン・P・ポルナレフの友人であり、空条徐倫の父親。
DIO―世界を手にいれることを目論む吸血鬼。時を止めるスタンド、『ザ・ワールド』の使い手。
そして突如現れた男、ディアボロ。

全ては仮定の話で決して成り立ちはしない。だがあまりにも不運は重なりあう。
もしもポルナレフが冷静になっていたら。
もしもディアボロが来るのがほんの僅かでも遅れていたら。
もしも徐倫が怒りに目を曇らせることがなかったならば。

偶然は必然。避けては通れぬ道だった。
それを人は『運命』という。

グェスが拡声器を使ってどれ程の時間が経ったのだろう。
一分?十分?一時間?
しかしもう手遅れだ。
彼らの能力をもって時を操ることはできても、動き出した運命は決して止められないのだから。





     ◇   ◆   ◇




『エピタフ』は使わなかった。いや、正確には使えなかった。俺が三人を見つけた時には未来を予測する暇などなかったから。
故に即座に『キング・クリムゾン』を発動、時を吹き飛ばす。
イレギュラーが起きる可能性も考慮すると出し惜しみなどしてられなかった。それに心配性はこの俺の性。
帝王の仮面を脱ぎ去った今でも、スタンドを見せることに抵抗がないわけではない。
しかしそれ以上に目の前で起こる戦闘をなんとかせねば、そう思った故の行動。それに―――

「ジャン・P・ポルナレフだな………?」

『仲間』となってくれそうな………いや、この言葉は適切じゃないな。『仲間』にしたらこれほど心強いヤツはそういないからだ。
だがらこそ、ポルナレフのピンチに割って入った。キング・クリムゾンを見せ、時をぶっ飛ばしてでもヤツに借りを作りたかった。
ゆっくりと辺りを見渡す。緑の閃光を放ったスタンド使いは俺を警戒してか、追撃は放たない。腰が抜けたのか、女も震えるばかりで動きはなし。
これならば問題ないだろ。

「ポルナレフ、色々言いたいことはあるだろうがここは俺と協力してくれ」

さすがに背中を預けるほど信用はできなかった。三人が視界に入るようにしたまま、じりじりとポルナレフに近より声をかける。
その表情は影がさし、伺えない。
…それも当然か。俺に二度まで殺されかけた男だ、いきなり現れ信用しろと言われても無理があるのだろう。
自分の手で始末したはずのポルナレフがいることに驚きはない。どうせ荒木が一枚噛んで亀から移し変えたか何かしたのだろう。
義手や車椅子ではなく五体満足でいるのは荒木の手解きか…?
いや、レクイエムが暴走した際の魂の入れ替え、そしてジョルノのゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの可能性もあるが…今は考えるべきでないな。

状況は未知の存在、俺の介入により硬直化していた。
仕方なく俺は言葉を続けようとし、…そしてどうすればいいかわからなくなり、途方に暮れた。
考えみれば俺は交渉などしたこともなければ他人の顔色を伺い行動したこともない。
ブツの交換は部下任せ。その部下への指示はいずれも一方通行なもの、コミュニケーションとはほど遠い。
自分がいかに愚かに、『帝王』の名にすがりついていたか改めて突きつけられたようで自己嫌悪に陥る。
かと言って黙ってるわけにもいくまい。

398 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:39:34 ID:493YbZjU
しぇん

399 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:41:26 ID:axYJvwIr

「ポルナレフ、ポルナレ―――」
「俺に近づくんじゃね―――ッ!」

立ち上がりかけた体勢から、シルバー・チャリオッツが矢のように飛んでくる。
視界の端で青年が動いたことに気を取られた俺は、不意をつかれて初動が遅れる。
右肩を狙った一振りは体を横にし、なんとかかわすものの体勢があまりに悪い。
そのまま横に剣を一閃、胴体を刈り取ろうという一撃はしゃがみこんでかろうじて避ける。

「くっ!」

仲間に引き込む以上、俺から攻撃するわけにはいかず、反射的に繰り出そうとしたキング・クリムゾンの拳を強制停止。
続く突きのコンビネーションも避ける、避ける、避ける。
だがポルナレフという実力者相手にそれが続くわけもなく、髪が舞い、そして額を切られる。生暖かい液体が額を伝う。
だがこの程度なんら問題ない。シルバー・チャリオッツの利き手の逆側、少しでもポルナレフから距離を取ろうと俺は―――
…マズイッ!血が目に入って―――

「シルバー・チャリオッツッ!」
「キング・クリムゾンッ!」

ドォオ――――――――――――ン………

間一髪だった。後一秒でも時を飛ばすのが遅れていたら、と思うとゾッとする。
それにしても…

「血で目がつぶれて、か」

嫌なことを思い出させる。昔の自分がやったこと、過去の自分がやられたこと。
頭を振り、目の前のことに集中する。ぶっ飛ばした時が再びその秒針を音を立てて刻み始めた。

「え………?」
「こ、これは一体………?!」
「…ッ!間違いないねェ、コイツは………」

手痛い一撃を避けれたとは言え改めて見ると逃げた位置が悪かった。小さく舌打ちを一つ。
前方にはポルナレフ、後方には女、そして左手には青年。
…そもそも俺は現状を完全には把握しきれていない。だが俺が見た光景は青年がポルナレフへ攻撃を仕掛けたもの、青年とポルナレフは対立関係にあると見ていいだろう。
だが疑問が2つ。ならば俺とポルナレフとの戦いに一切干渉しない理由は?確かにさっきの攻撃からして近距離型のスタンドとは言えなそうだが、だったら尚更だ。
もう一つはこの女の立場。どちらとも関係がないならここに留まる必要はない。だがどちらかの味方をするでもない。ならば一体?
そんな俺の思考を遮るポルナレフの声。スタンドと共に構えをとる。今は後回しだ。
今の俺の目的はこの場を治め、ポルナレフを説得し仲間にすることだ。

「てめえのそのスタンド…DIOとはどういう関係だ?」
「…DIO?」
「惚けるな!時を操る能力…承太郎から聞いてんだよ!俺をどうして助けたかは知らねえが三人まとめて問答無用で―――」
「ポルナレフッ!君はまだそんなことを言ってるのか!」
「てめえらの猿芝居に付き合ってる暇はねえ!シルバー・チャリオッツッ!」


400 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:41:46 ID:DbJVC3GH
支援

401 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:42:55 ID:axYJvwIr
…訳がわからない。
切っ先を拳で逸らしつつ俺は今の会話から判明した事実を整理する。
ポルナレフから見たら俺を含め三人が組み、ポルナレフと敵対しているらしいな。どういった過程を経てその結論にたどり着いたかはともかくこれは非常に面倒だ。
ここは一時でもいい、青年と手を組みポルナレフを黙らせるべきだろうか…。

だが徐々にではあるがポルナレフは疲れを見せていた。それに気づかずに、いや、気づいてるからこその苛立ちがますます剣の狙いを疎かにする。
このまま疲れてくれれば俺の話も聞いてくれるかもしれないな。いや、こんなにも消耗しているならば或いは攻めに転じるべき…。
考えてみれば俺自身チョコラータとの戦いで疲労は蓄積されている。やはり早めにこの戦い、終わらせるべきだな。
右に左にサイドステップを踏みポルナレフとの間合いを絶妙に調整する。
踏み込めば下がり、下がれば近づく。剣が届くギリギリの位置を探り、それを維持する。
業を煮やしたポルナレフが不用意に接近してくる。キレのない踏み込みからの攻撃を軽くいなす。これを待っていた。

「キング・クリムゾンッ!」

コンマ五秒だけ時を飛ばす、ほんのそれだけで勝負はつく。
他の二人も俺を攻撃するような素振りはない。ポルナレフの背後を取り―――

「ハッ!」
「ッ!しまった、後ろを…」

キング・クリムゾンの手刀がポルナレフの首筋に振り下ろされる。勿論殺しはしない。しばらくの間、眠ってもらうだけだ。
ようやく俺の目的は達成できた。さて、後は青年と女にどう対処するかだな。
戦う意志がないことは確かだな。ならば話し合えば仲間に引き込める可能性は―――

―――油断はしていなかったはずだ。

「時を止めるスタンド、じゃないわね。じゃないと『気がついたら』脱出していた私の説明がつかない」

だが考えもしなかった。この場には四人しかいない。一体誰がそんなことを決めたというのだろう。ならばやはり俺は油断していた、というほかないだろう。

「でもそんなことはどうでもいいわ。アンタのスタンド能力なんて知ったことじゃない。大切なのはアンタが『時を操れてDIOと関係がある』ってこと」

声は耳元でささやくように俺の鼓膜を刺激する。首を回し、俺は見た。

「疑わしいものはなんとか…生憎私は聖母でもないし、裁判員でもない。だから私の納得するようにさせてもらう」

そこには手のひらサイズの女がいた。だがもう既に、だった。キング・クリムゾンのガードは間に合わない。時を吹っ飛ばすことも連続では不可能。

「父さんを殺った可能性が少しでもある者。荒木への障害となる者。私のような人物を出しかねない戦う者」

まるでスローモーションのように彼女はゆったりと構えを取り、そして―――

「皆まとめて…ぶちのめすッ!」

躊躇うことなく彼女は腰が入った重い一発を俺の顔面に叩き込んだ。

「オラァッ!」




     ◇   ◆   ◇

402 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:43:53 ID:fCUrkJlZ
 

403 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:46:02 ID:axYJvwIr



時が動き運命は回る。

「ヒィイイ………ッ!もう嫌だ………ッ!」
グェスはプレッシャーに押し潰され、わけもわからず自分の命を第一に走った。

「グェス…逃がしはしないわッ!」
徐倫は父の死の疑惑より確信を持てる悪を追う決断をくだす。

「待って下さい、グェスさんッ!くそっ、グェスさんッ!」
花京院はその場の平定よりも友の命を優先した。

「ポルナレフ、信じられなくてもいい。俺の話を聞け………」
ディアボロは最初からの目的と自分の尻拭いを怠らなかった。

「…何度も言うが何も変わらねぇ。例え一人だろうと三人だろうと」
ポルナレフは己を信じ、ただ目の前の『黒』を叩っ切ろうと構えを取る。

五人を巻き込む歯車はまだ止まることを知らない。
さらに速く、さらに多くを巻き込んで、運命は回っていく。




     ◇   ◆   ◇





「…やれやれだわ」

見失った、のかしら。逃げ足だけは相変わらず早いわね、あのゲス野郎。
私は走る速度を緩め周りに耳を澄ます。遠くで何か響くような気もするけど確証は持てない。体の一部を紐に変え、建物の振動を感じ取ろうとするも当たりなし。どうやら完全に撒かれたらしい。
さて、これからどうしたものかしら。さっきの場所に戻って情報を集めるっていうのも悪くはないわ。時を飛ばす男も気になるところだし、もしも父さんの死についてなにかあるとするなら―――

「―――許さない」

だけどポルナレフ、だったかしら。確か父さんの記憶にもいた人。真っ直ぐすぎる正義感は悪い人ではないけれど正直今の私とは交わらない。
往々にしてああいう人は私のような復讐者や目的のために、っていうのを許せない人でしょうね。衝突することは目に見えてるわ。ならわざわざ徒党を組むこともない。

いや、違う。もはや私はこんな殺し合いなんかどうでもいい。
荒木を殺す。
父を殺した相手を殺す。
仲間の仇を討つ。
今、私が存在するのはこの目的を果たすため。それを成すためには私は手段を選ばない。

………とりあえずの目的地はDIOの館って所かしら。地図を眺め、私はその目的地をなぞる。勿論そこに行くのには理由がある。ギリッと奥歯を噛み締めた。
DIO…父さんの記憶に焼き付けられた強烈な人物。そして面会室で父さんが口にした名前。ドス黒い、悪。
そんなヤツがまだ生きてる。父さんが死んだのにのうのうとこの舞台に生き残ってる。それが我慢ならない。
八つ当たり?いいえ、違うわ。だってそうじゃない。悪が、人殺しが最後に残るっていうなら元々その時点で父さんが残ることはあり得なかった。私という枷があったから。
そんなのフェアじゃない。こんな酷いことはないわ。だからこの理不尽を修正するだけ。そこで私が負けたならそれを受け入れるしかない。
尤も私に死ぬ気さらさらない。荒木を殺すまでは私は死ねない。

404 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:48:00 ID:axYJvwIr
さて、目的地も決まったし行くか。私は地図をしまい直しデイバックを担ぎ直した。その時だった。
ブゥウウン………と低い排気音とタイヤにブレーキをかける音。これはバイクだ。
油断なく私は構えを取る。そうね、プッチの手下だったらぶちのめす。DIOの手下だったら叩き潰す。他は来てから考えればいい。
建物の角でエンジン音が止む。そしてゆっくりと姿を現したのは―――

『私の名はダービー。D'.A.R.B.Y。Dの上にダッシュがつく…』

ダービー・ザ・プレーヤー。父さんの記憶が一瞬で掘り起こされる。そして向こうが何もしない間に私は大地を蹴った。
空中で弓のように体をしならせ拳を放つ。

「徐倫………!」
「オラァッ!」

見知らぬ相手がなぜか私の名前口にしたのを聞きながら。




     ◇   ◆   ◇




私は無我夢中だった。
コロッセオに潜む人間でない、私のようなスタンドですらない完全なモンスター。
ヤツに現実を突きつけられ私は変わった。徐倫を守るため、この手を汚し、全てを捨ててきた。
だけど、そう、無我夢中だったはずだ。ひたすら徐倫のため殺し、獲物を探し、知恵を働かせた。

徐倫に会ったら?…なんて疑問は一度も私の中に沸き起こらなかった。どうしてだろうか。そしてその答えを私は知っていた。
ずっと怯えていたのだ。変わってしまった私を徐倫は受け入れてくれるのだろうかと不安だった。
徐倫のために殺し、徐倫のために私は生きる。そんな私の存在を本人に否定された、私はどうなるだろうか。

勿論否定される。理解している。その覚悟をもって私は変わったはずだ。だが、それでもいざ本人の口から否定の言葉が吐き出されたとしたら、私はどうなかわからなかった。
感情を捨てホワイト・スネイクに命じられた『フー・ファイターズ』に戻っても徐倫から貰ったものまで私は捨てることができなかった。

「オラオラオラオラオラァ!」

衝撃の再会に動けなかった自分。問答無用の一撃目に加え徐倫の追撃が迫る。徐倫は建物の壁を利用し空高く舞っていた。
空中で自由がきかない人間はいい的だ。いつもだったらFF弾を発射、今頃蜂の巣にしてるだろう。
だが撃たない。撃てない。
撃ったらバレてしまう、自分が『フー・ファイター』であることが。そうしたら後はもう見えてる。
『どうした?何があった?なんでその姿なんだ?その人を殺したのはアナタなの、FF?』…次か次へと尋ねられる。そして、そうなったら…。
人差し指を徐倫に向け、下ろす。重力の力も加わった徐倫のスタンドの破壊力は凄まじく、体のあっちこっちが持っていかれる。近くの民家の壁に叩きつけらる。

どうするべきか。すぐに決断は下された。
逃げるべきだ、迷ってる暇はない。自分はこの姿で人を殺しすぎた。どっちみち徐倫を守ろうとしても一緒にいることはできない。ならばここは逃げるべき。
集合体の自分の体は人間のダメージがダメージでない。素早く体勢を立て直すと自分の位置を確認、後はいかにバイクに近づくかが問題だ。

405 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:49:07 ID:axYJvwIr


さて、どうしようか。徐倫の強さはわかっている。誤魔化しはきかない。先のタンクのようなものがあれば話は簡単なんだが。
徐倫は構えを解かない。だが、どこか私に違和感を感じているようだ。あの眉を潜めた時の徐倫の表情は大抵戸惑った時に彼女が見せるものだ。

…いっそのことバイクを捨てるか。足を失うのは痛いが最優先はここを離れること。それに徐倫があのバイクを使えば徐倫が生き残る可能性は上がることは間違いないはずだ。
逃げよう、何も知らない参加者の振りをして。ダービー・ザ・プレーヤーとして無力なスタンド使いを演じ、消え去ってしまおう。
徐倫との距離は10メートルはある。なんら問題はない。グッと脚に力をこめる。威嚇するように徐倫を睨み付け、そして私は脱兎のごとく逃げた。

「待ってッ!」

後ろから徐倫の声が聞こえた。今さら何を言っても私の意志は変わらないさ。そのまま振り替えることなく――――

「待て、『フー・ファイターズ』ッ!」

頭を殴られたような衝撃に足が止まった。




   ◆





バレた、バレた、バレた……………ッ!だが、どうして?なぜ?
いや、そんなことを考えてる場合じゃない。何故も理由も必要はない。今、私が徐倫の近くにいてはならない。さっきそう結論づけたはずだった。
だが動けなかった。

「何故………」

何を聞いてるんだ、私は。そんなことをしてる場合ではない。一秒でも早くここを離れろ。一秒でも長くここにいてはならない。
こうやっているのを誰かに見られてみろ。それだけで徐倫への疑いは深まる。
さぁ、早く………走り出せッ!

「指先を銃のように突きつけたってなんの脅しにもならないわ。もしもなんの仕掛けもなしにマジでやってんなら、本気で頭イッてるわよ」

思考はなんら問題はない。極めて単純な問題、結論はすぐに出た。
だが動けない。走らない。まるで徐倫のスタンドが私をそこに縛りつけたかのように。

「でも私は知ってるのよ、あれはFF弾を放つ時に取る姿勢ってね。だから気づいたのよ、外見が大分変わってたから確信はなかったけど」

徐倫はそんなに私を見てくれていたのか。そんな些細なことで私と気づいてくれたのか。こんな私でも『フー・ファイターズ』と認めてくれるのか。

「………徐倫」

掠れた声。初めて私は『フー・ファイターズ』として声を出した気がする。
今更ながらエートロの声には似ても似つかないな、とぼんやりと思った。
未だ振り向くことができない私の耳にカツカツと革靴が鳴る音が届く。徐倫が近づいてくる。必要ない心臓の鼓動が早くなる。こんな風になるとは思っていなかった。

「まぁ、どうしてそんな格好をしてるかは聞かないわ。それに結構似合ってるわよ、イカしてるわ」

思わず吹き出しかけた。徐倫は何も変わってねぇな…。
それにしてもアタシは意気地無しだな。ビビって振り向くこともできやしない。
いや、待て待て、何をアタシはビビってるんだよ。いつも通り振り向けゃいいじゃねーか。

「それにそっちのほうが―――」

406 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:50:39 ID:DbJVC3GH
しえええん

407 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:51:48 ID:ZEhdNwF8
sienn

408 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:52:32 ID:axYJvwIr
いや、それより徐倫になんて説明すればいいんだ?アタシはこの先どうすればいいんだ?そもそも自分のことを何て呼べばいいんだ?
まぁ、いいや。後で考えよう。もうそんなことはどうでもいいや。
やっと踏ん切りがついたアタシは振り返る。そのアタシの視界いっぱいに―――

「お前を殴るのに躊躇しないですむ」

迫り来る拳が映った。





     ◇   ◆   ◇




「くっ………!」
「…?!なんで………徐―――」

流石の反射神経だ。でもその反応は想定の範囲内。
距離を空けられたら指先からの弾丸がある。それにもしかしたらすでに『分裂』してる可能性もある。
距離をあけるわけには行かない。このまま一気に…ケリをつけるッ!

「オラオラオラオラオラオラオラァッ!」
「くっ………?!」

私の拳に対応するスピード、パワーは流石だ。だけど狙いはそこじゃない。捌ききられても別に構いやしないわ。なぜならこのラッシュの目的は………

「なっ………ストーン・フリーにこんな………?!」

私の右の拳をフー・ファイターズが手のひらで受け止めた瞬間にスタンドを変形、ダメージを与えつつ即席の手錠を作り上げた。そして自分の手首も変えていく。
私の左手首と相手の右手首を繋ぐ手錠の完成だ。
相手はプランクトン、強引に手首を切り落とすなり、関節を外すなり、対処法はあるだろう。けどそこには必ず隙があるはずだ。そこを…叩くッ!
突然のことに対処できてない相手。早速手錠を使わせてもらうわ。
ノーガードの顔面に右足で回し蹴りを放つ。片手でガードするも衝撃は受けきれない。たたらを踏むダービー。左手をおもいっきり引くと完全に体勢を崩した。

「オラァアア―――ッ!」

左手を引くスピードに加え、ストーン・フリー本来の右ストレートのスピードも合わさる。
グシャという嫌な音、複雑だが脆い何かを木っ端微塵にした感触が広がる。
鼻血を吹き出し、呻き声をあげるダービー。
血なんか必要ないくせに。痛みなんか感じてないくせに。
…まだだ、この程度じゃ水があればすぐに回復してしまう。完全に『入れ物』を破壊するまでやらないと。そこまでやってようやく五分五分になる。
ガシャンと手錠が軋む。ダービーはぶっ飛ぶこともできない、エネルギーに従い上半身を仰け反らせるのが精一杯。その足に力は入ってないでしょうね。
体を沈めつつ足払いをかける。当然ダービーは派手にスッ転ぶ。背中を強く打ち付けたからか、あたかも息が止まったかのような声がした。
馬乗りの形、俗にいうマウントポジションを取ると私は畳み掛けようと拳を振り上げ―――

「チッ!」

視界の端に映ったのはありえない方向に曲がった相手の左手首。ほぼ垂直に曲がったその指先から無数の塊が私の顔に風穴を空けんと迫る。
仕方なく手錠を解除して両手のラッシュで超至近距離からの弾丸を全て叩き落とした。だがそれは余りに大きな隙。
なんせマウントポジションなのに両手は弾丸に付きっきりなんだから、そうなるも仕方ないんだけど。

409 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:54:03 ID:ZEhdNwF8
しえん

410 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:54:13 ID:fCUrkJlZ
 

411 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:54:16 ID:axYJvwIr
当然のようにダービーは不利な状況から脱出しようとする。鋭い蹴りが私の腹に突き刺さった。
もろに内蔵を蹴られた私は息が止まる。捩じ込まれた蹴りはそれだけに留まらず、私を吹っ飛ばす。

「グウゥ………ッ!」

だが体勢が悪かったせいで蹴りが不十分だったのか、私は空中で一回転。足から着地すると距離を少しだけ取る。
相手もムクリと立ち上がった。左手首を反対方向にグイッと曲げ、重症のはずの骨折を治しながら。

やはり、『フー・ファイターズ』は強い。
自分自身がスタンドであるから近距離にも対応できる。距離を取れば弾切れなしの拳銃を相手にしなければならない。身を隠そうものなら分裂して増える始末、これで水さえあれば無限に回復できるっていうんだから手がつけれない。
やれやれだわ…こいつはヘビーすぎる相手だわ。

でも今ので一つわかったことがあるわ。
コイツは『ダービー』じゃなくて『フー・ファイターズ』。
つまり、ダービーという人間がフー・ファイターズというスタンドDISCを入れたのでなく、フー・ファイターズがダービーの皮を被ってる、そういうこと。
…だけどそれは同時に一つの事実を示していた。どっち、だとかそういうのは関係ない。

「徐倫、どうして…アタシは………」
「その顔、その声で私の名を呼ぶな、『フー・ファイターズ』」

仮にダービーがフー・ファイターズのDISCを入れてたとしてもそれはつまり『FF』が消えたこととなる。
私の知ってるオチャメで破天荒な『FF』はホワイト・スネイクによって『消されて』しまったのだろう。
仮にフー・ファイターズが皮を被ってるとしても、間違いなく一度プッチによって『FF』は『消されて』いる。
私の仲間で、友達の『FF』ならこんなことをするわけがないのだから。

「今私の中で『FF』は死んだ。あんたがどれだけ『フー・ファイターズ』になりきろうとも…私の仲間『FF』は帰ってこないんだから」
「――――ッッッ!」

涙は流れなかった。私の心は涙を流すにはあまりに乾ききっていた。
代わりに沸き上がるのは怒り。友を殺された怒り。友を侮辱された怒り。友でありながら変わってしまったことへの怒り。
私を突き動かすのは復讐心。全て燃やして進むだけ。

「いくぞ、フー・ファイターズッ!」
「アタシは…、いや、俺は、私は――――ッ!」






     ◇   ◆   ◇





「ハァ………ハァ………ハァ………!」

どうして逃げ出したか、なんて聞かれたらすぐ答えれる。
怖かったから。
何が怖かったってそりゃもちろん、死ぬのも怖かったさ。
けどそれ以上に怖かった。

412 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 20:55:18 ID:axYJvwIr


「待ってください、グェスさんッ!待ってください………ッ!クソッ………!」

花京院に否定されるのが怖かった。政府公邸で過ごした時間なんてほんのちょっと、語ってくれたエジプトの旅の仲間とじゃ『友達』の密度が違う。
だからアタシが切り捨てられるんじゃないかって思えた。
友情には過ごした時間は関係ない、なんて理想論が現実かどうかなんかアタシにはわからない。
アタシには友達がいないんだもの。

「グェスさんッ!グェスさん………ッ!くそ、何処に…?」

花京院が否定されるのが怖かった。政府公邸で嬉しそうに語った心通じ合う仲間。
その一人に否定され、罵倒される花京院を見るのは辛かった。アタシでもそうなんだから本人は尚更だろうな。

それもこれも全部アタシのせい。きっとアタシのせいなんだと思う。
おい、花京院…笑ってくれよ。アタシ、少しは成長したぜ。
自分が悪いことした、そうやって認めることができるようになったぜ?

この殺し合いに巻き込まれるまでのアタシはクズ野郎のゲスの臆病者さ。その上反省もしない大馬鹿者さ。
だから執行猶予がつこうが、久しぶりにシャバに解放されようが同じ間違いをする。そして決まったようにこういうのさ。
『アタシは悪くない』ってね。

政府公邸でお前を盾にした…本当に申し訳ないと思ってるよ。
だから『謝りはしない』なんて置き手紙して去ったんだ。まぁ、またこうやって助けてもらっちまったけどよ。

「グェスさん、返事をしてくださいッ!グェスさん!」

お前があそこで否定すればアタシはあっという間に串刺しの刑だった。けどしなかった。
仲間に殴られようが、串刺しにされかけようが、ニセモノ呼ばわりされようが、お前は『YES』なんて言わなかった。
お前は本当に馬鹿だな、花京院…。そんなんじゃそのお人好しに漬け込まれて損するぜ?そしたら散々利用されてポイッ、さ。
お前はそんなんでもいいのかよ、花京院………?

あの時と一緒だ。政府公邸のときと一緒。
………ありがとう、なんて言わないぜ。このままアタシはトンズラさせてもらうぜ、花京院。
だってそれがアタシにできることだから。

ポルナレフってやつに見られちまった以上、アタシといたら話は拗れるばかり。でもお前みたいなお人好しはさ…きっとわかるんだと思う。
ほら、映画とかでよくあるじゃねぇか。『男と男は拳で語り合う』だの『心で理解した』のだの。
だからお前はポルナレフん所に帰るべきなんだ。アタシと一緒にいちゃいけない。

アタシはもう天涯孤独ってやつさ。きっと徐倫にも嫌われちまったからな…。知り合いもいねぇしそんなアタシと組んだって何の特もねぇぞ、花京院。
これからどうするかって?なるべく地図の端のほうにいるさ。結構悪くないもんだぜ?
それで最後の二人になったら…そうだな、どーすっかな。その時に考えるか。

アタシは一人ぼっちには慣れてるから。
アタシは友達いないことが普通だから。

アタシに『友達』を教えてくれたのはさ、お前なんだよ、花京院。
だから―――やっぱ最後に恩返しだ。ベタなアニメーションよりはイケてると思うぜ?テーマは自己犠牲と友情、だ。
チープすぎてお前には合わないか?まぁ、最後まで付き合ってくれよ。
女グェス、一斉一代の名演技!題して『やっぱアタシは殺し合いに乗るぜッ!』でいこう。

声が聞こえた角辺りに向かい覗きこむ。花京院はスタンドも使って辺りを捜索中だ。
まったく、自分が無防備になってることなんかお構いなしか。大声出して自分はここですよ、それで無防備か。
なんて甘ちゃん野郎だ。だけど好都合だ。勢いよくアタシは角から飛び出る。

「見つけたッ!」

413 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:55:19 ID:ZEhdNwF8
しえん

414 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:56:45 ID:DbJVC3GH
支援

415 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 21:00:38 ID:axYJvwIr


今のアタシは殺し屋、今のアタシは殺す側………くそ、めっちゃ恥ずかしいぜ。
だが恩返しにはちょうどいいな。それにこれで顔を合わすのも最後だろうしよォ。

「ここで会ったのもなんかの縁だ!小さくしてぶっ殺してや――――」
「なにやってるんですか、貴女はッッッ!!!」

アタシは文字通り飛び上がる。一喝されて縮み上がるアタシに演技だのどーのこーのなんて余裕はない。
肩を怒らせツカツカ花京院が近づいてくるのを見てようやく正気に戻った。

「止まれ、テメェ!」
「どんな危険なことをやったか貴女はわかってるんですか?!」

アタシの言った通りにその場で止まりはしたものの花京院の説教は続く。
その剣幕に押されアタシは口ごもる。ちくしょう、今さら演技止めんのも白々しいよ、気まずいぜ…。前も思ったけど、コイツ結構鈍いよなぁ…。

「あ、あれはアタシなりに考えてだな…その………」
「馬鹿ですか貴女は!?」
「馬鹿とはなんだ、馬鹿とは!」
「勇気と無謀をはき違えてる者は皆馬鹿です!貴女はそんなこともわかんないんですか?!」
「うるせえ、てめえには関係ねぇだろうがッ!」
「いいえ、あります!」
「アア?」
「僕とグェスさんは『友達』でしょう!」
「ッ!」
「心配しましたよ…傷はないですか?怪我は?」

…アタシはコイツが嫌いだ。
せっかく人が決心したのにすぐにその決意を叩き折っちまう。そのくせ自分を曲げることはしないし、自分の傷も気にしない。
本当のバカ野郎は…お前だよ、花京院…。

「お前は…なんも聞かねーのかよ?」
「何がですか?」
「その、アタシのスタンドとか、そのあれとか………」
「後でゆっくり聞きますよ。今は怪我の治療をして、その後僕と一緒にポルナレフに謝ってもらいます」

すまねぇ…花京院。アタシが本当の甘ちゃんだった。
またこうやってアンタに助けてもらっちゃってよ、なのに何だか悪くねぇ気分なんだ。
アタシは本当に…都合いいよな………。
段々と近づいてくる花京院。アタシも今さらどーするつもりもない。お手上げ、降参、アタシの敗けだ。
そしてふと顔をあげて―――

あれ?なんて言うんだっけ、こういうの。
デジャブ、だったか?なんか見覚えのある光景。
いや、正確には違う。花京院のヤツにその感じはない。それを感じるのは、その後ろの角の『アイツ』。
建物と建物の間から半身だけだしてその手に黒光りする銃を構える『アイツ』。
そうだ、この光景は見覚えあるぞ。政府公邸ん時と一緒だ。あん時の三人だ。
ただ違うのは花京院が今度はアタシを突き飛ばすことなく逆にまるで――――


―――――甲高い発砲音が町に響いた。




   ◆

416 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:02:30 ID:DbJVC3GH
しぇん

417 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:02:43 ID:fCUrkJlZ
 

418 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 21:02:45 ID:axYJvwIr
最初に感じたのは脇腹に焼きごてを突きつけられたかのような熱さ。
その次に遅れて聞こえたかのように甲高い音。これは…銃声か。
ポルナレフとの戦いで知らず知らずの内に疲労が溜まっていたのか。それとも今の一撃で脇腹の筋肉を大幅に削られたのか。僕の体はゆっくり倒れていく。
………いや、駄目だ。ここで倒てはいけない。
せめてグェスさんが逃げる時間は稼がないと、せっかく追ってきた意味がなくなる。彼女を殺させは、しない。

「ハイエロファント・グリーンッ!」

少しでもいい、時間を稼ぐんだ。敵の興味を引き付けようと僕のスタンドを呼び出す。
もちろん僕のハイエロファントは承太郎やポルナレフのスタンドと違って遠距離型。
銃を乱射されたらとてもじゃないが対処しきれないだろう。

だけど…構わない。それでいいんだ、僕は構わない。
承太郎だってジョースターさんだってアヴドゥルさんだって、そして…ポルナレフもこうやってするだろう。
そう思うと勇気が沸いてくる。膝の震えは止まり、折れかけた背筋がピンとなる。
ああ、そうだ。いつだって勇気をくれたのはあなたたちなんだ!
二発目は撃たせやしない。僕のハイエロファントと撃ち合おうっていうなら、この花京院典明、受けてたとうッ!
そう思い振り向いた視線の先。建物と建物の間、クルリと向きを変えた誰か見える。

「自分から仕掛けといて逃げるなんて…!」

だがこれは好機だ。一直線の路地は逃げ場がない。エメラルド・スプラッシュは勿論、僕のハイエロファントを隠しながら潜ませるには絶好の場所だ。
ならば逃がす手はない。追いかけてとっちめてやる。そう思い僕は走り出す。
脇腹も痛む。身体中あちこち痛む。だがそれがなんだ。僕はまだ走れる。

「追い詰め――――」

僕が路地に入ったときまだ相手も路地にいた。
すぐにエメラルド・スプラッシュを放てば充分当たる距離、時間もあった。だけど僕は動けなかった。
その相手の後姿には見覚えがあった。………ああ、忘れるもんか。見間違えるもんか。

コイツは、僕を襲ったのは―――

「フーゴ………?」





     ◇   ◆   ◇




俺は未熟だ。そして今日こそ自分が『帝王』であることを恨んだ日はない。
キング・クリムゾンが吹っ飛ばす時の中で動くことが出来るのは俺だけ。それで誰かを助けることも説得することもできはしない。俺以外の結果は決して変わりはしない。
エピタフを使って未来は見えても、人の心を覗くことはできない。迫ってくる未来に立ち向かうか、逃げ回るか。俺が選んだのは後者だった。
つくづく自分本意のスタンドだ。まさに『帝王』に相応しい。
だが帝王であってそれでどうするというのだ?誰もいない国で一人王座にふんぞり返って、それでどうする?

419 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:03:53 ID:2p0Mf9ZR
支援

420 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:04:58 ID:2p0Mf9ZR
支援

421 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 21:05:06 ID:axYJvwIr
『過去はバラバラにしてやっても石の下からミミズのようにはい出てくる』
かつて俺が唱えた持論だ。その通り、まさに的を射ている。
過去に俺が少しでも交渉をしていれば…過去に俺がまともなコミュニケーションを行っていれば…。
過去は恐怖だ。今になって俺はそのつけを払うはめになった。気づくのがあまりに遅すぎたがな。

「流石に…疲れたな………」

あの後、俺はポルナレフに再度説得を試みた。
何度も何度も俺の立場を説明し、敵対心はないし、誰かと徒党を組んで襲う気もない。勿論殺す気もない、そういい続けた。
だが…無駄だった。少なくとも興奮したポルナレフを口下手な俺では説得できないと判断した。
それに両者供に限界だったのだ。俺はあの小さな少女からの一発が効いていたし、ポルナレフも心体供に消耗していることは目に見えていた。
あのまま戦い続けていたら無事には済まなかったろう。強い男だ………。

俺が出した結論は逃走だった。途中何度かキング・クリムゾンを発動。完全に撒くことに成功した。だがその代償は大きい。

フゥ…と短い息を吐くと目を瞑った。体が沈むような疲労に、身体中にある様々な怪我。逆に怪我による慢性的な痛みがなければとっくに気を失っていただろう。
ここではあまりキング・クリムゾンを発動しないほうがよさそうだ。なにより俺の体がわかってる。きっと荒木の仕業だろう…。

考えるべきことは多い。ポルナレフのこと、早人を特別懲罰房に残して来たこと、キング・クリムゾンにかかった枷。
そしてなにより…己の器の小ささ、過去の贖罪、負の遺産。

「ジョセフ、お前ならこんな時どうする…?」

返事はない。だが奴は負けないと思う。短い付き合いだったがジョセフならば…こんな所で立ち止まりはしない。
だが、俺はやはりお前のようにとはいかない。

浮浪者のように路地に腰をおろす。膝を抱えて軽く目を閉じる。
俺はお前とは違う。まだ俺はお前のように成りきれていないんだ。
ポルナレフから逃げたのだってそうだ。まだ俺は…自分に自信がもてない。覚悟がない。だから、少しでいい、休ませてくれ。
ポケットに入れた鉄球をそっと握り締める。あの温かさをもう一度だけ、感じたかった。





【E-6 南西/1日目 午後】
【ディアボロ】
[時間軸]:レクイエムジョルノに殺された後
[状態]:右手に負傷(小)。肋骨二本骨折。身体疲労(中)、精神疲労(中)鼻にダメージ(中)強い決意。強い恐怖
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(水は全消費)、ジャイロの鉄球
[思考・状況]
基本行動方針:ジョセフの遺志を継ぎ、恐怖を乗り越え荒木を倒す。
0.しばし休息をとる。
1.懲罰房に戻って早人と合流。その後はその時考える。
2.ジョルノには絶対殺されたくない。来るなら立ち向かう。
3.恐怖を自分のものとしたい。
4.自分の顔と過去の二つを知っている人物は立ち向かってくるだろうから始末する。
5.電車内の謎の攻撃、謎の男(カーズ)、早人怖いよ。だが乗り越えたい
6.駅にあるデイパックを回収したい
[備考]
※音石明の本名とスタンドを知りました。
※参加者が時を越えて集められたという説を聞きました
※『恐怖を自分のものとして乗り越える』ために生きるのが自分の生きる意味だと確信しました。
※アレッシーとの戦闘により、『エピタフ』への信頼感が下がっています。
※キング・クリムゾンになんらかの制限がかかってます。内容は次の書き手さんにお任せします。


   ◆

422 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:05:11 ID:DbJVC3GH
しえん

423 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:06:44 ID:2p0Mf9ZR
支援

424 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 21:06:49 ID:axYJvwIr
「くそったれ………」

思いだし苛立ち、ってやつさ。何をかって、そりゃ勿論色々あるぜ。
ニセモノがやったこと、ニセモノを逃がしちまったこと、突然襲い掛かってきた野郎に逃げられたこと。
だけど…一番はこの俺だよ。俺は俺にイラついてるんだよ。

俺は、何も変わっちゃいねぇ。旅を終えた時からも、サウンドマンに聞かされ決意を新たにした時からも。何もかわりやしねえ。
仲間もいねえ、友達もいねえ。周りを見渡せば敵ばかり、その上バックには荒木って化け物もついてやがる。

「…負けてたまるか」

だが構わねぇ。確かに辛いさ。分の悪い状況に追い込まれてるさ。もしかしたら勝ち目のない戦いかもしんねぇ。だけどよ…。

「それがどうしたって言うんだ」

できる、できない、やる、やらない。そうじゃない、俺がそうしてぇからだ。
荒木になんか負けてたまっかよ。俺は許さねぇ…こんな馬鹿げたことやりやがって。何人てめぇのせいで死んだ?何人てめぇのせいで傷つく人が出ると思ってやがる?
絶対止めてやるよ、こんなふざけたお遊戯。んでもって後悔させてやる。皆の墓の前で謝らせて、悪いって認めさせて、そして…

「皆の無念、死をもってつぐなわせてやる………!」

この家は俺のモノだけにするには…多すぎるし大きすぎる。
トニオさんと会ってマックィイーンの奴もいて、エンヤの婆さんに襲われて、フェルナンドに最後の言葉を聞いて…

「アヴドゥル、行ってくるぜ」

忘れねーさ。皆覚えてる。
だから見守っていてくれよ。先に行って待っとけよ。決着は絶対つけてきてやるからよ…。
皆の分、全部背負ってアイツに返してやるさ。

一騎討ちだ、荒木飛呂彦。
俺が死ぬか、お前が死ぬか。



―ジャン・P・ポルナレフはどこまでも真っ直ぐな男だった。
 その真っ直ぐさは鋭く、だが反面脆い。
 真っ直ぐさ故に人に騙されることもあれば自分の信念に拘り周りを突っぱねてしまう時もある。その真っ直ぐさはこの舞台では非常に危うかった。
 だが、だからこそ彼は強い。誰もがねじ曲がり、簡単に自分を見失う中、彼が自分の信念を曲げることは決してないだろう。
 ジャン・P・ポルナレフ。
 その鋭さは天をつくか、道半ばで砕け散るか、はたまた折れ曲がってしまうのか。


【E-5 繁華街 /1日目 午後】
【J・P・ポルナレフ】
[スタンド]:『シルバー・チャリオッツ』
[時間軸]:3部終了後
[状態]:右手負傷(軽症)、鼻にダメージ(中)
[装備]:無し
[道具]:不明支給品0〜2(戦闘や人探しには役に立たない)、携帯電話
[思考・状況] 基本行動方針:殺し合いに乗ってない奴を守り、自分の正義を貫く
1.仲間を集める
2.死んだはずの仲間達に疑問
3.J・ガイルを殺す
[備考]
※この先何処に向かうかは次の書き手さんにお任せします。
※アヴドゥル、トニオの遺体は埋葬されました。

     ◇   ◆   ◇


425 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:07:14 ID:fCUrkJlZ
  

426 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:08:00 ID:2p0Mf9ZR
支援

427 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:08:07 ID:DbJVC3GH
 

428 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 21:08:54 ID:axYJvwIr
走る、走る、走る。だが決して疲れることはない。なぜなら自分はプランクトン。人の皮を被ったただのプランクトン。
だというのにどうして動悸が止まらない。何故視界が暗くなる。震えが止まらず吐き気もする。

自分はましてや一度人間を止めた身だ。全てをなくして今一度人間に戻ろうなんて馬鹿げてる。非合理的だ。
だから考えるな。ならば思考も必要ないだろう。サーチアンドデストロイ、機械のように殺し続ければそれで目的は達成。自分の仕事はそれで完了だ。

―――例え彼女が望まなくても?

…ああ、必要ない。これは自分の問題だ。彼女どうこうではない。
自分が決めて、自分がやった。彼女が望もうが望ままいが関係ない。

―――例え彼女に否定されても?

…ああ、構わない。自分の納得のための行為だ。彼女に何を言われようが止める理由はない。
殺すのは自分、非を被るのも自分。ならば何を言われようと構わないはずだ。

だというのに、わかっているのに、言い聞かせているのに、足が止まらない。
何かから逃げるように、何かに追いたてられるように、何かを忘れようとしているかのように。

今さら止めてどうする?ここで放り投げてどうする?後戻りなんてできやしない。
自分は一体何人殺した?自分が傷つけた人は何人いる?どうやったって償いなんかできやしない。

だから今から向かうは最後のケジメだ。いらない、全て投げ捨てるだけ。
自分を縛る枷も重荷も罪の意識も記憶も何もかも。
戻るんだ、『あたし』は戻ろう。農場で彼女に会う前までに。
ただ命令に従い………理由を知らないまま、ホワイトスネイクのDISCをひたすら守るようにこの思いを守ろう。


彼女を守るんだ。



【F-4とF-5、E-4とE-5の境目/1日目 午後】
【F・F】
[スタンド]:『フー・ファイターズ』
[時間軸]:DアンG抹殺後
[状態]:身体ダメージ(中)精神状態不安定
[装備]:なし
[道具]:支給品一式×2、壊れた懐中電灯、加湿器、メローネのマスク、カップラーメン、携帯電話
[思考・状況]:
基本行動方針: 空条徐倫を生存させるために彼女を優勝させる
1.湿地帯へ向かい、ケジメをつける
2.ブチャラティチームとプッチの一味は敵と判断
3.ブチャラティ一行を始末できなかった事を後悔
4.余裕が出来たら自分の能力(制限)を把握しておきたい
[備考]
※リゾットの能力を物質の透明化だと思いこんでいます
※承太郎はDISCを抜き取られ廃人化した状態だと思いこんでいます
※リゾットの知るブチャラティチームの情報を聞きましたが、暗殺チームの仲間の話は聞いてません
※隕石を落としたのはウエストウッドじゃあない別のスタンド使いだと思っています
※ジョルノに対してはある程度の信頼を寄せるようになりました。出会ったら……?
※ダービーとアレッシーの生前の記憶を見たので三部勢(少なくとも承太郎一派、九栄神、DIO、ヴァニラ、ケニーG)の情報は把握しました。
※エシディシは血液の温度を上昇させることができ、若返らず、太陽光に弱いと認識しました。
※リゾットから聞いたブチャラティチームのスタンド能力についての情報は事実だと確信しました(ジョルノの情報はアレッシーの記憶よりこちらを優先)
※自分の能力について制限がある事に気がつきました。
※ディアボロの能力を『瞬間移動』と認識しています。
※参加者の時間のズレを何となく理解しました。

   ◆

429 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:09:04 ID:ZEhdNwF8
しえん

430 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 21:09:51 ID:axYJvwIr

「オラァ!」
―――ガンッ!
「…案外うまくいくもんね」

ドッドッドッ、と腹に響くような低音は成功の証だ。イカれたエンジンを拳の一撃で生き返らせた徐倫は驚きながらも幸運を喜ぶ。
あの後フー・ファイターズは徐倫の前から逃走。追いかけようと走り出すも先の戦闘でのダメージがぶり返したのもあり、徐倫は諦めることにした。
地図をもう一度開き行き先を確認、ついでに辿るべきコースを指でなぞっていく。その指先が指すはDIOの館。
徐倫の瞳が静かに燃える。顔を強張らせることもなければ、悪態をつくこともない。苦悩に頭を抱えることもないし、ましてや泣き叫ぶことなどない。

ゆっくりとバイクに跨がる。アクセルを軽く捻ると重低音が鳴る。俺を走らせろ、と機体が言う。
運転方法はやりながら覚えればいいわ、と誰にともなく呟くと一気にアクセルを捻る。
顔にあたる風が心地よい。周りの住宅街が来ては去り、近づいては後方へ飛んでいく。だがそんな些細なことは目に入りすらしない。

徐倫は正確にはフー・ファイターズを諦めた訳ではなかった。だがそれよりも優先すべきことが、熱く燃えたぎる復讐心をぶつけるべき相手がいる。
その瞳に宿すは青の炎、その目に写すは憎き悪の化身たち。

「DIO…プッチ………!」

加速したバイクの音にかき消され徐倫の言葉は誰にも届かなかった。







【E-5とD-5の境目/1日目 午後】
【空条徐倫】
【時間軸】:「水族館」脱獄後
【状態】:全身に切り傷、疲労(大)、ゆがんだ覚悟
【装備】:メローネのバイク
【道具】:支給品一式
【思考・状況】
基本行動方針:荒木と決着ゥ!をつける
1:DIOの館に向かい、DIOとプッチと決着ゥ!つける
[備考]
※ホルマジオは顔しかわかっていません。名前も知りません。
※最終的な目標はあくまでも荒木の打倒なので、積極的に殺すという考えではありません。
 加害者は(どんな事情があろうとも)問答無用で殺害、足手まといは見殺し、といった感じです。

※ダイアーの生首はE-5の繁華街の少し東の民家に放置されてます。





     ◇   ◆   ◇


431 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:10:05 ID:2p0Mf9ZR
sienn


432 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:11:05 ID:fCUrkJlZ
 

433 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:11:05 ID:2p0Mf9ZR
支援

434 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:11:47 ID:zyvXXtia
 

435 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:12:13 ID:2p0Mf9ZR
支援
ついでに新スレ立ててくる

436 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:12:18 ID:fCUrkJlZ
 

437 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 21:12:29 ID:axYJvwIr
ヨロヨロとその場に座り込む。もはや限界だった。心身ともに僕はボロボロだ。
学生服が汚れるなど知ったことじゃない。もはやどうでもいい…流石の僕も少し堪えたらしい。自分に皮肉の一つを言える余裕もない。自嘲気味な笑みを張りつけると足を投げだしぼんやりする。
一体どこで間違えたんだろう…。気を抜く僕。本来ならこんなことをやってる時間はない。
でも今はとてもじゃないが動けそうにない。ハイエロファントで辺りを警戒する気すら起きない。そうだな…そうやっていつも冷静な振りをしていると思われたのかな。

何だかバカらしい。一人で騒いで一人で取り繕って。なんてことはない、ポルナレフの言う通りだったんだ。なのに僕ときたら…とんだお笑い草だ。滑稽すぎる。
グェスが引き付けフーゴが刺す。まさに適材適所、合理的だ。あの短時間で作ったわりには上出来じゃないか。実際こうやって一人騙せたんだからなぁ………向こうの思惑通りじゃないか。
もう少し僕が冷静だったら。もう少し僕に決断する勇気があったなら。
少なくともこんな絵に書いたように作戦に嵌められることはなかったはずだ。少なくともこんな惨めな思いはしなくてすむはずだ。

くよくよしたってしょうがない。過去は変えれないが未来は変えられる。
…ほっといてくれよ、今はそんな励ましさえ僕には堪らなく不愉快だ。自分の馬鹿さ加減が嫌というほどわかったから。
グェスに利用され、フーゴに嵌められ、本当の仲間のポルナレフとは修復不可能な溝が生まれた。
こんな僕は一体どうすればいいんだ?教えてくれる相手はいない。
今さらどんな顔してポルナレフに会いにいけばいいんだ…僕にはわからない。もう、考えるのも嫌だった。

体が欲しがるままにデイバックからペットボトルを取り出す。水がチャプンと中で跳ねるのをみて、一瞬頭をよぎる水のスタンド。
…そんなのにビビってどうする。飲んでしまえばお仕舞いさ、何も恐がらなくていい。
それにポルナレフと相対した時もグェスとフーゴに殺されかけた時も恐怖はなかった。なのにこんな水に恐怖するなんてそれこそ馬鹿げてる。なんも怯える必要はないさ。

…そうやって言い聞かせないと決断できないぐらい僕には躊躇いがあった。
だけど半分僕はやけだった。行く先もわからず、頼るべき相手もいない。その上見えない誰かに怯えずっと気を張るはめになったらそれこそ僕はダメになってしまう。
そう思って豪快に水をあおる。
………ほら、なんてことはない。ただの水さ…思った通りだ。

だが僕の目は見逃してくれなかった。ペットボトルに反射し、写った僕の顔は今まで見た中で一番やつれ、疲れてる顔だった。






【F-6 北西/1日目 日中】
【花京院典明】
[時間軸]:ゲブ神に目を切られる直前
[状態]:精神消耗(大)、右肩に銃創(応急処置済み)、全身に切り傷、身体ダメージ(小)、脇腹に銃創
[装備]:なし
[道具]:ジョナサンのハンカチ、ジョジョロワトランプ、支給品一式。
[思考・状況] 基本行動方針:打倒荒木!
1.今しばらく休む。
2.自分の得た情報を信頼できる人物に話すため仲間と合流したい
3.甘さを捨てるべきなのか……?
4.巻き込まれた参加者の保護
5.荒木の能力を推測する
[備考]
※ハンカチに書いてあるジョナサンの名前に気づきました。
※荒木から直接情報を得ました
「脅されて多数の人間が協力を強いられているが根幹までに関わっているのは一人(宮本輝之助)だけ」
※フーゴとフェルディナンドと情報交換しました。フーゴと彼のかつての仲間の風貌、スタンド能力をすべて把握しました。
※アヴドゥルとフェルディナンドの考察から時代を超えて参加者が集められていることも知りました(納得済み)。



   ◆

438 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:13:22 ID:fCUrkJlZ
 

439 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 21:14:02 ID:axYJvwIr
ノリアキに聞かれたらなんて答える?決まってる。グェスが君を襲おうとしてた。だから撃った。
グェスに聞かれたらなんて答える?決まってる、ノリアキが君を襲おうとしてた。だから撃った。
ああ、なんて冷静なんだろう、僕は。言い訳もばっちり考え何を聞かれてもいいように取り繕って、振りをして…。

「それで一体何になるって言うんだ?」

何になるって?僕の安全さ。だってそうだろ?一人でも少ないほうが遭遇しなくてすむ。そしたら死ぬことに怯える必要もない。考えなくて済む。
それにどっちかの信頼を得ることも可能だ。特にノリアキみたいなお人好しには効果てきめんさ。グェスはどうか微妙なところだけどね。

「じゃあ、なんで殺さなかった?」

それは例えば今僕が殺し合いに乗ったとしよう。終盤残り五人。四人は荒木に反抗して徒党を組んでいる。一方僕は一人。
どっちが有利か不利かなんて小学生でもわかる。それを避けるためだ。
それにどちらかを始末したら残りの方と戦うのは避けられなかった。仮に倒せたらいいさ。でももし逃げられたら?いや、もし僕自身やられてしまったら?
そう考えるとあれがベストだったってわけだ。

―――僕は、自分のことが大嫌いだ。
ほら、こうやって答えを用意して自分のやったことは正しい、間違ってない。全部後から考えた強引な解釈の癖にそれが無駄に筋が通ってるんだもの、たちが悪い。
自分自身を否定することもできなければ納得することもないのだから。
かといって開き直ることもできない。
どちらにだってメリット・デメリットがある。人と時間の数だけ選択肢があるこの舞台では一概にどちらがいいか、なんて言えないからだ。
結局僕が出す答えは保留…それしかないんだ。

もう嫌だ。誰か僕を助けてくれ。いや…助けなくていい。そっと背中を押してくれ。どっちでもいい、僕を夢中にさせるぐらい導いてくれ。
もう何も考えたくないんだ。自分が正しいか間違ってるかなんてどうでもいい。
ただ僕をこの考えさせる、という呪縛から解き放ってくれ。
…いや、これも違う。ああ、わかってるさ。始まった時からずっとだ。僕の行動方針は何ら変わってないさ…。
僕は…僕は………

「僕は………死にたくないんだよォオオオ―――――――ッッッ!!!」







【F-5 /1日目 午後】
【パンナコッタ・フーゴ】
[時間軸]:ブチャラティチームとの離別後(56巻)
[状態]:苦悩と不安、傷心、重度の鬱状態、極度の人間不信、精神消耗(極大)、額に瘤、右腕に中程度のダメージ、服が血まみれ
[装備]:吉良吉廣の写真、ミスタの拳銃【リボルバー式】(4/6)、ミスタがパくった銃【オートマチック式】(14/15)
[道具]:支給品一式、ディアボロのデスマスク、予備弾薬42発(リボルバー弾12発、オートマチック30発)閃光弾×?、不明支給品×?
[思考・状況]
基本行動方針:死にたくない
0.死にたくない
1.吉廣に説明された内容についてきちんとした真実を知る(時間があれば、程度に考えている)。
[備考]
※荒木の能力は「空間を操る(作る)」、もしくは「物体コピー」ではないかと考えました(決定打がないので、あくまで憶測)
※空条承太郎、東方仗助、虹村億泰、山岸由花子、岸辺露伴、トニオ・トラサルディー、ジョセフ・ジョースターの能力と容姿に関する大まかな説明を聞きました
※吉良吉影の能力(爆弾化のみ)を把握しました。しかし、一つしか爆弾化できないことや接触弾、点火弾に関しては聞いていません。
 また、容姿についても髑髏のネクタイ以外には聞いていません
※吉良吉廣のことを鋼田一吉廣だと思い込んでいます。
※荒木がほかになにか支給品をフーゴに与えたかは次の書き手さんにお任せします。また閃光弾が残りいくつか残ってるかもお任せします。
※花京院とその仲間(ジョセフ・ジョースター、J・P・ポルナレフ、イギー、空条承太郎)の風貌、スタンド能力をすべて把握しました。
※アヴドゥルとフェルディナンドの考察から時代を超えて参加者が集められていることも知りました(納得済み)。

   ◆

440 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:14:08 ID:ZEhdNwF8
しえん

441 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:14:30 ID:zyvXXtia
 

442 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 21:15:31 ID:axYJvwIr
「………ハッハッハッ」

笑える。最高に笑えるね。全部踊らされたってわけだ。結局はあのポルナレフってヤツが言った通りだったってわけか。
面白い。本ッ当にサイコーさ。マジウケるぜ。何にって勿論アタシの馬鹿っぷりにさ。
一人で勝手に盛り上がっちゃってさ。何頑張っちゃってんの?マジダサい。
友情?仲間?絆?おいおい、お前ボケかよ。そんなん今でも信じちゃってんの?ましてここは椅子取りゲームだぜ?なに言ってんだよ、頭打ったか?

……………ニセモノだろーが…いや、今になってみればニセモノであってくれたほうがいい。
………ああ、…アタシはまだ結局希望にすがりたがってる。
墜落するってわかってる飛行機を必死に不時着させようと躍起になって頑張っちゃってる。今のアタシはそんな感じさ。

もう何もない。いや、失った。
唯一あった徐倫との関係も崩れちまった…尤もそうやって思ってるのはアタシだけだな。
きっと徐倫なんて名簿でアタシに気づいたかどうかさえ怪しいさ。
…ハハ、笑えてくる。もしかして拡声器でアタシのこと知ったんじゃねーの?だとしたらとんだ茶番だ。笑えねージョークだよ、ほんと………。

「………ハッハッハッ…ハッハッ…………」

花京院がアタシを炙り出してフーゴが狙撃か。即席にしちゃ随分様になってるじゃねーか。いや、もしかしてアタシは二人目なんじゃねーか?
まぁ、意味は変わんねーよ。結局アタシもカモの一人。グェス、なんて名前はいらねぇな?獲物Aとかだったらマジウケる。てか、流石のアタシでもそれは無理。
変わったのはアンタだけじゃねえさ…まじさむいわ。何これ?明らかに調子乗っちゃってるよね?痛いわ、ダサいわ、いいとこないね、アタシ。

「…ハッハッ…ハッ……………………」

ほんと…

「何やってんだろな、アタシ………」

込み上げてくる。何かが襲ってくる。それは急激にアタシの胸に湧き出て止まらない。
いくら蓋をしても溢れて押し寄せて決壊する。でも―――

「………――――――ッ!」

声は出さない。出したら…完全に負けちまう。もう二度と、立ち直れない。起き上がれない。絶望しかなくなっちまう。

「……ゥ――――ッ!」

そんなんでもいいかなって思ったけどやっぱ…悔しいのかな。悲しいのかな。わかんない。
少なくとも唯一わかんのはアタシがやったことがやられた側はこんなに辛かったってことだ。
…なんだ自業自得なんじゃねーか。

「………――――――ッ!――――ッッッ!!!」


耐えるんだ。辛くてもいい。泣いたっていい。でもよォ、最後の最後だけは誰にも明け渡しはしちゃいけねぇ。
これが壊れたら…アタシは壊れちまう。

「………――――――ッ!――――ッッッ!!!」

アタシは独り。最初からそうだったら良かったのに。ずっと独りだったら良かったのに。
それだったらこんなに悲しくないと思うんだよなァ………。



「……―――ッ!……ゥウアァアアァア―――――――――ッッッ!!!」

ポンペイ遺跡にアタシの声がこだまする。やけに他人事のように思えた。



443 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:15:34 ID:DbJVC3GH
しえん

444 : ◆Y0KPA0n3C. :2010/02/11(木) 21:18:02 ID:axYJvwIr
【G-5 ポンペイ遺跡/1日目 午後】
【グェス】
【時間軸】:脱獄に失敗し徐倫にボコられた後
【状態】:精神消耗(大)、疲労(中)、頬がはれてる、両腕にダメージ(中)、???
【装備】:なし
【道具】:なし
【思考・状況】基本行動方針:???
1.???
【備考】
※フーゴが花京院に話した話を一部始終を聞きました。
※ダービーズアイランドを見ましたが、そこに何かがあるとは思ってません。
※グェスが発見した馬はエル・コンドル・パサです。I-5からH-7へ移動してきたところをグェスが乗りました。
 道中誰かに見られたかもしれません。この後グェスが馬をどうするかは、次の書き手さんにお任せします。
【首輪について】
※グェスが持っていた首輪は、ウィル・A・ツェペリ、ンドゥール、広瀬康一、ワムウの物です。
 (現在、ワムウの首環は金属部分の一部が壊れていますが、頭につながる第二の爆弾は配線ごとくっついたままです。
  中身が全て外に出されています、そして、信管と、爆弾の半分が無い状態です。)
※グェスは、首輪が付けていた本人が死亡すれば、何をしても爆発しないという事と、首輪の火力を知りました。
※首輪についている爆薬は、人一人を余裕で爆死させられる量みたいです。
 グェスは「もし、誰かの首輪が爆発したら周りの人間も危険な火力」と判断しました。
 (ただし、首輪から取り出して爆破したからこの火力なのか ワムウの首輪だからこの火力なのかは不明です。)
※謎の機械はおそらく盗聴器、GPSだと思われますが、グェスは気づいていません

[備考]
支給品一式×2(地図・名簿が濡れている)、首輪×4(無傷3個、空1個) 、「基盤、配線、謎の機械」をエニグマの紙に包んだ物、プラスチック爆弾2分の1
小さな鋏、ピンセット、ペンチ、ドライバー二種、不明支給品0〜2個、拡声器 、バール は E-5 繁華街に放置されてます。

     ◇   ◆   ◇

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